OneDriveで「プロジェクトは同期したいけれど、node_modulesだけはパソコン内に残したい」という場合は、管理者向けの同期除外フォルダー機能を利用できます。Windowsではグループポリシー、Macでは管理設定によって、指定した名前のフォルダーを新規アップロードの対象から外せます。(Microsoft Learn)
ただし、これは既存の同期データを一括で「端末内だけ」に切り替える機能ではありません。また、OneDriveの[フォルダーの選択]でチェックを外す操作とも目的が異なります。設定方法と、データを失わないための注意点を分けて確認しましょう。(Microsoft Learn)
OneDriveの同期除外フォルダーでできること
同期除外フォルダーは、管理者が指定したフォルダー名に対して、OneDrive同期アプリからのアップロードを抑止する機能です。Microsoftは、PowerShellのモジュール、Visual Studio関連の設定、node_modulesなど、端末ごとに保持したい開発関連フォルダーを利用例として挙げています。
2026年9月3日時点では、Microsoft 365ロードマップの項目「567470」はRolling out(展開中)です。提供開始月は2026年8月、対象プラットフォームはWindowsとMacとして掲載されています。展開中という表示は、対象となるすべての環境で利用可能になったことを意味しません。
管理者がルールを設定すると、名前が一致する新しいフォルダーと、既存の一致するフォルダー内に新しく作成されたファイルがアップロードされなくなります。対象はOneDriveだけでなく、OneDrive同期アプリで同期するSharePointのコンテンツにも及びます。ルールを設定しなければ、node_modulesが自動的に除外されるわけではありません。(Microsoft Learn)
「フォルダーの選択」と同期除外は目的が違う
最も間違えやすいのが、OneDriveの[設定]→[アカウント]→[フォルダーの選択]です。
ここでチェックを外すと、対象フォルダーはコンピューターから削除され、クラウド上には残ります。「端末に残してクラウドへ送らない」という今回の目的とは逆です。(マイクロソフトサポート)
また、[このデバイス上で常に保持する]は、同期対象のファイルをオフラインでも使えるようにする設定です。[空き領域を増やす]は、クラウドに保存したまま端末の使用容量を減らす操作であり、どちらもアップロード除外ではありません。(マイクロソフトサポート)
| 設定・操作 | 端末側の扱い | クラウド側の扱い | 向いている目的 |
|---|---|---|---|
| 管理者によるフォルダー除外 | 対象の新規コンテンツを端末に保持 | 新規アップロードを抑止。既存データは別扱い | 開発用フォルダーなどをローカルに保持する |
| [フォルダーの選択]でチェックを外す | 対象フォルダーを端末から取り除く | フォルダーと内容は残る | この端末では使わないフォルダーを非表示にする |
| [このデバイス上で常に保持する] | ファイルを常時利用できるよう保持 | 同期対象のまま | オフラインでも作業する |
| [空き領域を増やす] | オンラインのみの状態にする | データは残る | 端末のディスク容量を節約する |
判断の基準は、「パソコンの容量を空けたい」のか、「クラウドにアップロードしたくない」のかです。先に目的を決めると、設定を取り違えにくくなります。
Windowsで特定フォルダーを同期から除外する方法
OneDrive同期アプリと管理テンプレートを準備する
まず、対象端末のOneDrive同期アプリと、管理に使用するADMX・ADMLファイルを確認します。これらは、グループポリシーにOneDriveの設定項目を追加するための管理テンプレートです。
Microsoftのリリースノートでは、バージョン26.134.0713.0007の項目に、フォルダー除外の段階的な展開が記載されています。ただし、この番号を満たすだけで有効化を保証するものではありません。組織の更新方針に従って更新し、実際の動作まで確認してください。(Microsoft Learn)
管理テンプレートの保存先は、ユーザー単位のインストールでは次の場所です。<バージョン番号>は、インストールされているOneDriveの番号に置き換えます。
%localappdata%\Microsoft\OneDrive\<バージョン番号>\adm\
コンピューター単位でインストールしている場合は、%ProgramFiles%または%ProgramFiles(x86)%配下のMicrosoft OneDriveフォルダーを確認します。ADMXファイルと対応する言語のADMLファイルを、ドメインのセントラルストア、またはローカルの管理テンプレート保存先に配置します。(Microsoft Learn)
グループポリシーに除外フォルダー名を登録する
最初は全社配布せず、検証用の端末を対象に設定すると、意図しない除外を見つけやすくなります。
- グループポリシー管理エディターで、[コンピューターの構成]→[ポリシー]→[管理用テンプレート]→[OneDrive]を開きます。
- フォルダー除外のポリシーを開き、[有効]にします。英語名は
Exclude specific kinds of folders from being uploadedです。 - 除外一覧に、対象のフォルダー名を登録します。今回の例では
node_modulesを指定します。 - 対象端末へポリシーを適用し、OneDrive同期アプリを終了してから起動し直します。設定の有効化・変更後には、同期アプリの再起動が必要です。(Microsoft Learn)
設定項目が見つからない場合は、利用しているOneDrive用管理テンプレートが古くないかを確認してください。同期アプリを更新しても、管理側で以前のテンプレートを使い続けていないかを確認することが重要です。
指定するのはフルパスではなくフォルダー名
この機能は、完全なフォルダー名で照合します。大文字・小文字は区別せず、ワイルドカードは使用できません。(Microsoft Learn)
node_modulesを除外する場合、入力するのは次の名前だけです。
node_modules
C:\Projects\App\node_modulesのようなフルパスや、*node_modules*のようなパターンを指定する設定ではありません。.gitignoreで使う書き方を、そのまま貼り付けないようにしてください。
フォルダー名による照合なので、特定プロジェクトの一か所だけを指定するつもりで、汎用的な名前を登録するのも避けたいところです。例えばdataやbackupを登録する前には、適用先端末にある同名フォルダーの用途を確認しましょう。
設定が配布されたことを確認する
Windowsでは、フォルダー除外の設定は次のレジストリキー配下に文字列の一覧として保存されます。管理者は、設定の配布状況を確認する手掛かりにできます。(Microsoft Learn)
HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\OneDrive\EnableODIgnoreFolderListFromGPO
キーが存在するだけで確認を終えず、後述する新規ファイルのテストまで実施してください。「設定値が届いたこと」と「意図したファイルがアップロードされないこと」は、分けて確認するのが確実です。
Macで同期除外フォルダーを設定する方法
Macでは、管理設定のEnableODIgnoreFoldersを使用します。値はフォルダー名の配列です。例えば、管理する.plistの辞書内に追加する設定部分は次のようになります。(Microsoft Learn)
<key>EnableODIgnoreFolders</key>
<array>
<string>node_modules</string>
</array>
このコードは設定の一部分であり、配布用プロファイル全体ではありません。既存の設定ファイルを、この部分だけで置き換えないでください。
設定先のドメインは、スタンドアロン版ではcom.microsoft.OneDrive、Mac App Store版ではcom.microsoft.OneDrive-macです。利用しているアプリの種類に合わせて配布し、設定キャッシュを更新したうえでOneDriveを起動します。Windowsと同様、設定を変更した後は同期アプリの再起動が必要です。(Microsoft Learn)
WindowsとMacを併用する組織では、除外する名前を共通化しつつ、配布する設定はOSごとに管理すると確認しやすくなります。
設定後は新規フォルダーで同期除外をテストする
動作確認では、既存プロジェクトをいきなり使わず、新しい検証用フォルダーとファイルを用意します。既に同期しているファイルを除外フォルダーへ移動する方法は、Microsoftのサポート対象外です。(Microsoft Learn)
node_modulesを除外した場合は、OneDriveの同期対象内にSyncExclusionTestという新しいフォルダーを作り、その中に次のファイルを新規作成します。
| 検証用ファイル | 期待する結果 |
|---|---|
SyncExclusionTest\sync-check.txt | 通常どおりWeb版OneDriveに表示される |
SyncExclusionTest\node_modules\local-only.txt | 端末では開けるが、Web版OneDriveにはアップロードされない |
これは、通常の同期と除外の両方を確認するためのテスト例です。親のSyncExclusionTest自体は同期対象にしておきます。
Web版OneDriveでは、同期アプリと同じアカウントを開いて確認してください。通常ファイルまで表示されない場合は、除外成功と判断せず、同期の一時停止、接続状態、サインイン先などを先に切り分けます。
検証結果には、端末名、OS、OneDriveのバージョン、除外名、確認日時を残しておくと、配布範囲を広げる際の比較に役立ちます。
既に同期したフォルダーを扱うときの注意点
除外ルールを追加してもクラウド上のデータは消えない
フォルダー除外は、アップロード済みのフォルダーや既存コンテンツを遡って削除しません。すでに同期された内容は、この設定によって一括でローカル専用になるわけではありません。(Microsoft Learn)
例えば、クラウドに大量のnode_modulesが保存されている状態でルールを追加しても、それだけでクラウド使用量が減るとは考えないでください。新規アップロードの抑止と、既存データの整理は別の作業です。
クラウド側を整理する前には、必要なデータを同期対象外の場所へコピーし、実際に開けることを確認します。共有しているフォルダーの削除は、他の利用者にも影響するため、所有者や関係者との確認も必要です。(マイクロソフトサポート)
除外を解除するとアップロードが始まる可能性がある
除外ルールを削除すると、それまで端末内に保持していた内容がアップロードされる場合があります。解除前に、対象フォルダーの内容と容量を確認してください。(Microsoft Learn)
特に、除外している間に一時データや機密情報が追加されていないかを確認しておくと、設定変更による意図しないアップロードを防ぎやすくなります。
同期除外を情報漏えい対策そのものと考えない
今回の機能は、OneDrive同期アプリのアップロードを制御する設定です。この設定だけを根拠に、ブラウザーなど別経路からの持ち出しも防止できると判断してはいけません。
機密情報の保護が目的なら、同期除外とは別に、DLPや秘密度ラベルなどの適切な制御を検討します。Microsoftも、ファイル同期のポリシーと情報保護の機能を別の管理項目として整理しています。(Microsoft Learn)
node_modulesの除外は「再作成できるか」で判断する
除外対象を決めるときは、ファイル数や容量だけでなく、そのフォルダーを失っても再作成できるか、別のバックアップがあるかを基準にしましょう。
npmを使うプロジェクトでは、package.jsonと整合するpackage-lock.jsonなどを用意し、npm ciで依存関係を再インストールする運用ができます。ただし、npm ciは既存のnode_modulesを削除してからインストールします。内部のファイルを直接修正している場合は、その変更を失わないよう注意が必要です。(npm公式ドキュメント)
実務では、ソースコードや再構築に必要な設定を保管し、依存パッケージの取得先・認証・再インストール手順も確認してから除外するのが安全です。
PowerShell関連のフォルダーや開発ツールの設定も、名前だけで一括除外せず、中身を確認してください。再取得できるモジュールと、自分で作成したスクリプトや共有すべき設定は、同じ扱いにしないことが重要です。
なお、.gitignoreはGitが追跡しないファイルを指定する仕組みです。Gitで無視する設定とOneDriveの同期除外は別なので、.gitignoreにnode_modulesを書いただけで今回のポリシーを設定したことにはなりません。(Git)
設定項目がない・機能を利用できない場合の対応
管理者は展開状況と設定方式を確認する
設定できない場合は、OneDriveの展開状況、同期アプリの更新、管理テンプレートの更新を確認します。ロードマップ上で展開中でも、対象端末への機能提供や設定配布が完了しているとは限りません。
また、確認時点のWindows向け公式文書では、フォルダー除外ポリシーの適用対象は「グループ ポリシー」と記載されています。Intuneの標準設定カタログに必ず同じ項目があることを前提にせず、配布方法と対応状況を確認してください。従来の「ファイル除外」は別のポリシーなので、フォルダー除外の代わりに設定しないようにします。(Microsoft Learn)
利用者が管理者へ依頼するときは、「OneDriveが遅い」だけでなく、除外したいフォルダー名、対象プロジェクト、再作成方法、既にクラウドへ保存されているかを伝えると、判断が進めやすくなります。
個人利用や未対応環境では同期対象外の場所に保存する
管理者向けの設定を利用できない場合に、端末だけで保持したいデータを扱う基本的な方法は、OneDriveフォルダーの外に保存することです。Microsoftも、コンピューターに保持しながらOneDriveには保存しない方法として、同期フォルダー外への移動を案内しています。(マイクロソフトサポート)
新しい開発プロジェクトなら、例えば%USERPROFILE%\Devなどの作業用フォルダーを候補にできます。ただし、実際にOneDriveの同期対象外であることと、組織で認められた保存先であることを確認してください。
既存プロジェクトを変更する場合は、まず新しい保存先へコピーして動作を確認し、エディターや開発ツールの作業先を切り替えます。元の同期フォルダーを整理するのは、その後です。「移動」や「削除」を先に行わず、必要なデータを確保してから進めましょう。
まずは一つのフォルダー名と検証用端末から始める
OneDriveの同期除外フォルダーは、端末固有のデータを残しながら、新規アップロードを抑えるための管理機能です。[フォルダーの選択]やファイルオンデマンドとは、役割を分けて使います。(Microsoft Learn)
導入時は、除外するフォルダーの用途と復元方法を確認し、検証用端末で一つの名前から設定してください。「対象だけがアップロードされない」「通常のファイルは同期する」「既存データを失っていない」ことを確認してから、適用範囲を広げましょう。

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