Xbox Series Xをリビングのテレビボードなどに収納していると、赤外線リモコンが効かずに困った経験はありませんか?本記事では、Bluetoothリモコンは使えるのか、また代替手段や便利な設定方法について解説します。快適なエンタメライフのヒントとしてお役立てください。
Xbox Series XとBluetoothリモコンの現状
Xbox Series X/Series Sで動画アプリ(NetflixやYouTubeなど)を操作する際、手軽に使えるメディアリモコンがあると便利ですよね。ところが実際には、赤外線(IR)タイプのリモコンが主流であり、Bluetoothで接続可能なリモコンはほぼ存在していません。その背景を詳しく見ていきましょう。
赤外線リモコンが主流になっている理由
Xbox One時代からMicrosoftはIRリモコンを公式にサポートしてきました。Xbox公式のメディアリモコンも、すべて赤外線方式で動作します。理由としては、テレビやAVアンプなども含めた既存のホームシアター機器との互換性を考慮していることが挙げられます。IRリモコンは汎用性が高く、テレビのリモコンやユニバーサルリモコンでもXboxを操作できるようにするために、この方式が選択されるケースが多いのです。
Bluetoothリモコン非対応の理由
Xbox Series X/Series S本体は、ゲームコントローラーの接続などでBluetoothや独自の無線通信プロトコルを利用していますが、メディアリモコンとしてのBluetooth通信はサポート対象外です。過去の機種も含め、公式・非公式問わず「Xbox対応リモコン」として市販されているものはほとんどがIR方式。つまり、本体の前面にあるIR受光部に向けて操作する前提の設計です。そのため、キャビネットやテレビボードの中に本体を収納してしまうと、IRリモコンで操作しづらいという欠点が生じます。
キャビネット収納でも快適に操作するための代替手段
Bluetoothリモコンが使えない以上、キャビネットなどにXboxを収納している方はどうすればよいのでしょうか。ここからは代替となる方法を順番にご紹介します。
1. Xboxコントローラーを使った操作
Xboxゲームコントローラーを使えば、赤外線に依存せず本体と通信できます。通常のXboxワイヤレス コントローラーやEliteコントローラーなどでNetflixなどのストリーミングアプリを操作できる点は大きなメリットです。
- 本体との無線通信はIR不要
- ゲーム感覚でメニューを操作できる
- 電源のON/OFFも比較的スムーズ
しかし、テレビの音量操作についてはXboxコントローラー自体で直接行うことはできません。あくまでもメディアアプリ内の再生・停止・早送り・早戻しといった操作は可能ですが、音量はテレビやAVアンプの設定が必要となります。
Eliteコントローラーのパドル機能で音量操作?
Xbox Elite ワイヤレス コントローラー シリーズ2などでは、追加のパドルボタンに機能を割り当てることができます。しかし、標準ではテレビ側の音量調整ができるわけではなく、あくまでXbox内のボリューム調整(アプリ側など)に限定される場合が多いです。下記のようにアクセシビリティ機能などを応用して設定すると、疑似的に音量操作っぽいボタン割り当てができるケースもありますが、実際にはテレビ本体とは連動しない場合がほとんどです。
例: Xboxのアクセシビリティ機能を利用して
- パドル1 → 音声読み上げ機能ON/OFF
- パドル2 → アプリ内ボリューム調整(アプリが対応している場合)
このように、コントローラーだけで「テレビの音量」を自在に操作するのは難しいです。あくまでXbox内部の音声を調整する程度にとどまるため、完全な置き換えにはなりません。
2. スマートフォンアプリ(Xbox公式アプリ)を活用する
Xbox公式アプリ(iOS・Android対応)を使用すると、スマートフォンをリモコン代わりに操作できます。アプリ内でナビゲーションや文字入力が行えるため、赤外線を必要とせず、本体と通信できる点は大きなメリットです。また、キャビネットに収納していても問題なく操作ができるのも強みといえます。
ただし、テレビの音量をスマートフォンから直接操作できるわけではありません。テレビ側が独自のアプリ連携(たとえばスマートテレビの場合など)に対応しているなら、別途そのアプリで音量を調整するという2段階操作となる可能性が高いです。
項目 | 特徴 |
---|---|
操作範囲 | Xboxメニュー・アプリ・文字入力など |
テレビ音量 | 直接操作不可(テレビ側アプリがあれば間接的に調整可能) |
通信方法 | Wi-Fi経由で本体と接続 |
メリット | 視界を遮らないキャビネット収納でも問題なし、キーボード入力が素早い |
デメリット | 音量調整はテレビ固有の別アプリ・リモコンに切り替える必要あり、スマホ操作が苦手な人には不向き |
IRリピーターやHDMI-CECなど周辺機器・機能の活用
Xbox Series X本体の仕様としてBluetoothリモコンが使えない以上、発想を転換して「赤外線リモコンをキャビネット越しに使えるようにする」もしくは「テレビのリモコンでXboxを操作する」といった工夫が必要です。
1. IRリピーター(エクステンダー)の導入
キャビネットやラックの中に収納した機器でも、外部からの赤外線操作を可能にするのがIRリピーターです。赤外線信号を受信する小型センサーをキャビネット外部に設置し、その信号をケーブルや無線で内部のエミッター(送信機)へ中継します。これにより、本来ならIRが届かない場所にあるXboxでも、赤外線リモコンを使って操作できるようになります。
- メリット
- すでにお手持ちのIRリモコン(Xbox公式メディアリモコンなど)がそのまま使える
- テレビやAVアンプなど、赤外線対応の複数機器を同時に操作可能
- デメリット
- リピーター本体の設置と配線が必要
- 安価な製品から高価な製品まで幅広く、設定がやや面倒な場合もある
以下はIRリピーターの一般的な構成例です。
[リモコン] --(IR信号)--> [外部受信センサー] --(ケーブル)--> [リピーター本体] --(IRエミッター)--> [Xbox Series X]
インターネット通販などで「IRリピーター」「IRエクステンダー」などのキーワードで検索すると、数千円程度のセットも多数見つかります。赤外線リモコンの汎用規格に対応している製品ならば、Xboxリモコンを含めて操作できるようになるでしょう。
2. HDMI-CECの活用
テレビやAV機器がHDMI-CEC(Consumer Electronics Control)に対応している場合、機器同士をHDMIケーブルでつないでおけば、一方のリモコン操作がもう一方に伝わる可能性があります。たとえばテレビのリモコンでXbox Series Xの電源をON/OFFしたり、逆にXboxを起動すると自動的にテレビ電源が入るといった連携が期待できます。
ただし、CECによって操作できる内容はメーカーや機器によって異なります。
- 電源のON/OFF連動 … 多くの機器で対応しているが、うまく動作しない場合も
- メディア操作 … 早送り・巻き戻し等が使えることもあれば、まったく反映されないことも
そもそもXbox側で細かなメディア操作がCEC対応していない部分があるため、テレビのリモコンでNetflixを操作しようとしてもうまくいかないケースは珍しくありません。結局のところ、Xbox独自の操作はIRもしくはコントローラーが必要になるため、CECだけで万能に解決するわけではない点に注意が必要です。
補足:他の無線リモコン(RFやWi-Fi)という選択肢は?
世の中にはIRではなく、RF(Radio Frequency)やWi-Fiを利用して動作する「リモコンらしきデバイス」も存在します。Fire TV StickのリモコンやNVIDIA Shield TVのリモコンなどが該当しますが、これらはあくまで各プラットフォーム専用品です。Xbox本体はRFリモコンを公式にサポートしていないため、単純にそのリモコンをXboxでペアリングして使うことはできません。
また、ユニバーサルリモコンとして有名なLogitech Harmonyシリーズも赤外線が主体です。Harmony Hubを利用すればWi-Fi経由でスマホと連携し、IRシグナルを発する形でXboxを操作できますが、最終的にXboxが受け取るのはIR信号です。そのため、キャビネット越しに直接IR操作が難しいなら、結局はリピーターやHubからのIR発信を工夫しなくてはならず、「Bluetoothリモコンが欲しい」という要望にストレートに応えるものではありません。
まとめ
現時点で、Xbox Series X/Series Sに対応した「Bluetoothメディアリモコン」は事実上存在しません。公式・非公式問わずリモコンは赤外線方式のものが多いため、キャビネットやボード内に本体を収納していると操作が困難になりがちです。
それでも以下のような方法で代替的に快適操作を目指せます。
- Xboxコントローラー(ワイヤレス通信)でアプリ操作
- Xbox公式スマホアプリを使って赤外線不要でメニューを操作
- IRリピーター(エクステンダー)で収納内部の本体に赤外線を届ける
- HDMI-CECを活用し、テレビリモコンとの連動を試みる
ただし、テレビの音量調整などは基本的にテレビそのものの機能となるため、Xbox側からの操作には制限があるのが現実です。Xboxをキャビネットにきれいに収めたい方は、操作性とのトレードオフを念頭に置きつつ、リピーターの導入やHDMI-CECの設定などを検討するとよいでしょう。
最終的には、それぞれのご家庭の環境と予算、操作スタイルに合わせて最適な方法を見つけるのが一番です。ぜひ本記事の内容を参考に、あなたにとってベストなメディア操作方法を探してみてください。
コメント