協力して恐竜世界を生き抜くARK: Survival Evolvedは、クロスプレイが魅力の一つ。しかし、PC版とXbox版のプレイヤー間でセッションに参加できない不具合に頭を抱える方もいるでしょう。今回はその原因と解決策を徹底解説します。
ARKでフレンドのセッションに参加できない原因とは
PC版とXbox版のARK: Survival Evolvedを一緒に遊びたいのに、ホストしているワールドやセッションにうまく参加できない現象に悩まされるケースは少なくありません。特に「Join Game」ボタンを押せる状態にもかかわらず、何も起こらない、読み込みが進まないといった問題が報告されています。
このような問題には複数の原因が考えられます。まず、根本的にクロスプレイが無効になっている場合や、ゲームのバージョンが合わない場合は当然接続できません。次に、ルーターやファイアウォールなどのネットワーク設定、NATタイプが「ストリクト」になっているなど、通信経路に問題がある可能性も大いにあり得ます。
さらに、ARKは公式サーバーの終了や新バージョンへの移行(ARK: Survival Ascended)など大きな変化を経験しています。これに伴い、以前は問題なく繋がっていたのに突然繋がらなくなるケースも散見されます。しかし、これらの変更が直接的な原因になっているとは限らず、設定の見直しなどで解消できることも多々あります。
以下では、考えられる原因を掘り下げつつ、具体的な対策を順にご紹介します。どの方法が当てはまるか分からない場合は、上から順にチェックしてみてください。
クロスプレイの設定を見直そう
ARKにはクロスプレイ設定を有効化するオプションが存在し、これをオフにしていると当然ながら他のプラットフォームのプレイヤーとは遊べません。公式サーバーや自前の専用サーバー、ローカルホストなど、環境ごとに設定方法が異なるため、今一度確認してみましょう。
公式サーバーと非公式サーバーの違い
ARKには公式サーバーと非公式サーバーがあります。公式サーバーは開発元が運営しているもので、基本的にクロスプレイ設定が自動的に有効化されています。一方、GPORTALなどのホスティングサービスを利用したり、自身のPCでサーバーを立てたりする場合は、設定ファイルや管理画面でクロスプレイを明示的にオンにしなければなりません。
GPORTALなどでのクロスプレイ設定例
以下のような設定画面がある場合、一例として「Basic settings」や「Advanced settings」などでクロスプレイに関する項目を探します。サービスによって表現が異なりますが、たとえば「Enable Crossplay(Epic/Steam)」や「Crossplay Enabled」などのチェックボックスがあるはずです。
項目名 | 設定内容 | 補足説明 |
---|---|---|
CrossPlay (Epic/Steam) | ON | Epic Games版とSteam版のクロスプレイを許可 |
bForceAllowCSEpicPortal | ON | Epic経由での接続を強制許可 |
bCraftingSpeedMultiplier | (数値調整) | これは別の設定例。サーバー内でのクラフト速度を変えるパラメーター |
bUseSingleplayerSettings | OFF (推奨) | オンにするとシングル用設定が有効になり、マルチとは異なる挙動になる可能性がある |
いずれの項目もサーバーを再起動しないと変更が反映されない場合が多いので、設定をしたら忘れずにサーバーを再起動しましょう。
公式サーバー終了とバージョンの相違が原因の場合
ARK: Survival Evolvedは段階的に公式サーバーが終了し、新作のARK: Survival Ascendedへの移行が進められています。このタイミングでゲーム内のバージョンが合わなくなり、クロスプレイがうまく機能しないことが起きる場合があります。
バージョンの確認とアップデート
PC版でSteamを利用している人は、クライアントのライブラリでARKを選択し、右クリックから「プロパティ」を開いて自動更新が有効になっているか確認しましょう。Xboxユーザーの場合は、Xbox本体の更新とARK自体の更新が最新状態になっているかどうか、「マイコレクション」→「アップデート」でチェックします。
特に、PC版がEpic Gamesストア経由とSteam経由で異なるバージョンになっていると、クロスプレイ不可になるケースがあります。同じPC版でもバージョン違いが生じることがある点には注意してください。
ネットワーク環境の見直し
ファイアウォールやルーターのポート開放、NATタイプなど、接続の問題にはネットワーク設定も大きく影響します。特にXboxとPCのクロスプレイでは、NATタイプが合わないことが原因で接続に失敗する例が多いです。
ファイアウォールとアンチウイルスの設定
Windowsのファイアウォールやサードパーティーのアンチウイルスソフトを導入している場合、ARKの通信をブロックしていないか確認しましょう。ファイアウォールの「許可されたアプリ」にARKが含まれていなければ、手動で追加して許可する必要があります。設定画面はWindowsの「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「Windows Defender ファイアウォール」などからアクセスできます。
ポート開放の具体例(Windowsルーター環境)
ARKでは以下のポート番号を使用することが多いとされています。環境によっては異なる設定をする場合もありますが、参考までに一般的な例を挙げます。
ポート番号 | プロトコル | 用途 |
---|---|---|
7777 | UDP | ARKサーバー接続に使用 |
7778 | UDP | ARKサーバー接続に追加で使用 |
27015 | TCP/UDP | Steamサーバー用ポート(Steam版の場合) |
9999 | 任意 | モッドや追加設定によってはカスタムポートも利用される |
ルーターの設定画面(一般的には「ポート転送」「ポートフォワーディング」などの名前)にアクセスし、上記のポートをホストしているPCのローカルIPアドレスに向けて開放します。開放後は必ずルーターを再起動するとともに、ポートが正しく開放されているかオンラインのツールなどで確認すると安心です。
NATタイプを確認する
特にXbox側ではNATタイプが大きな影響を及ぼします。NATタイプは「オープン」「モデレート」「ストリクト」に分類されることが多く、ストリクト同士の場合は接続が難しくなります。Xboxの「設定」→「ネットワーク」→「ネットワーク設定」でNATタイプを確認できるので、問題がある場合はルーター設定を見直したり、プロバイダに問い合わせたりしてオープンに近い状態を目指しましょう。
ホストを切り替える選択肢
どうしてもXbox側がホストしているワールドへPC版が参加できない場合、逆にPC版でホストしてXboxプレイヤーを招待する手段を取るのも有効な解決策です。質問者の方でも、PCがホストになればXboxフレンドが問題なく参加できるという状況が生まれているとのことでした。これはクロスプレイ環境が複雑で、ネットワークの相性がホストする側と参加する側によって変化するために起こり得ます。
ローカルホストで遊ぶ際の注意点
ローカルセッションは自分のPCがサーバーを兼ねるため、ホストするPCの処理負荷が高くなります。十分なスペックを持ったPCを用意し、ARKの必要スペックを満たしているか再確認するとともに、配信や動画撮影などを同時に行う場合はPCが耐えきれるかも検討が必要です。また、ネットワークは常時安定した通信環境を確保しなければ、Xbox側で突然の接続切れが起こる可能性があります。
ローカルホストの手順(PCホストの場合)
- ARKをPCで起動し、メインメニューから「Host/Local」を選ぶ
- サーバー設定(マップや難易度、MOD等)をお好みで調整
- 「Non-dedicated Session(非専用サーバー)」を開始
- 画面右下などにセッション名やパスワードを設定する項目が表示されるので、必要なら設定
- ゲームが立ち上がったら、Xboxフレンドに「Join Game」やセッションブラウザから参加してもらう
非専用サーバーの場合、ホストとの距離制限がある点には注意してください。あまり遠くまで離れるとプレイヤーが強制的にホスト付近にテレポートされるなど制限が加わります。本格的に複数人で広範囲を自由に動きたい場合は、専用サーバーを立てるか、ホスティングサービスを利用するほうがスムーズです。
サーバー設定ファイルを使ったクロスプレイ確認
自前で専用サーバーを立ち上げる場合には、ARKのサーバー設定ファイルである「GameUserSettings.ini」や「Game.ini」を直接編集するケースがあります。このとき、クロスプレイに関わる設定がコメントアウトされていたり、無効値になっていると他プラットフォームから接続できません。
以下は「GameUserSettings.ini」の一部例です。
[ServerSettings]
AllowThirdPersonPlayer=True
AllowCrossPlay=True
...
AllowCrossPlay=True
がきちんと有効化されているか、また他にCrossArkChat=False
など、クロス関連のパラメータが無効になっていないか一通りチェックしてみましょう。変更後はサーバーを再起動しないと反映されませんので、設定を変えたら忘れずに再起動を行います。
どうしても解決しない場合の最終手段
上記の手順を一通り試してもPCからXboxのセッションに参加できない場合、いくつかの選択肢が残されています。
- 別のホスティングサービスを利用する
GPORTALやNitradoなど多数のARK専用ホスティングサービスが存在します。これらはクロスプレイ対応のプリセットを用意していることが多く、設定もGUIで簡単に行えるため、個別のポート開放やファイアウォール設定を大きく簡略化できます。 - ホストを固定する
PCでホストした場合は問題なくXboxが参加できるなら、PCホスト環境をメインにするのも手です。PCのスペックや安定した通信環境が整っているなら、これがもっとも確実でストレスの少ない方法になるでしょう。 - 公式サーバー(生き残っているもの)や非公式サーバーを探す
既存のサーバーブラウザからクロスプレイ可のサーバーを検索し、友人たちでそのサーバーに参加するのも一案です。公式サーバーは数が縮小しつつありますが、完全終了したわけではないものもあり、非公式でも大規模なコミュニティが運営する人気サーバーが数多く存在します。 - ARK: Survival Ascendedへの移行を検討する
今後のアップデートやサーバー資源はARK: Survival Ascendedに集中する可能性が高いです。次世代機能やグラフィックスを体験したい方は、友人と一緒に移行時期を相談するのも良いでしょう。とはいえ、初期のうちは不具合が多いかもしれないので、運営情報を逐次チェックするのをおすすめします。
まとめ
ARK: Survival EvolvedでPC版がXbox版のフレンドセッションに参加できない問題の原因は、クロスプレイ設定の不備、バージョン不一致、ネットワークやファイアウォール設定、NATタイプの問題など多岐にわたります。公式サーバー終了やARK: Survival Ascendedへの移行が進むなか、環境が変わりやすくトラブルの原因が見えづらくなっているのも事実です。
しかし、クロスプレイ設定を再度オンにする、ゲームを最新バージョンにアップデートする、ポート開放やファイアウォールの見直しを行う、NATタイプをオープンに近づけるなど、順を追って試していくことで大半のケースは解決に導けます。また、どうしてもうまくいかないときは、PCをホスト側にしてXboxを参加させる形に切り替える手段も有効です。
新しいARK: Survival Ascendedが今後どのようにクロスプレイやサーバー運営をサポートしていくかは注目されるところです。継続して最新情報をチェックしつつ、ぜひ友人と一緒に恐竜サバイバルの世界を存分に楽しんでください。
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