VDI上で参加するMicrosoft Teamsタウンホールの音声・映像をローカル端末へオフロードするには、Windows端末でSlimCoreベースの「new Teams VDI optimization」が実際に接続されていることが前提です。対応基盤はAzure Virtual Desktop、Windows 365、Citrix、Omnissa Horizon、Amazon WorkSpacesです。
Microsoft 365 Roadmap ID 561648では、タウンホール参加者のメディア処理をVDIセッションから手元のWindows端末へ移し、仮想デスクトップのCPU・メモリ消費を抑えながら高精細な視聴を可能にする機能が案内されています。一般提供は2026年9月予定ですが、ロードマップの日程は変更される可能性があります。(microsoft.com)
ただし、2026年7月20日時点のMicrosoft Learnでは、VDIから参加するタウンホール参加者はまだ最適化されず、サーバー側レンダリングになると説明されています。したがって、現時点では「設定すればすぐ利用できる機能」ではありません。今のうちに通常のTeams会議でnew VDI optimizationを正常化し、テナントへの展開後にタウンホールで実機検証するのが正しい進め方です。(Microsoft Learn)
先に押さえるべき結論
VDI上のTeamsタウンホールを高画質化するための判断ポイントは、次のとおりです。
| 確認項目 | 必要な状態 |
|---|---|
| ローカル端末 | Windows端末である |
| Teamsの最適化方式 | WebRTCではなくSlimCoreベースのnew VDI optimization |
| 対応VDI基盤 | Azure Virtual Desktop、Windows 365、Citrix、Omnissa、Amazon WorkSpaces |
| クライアント側コンポーネント | 対応VDIクライアントとTeams VDIプラグインが導入済み |
| メディアエンジン | SlimCoreのMSIXパッケージが端末に登録されている |
| ネットワーク | ローカル端末からTeamsサービスへUDP・TCPで直接通信できる |
| eCDN | Microsoft eCDNまたは対応パートナーeCDNを構成・検証済み |
| 提供時期 | Roadmap ID 561648のテナント展開後 |
| 1080p視聴 | VDIオフロードとは別にイベントポリシーと帯域を準備する |
重要なのは、「Teamsで最適化済みと表示されること」と「新しいSlimCore最適化で接続されていること」は同じではない点です。旧WebRTC最適化のままでは、Roadmap ID 561648の対象条件を満たしません。
新しいVDI最適化でタウンホールの処理はどう変わるか
現在はタウンホールの映像をVDI側で処理する
現行仕様では、VDI参加者が大規模イベントへ参加すると、タウンホールのストリームは仮想デスクトップ側で処理されます。
そのため、次の負荷がVDI環境へ集中します。
- タウンホール映像のデコードと描画
- 仮想デスクトップのCPU・メモリ消費
- VDI仮想チャネルの帯域消費
- eCDNやP2P配信に伴うネットワーク通信
- 同一セッションホストに接続する利用者数増加時の負荷
Microsoft Learnも、現在の大規模イベント参加者はWebRTC、SlimCoreのいずれでも最適化されず、eCDNやP2P通信が仮想マシン上で行われると説明しています。(Microsoft Learn)
新機能ではローカル端末へメディア処理を移す
Roadmap ID 561648の提供後は、タウンホール参加者の音声・映像ストリームがローカルのWindows端末へオフロードされる予定です。
new VDI optimizationでは、ローカル端末上のMsTeamsVdi.exeがSlimCoreメディアエンジンとして動作します。Teamsサービス、メディアプロセッサー、他のピアとのネットワーク通信も、原則としてこのプロセスが担当します。(Microsoft Learn)
処理経路の違いを整理すると、次のようになります。
| 項目 | 現行のタウンホール参加 | 新最適化の提供後 |
|---|---|---|
| 映像のデコード | 仮想デスクトップ | ローカル端末 |
| 映像の描画負荷 | 仮想デスクトップ中心 | ローカル端末中心 |
| eCDN・P2P通信 | 仮想マシン側 | ローカル端末側 |
| セッションホスト負荷 | 高くなりやすい | 軽減が期待できる |
| ネットワーク経路 | VDIを経由する二重経路になりやすい | 端末ネットワークから直接接続 |
| 視聴品質 | VDIリソースの影響を受けやすい | 端末性能とローカル回線を活用可能 |
字幕、DVR、リアクション、ストリーミングチャット、Q&Aなど、タウンホール参加者向けの操作機能も引き続き利用できる予定です。
オフロードと1080pは別の設定
新機能が有効になっても、すべての参加者が自動的に1080pで視聴できるわけではありません。
VDI最適化は、主に「どこでメディア処理を行うか」を決める仕組みです。一方、1080pはTeamsイベントポリシー、eCDN、端末性能、回線品質によって決まります。
したがって、高画質化を目指す場合は、次の2段階で考える必要があります。
- SlimCoreを使ってタウンホールのメディアをローカル端末へオフロードする
- 1080pイベントポリシーと必要なネットワーク帯域を準備する
対応するVDI基盤と対象端末
Roadmap ID 561648で対象とされているVDI基盤は、次の5種類です。
| VDI基盤 | 対応予定 | 主なクライアント側要件 |
|---|---|---|
| Azure Virtual Desktop | 対応 | Windows App、AVD用Teamsプラグイン |
| Windows 365 | 対応 | Windows App、AVDと同じ最適化構成 |
| Citrix Virtual Apps and Desktops/Citrix DaaS | 対応 | Citrix Workspace app、Teams VDIプラグイン、仮想チャネル許可 |
| Omnissa Horizon | 対応 | Horizon Client 8.17以降、Omnissa用Teamsプラグイン |
| Amazon WorkSpaces | 対応 | WorkSpaces Client、WSP Server Agent、Amazon用Teamsプラグイン |
new Teams VDI optimization自体はWindows端末でAVD/Windows 365、Citrix、Omnissa、Amazon WorkSpacesに対応しています。旧WebRTC最適化と新しいSlimCore最適化では、対応基盤や機能範囲が異なります。(Microsoft Learn)
Mac、Linux、ブラウザーは今回の対象外
Roadmap ID 561648で案内されているタウンホール参加者向けオフロードは、Windows端末が対象です。
Microsoft Learnでも、Mac端末ではタウンホール参加者としての最適化が未対応とされています。また、WebブラウザーではTeamsのVDI最適化そのものがサポートされません。Linuxシンクライアントは、現状では主にWebRTCベースの対応となります。(Microsoft Learn)
組織内にMac、Linuxシンクライアント、HTML5クライアントが混在している場合、全参加者が同じ経路で最適化されるとは限りません。端末OSと接続方式ごとにテストグループを分ける必要があります。
タウンホールを端末へオフロードするための必須要件
SlimCoreベースのnew VDI optimizationが有効であること
TeamsのVDIポリシーでは、VDI2OptimizationがSlimCoreベースの新しい最適化を制御します。既定値はEnabledです。
ただし、利用者単位のポリシーで無効化されていたり、VDI側の最適化設定が不完全だったりすると、サーバー側レンダリングまたは旧WebRTC最適化へフォールバックします。(Microsoft Learn)
設定されているVDIポリシーは、Teams PowerShellで確認できます。
Get-CsTeamsVdiPolicy |
Select-Object Identity, VDI2Optimization
確認結果では、対象ユーザーに適用されるポリシーのVDI2OptimizationがEnabledであることを確かめます。
対応するTeams、VDIクライアント、プラグインを使用すること
2026年7月時点のMicrosoft Learnに掲載されている主な最低要件は、次のとおりです。
| 基盤 | Teamsの最低ビルド | VDIクライアントなどの主な最低要件 |
|---|---|---|
| Azure Virtual Desktop/Windows 365 | 24193.1805.3040.8975 | Windows App for Windows。旧Remote Desktop Clientは最新Windows Appへの移行が必要 |
| Citrix | 24295.605.3225.8804 | 対応VDA/CWA、MsTeamsPluginCitrix 2024.41.1.1以降 |
| Amazon WorkSpaces | 25198.1109.3837.4725 | WorkSpaces Client 5.31.0.5733、WSP Server Agent 2.1.0.1840 |
| Omnissa Horizon | 公式の最新要件表を確認 | Horizon Client for Windows 8.17以降 |
エンドポイント側はWindows 10 バージョン1809以降、4コアの1.10GHz相当CPU、4GBメモリが最低要件です。ただし、これはSlimCoreを動作させるための最低ラインであり、1080pを安定して表示するための推奨性能ではありません。(Microsoft Learn)
バージョン要件は今後更新される可能性があります。特にRoadmap ID 561648の一般提供時には、この記事に記載した値より新しいTeamsビルドやプラグインが要求される可能性があるため、展開直前にMicrosoft Learnの「System requirements」を再確認してください。
Azure Virtual DesktopとWindows 365ではVDI判定を有効にする
Azure Virtual DesktopとWindows 365では、仮想デスクトップ側に次のレジストリ値が必要です。
New-Item -Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Teams" -Force
New-ItemProperty `
-Path "HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Teams" `
-Name "IsWVDEnvironment" `
-PropertyType DWord `
-Value 1 `
-Force
Windows 365の標準ギャラリーイメージは必要な最適化コンポーネントが事前構成されていますが、カスタムイメージでは管理者が設定を確認する必要があります。(Microsoft Learn)
Citrixでは3つの仮想チャネルを許可する
Citrix Virtual Apps and Desktops 2203以降では、仮想チャネル許可リストが既定で有効です。許可リストにTeamsの実行プロセスが登録されていないと、クライアント側プラグインへ接続できません。
必要なエントリは次の3つです。
MSTEAMS,C:\Program Files\WindowsApps\MSTeams*8wekyb3d8bbwe\ms-teams.exe
MSTEAM1,C:\Program Files\WindowsApps\MSTeams*8wekyb3d8bbwe\ms-teams.exe
MSTEAM2,C:\Program Files\WindowsApps\MSTeams*8wekyb3d8bbwe\ms-teams.exe
ワイルドカードはVDA 2206 CR、またはVDA 2203 LTSR CU2以降で使用できます。ポリシー変更後はVDAの再起動が必要です。VDA 2603以降では、これらのチャネルが既定で許可されます。(Microsoft Learn)
Citrix Workspace appとTeams VDIプラグインの32bit・64bit構成も一致させてください。ビット数が異なると、プラグインが読み込まれず最適化されません。
SlimCoreのMSIXパッケージをブロックしない
new VDI optimizationでは、ローカルWindows端末にSlimCoreメディアエンジンのMSIXパッケージが登録されます。
次のような制御がある環境では、インストールが失敗する可能性があります。
- MSIXの非管理者インストールを禁止するグループポリシー
- AppLockerやWDACによるアプリ実行制限
- Microsoft Store系アプリを一律に禁止するポリシー
- WindowsApps配下への登録を妨げるセキュリティ製品
- 書き込み内容を再起動時に破棄するシンクライアント
許可リストを正規表現で管理する場合は、次のパターンを基準にできます。
Microsoft.Teams.SlimCoreVdi*.*_8wekyb3d8bbwe
端末へパッケージが登録されたかは、ローカルWindows端末で確認します。
Get-AppxPackage Microsoft.Teams.SlimCore* |
Select-Object Name, Version, Status
Microsoft.Teams.SlimCoreVdiHostと対応するMicrosoft.Teams.SlimCoreVdiFwkが表示され、Statusが正常であることを確認します。(Microsoft Learn)
ローカル端末からTeamsへ直接通信できること
メディア処理を端末へオフロードすると、ネットワーク通信の発信元も仮想マシンからローカル端末へ変わります。
そのため、VDIセッションホスト側だけでなく、利用者端末から次の通信が許可されている必要があります。
- Microsoft 365エンドポイントID 11、12、47、127、184
- Teamsメディア用UDP 3478~3481
- TeamsサービスへのTCP 443、80
- SlimCoreパッケージ取得先へのHTTPS通信
- eCDNや同一拠点内P2Pで必要になる端末間通信
Microsoftは、Teamsメディアに対するVPN経由、パケット検査、プロキシ、パケットシェーパーの利用を推奨していません。可能な限り、ローカル端末からTeamsサービスへの直接経路とUDP通信を確保します。(Microsoft Learn)
IPアドレスをファイアウォールへ固定登録するのではなく、Microsoft 365エンドポイント情報の更新を継続的に反映できる運用にしてください。
eCDNはVDIオフロード後も必要
VDIからローカル端末へメディアを移しても、同一拠点に数百人、数千人の視聴者がいる場合は、インターネット回線や拠点WANへの負荷が発生します。
Teamsイベントの映像は、通常は視聴者ごとのユニキャストストリームとして配信されます。多数の参加者が同じ拠点から視聴すると、参加者数に応じて帯域消費が増えます。eCDNは映像をLAN内で再配布し、インターネット側から重複して取得するストリームを減らす仕組みです。(Microsoft Learn)
Roadmap ID 561648では、Microsoft eCDNとパートナーeCDNの両方が対象とされています。ただし、オフロード後はeCDNやP2P通信もローカル端末のネットワーク上で動作するため、次の構成を見直す必要があります。
- 拠点、VLAN、サブネットの分割方法
- Wi-Fiクライアント間通信の禁止設定
- VPNの強制トンネルとスプリットトンネル
- 端末間P2P通信を遮断するEDRやファイアウォール
- 在宅勤務者と社内勤務者のサイト判定
- 無線LANアクセスポイントごとの収容数と帯域
Microsoft eCDNは大規模視聴向けTeamsイベントで既定となっています。パートナーeCDNを使用する場合は、Teams管理センターでプロバイダーを構成し、イベントポリシーのUseMicrosoftECDNを確認します。設定変更の反映には最大24時間かかる場合があります。(Microsoft Learn)
1080pで視聴させるために必要な追加設定
Teamsイベントで1080pを利用するには、CsTeamsEventsPolicyのTownhallMaxResolutionを設定します。
Set-CsTeamsEventsPolicy `
-Identity Global `
-TownhallMaxResolution Max1080p
現在の設定は次のコマンドで確認できます。
Get-CsTeamsEventsPolicy -Identity Global |
Format-List Identity, UseMicrosoftECDN, TownhallMaxResolution
1080pは最大30fpsで、1ストリーム当たり約4Mbpsが目安です。ネットワーク状態が維持できない場合、Teamsは720pまたは540pへ解像度を下げます。ポリシー変更は利用者へ反映されるまで最大24時間かかる場合があります。(Microsoft Learn)
eCDNごとの違いにも注意が必要です。
| 配信方式 | 1080p対応 | 注意点 |
|---|---|---|
| Microsoft eCDN+ULL | 対応 | 低遅延の1080p配信に対応 |
| Microsoft eCDN+HLS | 対応 | 大規模配信向け |
| パートナーeCDN | 対応 | 1080pではHLSを使用 |
| eCDNなし | 技術上可能 | 拠点ごとの帯域負荷が大きくなりやすい |
1080pとUltra-Low Latencyを組み合わせられるのはMicrosoft eCDNです。パートナーeCDNではHLSが使用されます。(Microsoft Learn)
管理者が進める設定手順
VDI利用端末と接続方式を棚卸しする
最初に、利用者単位ではなく接続パターン単位で分類します。
最低限、次の情報を集めます。
- VDI基盤名
- ローカル端末のOS
- VDIクライアント名とバージョン
- new Teamsのバージョン
- Teams VDIプラグインのバージョン
- 永続VDIか非永続VDIか
- フルデスクトップかRemoteApp/公開アプリか
- 社内LAN、VPN、在宅回線のどこから接続するか
- 使用中のeCDNプロバイダー
同じCitrix環境でも、Windows端末、Mac端末、HTML5クライアントでは結果が異なります。VDI基盤名だけで対応可否を判断してはいけません。
通常のTeams会議でSlimCore最適化を完成させる
タウンホール機能の提供を待つ前に、通常のTeams会議で次の状態を実現します。
- new Teamsを最低要件以上へ更新する
- VDIクライアントとプラグインを更新する
VDI2Optimizationが有効であることを確認する- SlimCore MSIXの登録を確認する
- Teams上で「SlimCore Media Optimized」と表示されることを確認する
- ローカル端末上で
MsTeamsVdi.exeが起動することを確認する - CQDで「VDI 2.0 Optimized」と判定されることを確認する
通常会議でSlimCoreへ接続できていない端末は、タウンホール機能の提供後もオフロードされない可能性が高いため、先に原因を解消します。
eCDNとネットワークをテストする
本番イベントの前には、Microsoft eCDNのサイレントテストまたは利用中のパートナーeCDNが提供するテストを実施します。
Microsoftは、大規模イベントの前にサイレントテストとドライランを行い、ネットワーク上のボトルネックを確認することを推奨しています。イベント中はMicrosoft eCDNの分析ダッシュボードで参加者側の状態を確認でき、組織全体の傾向はCQDで分析できます。(Microsoft Learn)
ロードマップ機能の展開後に実際のタウンホールで検証する
通常会議でSlimCoreが動作していても、それだけではRoadmap ID 561648のタウンホール最適化がテナントへ展開されたことを証明できません。
展開後は、少人数の検証用タウンホールを開催し、次を比較します。
- VDIセッションホストのCPU使用率
- VDIセッションホストのメモリ使用量
- VDI仮想チャネルの帯域
- ローカル端末のCPU、GPU、ネットワーク使用量
- eCDNのピアリング率
- インターネットから取得した総データ量
- 参加者が実際に受信した解像度
- 映像停止、再バッファリング、音声途切れの発生数
ロードマップ説明上は、new VDI optimizationを既に利用できている環境に、タウンホール専用の個別有効化設定は要求されていません。ただし、段階的ロールアウトやビルド差があるため、実際のタウンホールによる確認は省略できません。(microsoft.com)
SlimCore最適化が動作しているか確認する方法
Teams画面で確認する
Teamsの上部にあるVDIステータス表示、または「設定」から「Teamsについて」を開きます。
合格と判断できる表示は、VDI基盤によって名称が異なりますが、次のようにSlimCoreを含むものです。
AVD SlimCore Media Optimized
次の表示は旧WebRTC最適化です。
AVD Media Optimized
「Optimized」と表示されているだけで判断せず、SlimCoreかWebRTCかまで確認してください。(Microsoft Learn)
ローカル端末のプロセスを確認する
最適化中は、ローカルWindows端末でMsTeamsVdi.exeが実行されます。
代表的な親プロセスは次のとおりです。
| VDI基盤 | 想定される親プロセス |
|---|---|
| Azure Virtual Desktop/Windows 365 | Windows AppまたはRDPクライアント関連プロセス |
| Citrix | wfica32.exe |
| Amazon WorkSpaces | WorkSpacesクライアント関連プロセス |
| Omnissa | Horizon Client関連プロセス |
Process Explorerなどで、VDIクライアントが対応するTeamsプラグインを読み込み、その配下でMsTeamsVdi.exeが動いていることを確認します。(Microsoft Learn)
CQDで組織全体を確認する
Call Quality Dashboardでは、SlimCoreベースの新しい最適化が「VDI 2.0 Optimized」として分類されます。
確認時は、VdiModeだけで判断してはいけません。SlimCoreモードが選択されていても、プラグインへ接続できずフォールバックしているケースが含まれるためです。
確実に判断するには、次の項目を組み合わせます。
| CQD項目 | 合格の目安 |
|---|---|
| Client VDI Is Optimized | VDI 2.0 Optimized |
| Client VDI Connected State | Connected |
| VDI Mode | SlimCoreを示す値 |
| Plugin Version | 対象基盤の対応バージョン |
| Media Stack | SlimCore |
Microsoft Learnでは、Client VDI Is Optimizedがエンドツーエンドの最適化状態を判断する正確な項目とされています。(Microsoft Learn)
よくある失敗と対処方法
| 症状 | 主な原因 | 対処 |
|---|---|---|
| Teamsには「最適化済み」と出るがタウンホールでVDI負荷が高い | 旧WebRTC最適化、またはRoadmap機能が未展開 | 表示にSlimCoreが含まれるか確認し、テナント展開状況を再確認 |
| SlimCoreパッケージが表示されない | GPO、AppLocker、WDAC、MSIX禁止設定 | SlimCoreのPackage Family Nameを許可し、端末側ログを確認 |
| Citrixだけ最適化されない | 仮想チャネル未許可、プラグイン未導入、ビット数不一致 | MSTEAMS、MSTEAM1、MSTEAM2とプラグイン構成を確認 |
| AVD/Windows 365で最適化されない | IsWVDEnvironmentが未設定 | セッションホストまたはカスタムイメージへレジストリを追加 |
| 在宅利用者だけサインイン要求や通話失敗が起きる | CAEの厳密な場所制御が端末IPを未信頼と判定 | 条件付きアクセスの信頼済み場所と端末接続元を再設計 |
| 1080pポリシーを設定しても720pになる | 帯域不足、ポリシー反映待ち、適応型解像度 | 24時間後に再確認し、1ストリーム約4Mbpsを確保 |
| 社内拠点の回線がひっ迫する | eCDN未構成、P2P遮断、端末間通信不可 | eCDN検証ツールとサイレントテストを実施 |
| Mac利用者だけオフロードされない | Roadmap ID 561648の対象外 | Windows端末へ切り替えるか、サーバー側負荷を見込んで設計 |
| RemoteAppで期待どおり動作しない | フルデスクトップより高い最低バージョンが必要 | RemoteApp/Published Apps専用の要件を確認 |
特に条件付きアクセスでCAEの厳密な場所制御を使用している場合、SlimCoreでは仮想マシンではなくローカル端末のIPアドレスが評価されます。WebRTC時代と同じ信頼済みネットワーク設計では、サインインループや通話失敗が発生する可能性があります。(Microsoft Learn)
導入可否を判断するチェックリスト
| 判定項目 | 合格条件 |
|---|---|
| 端末OS | 対象参加者がWindows端末を使用 |
| VDI基盤 | AVD、Windows 365、Citrix、Omnissa、Amazon WorkSpacesのいずれか |
| Teams最適化 | SlimCore Media Optimized |
| VDIポリシー | VDI2Optimizationが有効 |
| プラグイン | VDI基盤に対応したプラグインを読み込み済み |
| MSIX | SlimCoreVdiHostとSlimCoreVdiFwkが正常登録 |
| ネットワーク | ローカル端末からTeamsへUDP・TCPで接続可能 |
| VPN | Teamsメディアが適切にスプリットトンネルされている |
| eCDN | プロバイダー設定と検証が完了 |
| 1080p | 必要な場合のみTownhallMaxResolutionを設定 |
| テナント展開 | Roadmap ID 561648が対象テナントへ展開済み |
| 本番前検証 | 実際のタウンホール、eCDN、CQDで確認済み |
まとめ
VDI上のTeamsタウンホールをローカル端末へオフロードするには、Windows端末、対応VDI基盤、SlimCoreベースのnew Teams VDI optimization、対応プラグイン、MSIX、端末側ネットワーク、eCDNがそろっている必要があります。
一般提供予定の2026年9月までに、まず通常のTeams会議で全対象端末を「SlimCore Media Optimized」の状態へ移行してください。そのうえで、MSIX制御、Citrix仮想チャネル、AVDのレジストリ、VPN、条件付きアクセス、eCDNを点検します。
テナントへの機能展開後は、小規模な検証用タウンホールを開催し、Teams画面の表示だけでなく、MsTeamsVdi.exe、CQD、eCDN分析、イベントインサイト、VDIホスト負荷まで確認します。1080pが必要な場合は、VDIオフロードとは別にイベントポリシーと1ストリーム約4Mbpsの帯域を準備することが重要です。

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