海外への移住や長期滞在が決まったとき、愛用しているゲーム機が現地でもそのまま使えるかどうかは重要なポイントですよね。特にイギリスで購入したXbox Series Xをアメリカへ持ち込む場合、「ゲームは問題なく動作するのか」「DVDやBlu-rayのリージョンロックは?」と不安になる方も多いのではないでしょうか。
イギリス版Xbox Series Xをアメリカで使ううえでの基本事項
イギリスとアメリカでは電圧やコンテンツの流通形態などに違いがあります。しかしXbox Series Xは、マイクロソフトがグローバルに展開しているプラットフォームであることから、基本的には地域に縛られにくい設計が特徴です。以下では、具体的なリージョンロックの有無や注意点を段階的に解説していきます。
1. Xbox Series X本体の地域制限はほぼなし
Xbox One世代以降、物理的なリージョンロックはほとんど撤廃されています。その流れを受け継ぎ、Xbox Series X本体自体にも厳密な地域制限はありません。イギリスで購入した本体をアメリカに持ち込んだからといって、起動しなくなるということはないので安心です。
電源プラグと電圧の確認
- イギリスの電圧は220-240V、アメリカは110-120Vと異なります。
- Xbox Series X本体の電源アダプタはユニバーサル対応になっている場合が多いですが、念のため公式サイトなどで確認しましょう。
- プラグ形状も異なるので、物理的に差し込めるように変換プラグや電源ケーブルを用意する必要があります。
- 電圧が非対応であれば変圧器が必要となるケースもあるため、移住前にチェックしておくと安心です。
アカウントのリージョン設定
- Xboxアカウントは、本体設定とは別に「アカウントの地域設定」を管理しています。
- アメリカで新たにデジタルコンテンツを購入する場合は、アカウントの地域をアメリカに変更するのが一般的です。
- 地域設定の変更には、クレジットカードの登録地域や請求先住所、PayPalアカウントの所在地などの紐づけ情報が必要になることがあります。
- 頻繁に地域を切り替えると、マイクロソフト側の制限に引っかかる場合があるので要注意です。
2. DVD/Blu-rayのリージョンコードに要注意
イギリスとアメリカでは、DVDとBlu-rayのリージョンコードが異なるため、ディスク再生機能においては注意点が生じます。ゲームのリージョンとは別の話なので、混同しないようにしましょう。
DVDリージョンコード
- イギリスはDVDリージョンコード「2」、アメリカは「1」に区分されます。
- そのため、イギリスで購入したDVDソフトをアメリカのリージョン1に対応したXbox Series Xで再生すると、ロックがかかる可能性があります。
- リージョンフリーのDVDソフトなら問題ありませんが、多くの商業DVDにはリージョンコードが含まれています。
Blu-rayのリージョンコード
- Blu-rayにはA・B・Cというリージョン区分があります。
- 北米は「A」、ヨーロッパは「B」
- そのため、イギリスで購入したBlu-rayソフトはリージョン「B」、アメリカで一般的に販売されているプレイヤーはリージョン「A」です。
- Blu-rayソフトの場合もやはり、違うリージョンのディスクを再生しようとするとエラーが発生することがあります。
4K UHD Blu-rayは比較的リージョンフリー
- 4K UHD Blu-rayディスクは従来のBlu-rayと比べてリージョン制限が緩い場合が多く、実質的にリージョンフリーとして再生できるものが増えています。
- ただし、稀に制限を設けているスタジオもあるので、購入前にパッケージや公式情報をチェックすると安心です。
3. 物理ディスク版ゲームのリージョンロックは基本的になし
Xbox 360時代にはタイトルごとのリージョンロックが存在することもありましたが、Xbox One以降は物理ディスク版のゲームについてリージョンロックを廃止しているケースが大半です。
国別規制のある特殊タイトルに注意
- 稀に国別の法規制が厳しいゲーム(暴力表現や表現規制が特殊な地域向けタイトルなど)では、別バージョンとして流通していることがあります。
- イギリスとアメリカ間では比較的規制の違いが少ないため、ほとんどのタイトルは共通のディスクで遊べるでしょう。
- ただし、他国(例:ドイツ、日本、オーストラリアなど)向けにコンテンツ規制が異なる場合は、別パッケージになることがあるので注意が必要です。
ゲームのアップデートとオンライン要素
- 物理ディスクゲームをインストールし、その後オンライン接続してアップデートを行うケースが多いです。
- このアップデートデータはストアのリージョン設定に影響を受ける可能性がありますが、通常イギリスとアメリカでは同じサーバーから同一バージョンが配信されることが多いです。
- 特定の国だけ先行配信されるDLC(追加コンテンツ)やシーズンパスがある場合、一時的にリージョン設定を切り替えると円滑にダウンロードできることもあります。
4. 既にダウンロード済みのデジタルゲーム(UKアカウント)はどうなる?
イギリス滞在中にダウンロードしたデジタルゲームは、基本的にアメリカへ移った後もそのまま遊ぶことが可能です。これはXboxのアカウント管理が「購入履歴」に基づいているためであり、アカウントとゲームの紐づけ自体に地理的な制限がほとんどないからです。
再ダウンロードのリスク
- すでに本体にインストールされていれば、オフラインでも起動できます。
- もしゲームをいったん削除し、改めて再ダウンロードする場合は、アメリカのストアでそのタイトルが配信されていない・バージョンが異なるという稀なケースも考えられます。
- 大半のメジャータイトルは共通の配信形態を取っているため、イギリスとアメリカ間で再ダウンロードが不可能になる事例は多くありません。
- 万が一再ダウンロードできない場合は、カスタマーサポートに問い合わせるか、一時的にアカウント地域をイギリスに戻してダウンロードすることで解決できる場合があります。
オンラインマルチプレイと課金要素
- デジタルゲームのオンライン要素は、主にXbox Liveのグローバルサーバーを通じて提供されるため、イギリス版だからといってマッチングできないといったことは基本的にありません。
- ただし、課金通貨(例:Microsoftポイントやクレジットカード)は地域設定が反映されるため、アメリカで使う場合はアメリカの通貨や決済方法を登録する必要があるでしょう。
5. 未使用のデジタルゲームコード(UK向け)の取り扱い
ここが最もややこしいポイントです。イギリスのストアでしか使えないコードをアメリカのアカウントに入力しても、エラーメッセージが表示されて使えない場合があります。
一時的にアカウントの地域を変更して入力する方法
- アカウント設定画面から地域をイギリスに変更し、コンソールやウェブブラウザからコードを入力する手段が考えられます。
- その後、ゲームがライブラリに登録されたら再度アメリカに地域を戻す方法です。
- この方法は一見簡単そうに思えますが、地域変更は頻繁には行えないという公式制限があるため、慎重に行う必要があります。
代行サービスやギフト機能を利用するケースも
- 一部のオンライン小売店やフレンドがコードを代行で引き換える方法も考えられます。ただし、規約に違反する恐れがあるので推奨はできません。
- マイクロソフト公式ギフト機能を利用すると、デジタルコンテンツをプレゼントという形で送れることがありますが、ギフト用コードもリージョンが分かれているケースがあるため注意が必要です。
アカウントのリージョン変更手順と注意点
Xboxアカウントの地域を変更する際は、以下のようなステップで進めます。各ステップは実際の画面や状況によって異なる場合があるので、公式サポートページもあわせて確認しましょう。
- Microsoftアカウントにサインイン
WebブラウザからMicrosoftアカウント(またはXboxアカウント)にログインします。 - 「お使いの情報」→「編集」から居住国を変更
- 居住国のプルダウンから、目的の国(アメリカなど)を選択します。
- 支払い方法や請求先住所も地域に応じて更新する必要がある場合があります。
- Xbox本体の設定から地域を変更
- Xbox本体の「設定」メニューで、システム設定→言語と地域→地域から変更を行います。
- 本体再起動を促されるので、再起動後に新地域が適用されます。
- 再ダウンロードやストアアクセスを確認
- 新しい地域に設定した状態で、ストアが正常に機能するかを確認しましょう。
- 購入可能なタイトルが表示されるか、通貨が目的の国のものに変わっているかなどをチェックします。
- 頻繁な変更は避ける
- 地域変更を行うと、一定期間再度変更できなくなる可能性があります。
- 頻繁に切り替えるとアカウントロックのリスクが高まるので注意が必要です。
リージョンロック回避策とおすすめ運用法
イギリスとアメリカは言語的にも非常に近く、規制の差も比較的少ないため、Xboxライフはさほどストレスなく継続できるでしょう。しかし、いくつかの点を押さえておくと、よりスムーズに運用できます。
1. 物理ディスク中心の購入を検討する
- リージョンロックの問題を最小限に抑えたいなら、物理ディスク版のゲームを購入するのが無難です。
- Xbox Series Xであれば、ほとんどの物理ゲームディスクがリージョンフリーです。
- イギリスからアメリカへ移った後も、そのままプレイを続けられますし、もし中古で売りたい・友人に譲りたい場合も柔軟に対応できるメリットがあります。
2. デジタル版購入は居住国に合わせる
- デジタル版をメインに利用したい方は、まずアカウント地域を居住国(アメリカ)に合わせておくと、後々の手続きがスムーズです。
- 現地のギフトカードなどを利用すれば、クレジットカードの住所問題もクリアできる場合があります。
- 英語圏であれば、ゲーム内テキストやDLCの内容はイギリス版もアメリカ版もほとんど同一なので、違和感なくプレイできるでしょう。
3. 日本など他地域のストアとの違い
- アメリカやイギリスと比べると、日本市場向けのXbox配信タイトルが少なかったり、発売時期が遅れたりする場合があります。
- 逆に日本でしか配信されていない特定のタイトルやDLCがある場合もあります。
- こうした地域限定タイトルをどうしてもプレイしたい場合、アカウントの地域を再変更する必要があります。
4. DVD/Blu-rayの再生環境を整える
- DVDやBlu-rayを頻繁に観る方は、リージョン制限のないプレイヤーやPCドライブを別途用意する方法も検討できます。
- Xbox Series X以外にも、リージョンフリープレイヤーが市販されているので、映像ソフトを快適に楽しみたいならそういった機器を利用するのも手です。
- 4K UHD Blu-rayディスクを購入する場合、ほとんどがリージョンフリーですが、念のため商品情報を確かめましょう。
表でまとめるリージョンと対応の早見表
以下の簡易表にまとめると、イギリスとアメリカ間でのメディア再生やゲームプレイの対応状況が一目でわかります。
項目 | イギリス(UK) | アメリカ(US) | 注意点 |
---|---|---|---|
Xbox Series X本体 | 地域ロックなし | 地域ロックなし | 電源アダプタとプラグ形状を要確認 |
アカウントの地域設定 | UKに設定 | USに設定 | 購入・課金は地域設定に依存 |
物理ディスク版ゲーム | ほぼリージョンフリー | ほぼリージョンフリー | 稀に国別規制あり |
デジタルゲーム(既存タイトル) | UKストアで購入・DL済 | USに移動後も利用可能 | 再DL時に配信状況が変化している可能性 |
未使用デジタルコード(UK向け) | UKストアでのみ引き換え可能 | USアカウントだとエラーの可能性 | 一時的に地域をUKに戻して引き換えする手段がある |
DVD再生 | リージョン2 | リージョン1 | 基本的に互換なし |
Blu-ray再生 | リージョンB | リージョンA | 4K UHDはリージョンフリーの場合が多い |
トラブルシューティングと豆知識
海外版Xboxをアメリカで使うときに起こり得るトラブルや、覚えておくと便利な情報をいくつかまとめました。
エラーコードの例
- 0x8015XXXX: アカウント関連エラー。地域設定やサブスクリプション状態の確認が必要。
- 0x87E10XXXX: 購入やダウンロードに失敗した場合に表示される。ストア地域やクレジットカード情報の不一致が原因の可能性。
- 0x91XXXXXX: Xbox Liveサービスに接続できない場合。ネットワーク環境やVPN設定などをチェック。
サポートへの問い合わせ手段
- マイクロソフト公式のサポートページからチャットやコールバックサービスを利用可能。
- 地域によってはサポート言語や問い合わせ先が異なる。英語でのやり取りが可能ならアメリカのサポートを直接利用できる。
- イギリスのサポートとアメリカのサポートは同じシステム上でアカウント状態を確認できるため、相互に情報共有がなされていることも多い。
セール時期と価格差を活用
- 地域設定により、ゲームソフトやDLCの価格が異なることがあります。
- 為替レートや国の経済状況によっては、イギリスのストアで購入した方が安い場合や、逆にアメリカのストアが割安になる場合もあります。
- ただし、ストアのリージョンを変更してまでの購入は手続きが面倒になるので、メリットとデメリットを比較検討しましょう。
まとめ:イギリス版Xboxでもアメリカで快適に遊べる
イギリスで購入したXbox Series Xをアメリカで使う場合、基本的には大きな問題はありません。ゲームに関してはリージョンロックがほとんど撤廃されており、UKでダウンロード済みのデジタルゲームや物理ディスク版もそのままプレイできます。
一方、DVDやBlu-rayの映像ソフトはリージョンコードが異なるため再生できないことがあります。4K UHD Blu-rayがリージョンフリー傾向にあるとはいえ、映像メディアに関しては注意が必要です。
さらに、未使用のUK向けデジタルコードをアメリカのアカウントで使いたい場合は、一時的にアカウントの地域をイギリスに戻すなどの対策が必要になります。
総合的に見ると、イギリスからアメリカへの移住や出張でもXboxライフを継続することは十分可能です。リージョンロック周りの情報をしっかり把握し、アカウント設定や電源関連の準備をきちんと行うことで、ストレスなくゲームを楽しむことができるでしょう。
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