Microsoft 365 CopilotにClaude Fable 5追加|変更点・設定・料金・注意点

「Available today: Anthropic Claude Fable 5 in Microsoft 365 Copilot」で発表された変更は、Claude Fable 5がMicrosoft 365 Copilotの選択可能なプレビューモデルとして追加されたことです。既定モデルが自動的に置き換わるわけではありません。

2026年6月11日時点では、Copilot CoworkのFrontier環境で既定オフの選択肢として提供され、ExcelとPowerPointでは限定的なプライベートプレビューと案内されました。利用には管理者による明示的な有効化が必要です。(TECHCOMMUNITY.MICROSOFT.COM)

ただし、Anthropicは2026年6月12日にClaude Fable 5へのアクセスを停止しました。2026年6月19日時点でも公式ページでは利用不可と表示されています。管理者は設定変更より先に、現在のサービス提供状況を確認してください。(Anthropic)

目次

Microsoft 365 Copilotの主な変更点

Claude Fable 5は、長時間にわたる複雑な業務、複数段階のナレッジワーク、コーディング、図表を含む視覚的な推論などを想定したモデルです。Microsoft 365 Copilotでは、Work IQによる業務コンテキストと組み合わせ、作業内容に応じてモデルを選べる方向性が示されています。(LinkedIn)

確認項目発表された内容実務上の意味
提供形態プレビューモデルとして追加本番運用を前提とした一般提供ではない
Copilot CoworkFrontierで既定オフの選択肢として提供管理者の許可がなければ利用できない
Excel・PowerPointプライベートプレビューすべてのテナントやユーザーに表示されるわけではない
モデル選択長く複雑なタスク向けの選択肢を追加既存モデルを強制的に置き換える変更ではない
データ処理Anthropicによるデータ保持が必要通常のMicrosoft 365 Copilotとは契約条件が異なる
現在の状態2026年6月12日からアクセス停止設定が正しくても利用できない可能性がある

今回の変更は「新しいモデルを任意で試せるようにするもの」です。既存のチャット、ファイル、プロンプトをClaude Fable 5へ移行する作業や、既存モデルの廃止は案内されていません。

「Available today」でも現在利用できるとは限らない

TechCommunityの記事タイトルには「Available today」とありますが、記事公開後に状況が変わっています。

Anthropicは2026年6月12日、Claude Fable 5とClaude Mythos 5へのアクセス停止を発表しました。そのため、Microsoft 365管理センターで関連設定を有効にしても、モデルが表示されない、選択できない、処理を開始できないといった状態になる可能性があります。(Anthropic)

一方、Copilot Cowork自体は2026年6月16日に一般提供が開始されました。一般提供時点の標準的なモデルとして案内されているのはClaude Opus 4.8とClaude Sonnet 4.6であり、Coworkの一般提供開始とClaude Fable 5の提供再開は別の話です。(Microsoft)

管理者は次の3点を分けて確認してください。

  • Copilot Coworkを利用できるか
  • テナントでAnthropicモデルが許可されているか
  • Claude Fable 5自体のアクセス停止が解除されているか

誰に影響する変更なのか

対象影響必要な対応
一般ユーザー管理者が有効化しない限り、基本的に変化なしモデル名とデータ保持表示を確認する
Copilot Cowork利用者提供再開後、複雑な作業向けモデルとして選べる可能性がある機密情報を使う前に社内ルールを確認する
Excel・PowerPoint利用者招待されたプライベートプレビュー利用者のみ対象通常版への自動追加を前提にしない
Microsoft 365管理者モデル、利用者、契約条件の管理が必要小規模な検証グループだけに許可する
セキュリティ・法務担当者データ保持主体と適用契約が変わるAnthropicの規約とDPAを確認する
調達・経理担当者Coworkの従量課金が関係する可能性があるCopilot Creditsと予算設定を確認する

特に影響が大きいのは、利用者よりも管理者、セキュリティ担当者、法務担当者です。Claude Fable 5は通常のモデル追加とは異なり、データ保持と契約条件を確認してから有効化する必要があります。

管理者が確認する設定手順

現在の提供状況を確認する

最初にAnthropicの公式ステータスとMicrosoft 365のメッセージセンター、リリースノートを確認します。

アクセス停止中に設定だけを変更しても、正常に利用できるとは限りません。ヘルプデスクへの問い合わせを増やさないためにも、利用者への案内前に実際のテストアカウントで表示状況を確認してください。

Microsoft 365 Copilotライセンスを確認する

2026年6月11日の発表時点で、Claude Fable 5の主な提供先はCopilot CoworkのFrontier環境でした。Frontier機能を利用するユーザーには、Microsoft 365 Copilotライセンスの割り当てが必要です。(Microsoft Learn)

Microsoft 365管理センターでは、次の場所からライセンスを確認できます。

  1. 「課金」を開く
  2. 「ライセンス」を選択する
  3. 「Microsoft 365 Copilot」を開く
  4. 検証対象ユーザーにライセンスが割り当てられているか確認する

管理者自身にライセンスがない場合、一部のFrontier設定や機能が表示されないことがあります。

Anthropicモデルへのアクセス設定を確認する

Anthropicモデルの設定は、Microsoft 365管理センターのCopilot設定から管理します。

  1. Microsoft 365管理センターを開く
  2. 「Copilot」から「設定」を選択する
  3. 「すべて表示」を開く
  4. AIプロバイダーに関する設定を選択する
  5. Anthropicを許可する
  6. 対象となるユーザーまたはグループを指定する

AnthropicをMicrosoftのサブプロセッサとして許可する操作には、全体管理者の権限が必要です。ユーザー単位またはMicrosoft Entra IDのセキュリティグループ単位で利用範囲を制限できます。(Microsoft Learn)

Claude Fable 5を別途有効化する

ここが間違えやすいポイントです。

通常のAnthropicモデルがテナントで許可されていても、Claude Fable 5は自動的に有効になりません。Claude Fable 5は「データ保持を伴うプレビューモデル」に分類され、すべてのテナントで既定オフです。

管理者はプレビューAIモデルの管理画面で、次の対応を行う必要があります。

  • Claude Fable 5の利用を明示的に許可する
  • Anthropicの商用サービス利用規約を確認する
  • AnthropicのData Protection Addendumを確認する
  • 利用できるユーザーまたはグループを指定する
  • 利用者にデータ保持の条件を通知する

Microsoftは、プレビューモデルを本番環境ではなく、評価やテストに限定して使用するよう案内しています。(Microsoft Learn)

管理画面の名称や配置はロールアウト状況、日本語表示、管理センターの更新によって変わる場合があります。「プレビューAIモデル」「AIモデル」「データ保持」などの語句で設定を検索すると見つけやすくなります。

小規模な検証グループでテストする

全社有効化は避け、最初はセキュリティグループを使って対象者を絞ります。

検証では、次の項目を記録してください。

  • 同じ依頼を既存モデルとClaude Fable 5で実行した結果
  • 回答品質と処理時間
  • 使用したファイルやデータの分類
  • モデル名とデータ保持に関する画面表示
  • エラーや利用停止時の挙動
  • Copilot Creditsの消費量
  • 利用を停止する場合の設定手順

機能の評価だけでなく、いつでも無効化できることまで確認しておくと、本番展開時のリスクを抑えられます。

データ保持で必ず理解すべきこと

Claude Fable 5では、AnthropicがMicrosoftのサブプロセッサではなく、独立したデータプロセッサとしてデータを扱います。

そのため、Claude Fable 5に送信したデータについては、Microsoftの製品条項やMicrosoft Data Protection Addendumではなく、Anthropicの商用サービス利用規約とData Protection Addendumが適用されます。(Microsoft Learn)

公式情報では、Anthropicが大部分の入力と出力を削除前に最大30日間保存すると説明されています。使用ポリシー違反の可能性が検出された場合、入力と出力が最大2年間、信頼性・安全性の分類スコアが最大7年間保持される可能性があります。明示的な許可がない限り、保持データはモデルトレーニングには使用されません。(Microsoft Learn)

「学習に使われない」ことと「保存されない」ことは同じではありません。社内説明では、この2点を分けて伝える必要があります。

データの例検証利用の判断
公開済みのWeb情報比較的検証しやすい
架空の売上データや匿名化済みサンプル初期検証に適している
社内一般資料情報分類と社内規程を確認する
顧客情報や個人情報法務・セキュリティ承認なしでは使用しない
未公開の財務情報・人事情報原則として初期検証には使わない
パスワード、APIキー、秘密鍵入力しない
弁護士との相談資料や訴訟関連文書契約条件を精査するまで使用しない

更新や移行作業は必要か

今回の発表はクラウド側のモデル選択肢追加であり、公式案内には専用アプリのインストール、端末への更新プログラム配布、既存データの移行手順は記載されていません。

利用者側で必要になるのは、主に次の操作です。

  • 管理者が対象モデルを許可する
  • 対象ユーザーにライセンスとアクセス権を割り当てる
  • 利用者がCopilot上でモデルを選ぶ
  • データ保持に関する表示を確認する

既存モデルからClaude Fable 5への強制移行や、期限までの切り替えも発表されていません。利用しない組織は、既定オフのままにしておけば対応不要です。

料金は追加されるのか

2026年6月11日のClaude Fable 5発表では、Fable 5専用のMicrosoft 365 Copilot追加料金は明示されていません。

ただし、提供先となるCopilot Coworkは2026年6月16日に一般提供へ移行し、次の料金体系になりました。

  • Microsoft 365 Copilot User Subscription Licenseが必要
  • Coworkの実行量に応じた従量課金
  • 課金単位はCopilot Credits
  • モデル利用、コンテキスト取得、ツール呼び出し、実行時間などから消費量を算出

(Microsoft)

Anthropicが公開しているClaude APIのトークン単価は、Microsoft 365 Copilot Coworkの請求額ではありません。Coworkの費用を試算するときは、Anthropic APIの価格ではなく、MicrosoftのCopilot CreditsとCoworkコスト見積もりを使用してください。

期限として確認すべき日付

Claude Fable 5の有効化期限や、既存モデルからの移行期限は発表されていません。

一方、すでにFrontierでCopilot Coworkを利用している組織については、Microsoftが2026年6月30日までに従量課金を設定するよう案内しています。これはCoworkの課金設定期限であり、Claude Fable 5への移行期限ではありません。(Microsoft Learn)

期限・日付内容
2026年6月11日Claude Fable 5に関するMicrosoft公式情報が公開・更新
2026年6月12日AnthropicがFable 5へのアクセスを停止
2026年6月16日Copilot Coworkが一般提供を開始
2026年6月30日既存のCowork Frontier利用組織に対する従量課金設定期限
未発表Claude Fable 5の提供再開日
未発表Claude Fable 5の一般提供日
未発表Claude Fable 5への移行期限

よくある疑問

何もしなくてもClaude Fable 5が有効になる?

有効になりません。

Claude Fable 5は既定オフです。管理者がデータ保持を伴うプレビューモデルの利用を許可し、対象ユーザーまたはグループを指定する必要があります。

Anthropicをすでに許可していれば使える?

通常のAnthropicモデルの許可とは別に、Claude Fable 5用のオプトインが必要です。

「Anthropicが有効」と「データ保持を伴うClaude Fable 5が有効」は別の設定として考えてください。

無料のCopilot Chatユーザーも利用できる?

今回の主な対象はMicrosoft 365 CopilotのCopilot Coworkと、Excel・PowerPointのプライベートプレビューです。Copilot CoworkにはMicrosoft 365 Copilot User Subscription Licenseが必要なため、無料のCopilot Chatだけを利用しているユーザー向けの機能ではありません。(Microsoft)

本番業務で使ってもよい?

Microsoftはプレビューおよび実験モデルについて、テストまたは評価用途に限定し、本番環境では使用しないよう案内しています。

可用性、応答品質、待機時間、機能、リージョン対応が予告なく変わる可能性があります。今回のアクセス停止も、プレビューモデルの可用性リスクを示す例です。(Microsoft Learn)

設定したのにモデルが表示されない原因は?

次の原因が考えられます。

  • Claude Fable 5が提供停止中
  • Anthropicモデルがテナントで許可されていない
  • Fable 5のプレビュー設定がオフ
  • ユーザーが許可グループに含まれていない
  • Microsoft 365 Copilotライセンスがない
  • Frontierまたはプライベートプレビューの対象外
  • リージョンやクラウド環境が対象外
  • 設定反映が完了していない

表示されない場合は、アプリの再インストールより先に、サービス状態、ライセンス、管理センターの設定、ユーザー割り当てを順番に確認してください。

管理者が今すぐ行うべきこと

Claude Fable 5を利用しない組織は、既定オフのままで問題ありません。

評価を予定している組織は、次の順序で進めると安全です。

  1. Anthropicのサービス状態を確認する
  2. Microsoft 365 CopilotライセンスとCoworkの課金設定を確認する
  3. セキュリティ・法務部門がAnthropicの規約とデータ保持条件を確認する
  4. 少人数の検証グループだけにアクセスを許可する
  5. 公開情報や匿名化したサンプルデータで評価する
  6. 利用者向けに「入力内容がAnthropicに保持される」ことを明示する
  7. 利用停止時の無効化手順とヘルプデスク案内を準備する

今回の変更で重要なのは、モデル性能だけで導入を判断しないことです。提供状態、契約主体、データ保持、対象ユーザー、従量課金の5点を確認してから、小規模な検証を開始するのが現実的な対応です。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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