最近、Microsoft Edgeの更新後にPDFを閲覧する際にフォントがおかしくなるという問題が報告されています。例えば、MS明朝のようなフォントが毛筆で書いたようなフォントに変わってしまう現象が発生しています。これは、すべてのPDFにおいて起こるわけではありませんが、問題が発生すると非常に困ります。
フォントがおかしくなる問題の原因
新しいMicrosoft Edgeは、Google ChromeをベースにしたChromiumというものを使用しており、PDFを開く際にはGoogle Chrome PDFのアプリケーションを内部的に使用しています。これが原因で、フォントが正常に表示されない場合があります。
PDFファイルでは、指定されているフォントがない場合、代替のフォントが使用されます。しかし、Microsoft EdgeではPDFのフォントに関して設定する方法がないため、この問題を解決するためには以下の対処法が考えられます。
フォントがおかしくなる問題の3つの対処方法
方法1:Edgeで試験中のAdobe Acrobat Reader エンジンを有効化する方法
方法2:別のソフトウェアを使ってPDFを開く
デフォルトの設定では、EdgeでPDFが開かれるようになっていますが、設定変更により、Acrobat Reader等の別のソフトウェアで閲覧することができます。そうすることで、フォントが正常に表示されない問題が発生しません。以下の記事をご参考に設定をしてみてください
以下の方法は少し高度ですが、PDFリンクを押したら自動的にAcrobatReaderが立ち上がって閲覧ができるので一手間省けます。
方法3:PDFを開くための拡張機能を追加する
EdgeにPDF閲覧の拡張機能を追加することで、フォントが正常に表示されない問題が解消されます。以下の記事を参考に設定をしてみてください
ブラウザ間でのPDFフォント表示の違い
ウェブブラウザによっては、PDFファイルのフォント表示に違いがあることがあります。主要なブラウザであるGoogle Chrome、Microsoft Edge、Mozilla Firefox、Safariにおいて、それぞれどのようにPDFフォントを処理しているかについて説明します。
Google Chrome
Google Chromeは、Chromiumベースのブラウザであり、内蔵のPDFビューア(PDF.js)を使用してPDFファイルを表示します。フォントの表示に関しては、PDFファイルに埋め込まれているフォントを利用しますが、埋め込まれていない場合はシステムにインストールされているフォントや、類似のフォントを代替として使用します。そのため、フォント表示が他のブラウザと若干異なることがあります。
Microsoft Edge
Microsoft EdgeもChromiumベースのブラウザであり、Google Chromeと同様に内蔵のPDFビューアを利用してPDFファイルを表示します。しかし、フォント表示に関しては、Google Chromeとは異なる動作をすることがあります。フォントが正常に表示されない問題が発生することがあり、これはChromiumベースのブラウザのPDFビューアとフォント処理の相性によるものと考えられます。
Mozilla Firefox
Mozilla Firefoxは、独自のPDFビューア(PDF.js)を使用してPDFファイルを表示します。このビューアは、フォントの表示に関してはPDFファイルに埋め込まれているフォントを利用し、埋め込まれていない場合は代替フォントを使用します。Firefoxは、他のブラウザと比較してPDFフォントの表示に関して安定性が高いとされています。
Safari
Safariは、Appleが開発したブラウザであり、内蔵のPDFビューアを使用してPDFファイルを表示します。Safariは、PDFファイルに埋め込まれているフォントを利用し、埋め込まれていない場合はMacOSにインストールされているフォントを代替として使用します。MacOSのフォントレンダリング技術により、高い品質でフォントが表示されることが特徴です。
以上のように、ブラウザ間でPDFフォント表示の違いがあります。これは、各ブラウザが使用しているPDFビューアやフォント処理方法の違いによるものです。
各ブラウザのPDFフォント表示に関する比較表
以下に、各ブラウザのPDFフォント表示に関する比較表を作成しました。
ブラウザ | ベース | PDFビューア | 埋め込みフォントなし時の対処 | フォント表示の安定性 |
---|---|---|---|---|
Google Chrome | Chromium | PDF.js | システムフォントや類似フォントを代替使用 | 中 |
Microsoft Edge | Chromium | PDF.js | システムフォントや類似フォントを代替使用 | 低 |
Mozilla Firefox | 独自 | PDF.js | 代替フォントを使用 | 高 |
Safari | 独自 | 内蔵PDFビューア | MacOSにインストールされているフォントを代替使用 | 高 |
この表により、それぞれのブラウザがどのようなベースを持ち、どのようなPDFビューアを使用し、埋め込みフォントがない場合の対処法やフォント表示の安定性が一目でわかります。ブラウザ選択時に参考にしていただければと思います。
Windows 11におけるPDFリーダーのおすすめ
Windows 11では、標準のPDFリーダーとしてMicrosoft Edgeが提供されていますが、他にも多くの優れたPDFリーダーが存在します。ここでは、Windows 11環境で利用できるPDFリーダーのおすすめをいくつか紹介します。
- PDFelement Pro: PDFelement Proは、ワンダーシェアが開発した高機能なPDF編集ソフトウェアです。Windows 11でも快適に利用でき、PDFの閲覧だけでなく、編集、注釈追加、フォーム作成、ファイル変換、OCR機能など多岐にわたる機能が提供されています。また、PDFelement Proは、ビジネス向けのセキュリティ機能やバッチ処理機能も備えており、プロフェッショナルな作業にも対応できます。
- Adobe Acrobat Reader DC: Adobe Acrobat Readerは、PDFフォーマットの生みの親であるAdobe社が開発した無料のPDFリーダーです。多機能で安定性が高く、フォント表示にも優れています。また、注釈や署名の追加などの基本的な編集機能も利用できます。
- Foxit Reader: Foxit Readerは、軽量で高速な動作が特徴のPDFリーダーです。Windows 11でも快適に動作し、注釈やフォームの入力などの機能も提供されています。また、Microsoft Officeとの連携機能もあります。
- Sumatra PDF: Sumatra PDFは、非常にシンプルで軽量なPDFリーダーです。余計な機能が省かれているため、起動や閲覧が非常に高速です。Windows 11でも問題なく動作し、PDFだけでなくePubやMobiなどの電子書籍フォーマットにも対応しています。
- Nitro PDF Reader: Nitro PDF Readerは、PDF閲覧だけでなく、編集や作成もできる高機能なリーダーです。Windows 11環境でも動作が軽快で、注釈やフォームの入力、ファイルの変換など多くの機能が利用できます。
- PDF-XChange Editor: PDF-XChange Editorは、閲覧、編集、注釈追加などの機能を備えたPDFリーダーです。Windows 11でも快適に利用でき、OCR機能を使ってスキャンされた文書を編集可能なテキストに変換することもできます。
これらのPDFリーダーは、Windows 11環境での利用に適したもので、それぞれ特徴と利点があります。自分のニーズに合ったPDFリーダーを選択して、快適なPDF閲覧を楽しんでください。
EdgeでPDFフォントが埋め込まれていない場合の対処法
Microsoft Edgeでフォントが埋め込まれていないPDFファイルを開いた際に、フォント表示がおかしくなることがあります。この問題に対処するための方法を以下に示します。
- 別のPDFビューアを使用する: Microsoft Edge以外のPDFビューア(例:Adobe Acrobat Reader)を使用することで、フォントが正しく表示される可能性があります。Edgeの設定を変更して、PDFファイルを別のビューアで開くように設定することができます。具体的な手順は以下の通りです。
- Microsoft Edgeを開き、「設定」(右上の3点リーダーメニューからアクセスできます)に移動します。
- 「ダウンロード」をクリックし、「常にPDFファイルをダウンロードする」オプションをオンにします。
- これにより、PDFファイルを開く際に自動的にダウンロードが開始され、ダウンロードフォルダに保存されます。
- 保存されたPDFファイルをダブルクリックして、デフォルトのPDFビューア(例:Adobe Acrobat Reader)で開きます。
- EdgeにPDF閲覧用の拡張機能を追加する: Microsoft Edgeには、拡張機能を追加することができます。これにより、PDFファイルのフォント表示が改善されることがあります。Adobe Acrobatの拡張機能をEdgeに追加して、PDFファイルを閲覧する方法を以下に示します。
- Microsoft Edgeを開き、右上の3点リーダーメニューをクリックし、「拡張機能」を選択します。
- 拡張機能ページが表示されたら、右上の検索ボックスに「Adobe Acrobat」を入力し、検索します。
- 「Adobe Acrobat」拡張機能が表示されたら、「入手」ボタンをクリックしてインストールします。
- インストールが完了したら、拡張機能が有効になっていることを確認し、PDFファイルをEdgeで開きます。
- これで、Adobe Acrobatの拡張機能を使用してPDFファイルを閲覧できます。
上記の方法を試しても、フォント表示の問題が解決しない場合は、PDFファイルの作成者に問い合わせて、フォントを埋め込んだPDFファイルを入手することを検討することができます。また、以下の追加の対処法も検討できます。
- PDFファイルの再作成: もしPDFファイルの作成者である場合や、元のファイル(例:WordやPowerPoint)にアクセスできる場合は、PDFファイルを再作成してフォントを埋め込むことを検討してください。埋め込みフォントが含まれているPDFファイルは、ほとんどのビューアで正確なフォント表示が可能です。
- システムに不足しているフォントをインストールする: フォントが埋め込まれていないPDFファイルを開く際、システムにインストールされているフォントが使用されます。もし、PDFファイルで使用されているフォントがシステムに存在しない場合、類似のフォントが代わりに表示されることがあります。この問題を解決するために、不足しているフォントをインストールすることができます。ただし、フォントのライセンスに注意してください。一部のフォントは商用利用に制限がありますので、適切な使用許可を取得してください。
これらの対処法を試して、Microsoft Edgeでフォントが埋め込まれていないPDFファイルを開く際のフォント表示の問題を解決できることがあります。ただし、問題が根本的に解決しない場合は、他のブラウザやPDFビューアを検討することも一つの選択肢です。
まとめ
まとめとして、Microsoft EdgeでPDFファイルのフォントがおかしくなる問題は、ChromiumベースのEdgeが内部的にGoogle Chrome PDFのアプリケーションを使用していることが原因です。この問題に対処するためには、別のソフトウェア(例:Acrobat Reader)でPDFを開く方法や、EdgeにPDF閲覧の拡張機能を追加する方法が考えられます。これらの方法を試すことで、フォントが正常に表示されるようになるでしょう。
コメント
コメント一覧 (1件)
ChromeとEdgeのPDFビューアはpdf.jsではありません。PDFiumという、FoxitのエンジンをGoogleが買収してオープンソース化したものです。