Office LTSC 2021やOffice 2021を社内で使っている場合、2026年4月の更新でまず確認すべき点は、インストール済みOfficeのビルドが最新の更新履歴と一致しているかです。Microsoft公式の「Update history for Office LTSC 2021 and Office 2021」では、Office LTSC 2021のボリュームライセンス版は2026年4月14日リリースのVersion 2108、Build 14334.20624が掲載されています。一方、リテール版Office 2021は2026年4月21日リリースのVersion 2604、Build 19929.20090まで更新履歴に載っています。管理者は、単に「Office 2021」と一括りにせず、LTSCのボリュームライセンス版なのか、リテール版なのかを分けて確認する必要があります。(Microsoft Learn)
Officeの最新動向: Update history for Office LTSC 2021 and Office 2021 – Office release notesで何が変わったか
2026年4月更新のポイントは、Office LTSC 2021とOffice 2021で、確認すべきビルド番号と運用上の意味が異なることです。
Microsoft公式ページでは、Office LTSC 2021のボリュームライセンス版について、2026年4月14日にVersion 2108、Build 14334.20624が掲載されています。2026年の履歴を見ると、1月、2月、3月、4月と月例更新に合わせてビルドが進んでおり、企業のIT管理者にとっては「今月のセキュリティ・品質更新が適用済みか」を判断する基準になります。(Microsoft Learn)
一方、リテール版Office 2021では、2026年4月21日にVersion 2604、Build 19929.20090が掲載されています。さらに4月14日、4月9日にもVersion 2603のビルドが並んでいるため、リテール版はLTSC版より更新頻度が高く見える構成です。社内にプリインストール版や個別購入版のOffice 2021が混在している場合、LTSC版と同じビルド番号を期待すると確認を誤ります。(Microsoft Learn)
2026年4月時点の主なビルド番号
Officeの更新確認では、「最新版かどうか」を感覚で判断せず、公式のリリース日とビルド番号で照合することが重要です。
| 対象 | 2026年4月時点で注目すべきリリース | バージョン / ビルド | 管理上の見方 |
|---|---|---|---|
| Office LTSC 2021 ボリュームライセンス版 | 2026年4月14日 | Version 2108 / Build 14334.20624 | 企業向けLTSC環境の月例更新確認に使う |
| Office 2021 リテール版 | 2026年4月21日 | Version 2604 / Build 19929.20090 | 個人購入版、プリインストール版などの確認に使う |
| Office 2021 リテール版 | 2026年4月14日 | Version 2603 / Build 19822.20182 | 4月中旬時点の更新適用状況を見る目安 |
| Office 2021 リテール版 | 2026年4月9日 | Version 2603 / Build 19822.20168 | 4月前半に更新した端末の確認に使う |
この表で特に注意したいのは、Office LTSC 2021はVersion 2108のままビルド番号が進む点です。Version 2108と表示されているから古い、とは限りません。LTSC版では、Version 2108の中でBuild 14334.xxxxxが更新されているかを見る必要があります。
Office LTSC 2021とOffice 2021は更新履歴の読み方が違う
Office LTSC 2021とOffice 2021は、どちらも「2021」という名称が付いていますが、更新履歴の読み方は同じではありません。
Office LTSC 2021は、主にボリュームライセンス契約で導入される企業向けの固定ライフサイクル製品です。Microsoft公式ページでも、Office LTSC Professional Plus 2021などのボリュームライセンス版に適用される情報として、別枠で更新履歴が掲載されています。(Microsoft Learn)
Office 2021のリテール版は、Office Home & Business 2021やOffice Professional 2021などが対象です。こちらはOffice LTSC 2021とは別の更新履歴として扱われ、2026年4月時点ではVersion 2604のような新しいバージョン番号が並んでいます。(Microsoft Learn)
実務では、次のように切り分けると確認ミスを減らせます。
| 確認したいこと | 見るべき箇所 | よくある間違い |
|---|---|---|
| 企業のボリュームライセンス版が最新か | Volume licensed versions of Office LTSC 2021 | リテール版Office 2021のビルドと比較してしまう |
| 個別購入・PC同梱のOffice 2021が最新か | Retail versions of Office 2021 | LTSC版のVersion 2108と比較してしまう |
| セキュリティ更新の対象製品を確認したい | Office security updatesのリリースノート | 更新履歴だけを見てCVEの影響範囲を見落とす |
| 端末のバージョンを確認したい | WordやExcelの「ファイル」→「アカウント」 | 製品名だけを見てビルド番号を確認しない |
管理者が最初に確認すべきこと
Microsoft 365 adminsや職場のITチームが最初に行うべきことは、社内端末のOfficeを製品種別ごとに分けることです。Office LTSC 2021、Office 2021リテール版、Microsoft 365 Appsが混在している環境では、同じ手順で一律に判断すると更新漏れが起きやすくなります。
具体的には、次の順序で確認します。
| 手順 | 作業内容 | 判断基準 |
| -: | —————— | ———————————- |
| 1 | WordまたはExcelを開く | どのOfficeアプリでもよい |
| 2 | 「ファイル」→「アカウント」を開く | 製品情報を確認する |
| 3 | 製品名を確認する | Office LTSC 2021か、Office 2021かを分ける |
| 4 | バージョン番号とビルド番号を記録する | 公式更新履歴の該当表と照合する |
| 5 | 最新でない端末を抽出する | 更新配布、再起動、ポリシー設定を確認する |
Microsoft公式の案内でも、Officeのバージョン確認はWordやExcelなどのOfficeアプリから「File > Account」を開き、About欄のバージョン番号を見る手順が示されています。更新する場合は「Update Options > Update Now」を使う流れです。(Microsoft Learn)
2026年4月更新で見落としやすいポイント
2026年4月のOffice更新では、次の3点を見落としやすいです。
LTSC版は「Version 2108」のままでも更新されている
Office LTSC 2021の更新履歴では、2026年1月から4月までVersion 2108のまま、Build 14334.20468、14334.20522、14334.20570、14334.20624と進んでいます。つまり、Versionだけを見て「変わっていない」と判断するのは危険です。(Microsoft Learn)
確認時は、必ずBuild番号まで見ます。管理台帳や資産管理ツールでも、VersionだけでなくBuildを収集する設定にしておくと、更新漏れを検出しやすくなります。
リテール版Office 2021は4月に複数回更新されている
Office 2021リテール版では、2026年4月に4月9日、4月14日、4月21日の更新が掲載されています。ユーザーが「4月に更新した」と言っていても、どの時点のビルドまで適用されたかは別問題です。(Microsoft Learn)
特に、問い合わせ対応では「更新しましたか」ではなく、「ファイル→アカウントに表示されるVersionとBuildを教えてください」と聞く方が確実です。
更新履歴とセキュリティリリースノートは役割が違う
「Update history」は、主にリリース日とバージョン番号を確認するためのページです。脆弱性の詳細やCVE単位の影響を確認する場合は、Office security updatesのリリースノートも併せて見る必要があります。
2026年4月14日のOffice security updatesでは、Office 2021 RetailがVersion 2603 Build 19822.20182、Office LTSC 2021 Volume LicensedがVersion 2108 Build 14334.20624として掲載され、Word、Excel、PowerPoint、Office suiteに関連するCVEが列挙されています。(Microsoft Learn)
ビジネスユーザーが自分で確認する方法
管理者でなくても、自分のPCが最新かどうかは確認できます。難しい操作は不要です。
- WordまたはExcelを開く
- 「ファイル」をクリックする
- 「アカウント」を開く
- 「製品情報」に表示されるバージョンとビルド番号を見る
- 社内のIT部門が案内している基準値と照合する
「更新オプション」が表示される環境では、「今すぐ更新」を実行できます。ただし、会社PCでは管理ポリシーで更新が制御されていることがあります。その場合、個人判断で設定を変更せず、IT部門の案内に従うべきです。
特に避けたいのは、インターネット上の非公式なインストーラーや更新プログラムを探して実行することです。Officeの更新は、Microsoft公式の仕組み、社内配布ツール、または管理者が指定した方法で行うのが基本です。
ITチーム向けの実務チェックリスト
2026年4月更新を受けて、職場のITチームは次の項目を確認しておくと安全です。
| チェック項目 | 確認内容 | 対応の目安 |
|---|---|---|
| 製品種別の棚卸し | LTSC 2021、Office 2021リテール、Microsoft 365 Appsの混在状況 | 更新基準を製品ごとに分ける |
| ビルド番号の収集 | 端末ごとのVersionとBuild | 最新ビルド未満の端末を抽出する |
| 更新配布の成功率 | 更新後に再起動待ちや失敗端末がないか | 資産管理ツールやIntuneなどで確認する |
| セキュリティ影響 | 4月のCVE対象アプリが社内利用に該当するか | Word、Excel、PowerPoint利用部門を優先確認する |
| サポート終了対応 | Office LTSC 2021の移行計画があるか | 2026年10月までに移行方針を固める |
Office LTSC 2021は、2026年10月13日にサポート終了予定です。Microsoftはサポート終了後、テクニカルサポート、バグ修正、セキュリティ更新プログラムを提供しないと案内しています。2026年4月の更新確認は、単なる月例パッチ対応だけでなく、移行計画を具体化するタイミングでもあります。(Microsoft Learn)
移行計画で考えるべき選択肢
Office LTSC 2021を使い続けている組織は、2026年4月の時点で「更新を適用する」だけでは不十分です。サポート終了までの期間を考えると、次の選択肢を比較する必要があります。
| 選択肢 | 向いているケース | 注意点 |
|---|---|---|
| Microsoft 365 Appsへ移行 | 常に最新機能とセキュリティ更新を受けたい組織 | 更新チャネル、ネットワーク、アドイン互換性の検証が必要 |
| Office LTSC 2024へ移行 | クラウド常時接続や頻繁な機能更新を避けたい組織 | 新機能の継続追加を期待する製品ではない |
| Office LTSC 2021を期限まで維持 | 短期的なシステム更改前のつなぎ | 2026年10月13日以降の利用リスクを避ける計画が必要 |
現実的には、基幹システムのExcelマクロ、Accessアプリ、業務アドイン、帳票テンプレートが残っている企業ほど、移行に時間がかかります。2026年4月の段階でやるべきことは、全端末を最新ビルドに保つことに加えて、互換性検証の対象ファイルと部門を洗い出すことです。
更新確認で失敗しやすいケース
Office更新の現場では、次のような失敗がよく起きます。
| 失敗例 | 原因 | 防止策 |
|---|---|---|
| 「Office 2021は最新」と判断したがLTSC版ではなかった | 製品名とライセンス形態を確認していない | 製品情報の表示名とビルドをセットで記録する |
| Versionだけを見て更新済みと判断した | LTSC版ではVersion 2108が継続する | Build番号まで照合する |
| 一部端末だけ古いまま残る | 長期間起動していない、VPN外、再起動待ち | 未更新端末リストを作り個別対応する |
| セキュリティ影響を過小評価する | 更新履歴だけを見てCVE情報を確認していない | Office security updatesも確認する |
| サポート終了対応が後回しになる | 月例更新と移行計画を分けて管理していない | 2026年10月13日から逆算した移行スケジュールを作る |
特にグローバル拠点がある企業では、タイムゾーンや拠点ごとの配布タイミングにより、同じ日付でも更新状況に差が出ます。日本本社だけで判断せず、地域別・部門別に更新率を確認する運用が有効です。
2026年4月更新後に取るべき行動
2026年4月のOffice更新を確認したら、次の順で対応するのが実務的です。
まず、Office LTSC 2021の管理端末では、Build 14334.20624を基準に更新状況を確認します。Office 2021リテール版では、Build 19929.20090が適用対象かどうかを確認します。次に、未更新端末を抽出し、更新失敗、再起動待ち、長期未接続端末を切り分けます。
そのうえで、Office LTSC 2021を使っている組織は、2026年10月13日のサポート終了に向けて移行計画を具体化します。2026年4月の更新履歴は、単なるビルド番号の一覧ではありません。現在のOffice環境を把握し、更新運用と移行計画を同時に進めるための判断材料です。
Office管理者は、今月の作業として「最新ビルドの確認」「未更新端末の是正」「セキュリティ更新内容の確認」「サポート終了に向けた移行計画の更新」の4点を実施すると、次回以降の月例更新にも対応しやすくなります。

コメント