XServer VPS for Gameで始めるMinecraftサーバー構築ガイド

はじめまして。ここではXServer VPS for Gameを使ってMinecraft(Java版)マルチプレイサーバーを構築する方法を、初心者の方でもわかりやすいステップ形式で詳しく紹介します。VPSの初期設定からサーバーソフトの導入、セキュリティ強化や自動化まで幅広く網羅し、快適なマイクラ運用をサポートします。

XServer VPS for Gameの初期設定

まずは、Minecraftサーバーを動かすためのVPS環境を整えましょう。XServer VPS for Gameでプラン契約を行い、SSH接続ができる状態にします。

プランの選択と契約方法

XServer公式サイトでVPSの新規申し込みを行い、用途に合わせて十分なメモリ容量のプランを選びます。同時プレイ人数が5~10人程度なら4GB以上をおすすめします。以下の表に目安をまとめてみました。

プレイヤー数推奨メモリ推奨プラン例
~5人2GB~小規模プラン
5~10人4GB~中規模プラン
10人以上8GB~大規模プラン

長期間契約するほど月額費用が割安になる点がXServer VPS for Gameの魅力です。

契約後に発行される「IPアドレス」「rootユーザー名」「初期パスワード」などをメモしましょう。サーバーが稼働中になっていれば準備完了です。

VPSへのログイン(SSH接続)

準備ができたら、SSH接続を用いて遠隔操作します。Windowsの場合はPowerShellでsshコマンドを利用でき、MacやLinuxではターミナルで同様に操作できます。

ssh root@123.45.67.89

初回はホスト認証の警告が表示されますがyesで続行し、パスワードを入力すればログインできます。ログイン直後にOSのアップデートを行い、セキュリティパッチを適用しておきましょう。

sudo apt update && sudo apt upgrade -y

(CentOS系ならyum update -yを実行)

いきなりrootでログインするのはセキュリティ面で心配ですが、とりあえず初期設定を済ませたら別ユーザーを作成すると安心ですよ。

Minecraftサーバーのセットアップ

ここからは、MinecraftのサーバーソフトをVPSに導入し、実際に起動する手順を解説します。Java17以上のランタイムが必要なので、必ずインストールしておきましょう。

Javaのインストール

# Javaが入っているか確認
java -version

# Ubuntu/Debian系でインストールする例
sudo apt install -y openjdk-17-jdk

# CentOS/AlmaLinux系でインストールする例
sudo yum install -y java-17-openjdk

java -versionで17系が表示されればOKです。

Minecraftサーバーのダウンロードと起動

まず、サーバー用ディレクトリを作成します。以下は例です。

mkdir ~/minecraft
cd ~/minecraft

次に、Minecraft公式サイトからサーバーJarファイルをダウンロードし、wgetコマンドで取得しましょう。以下はイメージ例です。

wget https://launcher.mojang.com/v1/objects/XXXXXXXXXXXXXXXX/server.jar -O minecraft_server.jar<br>

ファイルをダウンロードしたら、一度サーバーを起動してみます。

java -Xmx1G -Xms1G -jar minecraft_server.jar nogui<br>

初回起動では「eula.txtが見つからない」と表示されて強制停止しますが、これにより各種ファイルが生成されます。

EULAの承認と設定変更

生成されたeula.txtを開き、eula=falsetrueに書き換えれば利用規約に同意したことになります。

nano eula.txt
# eula=false を eula=true に変更

さらにserver.propertiesでサーバー設定(ワールド名、ポート番号、最大プレイヤー数など)を変更できますが、最初はデフォルトでも構いません。編集したら再度起動します。

java -Xmx1G -Xms1G -jar minecraft_server.jar nogui

コンソールにDone (◯◯秒)と表示されれば起動成功です。停止するときはコンソールでstopと入力してください。

サーバー設定と最適化

サーバーを外部から使えるようにするため、ポート開放やメモリ割り当てなどのチューニングを行います。

ポート開放とファイアウォール設定

デフォルトのMinecraftサーバーはTCP 25565番ポートを使用します。まず、XServer VPS for Gameの管理パネルで25565番を許可しましょう。その後、OSのファイアウォール(UFW)を使う場合は以下のように設定します。

sudo ufw allow 22/tcp
sudo ufw allow 25565/tcp
sudo ufw enable
sudo ufw status

ホワイトリストを活用して招待制サーバーにすれば、外部からの無用な接続を防げます。

ファイアウォールが整えば、クライアントからサーバーIP:25565に接続可能です。

メモリ割り当てとパフォーマンスチューニング

-Xmx-XmsでJavaのヒープメモリを設定します。4GBメモリのVPSなら、OS分を残してMinecraftには2~3GB程度割り当てるのが目安です。

java -Xmx3G -Xms1G -jar minecraft_server.jar nogui

server.propertiesview-distancesimulation-distanceを下げると負荷が下がります。Paperなど高性能サーバーソフトを使うのも一手です。

プラグイン導入(SpigotやPaperの利用)

拡張や便利機能を追加したい場合、公式バニラではなくSpigotやPaperなどの派生版を利用します。PaperはSpigot互換のプラグインに対応し、パフォーマンスも向上する人気のサーバーソフトです。

wget https://api.papermc.io/v2/projects/paper/versions/1.xx/builds/latest/downloads/paper-1.xx-latest.jar -O paper.jar
java -Xmx3G -Xms1G -jar paper.jar nogui

起動するとpluginsフォルダが生成され、そこにプラグインのJarファイルを入れるだけで機能を拡張できます。導入時は対応バージョンをしっかり確認しましょう。

荒らし防止や経済システム、権限管理など、プラグインを入れればサーバー運営がぐっと楽になります。

セキュリティ対策

インターネット上に公開する以上、外部からの不正アクセスや攻撃への備えが必要です。特にSSHやDDoSへの対策を重点的に行いましょう。

SSHのセキュリティ強化

初期状態でrootユーザーをパスワード認証で使うのは危険です。以下を行いましょう。

  1. 一般ユーザーを作成(例:minecraftユーザー)
  2. 公開鍵認証を導入
  3. /etc/ssh/sshd_configPermitRootLogin noPasswordAuthentication noに設定し、SSHを再起動

さらにFail2Banなどのツールで、一定回数ログイン失敗したIPをブロックすれば安心です。

DDoS対策

XServer VPS for Gameには高性能なDDoS緩和機能が搭載されていないため、大規模攻撃を受けると対処が難しいです。

もし攻撃を受けてしまった場合、XServerのサポートに相談する、またはサーバーを一時停止し攻撃が落ち着くのを待つしかないケースもあります。本格運用を考える場合は、DDoS耐性の高いホスティングやゲームサーバープロキシを利用する方法も検討してください。

権限管理(OP権限、ホワイトリスト設定)

OPは何でもできる管理者権限です。自分をOPにする場合、コンソールで下記を入力します。

op プレイヤー名

他の人にはむやみに与えないよう注意しましょう。サーバーへの参加を限定するには、whitelist onでホワイトリストを有効にし、下記コマンドで必要なプレイヤーを追加します。

whitelist add プレイヤー名

またonline-mode=trueで正規アカウント以外の接続を遮断できます。MODやプラグインで厳格な権限管理をする場合はLuckPermsなどの導入がおすすめです。

運用と管理

サーバーを長期運用する際は、自動起動設定やバックアップ取得を忘れないようにしましょう。

自動起動設定(Systemdによるサービス化)

sudo nano /etc/systemd/system/minecraft.service

下記のようなUnitファイルを作成し、WorkingDirectoryExecStartのパスを自環境に合わせます。

[Unit]
Description=Minecraft Server
After=network.target

[Service]
WorkingDirectory=/home/minecraft/minecraft
ExecStart=/usr/bin/java -Xmx3G -Xms1G -jar minecraft_server.jar nogui
User=minecraft
Restart=on-failure
StandardOutput=syslog
StandardError=syslog

[Install]
WantedBy=multi-user.target

作成後は以下のコマンドで有効化し、起動します。

sudo systemctl daemon-reload
sudo systemctl enable minecraft
sudo systemctl start minecraft

以後、VPS再起動時にも自動でMinecraftが起動します。ステータス確認にはsystemctl status minecraft、リアルタイムログ確認はjournalctl -u minecraft -fを使いましょう。

バックアップ方法

万が一ワールドデータが破損してしまうと取り返しがつきません。定期的にワールドフォルダや設定ファイルをバックアップしましょう。サーバー停止後にディレクトリを圧縮して保存するのが確実です。

sudo systemctl stop minecraft
tar czf backup_$(date +%Y%m%d).tar.gz minecraft
sudo systemctl start minecraft

取得したファイルはローカルPCやクラウドストレージなど、VPS本体とは別の場所に保管しておくと安全です。

トラブルシューティング

  • サーバーに接続できない:ファイアウォールで25565番が許可されているか確認し、サーバープロセスが正常起動しているかsystemctl status minecraftやログをチェック。
  • ラグがひどい:htoptopでCPU・メモリを確認。view-distanceを下げる、不要プラグインを整理する、Paperサーバーを使うなどで負荷を軽減。
  • クラッシュする:クラッシュレポート(crash-reports)を確認し、メモリ不足やプラグイン競合の可能性をチェック。原因を取り除き、必要に応じてバックアップから復元。

定期的にサーバーを再起動してメモリをリフレッシュするのも安定稼働には効果的です。

これらを踏まえれば、XServer VPS for Gameを使ったMinecraftサーバーの構築や運用がスムーズに進むはずです。十分なセキュリティ対策とバックアップを行い、仲間と一緒に安心して楽しめるマルチプレイ環境を整えてみてください。

コメント

コメントする