WindowsでPrint Spoolerが何度も停止する場合、先に疑うべきなのは 詰まった印刷ジョブや破損したスプールファイル と 不整合なプリンタードライバー です。次に多いのが、社内PCの GPOやMDMによる制御、セキュリティソフトの干渉、古いプリンターソフトが残した メーカー製コンポーネント です。Print Spooler は印刷ジョブを処理する Windows の中核サービスなので、ここが落ちると印刷だけでなく、プリンター追加や共有プリンター接続も不安定になります。 (Microsoft Learn)
この記事では、WindowsでPrint Spoolerが何度も停止する原因を、症状の出方ごとに切り分けながら、最短で復旧する手順と再発防止の考え方まで整理します。無駄に再起動を繰り返すより、どの条件で止まるか を最初に見たほうが早く直せます。 (Microsoft Learn)
Print Spoolerが何度も停止するときに最初に見るポイント
- メモ帳からの印刷でも落ちる なら、特定アプリではなく、印刷キュー・ドライバー・Windows側の問題を疑うのが近道です。Microsoft も、まずテキストエディターから印刷して再現するかを見て、別のキューや別ドライバーで絞り込む手順を案内しています。 (Microsoft Learn)
- 特定のプリンターだけで落ちる なら、古いドライバーや相性の悪いドライバーが本命です。更新、再インストール、必要ならロールバックまで視野に入ります。 (Microsoft Learn)
- 社内の共有プリンターだけで不安定 なら、個人PCの不具合より、Print Spooler 関連ポリシーや Point and Print の権限制御を確認すべきです。企業環境では、セキュリティ対策として Spooler を止めたり、接続を制限したりしていることがあります。 (Microsoft Learn)
- セキュリティ製品の導入・更新後から発生 しているなら、スプールフォルダーや
.SHD/.SPL/.TMPへの監視が原因候補です。Microsoft は、ウイルス対策ソフトが “Access denied” やジョブ詰まりの原因になると案内しています。 (Microsoft Learn)
まずは最短で復旧する
印刷キューを空にする
- 設定の プリンターとスキャナー から対象プリンターを開き、印刷キュー を表示します。
- 残っているジョブをすべて キャンセル します。
services.mscを開き、Print Spooler を右クリックして 再起動 します。ジョブ詰まりが原因なら、ここだけで復旧することがあります。 (マイクロソフトサポート)
スプールフォルダーを初期化する
ジョブを消しても直らないなら、スプールファイル自体が壊れている可能性があります。Microsoft は、Print Spooler を停止したうえで %WINDIR%\System32\spool\PRINTERS 内のファイルを削除し、サービスを再開する手順を案内しています。スタートアップの種類は Automatic に戻しておくと安全です。フォルダーそのものではなく、中のファイルだけ を消します。 (マイクロソフトサポート)
管理者権限のコマンドプロンプトでまとめて行うなら、考え方は同じです。停止 → スプールファイル削除 → 開始 の順で実行します。 (Microsoft Learn)
net stop spooler
del /q /f %systemroot%\System32\spool\PRINTERS\*.*
net start spooler
PCとプリンターを再起動する
スプール初期化のあとも不安定なら、PC再起動 と プリンターの電源入れ直し まで行います。Microsoft の案内では、プリンターをいったんオフにして少し待ってから再投入し、PCも再起動する流れです。簡単ですが、ドライバーや接続状態の一時不整合には効きます。 (マイクロソフトサポート)
原因別に対処する
特定のプリンターだけで停止するなら、ドライバーを疑う
Print Spooler が何度も停止する原因として、Microsoft は 古いドライバー や 印刷コンポーネントの不整合 を挙げています。まずは Windows 側の ドライバー更新 を試し、見つからなければメーカーサイトから OSの版と 32bit / 64bit に合ったドライバー を入れます。古いCD付属ドライバーは、今の Windows と噛み合わないことがあるので避けたほうが無難です。 (Microsoft Learn)
直し方は次の順が失敗しにくいです。 (マイクロソフトサポート)
- プリンターを 更新 する
- 改善しなければ プリンターを削除して再追加 する
- 直前のドライバー更新後からおかしいなら ロールバック する
- 最新OEMドライバーでも不安定なら、Windows標準の in-box ドライバー で試す
「最新ドライバーにしたのに悪化した」というケースは珍しくありません。特に、Windows Update や OSアップグレード直後から症状が出たなら、最近入ったドライバーが引き金 になっている可能性があります。Microsoft も、更新後に問題が始まった場合は Roll Back Driver を案内しています。 (マイクロソフトサポート)
PDFや特定アプリだけで落ちるなら、アプリ依存を切り分ける
Excel や特定の PDF だけで Print Spooler が停止する場合、いきなり Windows 全体を疑う必要はありません。まず メモ帳 から印刷して再現するか確認します。メモ帳で問題が出ないなら、アプリ側の印刷方式や文書データが引き金の可能性が高いです。さらに Microsoft は、プリンターの詳細設定で 「詳細な印刷機能を有効にする」 をオフにして挙動を見る方法も案内しています。 (Microsoft Learn)
実務では、次の順に試すと判断しやすくなります。 (Microsoft Learn)
- メモ帳から1ページだけ印刷する
- 同じプリンターで別アプリから印刷する
- 別のプリンターキューで同じ文書を出す
- 問題のキューだけ「詳細な印刷機能」をオフにする
再起動直後からすぐ停止するなら、残骸と依存関係を確認する
再起動直後から Print Spooler がすぐ落ちる場合、古い .SHD / .SPL ファイルの残留 や 依存関係の異常 が疑えます。Microsoft は、正常時にはスプールフォルダー内のファイルは印刷後に削除されるため、古いファイルが残っているなら要注意だとしています。標準のスプールフォルダーは %systemroot%\System32\Spool\Printers です。環境によっては DefaultSpoolDirectory で変更されていることもあります。 (Microsoft Learn)
また、Microsoft のトラブルシュート資料では、Print Spooler の依存先は 既定では RpcSs のみ とされており、古いプリンターソフトの影響で余計な依存サービスが残ると起動失敗の原因になります。ここはネット上の断片的なレジストリ修正をそのまま真似るより、古いプリンターソフトを削除してから再導入 するほうが安全です。管理者なら DependOnService や Services の Dependencies タブを確認します。 (Microsoft Learn)
社内の共有プリンターだけで起こるなら、GPOと権限を確認する
会社PCで Print Spooler が何度も停止する、あるいは共有プリンターだけ使えない場合は、ローカル故障ではなく ポリシーによる制御 が入っていることがあります。Microsoft は、Print Spooler を無効化する設定が セキュリティ対策の一部 として使われることがある、と明記しています。つまり、勝手に有効化すると一時的に直っても、GPOの再適用でまた止まることがあります。 (Microsoft Learn)
共有プリンターまわりで特に確認したいのが 「Allow Print Spooler to accept client connections」 です。この設定が無効だと、Spooler はクライアント接続を受け付けず、ユーザーはプリンター共有もできません。設定変更後は Spooler 再起動が必要です。社内PCでローカル印刷はできるのに共有だけ不安定、というときの有力候補です。 (Microsoft Learn)
権限面も見落としやすいポイントです。Microsoft は、2021年8月10日以降の更新 では、Point and Print 経由の 新規ドライバーインストールや既存ドライバー更新に管理者権限が既定で必要 になったと案内しています。共有プリンターをつなぎ直そうとしても、一般ユーザー権限のままだと失敗しやすくなりました。ヘルプデスクに依頼すべき場面です。 (マイクロソフトサポート)
セキュリティソフトが原因のこともある
Print Spooler はスプールフォルダー内のファイルを頻繁に作成・削除します。Microsoft は、ウイルス対策ソフトが Spooler に必要なファイルをブロックすると問題が起きることがあり、.SHD / .SPL / .TMP のスキャンが “Access denied” やジョブ詰まりにつながると案内しています。最近 EDR やウイルス対策の設定を変えたなら、スプールフォルダーの除外 や検知ログの確認を優先してください。 (Microsoft Learn)
長く使ったPCは、古いメーカー部品の残骸も疑う
Microsoft の資料では、Print Spooler には Windows標準バイナリだけでなく、ベンダー提供コンポーネント も含まれ得るとされています。長く使ったPCで何台ものプリンターを入れ替えていると、古い Print Monitors / Print Processors / Print Providers が残り、Spooler 不安定化の原因になることがあります。ここはレジストリ操作が絡むため、一般ユーザーが手を出すより、管理者がバックアップを取ったうえで整理 する領域です。 (Microsoft Learn)
やりがちな失敗
- キューのキャンセルだけで終わる
画面上でジョブを消しても、スプールフォルダーに壊れたファイルが残っていると再発します。 (マイクロソフトサポート) - 古いCDドライバーを入れ直す
Microsoft は、付属ディスクのドライバーは古い可能性があるため、Windows Update かメーカーサイトの最新版を推奨しています。 (マイクロソフトサポート) - 会社PCでGPO確認なしに設定を戻す
セキュリティ対策で意図的に Spooler が制御されている環境では、手元で直してもすぐ元に戻ります。 (Microsoft Learn) - ネットの断片情報どおりにレジストリを編集する
印刷コンポーネント周りの手動削除は、Microsoft もバックアップ前提で扱っています。むやみに実施すると別のキューまで壊しやすいです。 (Microsoft Learn)
ログを見ると原因が速くわかる
Event Viewer の見る場所
Print Spooler が何度も停止するのに原因が見えないときは、イベント ビューアー を開きます。まずは次の場所を見れば十分です。 (マイクロソフトサポート)
Applications and Services Logs > Microsoft > Windows > PrintService > AdminApplications and Services Logs > Microsoft > Windows > PrintService > Operational
Microsoft のサポート記事では、印刷失敗時に PrintService の Admin ログ にイベントが記録される例が示されています。Operational 側も、印刷処理の詳細や再構成の履歴を追う材料になります。まずは Spooler が停止した時刻の前後 を見て、どのプリンター名・ドライバー名・ポリシー変更が絡んでいるかを確認してください。 (マイクロソフトサポート)
Services で確認する項目
services.msc では、少なくとも次の3点を見ます。 (Microsoft Learn)
- Print Spooler が開始できるか
- スタートアップの種類が Automatic か
- Dependencies に不自然な依存先が増えていないか
再起動だけなら、PowerShell の Restart-Service -Name spooler でも実行できます。ただし、何度も落ちる状態で再起動だけを繰り返しても、根本原因の特定は進みません。ログとセットで見るのが基本です。 (Microsoft Learn)
それでも直らないときの復旧手順
プリンターを削除して再追加する
Microsoft は、反応しないプリンターやドライバー不整合に対して、プリンターの削除 → PC再起動 → 再追加 → Windows Update を推奨しています。これでドライバーファイルや設定が刷新されます。Windows Update で適切なものが出ないときだけ、メーカーサイトから対応版を入れる流れが安全です。 (マイクロソフトサポート)
DISM と SFC で Windows 側を修復する
印刷ジョブがなくても Spooler が落ちる、プリンターを消しても再発する、サービス開始自体が不安定、という場合は Windows 側の破損も疑います。Microsoft サポートでは、管理者権限のコマンドプロンプト で次の順に実行する手順を案内しています。まず DISM、次に sfc /scannow です。検証が終わるまでウィンドウは閉じません。 (マイクロソフトサポート)
DISM.exe /Online /Cleanup-image /Restorehealth
sfc /scannow
管理者向け:ドライバー分離を確認する
共有プリンターや印刷サーバーで、1つのドライバー不具合が Spooler 全体停止につながる なら、Execute print drivers in isolated processes の扱いも確認対象です。Microsoft は、この設定が有効または未構成なら、印刷ドライバーは分離プロセスで動き、ドライバー障害が Spooler 全体の障害になりにくい と説明しています。逆に無効だと、ドライバーが Spooler プロセス内で動きます。管理者向けの再発抑止策として有効です。 (Microsoft Learn)
再発を減らすコツ
- ドライバー更新は、Windows Update → メーカーサイト の順で探す
- 付属ディスクやかなり古い配布パッケージは避ける
- 特定アプリだけで不安定なら、まず メモ帳印刷 で切り分ける
- 共有プリンター環境では、GPO / MDM / Point and Print の権限 をセットで確認する
- セキュリティ製品を変えたタイミングなら、スプールフォルダー監視 を最初に疑う
- 印刷サーバー運用では、ドライバー分離 を無効にしない
これを守るだけで、「とりあえず再起動」で終わらず、次回の再発時にも短時間で原因へたどり着きやすくなります。 (マイクロソフトサポート)
最後に、今日やる順番だけ絞るなら次の4つです。印刷キュー削除 → スプールフォルダー初期化 → ドライバー更新または再追加 → それでも再発するなら Event Viewer と GPO / セキュリティ製品を確認。Print Spooler が何度も停止する問題は、闇雲に設定を触るより、ジョブ・ドライバー・ポリシー の順で切り分けたほうが早く解決できます。 (マイクロソフトサポート)

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