Copilot Chatの回答を指定ソースだけに限定する方法|Content Sourcesの設定と注意点

Microsoft 365 Copilot Chatに規程やマニュアルを読み込ませたものの、「別の社内ファイルやメール、Webの情報まで混ざっていないか」と不安になることがあります。

Copilot Chatの回答を選んだコンテンツソースだけに限定することは可能です。 2026年7月から段階展開されている「Content Sources」を使うと、プロンプトごとに参照可能なデータソースを選択し、回答を選択したソースの内容に限定できます。

ただし、重要な注意点があります。「すべてオフ」を選んでもWeb検索はオフになりません。特定の社内資料だけで回答させるには、コンテンツソースの選択に加えて、Web検索の無効化、対象ファイルの明示、回答後の出典確認まで行う必要があります。

目次

Copilot Chatは選んだコンテンツソースだけに限定できる

Microsoft 365 Roadmap ID 496596「Content Sources in Copilot Chat」では、ユーザーがCopilot Chatでコンテンツソースを選択でき、生成される回答が選択したソースの内容に限定されると説明されています。

2026年7月19日時点の公式情報は次のとおりです。

項目内容
機能名Content Sources in Copilot Chat
Roadmap ID496596
リリース段階一般提供(General Availability)
展開予定2026年7月
現在の状態Rolling out
対象プラットフォームDesktop、Web
対象クラウドWorldwide(Standard Multi-Tenant)

ロードマップ上は段階展開中であるため、同じ組織内でもユーザーや環境によって表示時期が異なる可能性があります。また、Microsoft 365 Roadmapの日付は予定であり、内容や展開時期が変更される場合があります。(Microsoft)

「ファイルを添付する」と「ソースを限定する」は別の操作

Copilot Chatにファイルを添付するだけでは、そのファイル以外のソースを明示的に無効化したことにはなりません。

Microsoft 365 Copilot Chatでは、主に次の操作を組み合わせて回答の根拠を制御します。

操作役割注意点
ファイルやサイトを追加する回答で参照してほしい資料を指定する追加しただけでは、ほかのソースが自動的に無効になるとは限らない
データソースを変更するメール、ファイル、接続先など、参照可能なソースをオン・オフする「すべてオフ」でもWeb検索は残る
Work IQをオフにするメール、Teams、会議、社内ファイルなどの横断参照を停止する添付ファイルとWeb情報は引き続き利用される
Web検索をオフにする公開Webの情報を回答に含めない組織のポリシーによって利用可否が決まる
プロンプトで制約を書く資料外の推測や一般論を抑える設定の代わりではなく、設定と併用する
回答の「ソース」を確認する実際に参照された情報を検証する重要な回答では必ず確認する

したがって、指定したファイルだけで回答させたい場合は、「対象ファイルを追加」「Work IQをオフ」「Web検索をオフ」「資料外は回答しないと指示」「出典を確認」の組み合わせが最も確実です。

選んだコンテンツソースだけに限定する設定手順

画面上の日本語表記は、クライアント、言語設定、展開状況によって異なる場合があります。「ソースの追加と管理」「コンテンツの追加」「Add and manage sources」など、似た名称のメニューを確認してください。

新しいチャットを開く

重要な規程確認や資料比較では、既存の会話を続けるのではなく、新しいチャットから開始するのが安全です。

以前の会話には質問の前提や要約結果が残っているため、新しいチャットに切り替えることで、過去の会話文脈との混同を避けやすくなります。

Work IQを使うか決める

Copilot Chatの上部にある「Work IQ」の状態を、利用したいソースに合わせて決めます。

指定したファイルだけを使う場合

Work IQをオフにします。

Work IQをオフにすると、Copilotはメール、Teamsのメッセージ、会議、人物、プロジェクトなどの業務データを横断的に参照しなくなります。一方で、プロンプトに添付したファイルとWeb情報は引き続き利用できます。

したがって、ファイルだけに限定するには、後述するWeb検索の無効化も必要です。

メールや会議、Teamsも個別に指定する場合

Work IQをオンにします。

Work IQがオフの状態では、参照対象として選べるのは基本的にファイルです。特定のメール、会議、Teamsチャット、人物などを参照したい場合は、Work IQをオンにしたうえで、使用する項目を明示的に指定します。

Microsoftの公式説明では、Work IQをオンにすると、Microsoft 365上のメール、ファイル、チャット、会議、人物、プロジェクトなどを参照できます。オフにすると業務データは参照しませんが、Webと添付コンテンツは使用できます。(マイクロソフトサポート)

使用するファイルや社内コンテンツを指定する

プロンプト入力欄から、回答に使わせるコンテンツを指定します。

主な指定方法は次のとおりです。

  • プロンプト入力欄で「/」を入力し、ファイル、メール、会議、人物などを検索する
  • 「+」からローカルファイルや画像をアップロードする
  • 「クラウドファイルを添付」からOneDriveやSharePoint上のファイルを選ぶ
  • SharePointサイト、ページ、リストを選ぶ
  • 管理者が構成したGraph Connectorのコンテンツを選ぶ

特定の規程を確認するときは、ファイル名だけでなく、年度や改訂日も確認してください。例えば「就業規則.pdf」ではなく、「就業規則_2026年4月1日改訂.pdf」のように、最新版を明確に指定します。

ローカルファイルを追加すると、ファイルのコピーがOneDrive for Businessに保存されます。また、Work IQがオンの状態で対象を明示しない場合、Copilotは社内コンテンツを含む複数の候補から、回答に適していると判断したソースを選びます。(マイクロソフトサポート)

「データソースを変更」を開く

プロンプト入力欄の「+」を選び、ソース管理メニューを開きます。

  1. Copilot Chatに職場または学校アカウントでサインインします。
  2. メッセージ入力欄の「+」を選択します。
  3. メニュー下部の「データソースを変更(Change data sources)」を選択します。
  4. 回答に使用してよいソースだけをオンにします。
  5. 不要なソースをオフにします。
  6. プロンプトを入力して送信します。

Microsoftの公式例では、Viva Engageをオフにすると、Copilotが回答生成時にViva Engageのデータを使用しなくなります。表示されるソースの種類は、ライセンス、組織の構成、接続済みサービスによって異なります。(マイクロソフトサポート)

「すべてオフ」にしてから必要なソースだけを有効にする

ソースの見落としを防ぐには、最初に「すべてオフ(Turn off all)」を選び、その後で必要なソースだけをオンにする方法が分かりやすいでしょう。

ただし、「すべてオフ」を選んでもWeb検索はオフになりません。

公式手順でも、「すべてオフ」はWeb検索を除くデータソースを無効にする操作とされています。社内資料だけに限定する場合は、必ずWeb検索を別途オフにしてください。(マイクロソフトサポート)

Web検索を別画面でオフにする

公開Webの情報を混ぜたくない場合は、次の手順でWeb検索を無効にします。

  1. Copilot Chat画面の右上にある「…」を選択します。
  2. 「設定とその他」に相当するメニューを開きます。
  3. 「Web検索」のトグルをオフにします。
  4. プロンプト送信前に、Web検索がオフになっていることを確認します。

Web検索の利用可否は、組織の管理者ポリシーにも左右されます。管理者がWeb検索を無効にしている環境では、ユーザー側で有効にできません。反対に、組織でWeb検索が許可されている場合でも、Microsoft 365 Copilotライセンスを持つユーザーは仕事用モードでオン・オフを切り替えられます。(マイクロソフトサポート)

プロンプトにも利用条件を明記する

設定でソースを限定したうえで、プロンプトにも回答条件を書きます。

特に有効なのは、次の4点です。

  • 使用してよい資料を明記する
  • 資料外の一般知識で補完しないよう指示する
  • 記載がなければ「記載なし」と回答させる
  • ファイル名、ページ、節などの根拠を付けさせる

Microsoftも、関連するソースが見つからない場合、Copilotが一般的な回答を返す可能性があるとして、「このファイルだけを使用する」といった具体的な指示を推奨しています。(マイクロソフトサポート)

回答後に「ソース」を確認する

回答が表示されたら、内容だけでなく、実際に使われたソースを確認します。

Copilot Chatでは、回答内のインライン引用にカーソルを合わせると、参照元を開けます。また、回答下部の「ソース」を選ぶと、回答生成に使用されたソースの一覧を確認できます。

次の点を確認してください。

  • 許可したファイルやサイトだけが表示されているか
  • Webサイトが含まれていないか
  • 古い版のファイルが参照されていないか
  • 関係のないメールやTeamsチャットが含まれていないか
  • 回答の各主張と引用元の記載が一致しているか

想定外のソースが表示された場合は、その回答をそのまま利用せず、ソース設定を見直して再実行します。(マイクロソフトサポート)

目的別の推奨設定

指定したファイルだけで回答させる

最も厳しく限定したい場合の設定です。

設定項目推奨値
Work IQオフ
Web検索オフ
添付コンテンツ対象ファイルだけ
データソース不要なものをすべてオフ
プロンプト資料外の推測を禁止
回答後「ソース」で参照元を確認

この構成は、社内規程、契約書、製品マニュアル、議事録など、対象文書だけを根拠に確認したい場面に適しています。

特定のメールや会議も使う

メール、会議、Teamsチャットなどを対象に含める場合は、Work IQをオンにします。

そのうえで「/」を入力し、使用するメール、会議、チャット、ファイルを個別に追加します。さらに「データソースを変更」で不要なソースをオフにし、Web検索も無効にします。

この構成は、次のような用途に向いています。

  • 指定した会議と関連資料だけから決定事項を整理する
  • 特定のメールスレッドと添付ファイルだけから経緯をまとめる
  • 指定したTeamsチャットと議事録だけからタスクを抽出する

特定のSharePointサイトを根拠にする

SharePointサイトを選択すると、そのサイトのコンテンツにプロンプトの範囲を絞れます。

ただし、選択したSharePointサイト内で参照できるファイルまたはページは最大10件です。また、SharePointリストは一度に最大20,000項目までで、添付ファイル列と参照列は現時点でサポートされていません。大規模なサイト全体を完全に検索できるとは限らないため、重要な確認では対象ファイルを個別に指定する方が確実です。(マイクロソフトサポート)

そのまま使えるプロンプト例

1つの規程だけで回答させる

添付した「出張旅費規程_2026年4月改訂.pdf」だけを根拠に回答してください。

次の条件を守ってください。
・ほかの社内ファイル、メール、Teams、Web情報は使用しない
・この資料に書かれていない内容を一般知識で補完しない
・記載がない場合は「資料内に記載なし」と回答する
・回答ごとに該当するページ番号または節名を示す

質問:
宿泊を伴う県外出張の申請期限と、必要な添付書類を整理してください。

複数の承認済み資料だけを比較する

このプロンプトに追加した3つのファイルだけを使用して比較してください。

選択外のファイル、メール、チャット、会議、Web情報は使用しないでください。
資料に書かれていない内容は推測せず、「確認できない」と記載してください。

資料間で内容が異なる場合は、次の形式で整理してください。
1. 相違する項目
2. 各資料の記載内容
3. ファイル名と該当ページ
4. 更新日が新しい資料
5. 担当者による確認が必要な点

根拠がない回答を防ぐ

選択したコンテンツソースだけを根拠に回答してください。

回答の根拠となる記載を確認できない場合は、回答を推測せず、
「選択したソース内では確認できません」とだけ回答してください。

回答には必ず、根拠となるファイル名、ページ番号、見出し名を付けてください。

プロンプトだけでソース制限を保証することはできません。必ず、データソース設定、Work IQ、Web検索の状態と組み合わせて使います。

ソースを限定できないときの原因と対処法

症状主な原因対処方法
「データソースを変更」が表示されない段階展開がまだ届いていないWeb版とデスクトップ版の両方を確認し、ライセンスや管理者設定を確認する
Webサイトが出典に表示される「すべてオフ」だけを実行した右上メニューからWeb検索を別途オフにする
関係のない社内情報が混ざるWork IQがオン、または不要なソースが有効ファイルだけならWork IQをオフにし、ソース設定を再確認する
指定したファイルが候補に出ない権限不足、同期直後、検索対象外OneDriveやSharePointで直接開けるか確認し、必要ならファイルをアップロードする
回答が一般論になる選択したソースに情報がない「記載がなければ回答しない」とプロンプトに明記する
古い規程の内容が出る旧版と新版が併存している最新版を個別指定し、公開日や改訂日も回答させる
回答と引用元が一致しない誤った解釈や要約が発生した引用箇所を開いて原文を確認し、質問を小さく分割する

ファイルをアップロード、変更、共有した直後は、Copilotの候補に表示されるまで数分かかることがあります。また、古いファイルを指定すると古い情報に基づく回答が生成されるため、最新版の指定と出典確認が重要です。(マイクロソフトサポート)

Content Sourcesを使うときの制限と注意点

回答の根拠を絞る機能であり、アクセス権を変更する機能ではない

Content Sourcesは、Copilot Chatが回答生成時に参照するコンテンツを絞る機能です。SharePointやOneDriveの閲覧権限を変更したり、ユーザーがアクセスできる情報そのものを制限したりする機能ではありません。

Microsoft 365 Copilotは、ユーザーがもともとアクセス権を持つコンテンツだけを参照します。一方で、組織内で過剰な共有が行われている場合、その共有状態自体をContent Sourcesが修正するわけではありません。SharePointやTeamsの権限、秘密度ラベル、DLPなどの情報管理は別途整備する必要があります。(マイクロソフトサポート)

「限定」はモデルの一般知識を削除する意味ではない

コンテンツソースの限定は、回答の事実的な根拠を選択したソースに絞る操作です。生成AIモデル自体から一般知識を削除する機能ではありません。

そのため、規程に記載がない部分を自然な文章で補ってしまう可能性を抑えるには、次の指示を併用します。

  • 資料外の情報で補完しない
  • 推測しない
  • 記載がなければ「記載なし」と回答する
  • すべての結論に出典を付ける

利用できるソースはライセンスによって異なる

メール、会議、Teams、人物などの業務データを参照するWork IQは、Microsoft 365 Copilot追加ライセンスを持つユーザー向けです。

追加ライセンスがないCopilot Chatユーザーは、参照できるコンテンツが基本的にファイルに限られます。また、利用できるソースは、ライセンスだけでなく管理者設定や組織で有効化されているコネクタによっても変わります。(マイクロソフトサポート)

モバイルはRoadmap ID 496596の対象に含まれていない

Roadmap ID 496596に記載されている対象プラットフォームはDesktopとWebです。AndroidとiOSは対象として記載されていません。

スマートフォン版に同じメニューが表示されない場合は、Web版またはデスクトップ版のMicrosoft 365 Copilot Chatで操作してください。(Microsoft)

回答内容は最終的に人が確認する

ソースを限定しても、要約の誤り、表の読み違い、否定表現の取り違え、旧版の参照などが完全になくなるわけではありません。

特に次の情報は、元資料を開いて確認する必要があります。

  • 契約金額や支払条件
  • 法令や社内規程の適用条件
  • 日付、期限、対象年度
  • 例外規定や除外条件
  • 個人情報や人事情報
  • セキュリティに関する判断
  • 意思決定や承認に使う数値

Microsoftも、グラウンディングによって正確性と関連性は向上するものの、重要な内容は出典を確認してから共有・実行するよう案内しています。(マイクロソフトサポート)

組織で運用するときに決めておくべきルール

Content Sourcesを導入しても、利用者ごとに設定方法が異なると、回答品質を安定させられません。組織では、次のような標準手順を決めておくと実用的です。

  • 正式文書を保存するSharePointサイトやライブラリを決める
  • ファイル名に年度、版数、改訂日を入れる
  • 旧版を検索候補に残さない運用を整える
  • 社内資料だけを使う場合はWeb検索をオフにする
  • ファイル限定時はWork IQをオフにする
  • プロンプトに「記載がなければ推測しない」と入れる
  • 回答下部の「ソース」を確認してから転記する
  • 重要な判断では元資料を直接確認する

独自のプロンプト集を配るだけでなく、「どの設定を確認するか」「回答後に何を見るか」まで手順化することが重要です。

Copilot Chatを指定ソースだけで使うための確認事項

Microsoft 365 Copilot Chatの回答を指定したコンテンツソースだけに限定するには、Content Sourcesの設定だけで終わらせず、次の順番で確認します。

  1. 対象ファイル、メール、会議、SharePointサイトを明示的に選ぶ
  2. 「データソースを変更」で不要なソースをオフにする
  3. 社内資料だけを使う場合はWeb検索も別途オフにする
  4. ファイルだけに限定する場合はWork IQをオフにする
  5. プロンプトで資料外の推測や補完を禁止する
  6. 回答後に「ソース」を開き、許可したコンテンツだけか確認する

特に見落としやすいのは、「すべてオフ」でもWeb検索が残ることです。設定、プロンプト、出典確認の3段階で制御することで、ほかの社内データやWeb情報が混ざるリスクを抑えられます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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