「Xbox本体を持っていないけれど、Game Pass Ultimateを利用してスマホでお気に入りのゲームをストリーミングしたい」という要望が近年増えてきています。本記事では、Game Pass Ultimateの基本や、Microsoft Storeで購入したゲームをクラウド経由でプレイする可能性、そして具体例として「GTA V」をスマホで遊ぶ方法などを解説していきます。
クラウドゲームとは？Game Pass Ultimateが注目される理由
クラウドゲームは、ゲームの演算処理をリモート（クラウド上）で行い、映像や操作データだけをやり取りするサービスです。これにより、高性能なゲーム機やゲーミングPCを持っていなくても、安定したネットワーク環境さえあればスマホやタブレットで本格的なゲームを楽しむことができます。その中でも注目されるのが、Microsoftが提供しているGame Pass Ultimateのクラウドゲーム機能（一般的に「Xbox Cloud Gaming」と呼ばれます）です。
Game Pass Ultimateは、定額のサブスクリプション料金を支払うことで、数多くのタイトルをXbox、PC、スマホなどでプレイできるサービスです。クラウドゲーム機能を使えば、Xbox本体が手元になくてもスマホやPCでサブスクリプション対象のゲームをストリーミング再生することが可能です。高品質かつ幅広いジャンルのゲームが用意されているため、コアゲーマーだけでなくライトユーザーからも注目されています。
Game Pass Ultimateで遊べるタイトルの特徴
Game Pass Ultimateには以下のような特徴があります。
- 豊富なラインナップ
最新作から人気の定番作品、インディーズまで幅広いジャンルが取り揃えられています。 - サブスクリプションによる定期的な更新
定期的に新作が追加される一方で、一部タイトルはラインナップから外れることもあります。 - クラウドゲーム対応
追加料金なしでXbox Cloud Gamingが利用でき、一部のGame Pass対応タイトルはPCやスマホでストリーミング可能です。
Microsoft Storeで購入したゲームはクラウドで遊べる？
Game Pass Ultimate利用者の中には「GTA Vのように、サブスクから外れてしまったゲームをMicrosoft Storeで購入すれば、クラウドストリーミングで遊べるのでは？」と考える方が少なくありません。しかし、現時点では「Microsoft Storeで購入したゲームをクラウドで遊ぶ」という仕組みは公式には提供されていません。
ゲームパスと単体購入の違いを理解しよう
Microsoft Storeで単体購入したタイトルは「手元のXbox、PCで遊ぶ」ことを前提としています。一方、Xbox Cloud Gamingで遊べるタイトルは「Game Pass Ultimateのサブスクリプションに含まれている作品」に限られます。つまり、単体購入したゲームをクラウドにアップロードして遊ぶ仕組みは存在しないのです。
以下の表は、Game PassとMicrosoft Storeでの単体購入の大まかな違いをまとめたものです。
| 項目 | Game Pass Ultimate | Microsoft Storeでの単体購入 |
|---|---|---|
| 料金体系 | 月額定額（Ultimateの料金） | ゲームごとに個別購入 |
| 遊べるタイトル数 | サブスク対象タイトルが数百本 | 購入した特定タイトルのみ |
| ライブラリから外れる可能性 | 定期的に入れ替わりあり | 自分が所有し続ける限りプレイ可能 |
| クラウドゲーム（スマホストリーミング） | 対応作品のみストリーミング可能 | 非対応（2025年2月時点で公式提供なし） |
| オフラインプレイ | XboxやPCにダウンロードすれば可能 | XboxやPCがあればオフラインプレイ可能 |
| その他の特典 | Xbox Live Gold特典・PC Game Pass含むなど | なし |
上記の通り、Game Passはあくまで定額制の作品をストリーミングあるいはダウンロードして遊ぶ仕組みで、購入作品のクラウドプレイとは切り離されています。
GTA Vをスマホで遊ぶためには？
人気タイトルのGTA Vは過去にGame Passで遊べた時期がありましたが、現在はラインナップから外れています。そのため、Game Pass Ultimate加入者であってもGTA Vをクラウド経由で遊ぶことはできません。どうしてもスマホで遊びたい場合は、以下のような方法を検討してみるとよいでしょう。
- GTA VがGame Passに復帰するのを待つ
過去に一度Game Passに入っていた実績があるため、将来的に再度追加される可能性がゼロではありません。 - Xbox本体やゲーミングPCを所持している場合はリモートプレイを活用
Xboxを持っている人は、自宅のXboxで起動したゲームをスマホにストリーミングして遊ぶ「リモートプレイ」が可能です。 - 他のクラウドゲーミングサービスを利用
NVIDIA GeForce Nowや他社のクラウドサービスでGTA Vの取り扱いがあるか確認してみる。 - 他プラットフォームのストリーミング機能を活用
Steam版を購入し、Steam Linkなどを使って自宅PCからストリーミングする方法を検討する。
リモートプレイとクラウドゲームの違いを整理しよう
「リモートプレイ」と「クラウドゲーム」は一見似ていますが、実は仕組みが異なります。
- リモートプレイ
自分が所持しているXboxやPCでゲームを起動し、その映像を手持ちのスマホやタブレットに転送します。ハードウェアの性能と、家庭内ネットワークの安定性がパフォーマンスを左右します。 - クラウドゲーム
サーバー上の高性能マシンでゲームが動作し、映像や操作データだけを通信します。自宅にXboxや高性能PCがなくても同等のゲーム体験ができますが、対応タイトルはサブスクリプションや特定サービス内のラインナップに依存するケースが多いです。
単体購入タイトルのクラウド対応は将来実現する？
「ゲームを単体で購入してクラウドで遊ぶ」という機能について、Microsoftから明確に導入のアナウンスがあったわけではありません。しかし、クラウド技術が急速に発展し続ける中、将来的にそうした選択肢が登場する可能性は十分にあり得ます。クラウドゲーミングの競合が増えることで、ユーザーにとって利便性の高い仕組みが整っていくことも考えられるでしょう。
- 競合サービスの動向
Amazon Luna、NVIDIA GeForce Now、Shadowなど、他社のクラウドゲーミングプラットフォームが増えています。それぞれがより魅力的なサービスを打ち出し、ユーザーの囲い込みに注力しているため、Microsoftも新たな機能を検討する可能性があります。 - ユーザーからの要望
Game Pass自体は大きな成功を収めていますが、「自分の購入したゲームをそのままストリーミングで遊びたい」という声は多いです。実現すればさらなるユーザー獲得が期待できるため、Microsoftにとっても価値のある取り組みとなるでしょう。
リージョンや配信権の問題
クラウドでゲームを配信するにあたっては、著作権やリージョン規制、配信権の問題など複雑な契約が関わる場合があります。Game Passへのタイトル追加・削除も、そうした契約や販売戦略に左右されることが多いため、今後のラインナップや単体購入作品の扱いには、法的・ビジネス的な側面も深く影響してきます。
クラウドゲーミングを楽しむために押さえておくべきポイント
Game Pass Ultimateをフル活用するうえでも、また他社サービスを検討する場合でも、クラウドゲーミングを快適に楽しむためのポイントは共通です。
ネットワーク環境の整備
クラウドゲーミングは映像や操作データをリアルタイムにやり取りするため、ネットワークの遅延や速度がプレイ感に大きく影響します。一般的には、少なくとも下り速度20Mbps以上かつレイテンシが低い（Ping値が50ms以下）環境が推奨されます。有線LANや高速Wi-Fiルーターの利用、回線の見直しなどを検討するとよいでしょう。
ネットワーク遅延を調べるシンプルなPowerShellスクリプト例
クラウドゲームの体験を最適化するには、Ping値を定期的に測定するのもおすすめです。以下はWindows環境で使えるPowerShellの簡単なスクリプト例です。
# google.comへPingを4回実行し、遅延を計測する例
Test-Connection google.com -Count 4実行すると各回のラウンドトリップ時間（ms）が表示されます。もし値が高いようであれば、別のネットワークに切り替えてみたり、ルーターの再起動やケーブルの確認をしてみましょう。
対応デバイスと操作性
スマホやタブレットでゲームをする場合、操作方法は大きく分けて以下の2つに分かれます。
- タッチ操作
対応しているゲームなら、画面上に表示されるバーチャルコントローラーで操作できますが、アクション性の高いゲームでは操作が難しくなることもあります。 - Bluetoothコントローラー接続
Xboxコントローラーや対応する市販ゲームパッドをスマホとペアリングする方法です。アクションゲームやFPSなど、細かな操作が必要なジャンルではコントローラーの利用がおすすめです。
コントローラー選びのチェックポイント
- 公式ライセンス
Xbox公式ライセンス品は動作の信頼性が高く、Xboxのボタン配置に準拠しているので操作がスムーズです。 - Bluetooth対応
スマホと簡単にペアリングできるか、対応OS（Android・iOS）のバージョンが合っているかを確認しましょう。 - 携帯性
スマホ用に折りたたみ式や、コンパクトに持ち運べるタイプもあります。外出先での使用を考えるなら携帯性を重視すると便利です。
Xbox本体がある場合のリモートプレイ活用
もしXbox Series X|SまたはXbox Oneを所有しているなら、Microsoft公式の「リモートプレイ（Xbox Remote Play）」機能を使うことで、ストリーミングプレイが可能です。これはクラウドゲームとは異なる仕組みで、自宅のXbox本体でゲームを実行し、その映像をスマホやPCに転送します。
- メリット
- 自分が所有しているどのゲームでもプレイ可能（ディスク版やダウンロード版を問わず）。
- Game Pass Ultimateの加入がなくても利用できる（ただしオンラインプレイを行う際にはGoldやGame Passの加入が必要な場合も）。
- デメリット
- 本体の電源をオンにしておく必要がある。
- インターネット接続の品質が低いと遅延や画質低下が起きやすい。
競合クラウドゲーミングサービスの概況
Game Pass Ultimateのクラウド機能以外にも、さまざまなクラウドゲーミングプラットフォームが存在します。それぞれの特徴を簡単にまとめます。
- NVIDIA GeForce Now
自分が所有しているPCゲーム（SteamやEpic Gamesなど対応ストアで購入済みのタイトル）をクラウドサーバー上で実行できます。対応タイトルの範囲やライセンスによってプレイ可能なゲームが左右されるので要確認。 - Amazon Luna
サブスク型で複数のチャンネルを組み合わせることでさまざまなゲームが遊べる仕組み。日本ではサービス未展開または限定的な状況。 - Shadow
クラウド上にWindowsの仮想マシンを借りる形で、自由度が高い反面、月額が高め。ゲーミングPC環境をそのままクラウドに置くイメージ。
これらのサービスを組み合わせれば、Xbox以外の環境でも「購入したゲームをストリーミングする」形が実現できる場合があります。ただしGTA Vに関しては各サービスでの対応状況が異なるため、事前に確認が必要です。
将来への期待：Microsoftの動き
Microsoftはすでにクラウドゲーミング分野で大きな存在感を示しています。今後、さらなる拡充が見込まれ、単体購入タイトルのクラウド対応などが実現する可能性は否定できません。ユーザーの声や競合との競争が激化することで、利便性の向上が進むでしょう。
一方で、著作権や配信権にまつわるビジネス的・法的ハードルは依然として高く、すぐに全面開放されるとは考えにくい現状もあります。しかしながら、クラウド技術の発展とゲーム市場の拡大は今後も続いていくため、Xbox Cloud Gamingの機能強化に期待を寄せるユーザーは多いはずです。
まとめ
Game Pass Ultimateは月額制で豊富なゲームライブラリを楽しめるうえに、クラウドゲーム機能でスマホやPCから手軽にプレイできるメリットがあります。しかし、現時点では「Microsoft Storeで購入したゲームをクラウドストリーミングで遊ぶ」ことは正式にはサポートされていません。GTA VのようにGame Passから外れた作品をスマホで遊びたい場合は、他サービスやリモートプレイ、またはGame Passへの再追加を待つしかないのが実情です。
クラウドゲーミングの技術やサービスは日進月歩で進化しています。将来的に「単体購入作品のクラウドプレイ」が実現し、ユーザーの利便性がさらに高まる可能性はあります。現時点では、Game Pass Ultimateのラインナップタイトルを中心に、クラウドゲームを存分に楽しむのがもっとも手軽で確実な方法と言えるでしょう。
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