PHPでクッキーにデータを保存し、取得する方法を徹底解説

PHPを使ったWeb開発において、クッキーはユーザー情報の保持やセッション管理に欠かせない機能です。クッキーを利用することで、ユーザーの好みや状態をブラウザに保存し、再度訪問した際にその情報を取得して利用することができます。本記事では、PHPを用いてクッキーにデータを保存し、取得する方法を具体的なコード例を交えながら解説します。クッキーの基本的な概念から、実際の実装方法、セキュリティ対策までを包括的に紹介することで、より効果的なWeb開発をサポートします。

目次
  1. クッキーとは何か
  2. クッキーの用途
    1. セッション管理
    2. ユーザー設定の保持
    3. ユーザーのトラッキング
    4. ショッピングカートの維持
  3. PHPでクッキーを設定する方法
    1. 基本的なクッキーの設定方法
    2. オプションを指定したクッキーの設定
  4. クッキーの有効期限とオプション設定
    1. 有効期限の設定
    2. パスとドメインの設定
    3. セキュリティオプション(セキュアとHTTP Only)
  5. PHPでクッキーを取得する方法
    1. 基本的なクッキーの取得方法
    2. 複数のクッキーを扱う場合
    3. 注意点
  6. クッキーの更新方法
    1. クッキーの値を変更する
    2. 有効期限の延長
    3. 更新時のオプション指定
    4. 注意点
  7. クッキーの削除方法
    1. クッキーを削除する基本的な方法
    2. パスとドメインを指定したクッキーの削除
    3. すべてのクッキーを削除する場合
    4. 注意点
  8. セキュリティの考慮点
    1. セキュアフラグの設定
    2. HTTP Onlyフラグの設定
    3. サードパーティクッキーの制御
    4. クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の対策
    5. クッキーの有効期限を最小限に設定
    6. クッキーの内容を暗号化する
    7. まとめ
  9. 実際のコード例:ユーザー認証のためのクッキー使用
    1. ステップ1:ユーザーのログイン処理
    2. ステップ2:ログイン状態のチェック
    3. ステップ3:ログアウト処理
    4. セキュリティの強化
    5. まとめ
  10. クッキーのデバッグ方法
    1. ブラウザのデベロッパーツールを利用する
    2. PHPの`setcookie()`関数の使用に関する注意
    3. `$_COOKIE`変数の確認
    4. クッキーの設定を再確認する
    5. サーバーの設定を確認する
    6. ログ出力を活用する
    7. まとめ
  11. まとめ

クッキーとは何か


クッキーは、Webブラウザとサーバー間でデータを保存およびやり取りするための仕組みです。ユーザーの端末に小さなテキストファイルとして保存され、Webサイトの訪問時にサーバーがそれを参照することで、ユーザーのセッション情報や設定を保持できます。例えば、ショッピングカートの内容やログイン状態の保持など、ユーザー体験の向上に役立ちます。クッキーは名前と値のペアで構成され、オプションで有効期限やアクセス制限を設定することも可能です。

クッキーの用途


クッキーは、Web開発においてさまざまな用途で使用されます。ここでは、一般的なクッキーの使用例について説明します。

セッション管理


クッキーは、ログイン状態やユーザーセッションの管理に広く使われています。例えば、ユーザーがWebサイトにログインした際、クッキーにセッションIDを保存することで、次のページを訪問した際にもログイン状態を維持できます。

ユーザー設定の保持


ユーザーの好みや設定を保存するためにもクッキーが利用されます。テーマカラーの選択や表示言語の設定など、ユーザーが選んだ設定をクッキーに保存し、次回の訪問時に適用することができます。

ユーザーのトラッキング


Webサイト上のユーザーの行動をトラッキングするためにもクッキーは活用されます。訪問回数やアクセスしたページを記録し、ユーザーの興味や行動を分析することで、パーソナライズされたコンテンツを提供することが可能です。

ショッピングカートの維持


ECサイトでは、クッキーを利用してショッピングカートの内容を保持することができます。これにより、ユーザーがブラウザを閉じてもカートの中身が維持され、次回訪問時にも再度表示されます。

PHPでクッキーを設定する方法


PHPでは、setcookie()関数を使ってクッキーを設定することができます。この関数を使うと、名前、値、オプションを指定してクッキーを作成できます。クッキーは、HTTPヘッダとして送信されるため、setcookie()関数は必ずHTMLの出力よりも前に実行する必要があります。

基本的なクッキーの設定方法


以下の例は、PHPでクッキーを設定する基本的な方法です。

<?php
// クッキーの名前は"user"、値は"John Doe"、有効期限は1時間後に設定
setcookie("user", "John Doe", time() + 3600);
?>

この例では、クッキーの名前を「user」、値を「John Doe」に設定し、有効期限を現在の時間から3600秒(1時間)後にしています。これにより、クッキーは1時間後に自動的に無効になります。

オプションを指定したクッキーの設定


setcookie()関数では、さらに詳細なオプションを設定することができます。たとえば、有効期限、パス、ドメイン、セキュア、HTTP Onlyなどのオプションを指定することが可能です。

<?php
// クッキーの名前は"user"、値は"John Doe"、有効期限は1時間後、パスは"/"、セキュア接続のみ
setcookie("user", "John Doe", time() + 3600, "/", "", true, true);
?>

この例では、クッキーをセキュア接続(HTTPS)でのみ送信し、JavaScriptからのアクセスを禁止するHTTP Onlyフラグを設定しています。これにより、セキュリティを高めることができます。

クッキーの有効期限とオプション設定


クッキーを設定する際に、有効期限やさまざまなオプションを指定することで、クッキーの挙動を細かく制御できます。適切なオプション設定を行うことで、セキュリティや利便性を向上させることが可能です。

有効期限の設定


クッキーの有効期限は、setcookie()関数の第3引数で指定します。有効期限は、Unixタイムスタンプ形式で指定し、time()関数を利用して現在の時刻からの相対的な秒数を指定することが一般的です。たとえば、1日後に有効期限を設定するには、次のようにします。

<?php
// 有効期限を24時間(86400秒)後に設定
setcookie("user", "John Doe", time() + 86400);
?>

有効期限を設定しない場合、クッキーは「セッションクッキー」となり、ブラウザを閉じると自動的に削除されます。

パスとドメインの設定


クッキーが適用されるパスやドメインを指定することで、どの範囲でクッキーが有効になるかを制御できます。

  • パス: クッキーが有効なパスを指定します。通常は「/」を指定し、Webサイト全体で利用できるようにします。
  • ドメイン: クッキーを有効にするドメインを指定します。サブドメインを含めたい場合は、ドメイン名の前に「.」を付けて指定します(例:.example.com)。
<?php
// 有効期限を1時間後、パスは"/"、ドメインは".example.com"に設定
setcookie("user", "John Doe", time() + 3600, "/", ".example.com");
?>

セキュリティオプション(セキュアとHTTP Only)

  • セキュアフラグ: HTTPS接続時のみクッキーが送信されるように設定します。trueを指定することでセキュアフラグを有効にできます。
  • HTTP Onlyフラグ: JavaScriptからクッキーにアクセスできないようにする設定です。これにより、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃からクッキーを守ることができます。
<?php
// セキュア接続のみ、HTTP Onlyのクッキーを設定
setcookie("user", "John Doe", time() + 3600, "/", "", true, true);
?>

これらのオプションを適切に設定することで、クッキーの安全性を高め、Webアプリケーションのセキュリティリスクを低減できます。

PHPでクッキーを取得する方法


PHPでは、クッキーに保存されたデータを$_COOKIEスーパーグローバル変数を使って取得することができます。この変数には、クライアントから送信されたすべてのクッキーが配列形式で格納されています。

基本的なクッキーの取得方法


$_COOKIE変数を使用して、特定のクッキーの値を取得するには、クッキー名をキーとして指定します。たとえば、クッキーの名前が「user」の場合、その値を取得するコードは次の通りです。

<?php
// "user"クッキーが設定されているかを確認して取得
if (isset($_COOKIE["user"])) {
    $user = $_COOKIE["user"];
    echo "Hello, " . htmlspecialchars($user) . "!";
} else {
    echo "ユーザー情報が見つかりません。";
}
?>

この例では、isset()関数を使ってクッキーが設定されているかを確認しています。もし設定されていれば、クッキーの値を取得し、htmlspecialchars()関数でエスケープ処理を行った後に表示します。クッキーが存在しない場合は、エラーメッセージを表示します。

複数のクッキーを扱う場合


複数のクッキーが設定されている場合でも、同様に$_COOKIE配列を使用してそれぞれの値を取得できます。以下の例では、複数のクッキー(「user」と「theme」)を取得しています。

<?php
// "user"と"theme"クッキーが設定されているかを確認して取得
$user = isset($_COOKIE["user"]) ? $_COOKIE["user"] : "ゲスト";
$theme = isset($_COOKIE["theme"]) ? $_COOKIE["theme"] : "デフォルトテーマ";

// クッキーの値を表示
echo "ユーザー名: " . htmlspecialchars($user) . "<br>";
echo "テーマ: " . htmlspecialchars($theme);
?>

この例では、isset()でクッキーの存在を確認し、クッキーが存在しない場合にはデフォルトの値を設定する方法を示しています。

注意点


クッキーの値はユーザーが自由に変更できるため、信頼できないデータとして扱うべきです。取得したクッキーの値をそのまま使用せず、htmlspecialchars()intval()などの関数で適切にサニタイズしてから利用するようにしましょう。

クッキーの更新方法


PHPでクッキーを更新するには、同じ名前で新しい値やオプションを指定して再度setcookie()関数を呼び出します。クッキーの更新は、新しい値やオプションを上書きすることで実現されます。これにより、有効期限を延長したり、クッキーの値を変更したりできます。

クッキーの値を変更する


クッキーの値を更新するには、setcookie()関数を使って同じクッキー名で新しい値を設定します。例えば、ユーザー名を更新する場合は次のようにします。

<?php
// "user"クッキーの値を"Jane Doe"に更新し、有効期限を1時間後に設定
setcookie("user", "Jane Doe", time() + 3600);
?>

この例では、クッキーの名前「user」に新しい値「Jane Doe」を設定し、有効期限を現在の時間から1時間後にしています。これにより、既存の「user」クッキーの値が更新されます。

有効期限の延長


クッキーの有効期限を延長する場合も、同様にsetcookie()関数を使用して再設定します。例えば、クッキーの有効期限をさらに1日延長する場合は、次のコードを使用します。

<?php
// "user"クッキーの有効期限を1日延長
setcookie("user", $_COOKIE["user"], time() + 86400);
?>

ここでは、既存の「user」クッキーの値をそのまま使い、新しい有効期限を指定してクッキーを再設定しています。

更新時のオプション指定


クッキーの更新時には、元のオプション(パス、ドメイン、セキュリティ設定など)を再度指定する必要があります。指定しない場合、デフォルトのオプションで上書きされる可能性があるため、注意が必要です。

<?php
// クッキーの値を更新し、有効期限、パス、セキュリティオプションを指定
setcookie("user", "Jane Doe", time() + 3600, "/", "", true, true);
?>

この例では、セキュアフラグやHTTP Onlyフラグなどのオプションも再度指定することで、元のクッキー設定を維持しています。

注意点


クッキーを更新する際は、変更したい情報やオプションを明確にし、意図しない上書きを防ぐために適切なオプションを設定することが重要です。また、クッキーのセキュリティ設定(セキュアやHTTP Onlyフラグ)を考慮することで、セキュリティリスクを低減できます。

クッキーの削除方法


PHPでクッキーを削除するには、クッキーの有効期限を過去の時刻に設定することで実現します。これにより、ブラウザがクッキーを無効として認識し、クライアント側で削除されます。

クッキーを削除する基本的な方法


クッキーを削除するには、setcookie()関数を使用して、クッキーの有効期限を過去の時刻に設定します。たとえば、次のように記述します。

<?php
// "user"クッキーの有効期限を過去に設定して削除
setcookie("user", "", time() - 3600);
?>

この例では、クッキーの有効期限を現在の時刻より1時間前に設定することで、「user」クッキーが削除されます。クッキーの値には空文字列を指定していますが、有効期限が過去に設定されることが削除の条件です。

パスとドメインを指定したクッキーの削除


クッキーを設定した際にパスやドメインを指定していた場合、それらのオプションを同じように指定して削除する必要があります。これを怠ると、クッキーが削除されないことがあります。

<?php
// パスとドメインを指定してクッキーを削除
setcookie("user", "", time() - 3600, "/", ".example.com");
?>

この例では、クッキーを削除する際にパス「/」とドメイン「.example.com」を指定しています。これにより、指定された条件でクッキーが確実に削除されます。

すべてのクッキーを削除する場合


すべてのクッキーを削除したい場合は、$_COOKIE配列をループして各クッキーを個別に削除する必要があります。以下は、すべてのクッキーを削除するサンプルコードです。

<?php
// すべてのクッキーを削除
foreach ($_COOKIE as $key => $value) {
    setcookie($key, "", time() - 3600, "/");
}
?>

このコードでは、$_COOKIE配列の各要素に対してsetcookie()を呼び出し、クッキーの有効期限を過去に設定して削除しています。

注意点


クッキーの削除を行っても、ブラウザ側で実際に削除が反映されるタイミングには遅延が生じることがあります。また、ブラウザによっては、セキュリティ設定やプライバシー設定によってクッキーの削除が制限されることもありますので、ユーザーへの通知や確認を行うと良いでしょう。

セキュリティの考慮点


クッキーを扱う際には、セキュリティリスクを理解し、適切な対策を講じることが重要です。不適切なクッキー管理は、Webサイトの脆弱性を招き、ユーザーの個人情報が漏洩する原因にもなり得ます。ここでは、クッキーの安全性を確保するための主要な考慮点を紹介します。

セキュアフラグの設定


セキュアフラグを有効にすることで、クッキーがHTTPS接続時にのみ送信されるように設定できます。これにより、クッキーの内容がネットワーク経由で盗聴されるリスクを減らせます。セキュアフラグは、setcookie()関数の第6引数にtrueを指定することで有効にできます。

<?php
// セキュアフラグを有効にしたクッキーの設定
setcookie("user", "John Doe", time() + 3600, "/", "", true, true);
?>

この例では、クッキーがHTTPS接続でのみ送信されるように設定しています。

HTTP Onlyフラグの設定


HTTP Onlyフラグを設定することで、JavaScriptからクッキーへのアクセスを防止します。これにより、クロスサイトスクリプティング(XSS)攻撃によるクッキーの不正取得を防ぐことができます。

<?php
// HTTP Onlyフラグを有効にしたクッキーの設定
setcookie("user", "John Doe", time() + 3600, "/", "", true, true);
?>

このコードでは、セキュアフラグとHTTP Onlyフラグの両方を有効にして、クッキーの安全性を高めています。

サードパーティクッキーの制御


サードパーティクッキーは、異なるドメインで設定されるクッキーであり、ユーザーのプライバシーに影響を与える可能性があります。サイトがサードパーティクッキーを使用している場合、その使用を最小限に抑え、プライバシーポリシーで明確に説明することが望ましいです。

クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の対策


クッキーを利用したセッション管理では、CSRF攻撃に対する対策も必要です。CSRFトークンを使用して、フォーム送信や重要なリクエストが正当なものであることを検証する仕組みを導入することが推奨されます。

クッキーの有効期限を最小限に設定


クッキーの有効期限を必要以上に長く設定することは、セキュリティリスクを高めます。短めの有効期限を設定し、ユーザーが定期的に再認証する仕組みを設けることで、リスクを軽減することができます。

クッキーの内容を暗号化する


クッキーに保存する情報は、特に機密性の高いデータである場合、暗号化することが望ましいです。クッキーの値を暗号化して保存し、サーバー側で復号化する仕組みを導入することで、万が一クッキーが盗まれた場合でも情報が保護されます。

まとめ


クッキーの安全性を確保するためには、セキュリティオプションの設定や適切な管理が必要です。セキュアフラグやHTTP Onlyフラグの活用、暗号化の実施、CSRF対策などを組み合わせることで、クッキーの利用によるリスクを最小限に抑えることができます。

実際のコード例:ユーザー認証のためのクッキー使用


PHPを使ってクッキーを利用したユーザー認証システムを実装することで、ユーザーのログイン状態を保持し、セッションを管理できます。ここでは、シンプルなユーザー認証システムの例を示し、クッキーを用いた実装方法を解説します。

ステップ1:ユーザーのログイン処理


まず、ユーザーが正しい認証情報を入力した場合にクッキーを設定し、ログイン状態を維持するコードを作成します。

<?php
// サンプルのユーザー名とパスワード
$validUsername = "user";
$validPassword = "password123";

// フォームから送信されたデータを取得
$username = $_POST['username'] ?? '';
$password = $_POST['password'] ?? '';

// ユーザー認証を確認
if ($username === $validUsername && $password === $validPassword) {
    // クッキーにユーザー名を保存(有効期限は1時間後)
    setcookie("username", $username, time() + 3600, "/", "", true, true);
    echo "ログインに成功しました。";
} else {
    echo "ユーザー名またはパスワードが間違っています。";
}
?>

この例では、認証に成功するとユーザー名をクッキーに保存し、セキュアフラグとHTTP Onlyフラグを有効にしています。これにより、クッキーの安全性を高めます。

ステップ2:ログイン状態のチェック


ログイン状態を確認するには、$_COOKIE変数を利用してクッキーの値を確認します。以下のコードは、ユーザーがログインしているかどうかをチェックし、状態に応じて異なるメッセージを表示します。

<?php
// "username"クッキーが存在するか確認
if (isset($_COOKIE["username"])) {
    $username = htmlspecialchars($_COOKIE["username"]);
    echo "ようこそ、" . $username . "さん!";
} else {
    echo "ログインしてください。";
}
?>

このコードでは、ユーザーがログインしていればクッキーの値を表示し、そうでなければログインを促します。

ステップ3:ログアウト処理


ユーザーがログアウトする際には、クッキーを削除する必要があります。setcookie()関数を使ってクッキーの有効期限を過去に設定し、クッキーを無効化します。

<?php
// "username"クッキーを削除
setcookie("username", "", time() - 3600, "/", "", true, true);
echo "ログアウトしました。";
?>

この例では、有効期限を過去に設定することで「username」クッキーを削除し、ログアウト処理を行っています。

セキュリティの強化


ユーザー認証システムをクッキーで実装する際には、次のセキュリティ対策を講じると良いでしょう。

  • セッション固定攻撃の防止:ログイン時にセッションIDを再生成することで、セッション固定攻撃を防ぎます。
  • クッキーの暗号化:クッキーに保存するデータを暗号化し、サーバー側で復号化することで、データの安全性を高めます。
  • CSRFトークンの利用:重要なアクションにはCSRFトークンを使用して、リクエストの正当性を確認します。

まとめ


PHPでクッキーを用いたユーザー認証を実装することで、簡単なログイン機能を構築できます。ただし、セキュリティ対策を十分に行い、安全な認証システムを構築することが重要です。

クッキーのデバッグ方法


PHPでクッキーの設定や取得がうまくいかない場合、デバッグするための方法を理解しておくことは重要です。クッキーが正常に動作しない原因には、設定のミスやブラウザの設定、サーバーの構成など、さまざまな要因があります。ここでは、クッキーのデバッグ方法について説明します。

ブラウザのデベロッパーツールを利用する


ブラウザのデベロッパーツールを使うと、現在のクッキーの状態を確認できます。Google ChromeやFirefoxなどの主要なブラウザには、クッキーを確認するための機能が組み込まれています。

  1. ブラウザでWebページを開く
  2. デベロッパーツールを起動(F12キーまたは右クリックメニューから「検証」を選択)
  3. 「Application」または「ストレージ」タブに移動し、「Cookies」を選択
  4. 対象のドメインのクッキーを確認する

これにより、クッキーの名前、値、ドメイン、有効期限、パス、セキュリティ設定(セキュア、HTTP Only)などを確認できます。

PHPの`setcookie()`関数の使用に関する注意


PHPのsetcookie()関数は、HTTPヘッダとしてクッキーを送信するため、HTMLの出力よりも前に実行する必要があります。もし、setcookie()が呼ばれる前に何らかの出力があると、以下のようなエラーメッセージが表示されることがあります。

Warning: Cannot modify header information - headers already sent

このエラーが発生した場合、出力バッファリングを使用するか、setcookie()をHTMLの出力より前に配置する必要があります。

`$_COOKIE`変数の確認


PHPの$_COOKIEスーパーグローバル変数を利用して、クッキーがサーバーに正しく送信されているかを確認できます。以下のコードは、すべてのクッキーを表示する方法です。

<?php
// 現在のクッキーをすべて表示
print_r($_COOKIE);
?>

このコードを使用して、クッキーの名前と値が$_COOKIE配列に存在するかどうかを確認し、クッキーが正しく設定されているかをチェックできます。

クッキーの設定を再確認する


クッキーがうまく動作しない場合、setcookie()関数で設定したオプション(有効期限、パス、ドメイン、セキュリティフラグなど)を再確認することが重要です。たとえば、ドメインやパスの設定が誤っていると、クッキーが意図したページで利用できないことがあります。

  • 有効期限が正しく設定されているかを確認します。過去の時刻を指定している場合、クッキーは即座に無効化されます。
  • パスとドメインの設定を再確認し、クッキーが適用される範囲が正しいかを確認します。

サーバーの設定を確認する


サーバーの設定によっては、クッキーの送受信に影響を与える場合があります。特に、セッション管理を行っている場合や、特定のセキュリティポリシーが設定されている場合は注意が必要です。

  • php.iniの設定: サーバーのphp.iniファイルの設定で、クッキー関連のオプション(例:session.cookie_securesession.cookie_httponly)を確認します。
  • キャッシュヘッダー: キャッシュの設定が影響してクッキーが適切に更新されないことがあります。必要に応じてキャッシュ制御ヘッダーを追加します。

ログ出力を活用する


デバッグ時にログを出力することで、クッキーが設定されるタイミングや、$_COOKIE配列の変化を追跡できます。error_log()関数を使用して、クッキーの値や設定内容をログに出力することが有効です。

<?php
// クッキーの値をログに記録
error_log("User cookie: " . $_COOKIE["user"]);
?>

まとめ


クッキーのデバッグでは、ブラウザのデベロッパーツールやPHPのエラーログ、サーバー設定の確認など、さまざまな方法を組み合わせて問題の原因を特定します。クッキー設定に関する基本的な知識を理解し、正しいデバッグ手法を活用することで、問題を迅速に解決できます。

まとめ


本記事では、PHPを使ったクッキーの操作方法について詳しく解説しました。クッキーの基本概念から設定、取得、更新、削除までの手順や、セキュリティの考慮点、デバッグ方法を紹介しました。クッキーを適切に管理することで、ユーザー体験の向上やWebアプリケーションのセキュリティ向上に役立てることができます。セキュアフラグやHTTP Onlyフラグを活用し、安全性を高めることも忘れずに行いましょう。

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目次
  1. クッキーとは何か
  2. クッキーの用途
    1. セッション管理
    2. ユーザー設定の保持
    3. ユーザーのトラッキング
    4. ショッピングカートの維持
  3. PHPでクッキーを設定する方法
    1. 基本的なクッキーの設定方法
    2. オプションを指定したクッキーの設定
  4. クッキーの有効期限とオプション設定
    1. 有効期限の設定
    2. パスとドメインの設定
    3. セキュリティオプション(セキュアとHTTP Only)
  5. PHPでクッキーを取得する方法
    1. 基本的なクッキーの取得方法
    2. 複数のクッキーを扱う場合
    3. 注意点
  6. クッキーの更新方法
    1. クッキーの値を変更する
    2. 有効期限の延長
    3. 更新時のオプション指定
    4. 注意点
  7. クッキーの削除方法
    1. クッキーを削除する基本的な方法
    2. パスとドメインを指定したクッキーの削除
    3. すべてのクッキーを削除する場合
    4. 注意点
  8. セキュリティの考慮点
    1. セキュアフラグの設定
    2. HTTP Onlyフラグの設定
    3. サードパーティクッキーの制御
    4. クロスサイトリクエストフォージェリ(CSRF)の対策
    5. クッキーの有効期限を最小限に設定
    6. クッキーの内容を暗号化する
    7. まとめ
  9. 実際のコード例:ユーザー認証のためのクッキー使用
    1. ステップ1:ユーザーのログイン処理
    2. ステップ2:ログイン状態のチェック
    3. ステップ3:ログアウト処理
    4. セキュリティの強化
    5. まとめ
  10. クッキーのデバッグ方法
    1. ブラウザのデベロッパーツールを利用する
    2. PHPの`setcookie()`関数の使用に関する注意
    3. `$_COOKIE`変数の確認
    4. クッキーの設定を再確認する
    5. サーバーの設定を確認する
    6. ログ出力を活用する
    7. まとめ
  11. まとめ