Surface Pro 9で簡単!Windows 11 HomeをProにアップグレードする方法

最新のSurface Pro 9はスタイリッシュで高性能な2in1デバイスとして注目を集めています。しかし、標準で搭載されているWindows 11 HomeをWindows 11 Proにアップグレードしようと考えたとき、手持ちのDVDを使う方法はあまり現実的ではありません。そこで、スムーズなアップグレード手順と注意点をわかりやすくまとめました。

Windows 11 Proへアップグレードを検討する理由

Windows 11 Homeでも日常的な作業は十分こなせますが、ビジネス用途や専門的な機能が必要な場合はWindows 11 Proへのアップグレードが望ましい場合があります。以下では、そのメリットを整理してみましょう。

ドメイン参加やリモートデスクトップの機能

Windows 11 Proには、組織のネットワークへのドメイン参加機能やリモートデスクトップホスト機能など、主にビジネス向けの機能が充実しています。会社のセキュリティポリシーに合わせてパソコンを管理する場合や、外出先からリモートで社内のデバイスを操作する必要がある場合に役立ちます。

BitLockerによるデバイスの暗号化

Proエディションでは、BitLockerを使ってストレージを暗号化できます。万が一の紛失や盗難時にデータの流出を防ぐセキュリティ対策として、企業やフリーランスで重要情報を扱うユーザーにとって非常に重要な機能です。

Hyper-Vや仮想化機能のサポート

開発者やIT技術者には、Hyper-Vなどの仮想化機能が利用できる点が魅力です。テスト環境構築や他OSとの互換性検証など、多彩なシチュエーションで高い利便性を実現します。

Surface Pro 9がDVDドライブを搭載していない理由

Surface Pro 9は超薄型軽量設計を追求しているため、従来のノートパソコンにあるような内蔵DVDドライブを搭載していません。代わりにUSB-Cポートが採用されており、よりスリムなボディを実現しています。

外付け光学ドライブを使う場合の注意点

どうしても手元のDVDメディアを使用したい場合は、USB-C用の外付けDVDドライブを用意する必要があります。ただし、以下のような注意点があります。

  • USB-Cアダプタの対応状況を確認: DVDドライブ側がUSB-A端子の場合は、USB-AからUSB-Cに変換するアダプタが必要になります。データ転送速度や給電の問題で認識できない可能性もあるため、対応製品を慎重に選ぶ必要があります。
  • Surface Pro 9本体のドライバー対応: 外付けDVDドライブが正しく動作するためには、デバイスマネージャーのドライバーやWindows Updateが最新の状態である必要があります。ドライバーが合わないとディスクの読み込み自体に失敗することがあるため注意が必要です。

Microsoftストアを利用したデジタルアップグレードが最適解

Surface Pro 9をWindows 11 HomeからWindows 11 Proにするには、物理メディアにこだわらず、Microsoftストアを経由してライセンスを購入・適用する方法が最も簡単で確実です。デジタルライセンスで完結するため、以下のようなメリットがあります。

物理メディア不要でスムーズ

DVDドライブを用意する手間が省け、Microsoftストアでのオンライン購入から即時にアップグレードが可能です。アクティベーションコードはクラウド管理されるため、キー入力のミスなども起こりにくいです。

購入からライセンス適用までの手順

Microsoftストアを使ったアップグレードは、以下の流れで行います。

  1. 「設定」からライセンス認証画面を開く
    画面左下の「スタート」ボタンをクリック → 歯車アイコンの「設定」を選択 → 「システム」→「ライセンス認証(アクティベーション)」の順に進みます。
  2. 「Windowsのエディションをアップグレードする」を選択
    ライセンス認証の画面にある「ストアに移動」をクリックして、Windows 11 Proライセンスの購入ページへアクセスします。
  3. Microsoftストアで購入手続きをする
    支払い方法を選択し、購入を確定すると、自動的にアップグレードが始まります。ライセンスのダウンロードとインストールプロセスが進行し、再起動後にWindows 11 Proとして利用できるようになります。
  4. アップグレード完了の確認
    再起動が終わったら「設定」→「システム」→「ライセンス認証(アクティベーション)」を再度開き、Windows 11 Proとして認証されているか確認します。

トラブルシューティング: ストアからのアクティベーションが上手くいかない場合

まれにアクティベーションがうまく進まない場合があります。その場合は以下を試してください。

  • Windows Updateを最新にする: 未適用の更新プログラムがあると正常にアップグレードできないケースがあります。
  • 再起動とアカウント確認: Microsoftアカウントで正常にサインインできているか、再起動後に再度認証を試みてみる。
  • ネットワーク接続を確認: Wi-Fiの接続が不安定な場合は、有線接続や安定した別のネットワークで再度試してみる。

手元のDVDライセンスをどう活用するか

すでにWindows 11 ProのDVDパッケージライセンスを所持している場合、Surface Pro 9でそのメディアを直接使うのは難しい場面が多いです。しかし以下の選択肢を考慮してみましょう。

他のPCでの利用やインストールメディアの再作成

もし手元のDVDライセンスが未使用で、別のPCに対してのインストールを考えているなら、DVDは活用できます。あるいは、インストールメディア作成ツール(Microsoft公式のMedia Creation Tool)を使い、USBインストールメディアを新規作成するという方法もあります。

  • 手順の概略(Media Creation Toolを使う場合)
  1. 別のWindows PCでMicrosoft公式サイトにアクセス。
  2. Media Creation Toolをダウンロードし起動する。
  3. 指示に従い、USBフラッシュドライブをインストールメディア化する。
  4. Surface Pro 9にUSBメモリを挿し、ブート順序を変更してインストールを進める。

ただし、現時点でWindows 11 HomeがプレインストールされているSurface Pro 9をその方法でクリーンインストールする場合、ライセンスの認証がスムーズにいかないリスクも考えられます。万一トラブルが発生した場合は、最初からMicrosoftストアでアップグレード用ライセンスを購入してしまったほうが手間もリスクも減るでしょう。

購入店に相談する

すでにDVD版のライセンスを購入してしまったものの、使う予定がない場合、販売店や購入元に事情を説明し、返金や交換を検討してもらう手もあります。パッケージを開封済みだと難しいこともありますが、未開封やライセンス未使用であれば対応してもらえる可能性があります。

具体的な費用とアップグレードのメリットを再確認

Windows 11 Proへのアップグレードには、ある程度の追加費用が必要です。Microsoftストアで販売されているPro版アップグレードは購入時点のレートやキャンペーンで多少変動します。ここで、費用対効果を考える上でチェックしたいポイントをまとめます。

項目Windows 11 HomeWindows 11 Pro
価格帯標準搭載アップグレード費用が追加
ドメイン参加不可可能
リモートデスクトップホスト側機能は不可ホスト側機能が利用可能
BitLocker(暗号化)利用不可利用可能
Hyper-V(仮想化機能)利用不可利用可能
メディアによるインストールDVDやUSBで再インストールも可能(Home版)Pro版メディアがあればクリーンインストール可
対象ユーザー一般ユーザービジネス・高度な機能を求めるユーザー

上表を見ればわかるように、Pro版にはHome版にはない機能が豊富に揃っています。ビジネスで使う場合はもちろん、プログラミングや仮想環境の構築などにも強力なサポートを提供してくれます。

Surface Pro 9でのアップグレード後の活用例

実際にWindows 11 ProをSurface Pro 9に導入した後は、さまざまな活用が想定できます。

企業のセキュリティポリシーに沿った使用

BitLockerでストレージを暗号化し、企業ポリシーに沿った形でのPC管理が可能になります。組織のActive Directoryに参加し、Office 365やMicrosoft 365と統合しやすくなるため、IT管理者にとっても扱いやすい環境です。

リモートワークや出張先での効率化

Windows 11 Proでは、リモートデスクトップ接続をホストとして利用できます。急ぎの作業が発生した際も、外出先から自宅やオフィスのPCにアクセスしてファイルを確認・編集できます。また、Surface Pro 9の軽量性を活かして、スマートな働き方を実現可能です。

開発環境の構築

Hyper-Vを有効活用すれば、Linuxや別バージョンのWindows、特定のテスト環境などを仮想マシンとして走らせられます。開発者やITエンジニアがSurface Pro 9をメイン端末として使う際には、仮想環境を使った動作検証も楽になります。

Surface Pro 9を快適に使うための追加設定

Windows 11 Proにアップグレードしたら、そのままでも十分快適ですが、より使いやすくするためにいくつかの設定を施すと便利です。

更新プログラムの管理

Proエディションでは更新プログラムの適用タイミングを細かく調整できます。業務の谷間を狙ってアップデートを実施したり、再起動を強制されないように設定しておくと、作業効率を損ないにくいです。

グループポリシーの活用

Windows 11 Proではグループポリシーエディタ(gpedit.msc)を使えるため、システムやユーザー設定をより細かく制御できます。不要なサービスや機能を無効にして、起動や動作を軽快にしたり、セキュリティを強化したりできます。

電源プランの最適化

Surface Pro 9はバッテリー駆動が前提の端末なので、電源プランの設定を見直してバランスを取りましょう。Windows 11 Proにアップグレードしても、独自の省電力設定を行うことで快適なモバイル利用が可能です。

コマンド操作でライセンス状況を確認する方法

Windows 11のライセンス認証状態を確認したい場合、コマンドプロンプトやPowerShellで簡単に確認できます。トラブルシューティングやライセンスの切り替え時に役立つので、覚えておくと便利です。

# コマンドプロンプトまたはPowerShellを管理者権限で起動
slmgr /dlv

# 結果として、ライセンスの詳細情報(エディション、認証状態、有効期限など)が表示される

上記のコマンドで、現在のWindowsエディションやライセンス認証の種類などを詳細に確認できます。Proへアップグレードしたはずなのに反映されていない場合や、認証状態に問題がある場合は、ここで原因を特定できる場合があります。

よくある質問と対処法

Q1: 既にDVD版を購入済みですが、やはりストアで買い直したほうがいい?

A1: 物理メディアを使ってのクリーンインストールにはメリットもありますが、Surface Pro 9でDVDを読み込む手間を考えると、Microsoftストアからのアップグレードが確実です。DVD版ライセンスは他のPCで活用したり、販売店に相談して返金や交換が可能かどうか検討するのも良いでしょう。

Q2: ストアでのアップグレードがうまくいかないときは?

A2: まずWindows Updateを実行して最新の状態に保ちます。ネットワークの安定性やMicrosoftアカウントのログイン状況も確認してください。再起動後に認証が行われる場合もあるので、時間を置いてから再度確認することをおすすめします。

Q3: Windows 11 Proへのアップグレードでデータは消える?

A3: HomeからProへのエディション変更は通常、データやアプリを維持したまま行えます。ただし、万一のトラブルに備えて重要なファイルのバックアップをとっておくことを推奨します。

Q4: アップグレード後、ライセンス認証が切れる可能性は?

A4: Microsoftストア経由のアップグレードであれば、ライセンスはデジタル認証によってMicrosoftアカウントと紐づけられます。ハードウェア大幅変更(マザーボード交換など)をしない限り、認証状態は継続します。

まとめ

Surface Pro 9でWindows 11 HomeからWindows 11 Proにアップグレードする際は、物理DVDメディアによる方法よりも、Microsoftストアを通したデジタルアップグレードが簡単かつ確実です。外付けDVDドライブを用意する手間や互換性の問題を考慮すると、オンラインでのライセンス購入が最適解と言えます。手元に未使用のDVDライセンスがある場合は、他のデバイスへの適用や返金交渉など、状況に合わせた選択肢を検討しましょう。
Pro版特有の機能を生かすことで、Surface Pro 9の性能を最大限に活かしたより高度な利用が可能となります。ビジネスやセキュリティの観点で優位に立ちつつ、リモートワークや開発環境構築においても大きなメリットが得られるでしょう。アップグレード前にバックアップを取り、Windows Updateを適用するなどの基本的な準備を行いながら、ぜひこの機会にWindows 11 Proの魅力を体験してみてください。

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