Mac版Microsoft EdgeでローカルIPにアクセスできない原因と解決策

MacのMicrosoft Edgeを使って、プリンターやNASなどのローカルデバイスにアクセスできないトラブルにお悩みではないでしょうか。ほかのブラウザでは問題なくアクセスできるのに、Edgeだけがエラーを返してしまうとストレスを感じるものです。本記事では、その原因や設定変更のポイント、そして実際に考えられる解決策をまとめてご紹介します。

Mac版Edgeでローカルネットワークにアクセスできない理由とは

Mac上でMicrosoft Edgeを使っているときに、192.168.x.xといったローカルIPアドレスや「○○○.local」のような名前解決を必要とするデバイスへアクセスしようとすると、「ERR_ADDRESS_UNREACHABLE」や「ERR_NAME_NOT_RESOLVED」というエラーが表示される事例があります。SafariやFirefox、Chromeなど他のブラウザでは問題なくアクセスできるのに、Edgeだけアクセスできないケースは、実際に多くのユーザーから報告されています。

こうした症状が出る場合、OSのローカルネットワーク権限の設定や、ブラウザ自体のバージョンアップに伴う内部仕様の変化など、複数の要因が絡んでいる可能性があります。特にmacOS Sequoia 15や16といった比較的新しいOSバージョン上で、Edgeのバージョン130台〜131台を利用しているユーザーから報告が急増しているようです。

本節では、エラーが出てしまう原因と考えられるポイントを詳しく見ていきながら、対処法を整理していきましょう。

よくあるエラーとその原因を整理

アクセスできないときに多く見られるエラーは、以下の2種類です。

ERR_ADDRESS_UNREACHABLE

IPアドレスを叩いても宛先に到達できないというエラーです。Edgeが何らかの理由でローカルネットワークを検出・利用できないときに起こりがちとされます。

ERR_NAME_NOT_RESOLVED

「ホスト名の解決に失敗した」というエラーで、通常はDNSが正しく機能していないときに発生します。ローカルホスト名(○○○.localなど)を使う際に遭遇することが多いのですが、他ブラウザで問題がない場合は、Edge特有の挙動であることが疑われます。

ローカルネットワーク権限の設定を確認する

macOSでアプリケーションがローカルネットワークにアクセスする際、システム設定内でその権限を付与する必要があります。ここが無効化されていたり、何らかの不具合で権限設定が正しく反映されていないと、ローカルIPやデバイス名にアクセスできない事態が生じることがあります。

ローカルネットワーク権限の確認手順

  1. macOSのメニューバー左上にあるAppleロゴから「システム設定」を開く。
  2. 左側のメニューにある「プライバシーとセキュリティ」を選択。
  3. 画面の中ほどにある「ローカルネットワーク」を探し、クリックする。
  4. 一覧に表示されるアプリの中から「Microsoft Edge」を探してオンになっているか確認する。もしオフならオンに切り替える。
  5. 一度オフ→オンと切り替えることで権限がリフレッシュされる場合もある。

Edgeのバージョンによっては、一覧に「Microsoft Edge」の項目が複数表示されるケースがあります。これはInsiderビルドやベータ版を並行して利用している場合に起こりやすく、それぞれ個別に権限が必要となるため、全てオンになっているかを忘れずに確認してください。

権限を正しく設定してもアクセスできない場合

権限をオンにして再起動しても症状が改善しないという声もあります。再起動後は一時的にアクセスできるようになるものの、再度アクセスしようとするとまたエラーが出る、という現象です。この場合は、Edge側かmacOS側で設定情報が上書きされたり、正常に維持されていない可能性が考えられます。

Edgeのバージョンに起因する不具合の可能性

Microsoft EdgeはChromeベースのエンジンを使用しており、メジャーアップデートやマイナーアップデートが頻繁に行われます。バージョン130台~131台あたりから、突然ローカルネットワークに接続できなくなったという報告が増えています。これはEdgeの内部変更や、macOSとの互換性問題が関係している可能性があります。

Insider版やベータ版での動作

一部ユーザーから、Edge Insider版(ベータ版やDev版など)では問題が起こらないという報告があります。Insider版は最新の機能を先行テストする目的もあり、正式版に先行して不具合修正が含まれている場合があります。もし正式版でトラブルを抱えている場合は、Insider版を試してみるのも一つの方法といえます。

旧バージョンへのダウングレード

場合によっては、問題の起こらなかったバージョンに戻すという選択肢もあります。ただし、古いバージョンを使用することはセキュリティリスクが高まる可能性があるため、あくまでも暫定対応としておすすめされるにとどまります。できれば、次の正式版アップデートまで待ってみるか、Insider版でのテストを優先するとよいでしょう。

再起動やネットワークリセットの一時的対処

Mac本体を再起動すると、一時的にローカルネットワークにアクセスできるようになる例が多く報告されています。これは、macOSのネットワーク関連プロセスやキャッシュが再読み込みされることで、一時的に設定が正常化されるためと推測されています。

再発防止には継続的な検証が必要

しかし、再起動ですべて解決するわけではなく、時間が経つと再びEdgeからアクセスできなくなってしまうこともあります。原因が根本的に解決されていない場合は、OSやEdgeのどちらかで何らかの設定が再度歪んでしまう、あるいはキャッシュが破損する等の現象が考えられます。

トラブルシューティングで役立つポイント

以下では、実際のトラブルシューティングを進める上で確認しておきたいポイントをまとめます。

チェックポイント内容
macOSのローカルネットワーク権限Edgeが一覧に表示されているか、オンになっているか。オフ→オンに入れ替えたか。
Edgeのバージョン130〜131台が不具合の報告例多し。Insider/ベータ版や最新版で改善するか。
再起動一時的に改善するか確認。再度問題が出るタイミングを計測する。
DNSの設定ローカルホスト名が解決できるようにmacOSのDNS設定が正しいか確認する。
他ブラウザの状況SafariやChrome、Firefoxで同じURLにアクセスできるか。比較して原因を絞り込む。
ファイアウォールやウイルス対策ソフトEdgeの通信をブロックしていないか。macOS標準のファイアウォール設定も要確認。

DNS周りの設定が影響する場合の対策

ローカルデバイスに対して、IPアドレスのみならずホスト名でアクセスしている方も多いでしょう。macOSはBonjourサービスを通じて、「○○○.local」などのmDNSを解決していますが、Edge特有の不具合でこのmDNSルックアップがうまく働かなくなる可能性があります。

手動でホスト名をhostsファイルに登録する

臨時対応として、問題のあるデバイスのIPアドレスとホスト名を「/etc/hosts」に書き加える手段があります。ただし、複数台の端末やIPアドレスの変更が頻繁にある環境では運用コストが上がるため、根本解決にはなりにくい点を理解しておきましょう。

Bonjourブラウザツールでの確認

ローカルデバイスがBonjour(mDNS)で正しく公開されているかどうか、Bonjourブラウザなどのツールを使って確認することも有効です。表示されているのにEdgeからだけアクセスできない場合は、Edge固有の設定やバージョンの問題の可能性がより高くなります。

Mac版Edgeで快適にローカルデバイスを利用するためのコツ

日常業務や個人利用において、プリンターやNASなどのネットワークデバイスへのアクセスは非常に重要です。Edgeを標準ブラウザとして利用している方の中には、ローカルデバイスを頻繁に使うケースも多いでしょう。ここでは、スムーズにアクセスするためのコツや心がけを整理してみます。

他のブラウザを併用する

どうしてもEdgeだけで解決しない場合は、SafariやChromeなど別のブラウザを併用するのが最も簡単かつ確実な方法です。業務上、Microsoft 365やSharePointなどとの連携でEdgeを使っている場合もあるとは思いますが、ローカルデバイスにアクセスするときだけは他ブラウザに切り替えるといったワークフローを構築してもよいでしょう。

頻繁にアップデートを確認する

Edgeは自動更新機能があるため、気づかないうちにメジャーアップデートが行われることがあります。特にネットワーク周りの不具合は、バージョンが上がるたびに修正されている場合も少なくありません。定期的に「設定など」→「ヘルプとフィードバック」→「Microsoft Edge について」を開いて、最新バージョンかどうかをチェックするとよいでしょう。

Insider版やベータ版を試してみる

先述のようにInsider版で問題が解決するケースがあることから、テスト用にInsider版をインストールして使い分けるのも一つの手段です。Insider版は不安定な面もあるかもしれませんが、最新の修正プログラムが反映されている可能性が高いため、問題解決には貢献してくれるでしょう。

実際のトラブル事例と対策のまとめ

ここでは、実際に報告されているトラブル事例と、どのような対策で改善されたかをまとめます。あくまでも一例ですが、同じような状況の方はぜひ参考にしてみてください。

事例症状対策と結果
事例AEdgeのバージョン130台でNASにアクセス不可。他ブラウザは問題なしローカルネットワーク権限をオフ→オンし直し、Edgeを終了→再起動で復旧。ただし翌日再度発生。
事例BEdgeでプリンターの設定画面に入れない。Mac再起動で一時的に直る。Insider版をインストールしテストしたところ問題なくアクセス可能。正式版がアップデートされるまでベータ版を利用することで回避。
事例C「○○○.local」に対してERR_NAME_NOT_RESOLVEDが頻発一時的にhostsファイルへ追記して解決。最終的にはEdgeのバージョンアップで正式に問題解消。

問題が解消しない場合の最終手段

どうしてもEdgeでアクセスできない場合、以下の方法を検討しましょう。

macOS側のネットワーク再設定

ネットワーク環境設定から現在使っているWi-Fiや有線LAN設定を一旦削除し、再登録することで解決した事例もあります。これはやや面倒な作業となるため、慎重に行う必要がありますが、OS側のネットワーク設定がリフレッシュされることで、Edge側の認識も正常に戻る可能性があります。

Edgeの完全アンインストールと再インストール

Edgeをアンインストールしても設定ファイルやライブラリが残っていることがあります。完全に削除した上で、再度公式サイトからEdgeをダウンロードし直すと、内部キャッシュや設定ファイルがクリアになり、問題が改善するケースがあります。ただし、同期設定や拡張機能などがリセットされるため、事前にMicrosoftアカウントとの同期状況や設定のバックアップを確認しておくと安心です。

公式サポートへの問い合わせ

どうしても原因不明のまま対処できない場合、Microsoft公式のサポート窓口へ問い合わせて詳細な調査を依頼するのも選択肢です。バグ報告として開発チームに挙げてもらうことで、後日のアップデートで改善される見込みがあります。

今後のアップデートで改善に期待

Edgeのアップデートは頻繁に行われており、ユーザーからの不具合報告は比較的早い段階で修正される傾向にあります。バージョン132やそれ以降のリリースノートにおいて、ネットワーク関連の改修が含まれていれば、今回のローカルネットワークアクセス問題が解決する可能性は十分にあるでしょう。現時点で確実な情報は出ていない場合でも、定期的にアップデートをチェックし、修正が入るのを待つというのも現実的な対応策です。

まとめ:Mac版Edgeのローカルネットワーク問題を乗り越えるには

Mac版Microsoft EdgeでローカルIPやデバイスにアクセスできない問題は、OSやブラウザの権限設定からバージョンに起因するバグまで、複数の要素が絡み合って発生している可能性があります。特にバージョン130台〜131台で多発している報告が目立つため、Insider版への切り替えや、今後の正式アップデートに注目することが重要です。

最終的に解決しない場合でも、以下の点を押さえておきましょう。

  • ローカルネットワーク権限を適切に設定する
  • 再起動やネットワークリセットで一時的に改善しないか試す
  • 他のブラウザでのアクセス状況を確認し、比較検証する
  • Edge Insider版やベータ版で問題解決するかをテストする
  • 最悪の場合は他ブラウザとの併用や公式サポートへの問い合わせも検討する

MacでEdgeを利用するメリットも多くありますが、今回のようにローカルネットワークへのアクセスが制限されてしまうと、その利便性は大きく損なわれます。本記事で紹介した方法を参考に、根気強く対策を試みながら、早期にアップデートや設定変更で快適なブラウジング環境を取り戻せることを願っています。

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