PowerRenameでファイル名の一部だけ一括変更する方法|拡張子を残す設定

大量の写真や書類について、ファイル名に含まれる「旧」「2025」「下書き」といった一部分だけをまとめて変更したい場面があります。しかし、通常の名前変更では1件ずつ作業する必要があり、誤って「.jpg」「.xlsx」「.pdf」などの拡張子まで変えてしまうのも心配です。

この作業には、Microsoft PowerToysに含まれるPowerRenameが便利です。検索文字列と置換文字列を指定し、変更後の名前をプレビューしてから一括実行できます。さらに、適用対象を「ファイル名のみ」に限定すれば、拡張子を維持したまま名前の一部分だけを変更できます。([Microsoft Learn][1])

失敗を防ぐポイントは、いきなり元ファイルへ実行しないことです。まずコピーで試し、対象範囲とプレビューを確認してから本番データを変更します。

目次

PowerRenameならファイル名の一部分だけを一括変更できる

PowerRenameは、Windowsで複数のファイルやフォルダーをまとめて改名するためのPowerToys機能です。

主に次の操作ができます。

  • ファイル名に含まれる特定の文字だけを検索・置換する
  • 複数のファイルを一度に改名する
  • 通常の文字列検索と正規表現を使い分ける
  • 実行前に変更前と変更後を比較する
  • ファイル名だけ、または拡張子だけを変更対象にする
  • 直前の名前変更をエクスプローラーから取り消す

PowerRenameでは、検索・置換の条件を入力すると、その結果がプレビュー欄に表示されます。実際にファイル名が変わる前に結果を確認できるため、大量のファイルを扱う場合でも誤操作を見つけやすいのが特徴です。([Microsoft Learn][1])

ファイル名と拡張子は別の部分

たとえば、次のファイルがあるとします。

2026_会議資料_旧版.xlsx

このうち、PowerRenameで区別して扱える部分は次のとおりです。

部分内容
ファイル名2026_会議資料_旧版
拡張子xlsx

「旧版」を「確定版」に変えたいだけなら、変更対象をファイル名部分に限定します。

変更前:2026_会議資料_旧版.xlsx
変更後:2026_会議資料_確定版.xlsx

拡張子の「xlsx」は変更されません。

作業前に試作用のコピーを用意する

PowerRenameにはプレビューと取り消し機能がありますが、大切なデータを最初から一括変更するのは避けた方が安全です。

最初に対象ファイルの一部を別フォルダーへコピーし、次の流れで試します。

  1. 対象ファイルを数件だけコピーする
  2. コピーしたファイルにPowerRenameを実行する
  3. ファイル名と拡張子を確認する
  4. 問題がなければ本番フォルダーで実行する

たとえば、数百件の写真を変更する場合でも、最初は5件程度のコピーで確認します。

特に次の場合は、試作用コピーを省略しないでください。

  • 正規表現を初めて使う
  • フォルダー内に複数種類のファイルが混在している
  • サブフォルダーがある
  • ファイル名がほかのシステムや文書から参照されている
  • 元に戻せないと業務に影響する

「プレビューがあるから大丈夫」と考えるのではなく、コピーで試すことを最初の安全装置にするのが確実です。

PowerRenameで拡張子を変えずに一括置換する手順

対象ファイルをエクスプローラーで選択する

エクスプローラーで、名前を変更したいファイルを選択します。

連続するファイルを選ぶ場合は、最初のファイルをクリックした後、Shiftキーを押しながら最後のファイルをクリックします。離れた場所にあるファイルを個別に選ぶ場合は、Ctrlキーを押しながらクリックします。

フォルダー内のすべてを対象にする場合は、対象を十分に確認してから選択してください。

右クリックメニューからPowerRenameを開く

選択したファイルを右クリックし、PowerRenameを起動します。

PowerRenameは、PowerToysで有効になっている場合にエクスプローラーの右クリックメニューへ表示されます。PowerToysの設定によっては、通常の右クリックメニューではなく、拡張されたメニュー側に表示されることがあります。([Microsoft Learn][1])

右クリックメニューにPowerRenameがない場合は、次の点を確認します。

  • Microsoft PowerToysがインストールされているか
  • PowerToysの設定でPowerRenameが有効になっているか
  • 右クリックメニューの追加項目側に表示されていないか
  • ファイルを選択してから右クリックしているか

PowerRenameは単独のアプリではなく、PowerToysに含まれる機能です。([Microsoft Learn][1])

検索文字列と置換文字列を入力する

PowerRenameを開いたら、検索欄に変更前の文字列、置換欄に変更後の文字列を入力します。

たとえば、次のファイルがあるとします。

会議資料_旧版_01.docx
会議資料_旧版_02.xlsx
会議資料_旧版_03.pdf

「旧版」を「確定版」に変更する場合は、次のように入力します。

入力欄設定内容
検索する文字列旧版
置換後の文字列確定版

プレビューには、次のような変更結果が表示されます。

会議資料_確定版_01.docx
会議資料_確定版_02.xlsx
会議資料_確定版_03.pdf

この時点では、まだ実際のファイル名は変更されていません。

通常の置換では正規表現をオフにする

単語や日付などをそのまま置換したいだけなら、「Use regular expressions」に相当する正規表現の設定をオフにします。

正規表現をオフにすると、検索欄に入力した内容が通常の文字列として扱われます。正規表現をオンにした場合は、入力内容が検索パターンとして解釈されます。([Microsoft Learn][1])

たとえば、次のような文字には正規表現上の特別な意味があります。

.
*
+
?
(
)
[
]
^
$

ファイル名に「v1.0」が含まれていて、これを通常の文字として探したい場合、正規表現がオンになっていると「.」が単なるピリオドとして扱われない可能性があります。

通常の部分置換では、次の設定が基本です。

設定項目推奨設定
正規表現を使用オフ
適用対象ファイル名のみ
大文字と小文字を区別通常はオフ
すべての一致を置換目的に応じて選択

正規表現は、通常の置換では実現できない複雑な変更をするときだけ使用します。

適用対象を「ファイル名のみ」にする

拡張子を維持するうえで最も重要なのが、適用対象の設定です。

「Apply to: Filename only」に相当するファイル名のみの設定を選択します。

この設定では、拡張子を除いたファイル名部分だけが変更対象になります。Microsoftの例では、「txt.txt」を処理した場合でも、ファイル名部分だけを変更すると「NewName.txt」となり、最後の「.txt」は維持されます。([Microsoft Learn][1])

設定の違いは次のとおりです。

適用対象変更される部分主な用途
ファイル名のみ拡張子を除いた名前今回のような部分置換
拡張子のみjpg、pdf、xlsxなど拡張子だけを変更したい場合
名前全体を含む設定ファイル名と拡張子の両方内容を理解している場合のみ

拡張子を壊したくない場合は、プレビューを見るだけでなく、適用対象が「ファイル名のみ」になっていることも確認してください。

最初の一致だけか、すべての一致かを確認する

同じ文字列がファイル名の中に複数回ある場合は、「Match all occurrences」に相当する設定によって結果が変わります。

たとえば、次のファイル名で「旧」を「新」に置換するとします。

旧資料_旧分類.pdf

結果は設定によって次のように変わります。

設定変更後
すべての一致を置換しない新資料_旧分類.pdf
すべての一致を置換する新資料_新分類.pdf

PowerRenameでは、「すべての一致」を有効にすると検索文字列に一致する箇所がすべて置換され、無効の場合は最初の一致だけが置換されます。([Microsoft Learn][1])

同じ単語が何度も使われているファイル名では、意図せず複数箇所が変わらないよう注意してください。

サブフォルダーとフォルダー名を変更対象から外す

ファイルを選択したつもりでも、フォルダーをまとめてPowerRenameへ渡すと、その中にあるファイルやサブフォルダーまで対象になる場合があります。

特に確認したいのは、次の設定です。

設定項目確認する内容
ファイルを含めるファイル名を変更する場合は有効
フォルダーを含めるフォルダー名を変えないなら無効
サブフォルダーを含める下位フォルダーを処理しないなら無効

Microsoftのドキュメントでは、サブフォルダー内の項目は既定で含まれると説明されています。親フォルダーを選んで操作する場合は、対象が想定以上に広がっていないか必ず確認してください。([Microsoft Learn][1])

また、PowerToysの設定によっては、前回使用したオプションを次回起動時に復元できます。前回と同じ設定になっているとは限らず、反対に前回の設定が残っている場合もあるため、毎回確認するのが安全です。([Microsoft Learn][1])

実行前にプレビューを一行ずつ確認する

検索・置換の条件を設定したら、変更前と変更後のプレビューを確認します。

最低限、次の点を見ます。

  • 置換したい文字だけが変わっているか
  • 拡張子が変わっていないか
  • 対象外のファイルが含まれていないか
  • フォルダー名まで変わろうとしていないか
  • 同じ名前になるファイルがないか
  • サブフォルダー内のファイルが含まれていないか
  • 置換後の名前が空になっていないか

ファイル数が多い場合でも、最初の数件だけを見て実行しないようにします。

特に確認したいのは、次の場所です。

  • 一覧の先頭
  • 一覧の末尾
  • 拡張子が異なるファイル
  • 名前の形式がほかと違うファイル
  • 検索文字列が複数回含まれるファイル

PowerRenameのプレビューでは、条件に一致した項目を確認できるほか、個別の項目を変更対象から外すこともできます。また、変更される項目だけを表示する形に切り替えて確認できます。([Microsoft Learn][1])

問題がなければ一括変更を実行する

プレビューに問題がなければ、名前変更を実行します。

実行後はPowerRenameを閉じて終わりにせず、エクスプローラー上で結果を確認してください。

確認する内容は次のとおりです。

  1. 置換した文字が正しいか
  2. 拡張子が維持されているか
  3. ファイルが正常に開くか
  4. 対象件数が想定どおりか
  5. フォルダー構成が変わっていないか

本番フォルダーで件数が多い場合は、一度にすべてを処理せず、フォルダー単位や数十件単位に分ける方法もあります。小さな単位で確認を挟めば、条件設定の間違いに気づきやすくなります。

間違えた場合は直前の名前変更を元に戻す

PowerRenameで実行した直前の名前変更は、エクスプローラーの「元に戻す」操作で取り消せます。キーボードでは、通常はCtrl+Zを使用します。Microsoftの公式ドキュメントでも、エクスプローラーの「Undo Rename」により直前の変更を戻せると案内されています。([Microsoft Learn][1])

ただし、元に戻す操作だけに頼るのは安全ではありません。

名前変更後に別のファイル操作を続ける前に、結果を確認してください。問題を見つけたら、その時点で元に戻します。

重要なファイルでは、次の優先順位で安全策を取ります。

  1. コピーで試す
  2. プレビューで確認する
  3. 少数のファイルで実行する
  4. 実行直後に結果を確認する
  5. 問題があればすぐに元へ戻す

よく使う変更例

ファイル名の一部分を別の言葉に置き換える

変更前:見積書_下書き_01.xlsx
変更後:見積書_提出版_01.xlsx
項目入力内容
検索文字列下書き
置換文字列提出版
正規表現オフ
適用対象ファイル名のみ

不要な文字を削除する

置換文字列を空欄にすると、検索した文字を削除できます。

変更前:写真_コピー_001.jpg
変更後:写真_001.jpg
項目入力内容
検索文字列_コピー
置換文字列空欄
正規表現オフ
適用対象ファイル名のみ

置換後のファイル名が空になったり、不自然な記号だけが残ったりしないか確認してください。

年度表記だけを変更する

変更前:2025_事業報告書.pdf
変更後:2026_事業報告書.pdf
項目入力内容
検索文字列2025
置換文字列2026
正規表現オフ
適用対象ファイル名のみ

ただし、ファイル名の別の場所にも「2025」が含まれる場合は、「すべての一致」の設定によって複数箇所が変わります。

大文字と小文字を区別して変更する

次のように、似た文字列が混在している場合があります。

Report_01.pdf
report_02.pdf
REPORT_03.pdf

「大文字と小文字を区別」を有効にすると、入力した文字の大小が一致する項目だけを検索できます。無効の場合は、大文字と小文字を区別せずに一致します。([Microsoft Learn][1])

意図的に表記を統一したい場合を除き、プレビューで対象範囲を確認してください。

正規表現を使うべき場合と使わない方がよい場合

正規表現は、文字の並び方をパターンとして指定する機能です。

たとえば、次のような処理に向いています。

  • 先頭にある日付部分だけを削除する
  • 桁数が決まった番号を検索する
  • ファイル名の先頭や末尾へ文字を追加する
  • 複数の命名規則を一定の形式へ整える

一方、次のような単純な作業では正規表現は不要です。

  • 「旧版」を「確定版」に変える
  • 「2025」を「2026」に変える
  • 「_コピー」を削除する
  • 特定の部署名だけを置き換える

PowerRenameでは、正規表現を有効にすると検索欄が正規表現として解釈されます。通常の文字列として置換したい場合は、設定をオフにしてください。([Microsoft Learn][1])

未確認の正規表現を数百件のファイルへ一括実行するのは避けます。正規表現を使う場合は、必ずコピーした数件のファイルで試し、すべてのプレビュー結果を確認してから実行してください。

うまく変更できないときの確認ポイント

症状主な確認ポイント
PowerRenameが右クリックにないPowerToysのインストール、PowerRenameの有効化、拡張メニューを確認する
プレビューに何も表示されない検索文字列、大文字と小文字、適用対象を確認する
最初の1か所しか変わらない「すべての一致」を有効にする
同じ文字がすべて変わってしまう「すべての一致」を無効にする
拡張子が変更候補に含まれる適用対象を「ファイル名のみ」にする
サブフォルダー内まで対象になるサブフォルダーを含める設定を無効にする
フォルダー名まで変更されるフォルダーを含める設定を無効にする
記号を含む検索結果がおかしい正規表現がオンになっていないか確認する
一部のファイルだけ変わらない文字列の違い、個別の選択状態、大小文字を確認する

原因が分からない場合は、そのまま条件を追加するのではなく、検索文字列を短くして対象を確認します。検索条件を一つずつ増やした方が、どの設定で結果が変わったのか判断しやすくなります。

ファイル名の変更はファイル形式の変換ではない

ファイル名や拡張子を変更しても、ファイルの中身は変換されません。

たとえば、JPEG画像の拡張子を「.png」に書き換えても、PNG形式へ変換されたことにはなりません。単に名前の末尾が変わっただけです。

ファイル形式を変更したい場合は、画像編集ソフトや文書変換機能などを使って、別形式として保存または書き出す必要があります。

今回の目的がファイル名の一部分だけを変更することなら、拡張子には触れず、「ファイル名のみ」を適用対象にします。

外部から参照されているファイルはリンク切れに注意する

ファイル名を変更すると、その名前を使っている別のファイルやシステムから参照できなくなる可能性があります。

注意が必要なのは、次のようなファイルです。

  • ExcelやWordからリンクされている資料
  • デスクトップや共有フォルダーのショートカット
  • Webページから参照されている画像
  • スクリプトやプログラムから読み込まれるファイル
  • 動画編集や画像編集プロジェクトで使用している素材
  • 業務システムへ登録されている添付ファイル
  • マニュアルにファイルパスが記載されている資料

PowerRenameはファイル名を効率よく変更できますが、変更後の参照先までは自動的に修正しません。

外部参照がある場合は、先に次の点を整理します。

  1. どこから参照されているか
  2. 名前変更後にリンクを更新できるか
  3. 元の名前を記録しているか
  4. 問題が起きた場合に戻せるか

共有フォルダーの業務資料などでは、改名前と改名後の対応表を残しておくと確認しやすくなります。

拡張子を守るための最終チェック

実行直前に、次の項目を確認してください。

  • 試作用コピーで結果を確認した
  • 正規表現は必要な場合だけ有効にした
  • 適用対象を「ファイル名のみ」にした
  • 最初の一致だけか、すべての一致かを確認した
  • ファイルとフォルダーの対象設定を確認した
  • サブフォルダーの対象設定を確認した
  • プレビューの先頭から末尾まで確認した
  • 拡張子が変更されていないことを確認した
  • 外部リンクへの影響を確認した
  • 実行直後に結果を確認できる状態にした

PowerRenameで多数のファイル名の一部分だけを変更する場合は、コピーで試す、ファイル名だけを対象にする、プレビューを読む、実行直後に確認するという順序が重要です。

単純な置換なら正規表現をオフにし、検索文字列と置換文字列をそのまま入力します。最初は数件で試し、問題がなければ対象を広げることで、拡張子や関係のないファイルを巻き込む失敗を防げます。
[1]: https://learn.microsoft.com/en-us/windows/powertoys/powerrename “PowerRename Utility for Windows – Bulk File Renaming Tool | Microsoft Learn”

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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