同じ型のワイヤレスマウスが干渉する原因と対策を徹底解説

ふと気づけば、ワイヤレスマウスの反応が数秒だけ止まる。しかも使っているのは同じ型のマウス……こんな経験はありませんか? 一般的には干渉しないと言われるワイヤレスマウスですが、実際には周辺環境などにより不具合が発生することもあります。この記事では、ワイヤレスマウスが電波干渉を起こす原因や対策方法を詳しく解説していきます。

同じ型のワイヤレスマウスで起こりうる干渉とは?

同じ型のワイヤレスマウスを2台、あるいは複数台で同時に使用する場合、電波干渉のリスクはそこまで高くないとされています。しかし、特定の周波数帯や環境要因が重なることで、まれに「マウスポインタが動かない」「クリックが反応しない」などの現象が起こることがあります。これは、2.4GHz帯の混雑やUSBレシーバー同士の干渉、さらには他の周辺機器の影響によって通信状況が不安定になるためです。

2.4GHz帯の混雑

ワイヤレスマウスは、多くが2.4GHz帯を利用して通信を行っています。一方で、Wi-Fiの2.4GHz帯やBluetooth機器も同じ周波数帯を使います。その結果、電波が込み合うオフィスや自宅などの環境では衝突が起きやすく、瞬間的に通信が不安定になってしまう場合があります。

USBレシーバー同士の近接配置

PC本体やUSBハブなどにレシーバーを複数挿していると、物理的にレシーバー同士が隣接しすぎるケースがあります。ワイヤレス通信はアンテナ性能にも左右されるため、近すぎるレシーバー同士が電波を奪い合う、あるいは強すぎる電波が干渉を引き起こすといったことも起こりえます。

電池やファームウェア、ドライバの問題

マウス側の電池残量が少ないと、出力される電波が安定しないことがあります。また、マウスやレシーバーのファームウェア、OSやドライバのバージョンが古い場合には、不具合が発生しやすくなります。とくにUSBポートの省電力設定などと組み合わさると、一時的に通信が途切れる可能性が高まります。

干渉対策の具体的ステップ

ワイヤレスマウス同士や周辺機器との電波干渉を回避・軽減するためには、以下のような具体的なステップが有効です。すぐに取り入れられる簡単な方法から専門的なものまで、順番に試してみましょう。

レシーバーの位置を工夫する

レシーバーが近すぎるとお互いの電波を邪魔し合う可能性が高まります。以下のような工夫をして、レシーバー位置を最適化しましょう。

  • PCの前面と背面など、レシーバーの挿入場所を分ける
  • USB延長ケーブルを使って、レシーバーを物理的に離す
  • 他のUSB機器やケーブル類との干渉を避けるよう配置を調整する

USB延長ケーブルを用いると、マウスを操作する場所とレシーバーを近づけられます。そうすることで、不要なノイズや他の周波数帯とのバッティングを減らせる可能性があります。

周波数帯の混雑を避ける

同じ2.4GHz帯を使っているWi-FiルーターやBluetooth機器が多い場合、チャンネルを変更したり、可能であればWi-Fiを5GHz帯に切り替えることで干渉を減らせます。また、電子レンジなどの家電製品も2.4GHz帯を使用しているため、ルーターや電子レンジを使用するタイミングや配置を考慮すると効果的です。

チャンネル変更の例

Wi-Fiでは11や13など複数のチャンネルが用意されています。Wi-Fiルーターの管理画面にアクセスすると、手動でチャンネルを指定できることがあります。日本国内であれば1、6、11などが干渉を避けやすい代表的なチャンネルとされます。自分の環境でどのチャンネルが最適かは、Wi-Fiアナライザーツールなどを使って確認するとよいでしょう。

電池やドライバのチェック

マウスの電池残量が少ないと、通信が不安定になってカーソルが飛ぶ、クリックが反応しないといった現象が起こりやすくなります。定期的に電池を交換する、あるいは充電式ならばこまめに充電するだけで不調が改善されるケースも少なくありません。

また、OSのアップデートやドライバのバージョンが古いと不具合が残ったままになることがあります。マウスメーカーの公式サイトやWindows Updateなどで最新の情報をチェックし、定期的に更新作業を行いましょう。

USBポートや省電力設定の見直し

ワイヤレスマウスのレシーバーはUSBデバイスとして認識されます。Windowsの電源管理設定で、一定時間無操作だとUSBデバイスの給電を制限してしまう場合があります。とくにノートPCなどで省電力設定が強めになっている場合は注意が必要です。

以下のように設定を見直してみてください。

  1. Windowsの「デバイス マネージャー」を開く
  2. 「ユニバーサル シリアル バス コントローラー」などの項目からレシーバーを探す
  3. 該当デバイスのプロパティを開き、「電源の管理」タブを確認
  4. 「電力の節約のためにこのデバイスの電源をオフにできるようにする」のチェックを外す

これにより、USBポートへの給電が安定し、通信が途切れにくくなる可能性があります。

メーカーサポートへ問い合わせる

自身で可能な対策を試しても問題が解決しない場合、マウスメーカーのサポートに相談することをおすすめします。特に同じ型を2台使うことで、内部設定の競合やファームウェアのバグなどが原因となっているケースも考えられます。メーカーのサポートは、特定モデルの既知の不具合や対処法を把握している可能性が高いので、最短ルートで問題が解決することも少なくありません。

トラブルシューティングを助ける表の活用

下記の表に、代表的な対策とそれぞれのメリット・注意点をまとめました。ご自身の環境や機器の使用状況に合わせて、最適な方法を選んでみてください。

対策内容メリット / 注意点
USBレシーバーを離して配置干渉リスクを軽減 USB延長ケーブルが必要な場合もある
Wi-FiやBluetoothの周波数帯を変更2.4GHz帯の混雑を回避 使用機器が5GHz帯に対応しているか確認が必要
電池の交換・充電簡単かつ即効性がある 電池残量チェックを定期的に行う必要
ドライバ・ファームウェアを更新最新バージョンで不具合改善の可能性 アップデート手順がやや煩雑な場合がある
電源管理設定を確認USBポートへの給電が安定 ノートPCなどはバッテリー消費が増える
メーカーサポートへ問い合わせモデル固有の不具合を素早く特定可能 問い合わせまでに状況を整理しておくとやりとりがスムーズ

具体的なトラブル事例と対策例

ここでは、実際に「Trust GXT 110 Felox」など、同モデルのワイヤレスマウスを2台使用している例を想定し、どのようなトラブルが起きやすいのか、そしてどう対処できるのかをもう少し掘り下げて解説します。

事例1:ゲームプレイ中にマウスが一時的にフリーズ

マウスがフリーズする症状は、電波干渉によって通信が途切れてしまうために起こることがあります。特に、オンラインゲームなどで瞬間的な操作が必要とされる場合、ほんの数秒のフリーズがプレイに大きく影響を及ぼします。

  • レシーバーをUSB延長ケーブルで離し、マウスとの距離を近づける
  • PCケース内部や周辺機器からの物理的障害を減らす
  • 5GHz帯のWi-Fiを利用し、2.4GHz帯の混雑を減らす

事例2:2台のマウスを同じデスク上で使用すると、どちらかが不調になる

会社や自宅で同じ型番のマウスを隣り合ったデスクで使っている場合、意外とレシーバーが近接してしまい、電波の取り合いが起こりやすくなります。

  • お互いのレシーバーをUSBポートで離して挿す(PCの前後、左右など)
  • 周辺機器の配置を見直して、物理的干渉を減らす
  • Wi-Fiルーターを部屋の端に移動する、または高さを変える

事例3:ノートPC使用時のみフリーズや遅延が目立つ

ノートPCは省電力機能が強く働くことが多く、USBポートを自動的にオフにする設定になっていることもあります。ACアダプターを外してバッテリー駆動時だけ不調になる場合は、下記の設定変更を試してみましょう。

  1. 「電源オプション」を開き、現在使用している電源プランの「プラン設定の変更」をクリック
  2. 「詳細な電源設定の変更」から「USB設定」→「USBの選択的な省電力を設定」を展開
  3. 「設定」を「無効」に変更

これにより、USBポートが自動的に電源をオフにしなくなるため、レシーバーの通信が途切れにくくなります。

「Trust GXT 110 Felox」サポートページの活用

もし使用しているマウスが「Trust GXT 110 Felox」の場合は、メーカー公式サイトのサポートページを一度確認してみるのがおすすめです。下記のURLからアクセスできます。

あわせて読みたい

公式サポートページには、ドライバやファームウェア更新の情報がまとまっている場合があります。また、過去に報告された不具合やFAQなどが掲載されていることもあるので、似たような症状が書かれていないかチェックしてみましょう。もし状況が一致する不具合があるなら、その対処法や修正パッチが公開されている可能性があります。

サポート問い合わせのポイント

メーカーに問い合わせる場合は、下記の情報をまとめておくとスムーズです。

  • PCのOSバージョン(例:Windows 10、Windows 11など)
  • 使用しているマウスの正確なモデル名、ファームウェアバージョン(分かる場合)
  • ドライバのバージョン(Windows Updateや公式サイトで最新を確認)
  • 不具合が起こる具体的なタイミングや頻度(ゲーム中、ブラウジング中、特定のソフト使用時など)
  • 既に試した対策(レシーバーの位置変更、電池交換、USBポート変更など)

あらかじめ情報を整理した上で連絡すると、サポート担当者から具体的な提案や追加のトラブルシューティング手順を得やすくなります。

トラブル予防のための習慣づくり

実際に干渉してしまうとストレスの元になるワイヤレスマウスですが、トラブルを未然に防ぐ習慣を取り入れることで、安定した操作感を持続させることができます。

電池交換や充電を定期的に行う

電池式のマウスでは、バッテリー残量が減ると電波の出力が弱まったり不安定になったりします。電池切れ寸前まで使い続けると、突然の通信断が起きやすいです。大事な作業やゲームを前に、電池状態をチェックしておくと安心です。

周辺機器の配置を見直す

マウスだけでなく、キーボードやヘッドセットなど、同じ2.4GHz帯を使うワイヤレス製品が複数ある場合は、できるだけレシーバーを離す、ケーブルを整理するなどの工夫をしましょう。デスク上に金属製のスタンドやスピーカーなどが多いと、電波が反射・吸収されて不安定になる可能性もあります。

最新のソフトウェア環境を保つ

OSやドライバ、ファームウェアの更新情報はまめにチェックし、最新の状態を保つのがおすすめです。不具合修正や安定性の向上が図られている場合も多く、特にWindows 10・Windows 11ではセキュリティ更新だけでなく周辺機器の動作改善が含まれることがあります。

ちょっとした工夫で快適さが変わる

ワイヤレスマウスの電波干渉は、一見すると原因が分かりにくいものです。しかし、レシーバーを離してみる、Wi-Fiを5GHz帯に切り替える、電池をこまめに交換するなどの小さな工夫によって、劇的に症状が改善することがあります。とくに同じ型のマウスを2台使用している場合は、どちらか一方だけを変更して様子を見ることで、問題点を特定しやすいでしょう。

また、メーカーごとのサポート体制も異なります。中には専用ソフトウェアやユーティリティでレシーバーの周波数を手動設定できる機能を提供している場合もあります。使用中の機種のマニュアルやサポート情報を改めて確認し、新しい発見がないかチェックしてみてください。

まとめ:自分に合った対策を見つけよう

同じ型のワイヤレスマウスを近接して使用すると、まれに電波干渉が起こってマウスが一時的に動かなくなることがあります。その原因は、USBレシーバーの配置や2.4GHz帯の混雑、電池切れ、ドライバやファームウェアの問題など多岐にわたります。解決策も、レシーバーの位置を変えるだけで済む場合もあれば、Wi-Fiのチャンネルを変更したり、OSの省電力設定を見直したりといった多少専門的な作業が必要になることもあります。

いずれにせよ、まずは簡単に取り組める対策から試してみるのが基本です。もし改善しない場合は、より専門的なアプローチやメーカーサポートの利用を視野に入れましょう。問題に応じて対策をカスタマイズすれば、快適なマウス操作を取り戻すことができます。ストレスなくPCを使える環境を整えることで、作業効率もゲームのパフォーマンスも一段とアップするはずです。

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