WebView2 DowngradeVersionが効かない原因と対処法|Edge 152は4区切り指定が必須

WebView2のDowngradeVersionポリシーが効かない場合、最初に確認すべきなのは指定しているバージョンの形式です。Edge 152世代では、151のようなメジャーバージョンだけの指定や、151.*のようなワイルドカード指定は無効です。151.0.4129.59のように、4つの数字で構成された正確なWebView2 Runtimeのバージョンを指定する必要があります。

さらに、指定したバージョンと完全に一致するRuntimeフォルダーが見つからない場合、DowngradeVersionはエラーを表示せずに効果を失います。その後、BrowserExecutableFolderで指定されたRuntime、または自動更新されるEvergreen Runtimeが使われるため、「ポリシーは設定されているのにダウングレードされない」という状態になります。(Microsoft Learn)

この記事では、WebView2のDowngradeVersionが効かない原因を整理したうえで、グループポリシーとレジストリの正しい設定方法、実際に使用されているRuntimeの確認方法、BrowserExecutableFolderやEvergreen Runtimeを使った回避策まで解説します。

目次

WebView2のDowngradeVersionポリシーが効かない原因

DowngradeVersionが反映されない主な原因は、次のとおりです。

原因誤った設定例正しい考え方
メジャーバージョンだけを指定している151151.0.4129.59のような4区切りで指定する
ワイルドカードを使っている151.*ワイルドカードは使用できない
3区切りで指定している151.0.4129ビルド番号とリビジョンを含む4区切りが必要
対象バージョンが存在しない存在しないビルドを指定端末上に完全一致するRuntimeフォルダーが必要
アプリ名が間違っているMicrosoft Teamsms-teams.exeなど実際の実行ファイル名を使う
WebView2をホストするプロセスが違うランチャーのexe名を指定実際にWebView2環境を作成するホストプロセスを特定する
アプリを再起動していないウィンドウを閉じただけバックグラウンドプロセスも含めて完全終了する
管理対象外の端末で試している個人の非管理PCドメイン参加またはMDM管理端末で確認する
古いポリシーテンプレートを使っている旧版ADMXMSEdgeWebView2.admxを最新版に更新する

MicrosoftのWebView2ポリシー仕様では、メジャーバージョンだけの値、ワイルドカード、4区切りでない値はサポートされていません。また、完全一致するフォルダーがなければ、ポリシーは効果を持たず、別のRuntimeへフォールバックします。(Microsoft Learn)

Edge 152世代では4区切りの正確なバージョンが必須

Microsoftは2026年8月6日に公開したEdge 152 Betaのリリースノートで、DowngradeVersionには正確な4区切りのWebView2 Runtimeバージョンが必要であることを明確化しました。

たとえば、次のような設定は無効です。

151
151.*
151.0
151.0.4129

有効な形式は次のようになります。

151.0.4129.59

ただし、4区切りになっていれば何でもよいわけではありません。端末上にあるRuntimeのフォルダー名と、指定した文字列が完全に一致する必要があります。

設定値:151.0.4129.59
存在するフォルダー:151.0.4129.107

この場合は同じ151世代でも一致しないため、DowngradeVersionは機能しません。WebView2 Loaderは、指定された完全なバージョン文字列と一致するインストール先だけを対象にします。(Microsoft Learn)

N-1、N-2と4区切り指定は別の条件

Edge 152のリリースノートでは、当初、現在のEvergreen Runtimeに対してN-1またはN-2へのロールバックが説明されていました。その後、Edge 153 Betaでは対象範囲がN-1からN-4までに拡大され、現在のWebView2ポリシードキュメントもN-1からN-4までを記載しています。(Microsoft Learn)

ここで注意したいのは、対象範囲が広がっても、メジャーバージョンだけの指定が可能になったわけではない点です。

たとえば現在のRuntimeが152の場合、151が対象範囲内だったとしても、次の指定は無効です。

151

実際には、対象となる正確なRuntimeバージョンを指定します。

151.0.4129.59

EdgeのバージョンとWebView2 Runtimeのバージョンを混同しない

DowngradeVersionが対象にするのはMicrosoft Edgeブラウザーではなく、WebView2アプリケーションが使用するWebView2 Runtimeです。

EdgeブラウザーとWebView2 Runtimeは同じMicrosoft Edge Updaterの仕組みを利用しますが、別々にインストール、更新、管理されます。そのため、Edgeの「バージョン情報」に表示された番号だけを確認しても、アプリが実際に使用しているWebView2 Runtimeを特定できない場合があります。(Microsoft Learn)

特に確認すべきなのは、次の3点です。

  • 現在インストールされているEvergreen WebView2 Runtime
  • 端末上に残っている旧Runtimeのフォルダー
  • 対象アプリが実際に読み込んでいるmsedgewebview2.exe

対処前に確認する項目

設定を変更する前に、次の項目を確認してください。

確認項目正常な状態
WebView2 Runtimeの世代DowngradeVersionをサポートする149以降
端末の管理状態ドメイン参加またはMDM登録済み
ポリシー値の名前実際のexe名またはApplication User Model ID
ポリシー値のデータ正確な4区切りのバージョン
対象Runtime完全一致するフォルダーが存在する
アプリの状態ポリシー適用後に完全再起動済み
ADMXMSEdgeWebView2.admxの対応版を使用

DowngradeVersionはWebView2 149以降でサポートされ、エンタープライズ管理された端末を対象とする機能です。単に個人PCのレジストリへ値を書き込んだだけでは、同じ動作にならない可能性があります。(Microsoft Learn)

現在のWebView2 Runtimeバージョンを確認する

レジストリからEvergreen Runtimeのバージョンを確認する

64ビット版Windowsでは、WebView2 Runtimeのバージョンが次のレジストリに保存されています。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\EdgeUpdate\Clients\{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}

HKEY_CURRENT_USER\Software\Microsoft\EdgeUpdate\Clients\{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}

pvという文字列値がRuntimeのバージョンです。マシン単位のインストールではHKEY_LOCAL_MACHINE、ユーザー単位ではHKEY_CURRENT_USERに登録されます。(Microsoft Learn)

管理者としてPowerShellを開き、次のコマンドを実行します。

$clientId = '{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}'

$registryPaths = @(
    "HKLM:\SOFTWARE\WOW6432Node\Microsoft\EdgeUpdate\Clients\$clientId",
    "HKCU:\Software\Microsoft\EdgeUpdate\Clients\$clientId"
)

foreach ($path in $registryPaths) {
    if (Test-Path $path) {
        $property = Get-ItemProperty -Path $path

        [pscustomobject]@{
            Scope = if ($path -like 'HKLM:*') { 'Machine' } else { 'User' }
            Version = $property.pv
            RegistryPath = $path
        }
    }
}

32ビット版Windowsでは、WOW6432Nodeを含まない次の場所を確認します。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Microsoft\EdgeUpdate\Clients\{F3017226-FE2A-4295-8BDF-00C3A9A7E4C5}

端末上に存在するRuntimeフォルダーを確認する

DowngradeVersionでは、現在のバージョンだけでなく、対象となる旧Runtimeのフォルダーが存在するかを確認する必要があります。

PowerShellで次のコマンドを実行します。

$runtimeRoots = @(
    "${env:ProgramFiles(x86)}\Microsoft\EdgeWebView\Application",
    "$env:LOCALAPPDATA\Microsoft\EdgeWebView\Application"
)

Get-ChildItem -Path $runtimeRoots -Directory -ErrorAction SilentlyContinue |
    Where-Object {
        $_.Name -match '^\d+\.\d+\.\d+\.\d+$'
    } |
    Select-Object Name, FullName

次のように、4区切りのフォルダー名が表示されます。

Name             FullName
----             --------
151.0.4129.59    C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView\Application\151.0.4129.59
152.0.4191.53    C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView\Application\152.0.4191.53

設定値が151.0.4129.59で、このフォルダーが存在していれば完全一致しています。

一方、フォルダーが151.0.4129.107しかない状態で、ポリシーに151.0.4129.59を指定しても一致しません。

対象アプリの実行ファイル名を確認する

DowngradeVersionはアプリケーション単位のポリシーです。値の名前には、表示名ではなくApplication User Model IDまたは実際の実行ファイル名を設定します。

Microsoftのドキュメントでは、次のような形式が例示されています。

ms-teams.exe
olk.exe

Microsoft TeamsOutlookといった製品の表示名を指定しても、実行ファイル名とは一致しません。(Microsoft Learn)

また、msedgewebview2.exeを指定すればよいわけでもありません。指定するのはWebView2 Runtime側のプロセスではなく、WebView2環境を作成しているホストアプリです。

実行中のWebView2プロセスと親プロセスは、管理者PowerShellで次のように確認できます。

Get-CimInstance Win32_Process -Filter "Name='msedgewebview2.exe'" |
    Select-Object ProcessId, ParentProcessId, ExecutablePath

Microsoft Storeアプリやパッケージ化されたアプリでは、exe名ではなくApplication User Model IDでの指定が必要になることがあります。スタートメニューに登録されたIDは、次のコマンドでも確認できます。

Get-StartApps |
    Sort-Object Name |
    Format-Table Name, AppID -AutoSize

グループポリシーでDowngradeVersionを正しく設定する

最新のWebView2用ADMXを配置する

まず、WebView2のポリシーに対応したMSEdgeWebView2.admxを使用します。

グループポリシーエディターでは、次の場所に設定があります。

コンピューターの構成
  └ 管理用テンプレート
      └ Microsoft Edge WebView2
          └ Loader Override Settings
              └ Configure per-application WebView2 downgrade version

DowngradeVersionが表示されない場合は、中央ストアまたはローカルのPolicyDefinitionsにあるMicrosoft Edgeポリシーテンプレートが古い可能性があります。ポリシーの正式なADMXファイル名はMSEdgeWebView2.admxです。(Microsoft Learn)

アプリ名と正確なバージョンを登録する

ポリシーを有効にし、アプリケーションごとに次の組み合わせを登録します。

項目設定例
Value namesampleapp.exe
Value151.0.4129.59

ここで指定する151.0.4129.59は形式例です。実際には、対象端末で利用可能なWebView2 Runtimeの正確なバージョンへ置き換えてください。

設定後は、対象端末で次のコマンドを実行します。

gpupdate /force

ただし、gpupdate /forceだけでは起動中のWebView2環境は切り替わりません。対象アプリを完全に終了し、バックグラウンドプロセスが残っていないことを確認してから再起動します。

WebView2 Runtimeの切り替えは、新しいWebView2環境が作成されたタイミングで行われます。長時間起動しているアプリは、Runtimeの更新後も以前のバージョンを使い続けることがあります。(Microsoft Learn)

レジストリで直接DowngradeVersionを設定する方法

検証用端末では、管理者PowerShellからレジストリへ直接設定できます。

$targetApp = 'sampleapp.exe'
$targetVersion = '151.0.4129.59'
$policyPath = 'HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2\DowngradeVersion'

New-Item -Path $policyPath -Force | Out-Null

New-ItemProperty `
    -Path $policyPath `
    -Name $targetApp `
    -Value $targetVersion `
    -PropertyType String `
    -Force |
    Out-Null

設定結果を確認します。

Get-ItemPropertyValue `
    -Path 'HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2\DowngradeVersion' `
    -Name 'sampleapp.exe'

次のように表示されれば、レジストリへの書き込み自体は完了しています。

151.0.4129.59

ただし、値が表示されたことは、対象Runtimeへの切り替えが成功したことを意味しません。次の条件もすべて満たす必要があります。

  • 実行ファイル名またはApplication User Model IDが正しい
  • バージョンが正確な4区切りになっている
  • 対象バージョンがサポート範囲内にある
  • 完全一致するRuntimeが利用できる
  • 対象アプリを完全再起動している
  • 端末がエンタープライズ管理されている

ドメインGPOやIntuneで同じ設定を管理している場合、手動で書き込んだ値は次回のポリシー同期で上書きされる可能性があります。本番環境では、直接編集ではなくGPOまたはMDMから配布するのが適切です。

実際に使われているWebView2 Runtimeを確認する

ポリシーが成功したかどうかは、レジストリ値ではなく、実際に起動しているmsedgewebview2.exeのパスとバージョンで判断します。

対象アプリを起動した状態で、管理者PowerShellから次のコマンドを実行します。

Get-CimInstance Win32_Process -Filter "Name='msedgewebview2.exe'" |
    Where-Object ExecutablePath |
    ForEach-Object {
        [pscustomobject]@{
            ProcessId = $_.ProcessId
            ParentProcessId = $_.ParentProcessId
            ExecutablePath = $_.ExecutablePath
            ProductVersion = (Get-Item $_.ExecutablePath).VersionInfo.ProductVersion
        }
    } |
    Sort-Object ParentProcessId, ProcessId

出力例は次のとおりです。

ProcessId       : 18420
ParentProcessId : 17280
ExecutablePath  : C:\Program Files (x86)\Microsoft\EdgeWebView\Application\151.0.4129.59\msedgewebview2.exe
ProductVersion  : 151.0.4129.59

ExecutablePathに目的のバージョンが含まれていれば、ダウングレードは成功しています。

現在のEvergreen Runtimeのパスが表示される場合は、次のいずれかです。

  • DowngradeVersionの値が無効
  • 指定したRuntimeフォルダーが存在しない
  • 対象アプリ名が違う
  • アプリの古いプロセスが残っている
  • ポリシーの対象外となっている

複数のWebView2アプリが起動している端末では、多数のmsedgewebview2.exeが表示されます。親プロセスIDをたどり、対象アプリのプロセスツリーに属するものを確認してください。

完全一致するRuntimeがない場合の挙動

DowngradeVersionに設定したバージョンと完全に一致するフォルダーが見つからない場合、WebView2 Loaderは次の順序で別のRuntimeを探します。

  1. BrowserExecutableFolderで指定されたRuntime
  2. 自動更新されるEvergreen WebView2 Runtime

そのため、対象Runtimeが存在しなくても、アプリ自体は現在のEvergreen Runtimeで正常に起動することがあります。ユーザーにはエラーが表示されず、管理者から見ると「DowngradeVersionだけが無視された」ように見えます。(Microsoft Learn)

この仕様を踏まえると、確認すべきなのはポリシー値だけではありません。

ポリシー設定
    ↓
指定バージョンと完全一致するRuntimeを検索
    ↓
見つかる → 指定版で起動
    ↓
見つからない
    ↓
BrowserExecutableFolderを確認
    ↓
未設定または利用不可
    ↓
Evergreen Runtimeで起動

BrowserExecutableFolderを使う回避策

DowngradeVersionで目的のバージョンを利用できない場合は、Fixed Version Runtimeをローカルに配置し、BrowserExecutableFolderで明示的に指定する方法があります。

BrowserExecutableFolderは、WebView2アプリが使用するRuntimeフォルダーをアプリケーション単位で指定するポリシーです。指定先にはmsedgewebview2.exemsedge.dllなど、WebView2 Runtime一式が必要です。(Microsoft Learn)

BrowserExecutableFolderが向いているケース

  • 特定のRuntimeを確実に使わせたい
  • DowngradeVersionの対象版が端末へ配置されない
  • 業務アプリの改修までバージョンを固定したい
  • インターネットへ接続できない閉域環境で利用する
  • アプリごとにRuntimeを分離したい

Fixed Version Runtimeを配置する

MicrosoftからFixed Version Runtimeを取得し、ローカルフォルダーへ展開します。

展開先の例は次のとおりです。

C:\WebView2Fixed\151.0.4129.59

展開後、少なくとも次のファイルが存在することを確認します。

$fixedFolder = 'C:\WebView2Fixed\151.0.4129.59'

Test-Path "$fixedFolder\msedgewebview2.exe"
Test-Path "$fixedFolder\msedge.dll"

両方がTrueになれば、基本的なファイル配置を確認できます。

MicrosoftはFixed Versionパッケージをエクスプローラーではなく、expandコマンドなどで展開するよう案内しています。エクスプローラーによる展開では、必要なフォルダー構造が正しく生成されない場合があります。(Microsoft Learn)

expand Microsoft.WebView2.FixedVersionRuntime.151.0.4129.59.x64.cab -F:* C:\WebView2Fixed\151.0.4129.59

ファイル名とバージョンは、実際に取得したパッケージへ置き換えてください。

BrowserExecutableFolderポリシーを設定する

PowerShellで設定する例は次のとおりです。

$targetApp = 'sampleapp.exe'
$fixedFolder = 'C:\WebView2Fixed\151.0.4129.59'
$policyPath = 'HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2\BrowserExecutableFolder'

New-Item -Path $policyPath -Force | Out-Null

New-ItemProperty `
    -Path $policyPath `
    -Name $targetApp `
    -Value $fixedFolder `
    -PropertyType String `
    -Force |
    Out-Null

設定後、対象アプリを完全終了してから再起動し、実際のmsedgewebview2.exeのパスを確認します。

Edgeブラウザーのフォルダーを指定しない

次のようなEdgeブラウザー本体のフォルダーを、Fixed Version Runtimeの代わりに指定してはいけません。

C:\Program Files (x86)\Microsoft\Edge\Application\152.0.4191.53

WebView2のAPI仕様では、BrowserExecutableFolder\Edge\Application\を含むパスを指定すると、サポートされていないパスとしてエラーになることが明記されています。WebView2用のFixed Version Runtimeを別途配置してください。(Microsoft Learn)

ネットワーク共有には配置しない

Fixed Version Runtimeは、UNCパスやネットワーク上のフォルダーから実行できません。

次のような指定は避けます。

\\fileserver\software\WebView2Fixed\151.0.4129.59

各端末のローカルディスクへ配置してください。Fixed Versionは250MBを超えるため、ディスク使用量や配布トラフィックも考慮する必要があります。(Microsoft Learn)

Evergreen Runtimeへ戻す回避策

旧Runtimeを使うことが必須でなければ、DowngradeVersionを解除し、最新のEvergreen WebView2 Runtimeへ戻す方が安全です。

Microsoftは、厳格な互換性要件がない限り、Fixed VersionよりEvergreen Runtimeを推奨しています。Evergreen Runtimeは自動更新され、最新の品質修正とセキュリティ修正を受け取れます。古いRuntimeを使い続けると、新しいセキュリティ修正が適用されません。(Microsoft Learn)

DowngradeVersionを解除する

$policyPath = 'HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2\DowngradeVersion'

Remove-ItemProperty `
    -Path $policyPath `
    -Name 'sampleapp.exe' `
    -ErrorAction SilentlyContinue

BrowserExecutableFolderも設定している場合は、そちらも解除します。

$policyPath = 'HKLM:\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2\BrowserExecutableFolder'

Remove-ItemProperty `
    -Path $policyPath `
    -Name 'sampleapp.exe' `
    -ErrorAction SilentlyContinue

その後、対象アプリを完全終了して再起動します。

Evergreen Runtimeを再インストールする

Runtimeが破損している可能性がある場合は、MicrosoftのEvergreen Standalone Installerを使用して再インストールします。

64ビット版のインストーラーを管理者として実行する例は次のとおりです。

MicrosoftEdgeWebView2RuntimeInstallerX64.exe /silent /install

管理者権限で実行するとマシン単位、通常権限で実行するとユーザー単位のインストールになります。(Microsoft Learn)

4区切りに直しても効かない場合のチェックポイント

対象バージョンのフォルダーがない

最も多いのが、ポリシー値は正しいものの、指定したRuntimeが端末上に存在しないケースです。

ポリシー:151.0.4129.59
端末上 :151.0.4129.107

パッチ番号まで完全一致しなければ機能しません。

Edge Updaterによる対象版のサイドバイサイド配置はDowngradeVersionの仕組みに含まれますが、最終的には完全一致するフォルダーが利用可能でなければ切り替わりません。ポリシー配布後は、フォルダーの作成と実際のプロセスパスまで確認してください。(Microsoft Learn)

exe名がランチャーになっている

アプリによっては、最初に起動するexeと、WebView2をホストするexeが異なります。

Launcher.exe
  └ MainApplication.exe
      └ msedgewebview2.exe

この場合、設定対象はLauncher.exeではなく、MainApplication.exeになる可能性があります。タスクマネージャーやプロセス情報から親子関係を確認してください。

バックグラウンドプロセスが残っている

ウィンドウを閉じても、通知領域やバックグラウンドでアプリが動き続ける場合があります。

ポリシー変更後は、対象アプリのホストプロセスが終了していることを確認します。端末を再起動すると、古いWebView2環境が残っている可能性を確実に除外できます。

HKLMとHKCUで異なる設定がある

マシン単位とユーザー単位の両方に設定があると、想定外の値が使われることがあります。

次の場所を確認してください。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2

HKEY_CURRENT_USER\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2

特に検証中に手動でHKCUへ設定し、その後GPOでHKLMへ別の値を配布した場合は注意が必要です。

BrowserExecutableFolderが残っている

以前の検証でBrowserExecutableFolderを設定していると、DowngradeVersionの失敗後にそのフォルダーが使用されます。

確認するレジストリは次のとおりです。

HKEY_LOCAL_MACHINE\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge\WebView2\BrowserExecutableFolder

意図しない設定が残っていないか確認してください。

Windows 10でFixed Versionを使用している

Windows 10上でFixed Version 120以降を使うアンパッケージのWin32アプリでは、Fixed VersionフォルダーにAppContainerからの読み取り権限が必要になる場合があります。

BrowserExecutableFolderのパスが正しくても起動に失敗する場合は、フォルダーのアクセス権を確認してください。Microsoftの配布ドキュメントでは、ALL APPLICATION PACKAGESALL RESTRICTED APPLICATION PACKAGESへの読み取り・実行権限を設定する手順が案内されています。(Microsoft Learn)

DowngradeVersionと代替方法の使い分け

方法向いている状況メリット注意点
DowngradeVersion更新後の不具合を一時回避したいアプリ単位で旧版へ戻せる正確な4区切りと完全一致するRuntimeが必要
BrowserExecutableFolder特定版を確実に固定したい使用するフォルダーを直接指定できるFixed Versionの配布、更新、容量管理が必要
Evergreen Runtime旧版である必要がない自動更新で安全性を維持しやすい新版との互換性問題が残る場合がある
アプリ側でFixed Versionを指定自社開発アプリを厳密に管理したいアプリとRuntimeを一体管理できる開発・配布・更新の負担が大きい

基本的には、次の順序で判断するとよいでしょう。

一時的な不具合回避が目的
    → DowngradeVersion

対象版が自動配置されず、特定版が必須
    → Fixed Version + BrowserExecutableFolder

旧版でなくてもアプリが復旧する
    → Evergreen Runtimeへ戻す

ダウングレードは期限を決めて運用する

DowngradeVersionは、アプリの重大な回帰不具合を一時的に回避するための機能です。古いRuntimeを長期間固定する用途には向いていません。

Microsoftは、古いWebView2 Runtimeでは最新の品質更新とセキュリティ更新を受け取れないため、Evergreen Runtimeを推奨しています。(Microsoft Learn)

実際の運用では、最低限次の情報を記録しておきます。

管理項目記録例
対象アプリsampleapp.exe
現行Runtime152.0.4191.53
ロールバック先151.0.4129.59
回避理由Edge 152世代で画面描画不具合
適用日2026年8月30日
解除予定日ベンダー修正版の検証完了後
検証方法起動プロセスのパスと製品バージョンを確認
担当者情報システム部門

不具合が解消したら、DowngradeVersionBrowserExecutableFolderを解除し、最新のEvergreen Runtimeへ戻します。

よくある質問

151と指定するだけでは駄目ですか

無効です。151.0.4129.59のように、正確な4区切りのバージョンを指定する必要があります。

151.*で151世代の最新版を選べますか

選べません。DowngradeVersionはワイルドカードをサポートしていません。(Microsoft Learn)

4区切りなら存在しないバージョンでも指定できますか

設定値としてレジストリへ書き込むことはできますが、完全一致するRuntimeが見つからなければ効果はありません。BrowserExecutableFolderまたはEvergreen Runtimeへフォールバックします。

Edgeブラウザーも古いバージョンになりますか

なりません。DowngradeVersionは、指定したWebView2アプリケーションが利用するWebView2 Runtimeを対象とします。

すべてのWebView2アプリをまとめてダウングレードできますか

DowngradeVersionはアプリケーションごとのマッピングを前提としています。影響範囲を限定するためにも、問題が発生しているアプリだけを対象にしてください。

ポリシー適用後にすぐ切り替わりますか

起動中のWebView2環境はそのまま残ることがあります。対象アプリを完全終了し、新しいWebView2環境が作成される状態で再起動してください。

BrowserExecutableFolderにはEdgeのインストール先を指定できますか

Edgeブラウザーの\Edge\Application\フォルダーは指定しないでください。WebView2用のFixed Version Runtimeを別のローカルフォルダーへ展開して使用します。(Microsoft Learn)

WebView2 DowngradeVersionが効かない場合の結論

Edge 152世代でWebView2のDowngradeVersionが効かない場合は、次の順序で確認してください。

  1. 151151.*ではなく、正確な4区切りのRuntimeバージョンを指定する
  2. 値の名前に、WebView2をホストするexe名またはApplication User Model IDを設定する
  3. 指定したバージョンと完全一致するRuntimeフォルダーが存在するか確認する
  4. ポリシー適用後に対象アプリを完全再起動する
  5. 実際に起動したmsedgewebview2.exeのパスと製品バージョンを確認する
  6. 対象版を利用できない場合は、Fixed VersionとBrowserExecutableFolderを使う
  7. 旧版が必須でなければ、ポリシーを解除してEvergreen Runtimeへ戻す

特に重要なのは、メジャーバージョンだけの指定は「省略表記」ではなく、無効な値として扱われる点です。レジストリに値が存在するだけで成功と判断せず、最終的には実行中プロセスのパスとバージョンを確認してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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