無料で遊べるはずの「原神(Genshin Impact)」を、XboxでマルチプレイするにはGame Passが必要になることが話題になっています。特にXbox Oneなど旧世代機しか持たないユーザーからは「なぜF2Pなのに有料サブスクリプションが必須なのか?」という疑問が絶えません。本記事では、その理由や背景、実際の対処法などを丁寧に解説していきます。
Xbox版「原神」でGame Passが求められる理由
「原神」は基本プレイ無料のゲームとして、多くのプラットフォームでリリースされています。しかし、Xboxでは旧世代機にネイティブ対応されておらず、クラウドゲーミングによるプレイのみが可能となっています。そのクラウドプレイを利用するにはGame Pass Ultimateが必要なため、「無料ゲームなのに追加費用がかかる」という不満が生じているのです。
旧世代機の非対応が招く課金の壁
開発元のHoYoverse(miHoYo)がリリースしたのはXbox Series X|S版のみです。Xbox Oneなど旧世代機に直接インストールしてプレイするオプションは用意されていません。Xbox Oneで遊ぶ手段は「クラウドゲーミング」しかなく、これがGame Pass Ultimate限定のサービスになっているため、Game Pass Ultimate加入が必須となります。
F2P=完全無料ではない現実
「F2P(Free-to-Play)」という言葉に「完全無料でオンライン対戦を遊べる」というイメージを抱くかもしれませんが、ハードやサービスによっては別途課金を要するケースがあります。特にXbox One版がそもそも存在しない場合、プレイ手段としてのクラウドゲーミングに追加料金がかかるのは避けられません。
なぜ旧世代機向けの移植が行われないのか
無料ゲームとはいえ、大規模なオンラインゲームを異なるハードウェアへ移植するには、多大な開発リソースとコストがかかります。特にXbox One世代は2013年発売と、すでに10年近く経過しています。ゲーム開発が進歩するほど、古いハードのサポートは徐々に縮小していくのが現状です。
アップデート頻度の高さと安定稼働の両立
「原神」は頻繁にバージョンアップされ、新たなコンテンツや機能が追加されます。こうした運営型タイトルでは、新規機能を古いハードに適合させる調整が重荷になることも多いです。Xbox One世代の性能を考慮して最適化を行うには手間がかかり、それを継続的にアップデートで維持するにはさらにコストがかかるため、開発元としては厳しい判断を迫られます。
Xboxのビジネス方針との兼ね合い
マイクロソフトとしても、Xbox Series X|Sへの移行やクラウドゲーミングの普及に注力している節があります。特にクラウドゲーミングは、回線さえ整備されていれば旧世代機でも新世代のゲームを体験できるというメリットがある反面、利用するにはGame Pass Ultimateのサブスクリプションが必要になるため、旧世代機ユーザーには追加負担が発生してしまいます。
「GTA 5」などの重いゲームが動くのに「原神」は?
「GTA 5」をはじめ、旧世代機で動作する大規模タイトルは存在します。しかし、それらはすでに発売当初から旧世代向けにも開発・最適化が行われてきたものです。一方で「原神」は2020年リリースと比較的新しく、かつ常にアップデートを重ねるタイトルなので、今から新たに旧世代機へ移植して保守し続けるメリットが開発元にとって薄いと考えられます。
ハード性能と開発・保守コストは別問題
Xbox Oneの性能だけを見れば、設定を落とすことで「原神」が動かせる可能性はあるかもしれません。とはいえ、単に動くだけでなく、オンラインゲームとして安定したフレームレートや読み込み速度、サーバーとの同期など多面的に配慮する必要があります。加えて、バージョンアップのたびに旧世代向けの調整やテストを行うとなると、開発リソースが大幅に割かれます。結果として、開発・運用面の負担が大きくなりすぎるため、移植を断念している可能性が高いのです。
同時リリースされる新要素への対応
「原神」はアップデートごとに新キャラクター、新地域、イベントなど、かなり大掛かりな追加要素が実装されるケースが多いです。メインプラットフォームとなるPCやPS、Xbox Series X|Sでのクオリティを維持するだけでも相当な作業量が予想されます。そこに旧世代機向けの最適化が加わると、スケジュール管理や品質管理がさらに複雑になり、バグや不具合も発生しやすくなります。
無料プレイゲームに有料サブスクリプションが必要になるのはなぜ?
Xbox Oneユーザーが「原神」をプレイするためにGame Pass Ultimateが求められる最大の理由は、「Xbox One版」が存在しないためにクラウドゲーミングを選ぶほかないからです。通常、Xboxでは「無料プレイ」のオンライン対戦・協力モードを楽しむ際に必ずしも有料会員(Xbox Live GoldやGame Pass)が必要とは限りません。しかし、そもそもゲーム自体が旧世代機にネイティブ対応していない以上、クラウド経由のプレイをするためGame Pass Ultimateの契約が必須となります。
PS4版との比較による不満の噴出
「原神」はPS4版がリリースされており、オンラインプレイにもPS Plusの加入を要求していません。これは、PlayStation側がF2Pタイトルに対して有料サブスクリプションを免除するポリシーを採用しているためでもあります。一方で、Xbox Oneではそもそもネイティブアプリが提供されていない状況です。そのため「PS4では無料なのに、Xbox Oneではなぜ有料?」という不満につながりやすいのです。
クラウドゲーミングの利用料金と運営コスト
クラウドゲーミングは高性能なサーバーを通じてゲームをストリーミングし、ユーザーの入力に応じて映像を転送する仕組みです。ゲームソフトの代わりにサーバーリソースを借りる形なので、一定の運営コストが必要になります。このコストをGame Pass Ultimateという有料サービスで賄い、ユーザーはクラウドサーバーにアクセスできるという構造なのです。
実際の解決策や望まれる改善策
不満を抱えるユーザーが多い一方で、現時点では旧世代機向けに「原神」をネイティブ移植する予定は公表されていません。そのため、実質的に選べる手段は限られています。以下では、主な対処法や将来的に望まれる改善策を紹介します。
新世代機やPCを用意する
最もシンプルな解決策は、Xbox Series X|SやゲーミングPCなど、「原神」の動作が公式にサポートされているプラットフォームを用意することです。ハードルは高いものの、新しいハードを購入してしまえば無料で自由にオンラインマルチプレイを楽しめます。また、PC版は幅広い環境で動作するため、ゲーミングPCでなくともある程度スペックが満たせば動作可能です。
クラウドゲーミングを使う際の注意点
旧世代機で「原神」をクラウドプレイするには、安定したネットワーク環境が重要です。特にアクション性の高いゲームでは、回線速度や遅延の影響が大きい場合があります。具体的には以下のような点をチェックすると良いでしょう。
1. 有線LAN接続:Wi-Fiよりも安定性が高い
2. 回線速度:最低でも下り20Mbps以上が推奨
3. ルーターの性能:最新規格(Wi-Fi 6など)対応が望ましい
4. ピン(応答速度):遅延が高いと操作がシビアに
以上の点を踏まえ、クラウドゲーミングで遊ぶなら、可能な限り快適な環境を整えることがマルチプレイを楽しむための鍵となります。
開発会社やMicrosoftへのフィードバック
ユーザーとしてできることは、開発会社のHoYoverse(miHoYo)やMicrosoftに要望を伝えることです。SNSや公式フォーラムなどで、旧世代機向けの移植を希望する声を上げることで、将来の展開に変化が生まれる可能性もゼロではありません。ただし、ビジネス的に見合わないと判断されると、対応は難しいのが現状です。
表で比較する「原神」のプラットフォーム状況
以下の表は主要プラットフォームにおける「原神」の対応状況と、オンラインプレイに必要となるサービスをまとめたものです。実際のプレイを考えている方は、どの環境で遊ぶのが最適か判断する材料にしてください。
プラットフォーム | ネイティブ対応 | オンラインプレイに必要なサブスク | クラウドゲーミング対応 |
---|---|---|---|
PC (Windows) | 対応 | 不要(無料でオンライン可) | なし |
PS4 | 対応 | 不要(PS Plus不要) | なし |
PS5 | 対応 | 不要(PS Plus不要) | なし |
Xbox Series X | S | 対応 | 不要(F2Pは基本的に無料) |
Xbox One | 非対応 | Game Pass Ultimate(クラウド経由) | 可能 |
モバイル(iOS/Android) | 対応 | 不要(無料でオンライン可) | なし |
Switch (未リリース) | 不明 | 不明 | 不明 |
表から分かるように、Xbox Oneで遊ぶ場合はクラウドゲーミングを活用するしかなく、Game Pass Ultimateが必須となる点に注意が必要です。
まとめ
Xbox One世代など旧世代機を利用しているユーザーにとっては、「原神」がネイティブサポートされておらず、クラウドゲーミングを経由しなければプレイできない状況が不満を招いています。無料プレイが魅力のタイトルであっても、クラウドサーバーの利用にはコストがかかるため、Game Pass Ultimateという有料サブスクリプションが必要になる現実があります。
技術的に「動くはず」でも、開発・運営コストやビジネス方針の観点から旧世代機向け移植が見送られるケースは珍しくありません。現段階では、Xbox Series X|SやPCへの移行、あるいはクラウドゲーミングの利用という選択肢しか実質的に存在しないのが実情です。
「旧世代機でも遊びたい」という声は大きいですが、企業側のコストと利益のバランスを考えると、直ちに対応が実現する見込みは低いと言わざるを得ません。ユーザーとしては、Microsoftや開発会社に継続的に要望を伝えると同時に、現行の環境で可能な方法を選択する必要があります。今後、さらにクラウドゲーミングが進化し、低遅延かつ高品質なストリーミングが当たり前になれば、サブスクリプションによるハードルも下がってくるかもしれません。
どの環境でプレイするにしても、快適なマルチプレイ体験のためにはネットワーク回線やハードウェアの性能が大切です。特にクラウドゲーミングを利用する場合は、安定した通信環境を整えることでラグを最小限に抑えられます。「原神」の世界は広大かつ美麗で、仲間と協力して冒険をする楽しみは格別です。最良の手段を選んで、ぜひ自由な冒険を満喫してみてください。
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