Windows/EdgeのIE→Edge自動リダイレクト変更点|影響・設定・移行を解説

Windows / Edgeの「Redirection from Internet Explorer to Microsoft Edge for compatibility with modern web sites」は、Internet Explorerで表示できないモダンサイトをMicrosoft Edgeへ自動的に切り替える仕組みです。

2026年6月15日時点の公式情報で特に注意したいのは、管理ポリシーを「未構成」にした場合の将来的な挙動です。現在は互換性のないサイトリストに基づいてリダイレクトされますが、将来はすべてのナビゲーションをEdgeへ転送する既定値に変わる可能性が示されています。管理者は未構成のまま運用せず、現状を維持するのか、リダイレクトを止めるのかを明示的に設定する必要があります。(Microsoft Learn)

なお、この仕組み自体はMicrosoft Edge Stableバージョン87から導入されており、2026年6月15日から突然すべてのPCで始まる新機能ではありません。一般ユーザーへの影響は限定的ですが、古いIEショートカットやIE依存システムを残している組織では、設定と移行状況の再確認が必要です。(Microsoft Learn)

目次

Windows / Edgeで押さえておきたい変更点

今回の情報を実務向けに整理すると、確認すべきポイントは次のとおりです。

確認項目内容必要な対応
リダイレクト対象Microsoftが管理するIE非互換サイト通常はEdgeで利用できるか確認する
ポリシー未構成時現在は非互換サイトリストに基づいて転送将来の既定値変更に備えて設定を明示する
閲覧データ同意するとお気に入り、パスワード、CookieなどをEdgeへ取り込む共有PCや業務端末では取り込み可否を決める
ユーザー通知初回ダイアログと案内バナーが表示される必要なら管理ポリシーで非表示にする
設定反映関連ポリシーはブラウザーの再起動が必要配布後にEdgeを再起動して確認する
期限今回の情報に新しい強制移行期限は示されていないIEモードとWindowsのライフサイクルを別途管理する
料金リダイレクト機能自体の追加料金は案内されていないIntuneなどの管理サービス利用料は別途確認する

最も重要なのは、RedirectSitesFromInternetExplorerRedirectModeを未構成のまま放置しないことです。現状維持を希望する場合でも、「Sitelist」を明示しておくほうが、将来の既定値変更による予期しない動作を防ぎやすくなります。

Redirection from Internet Explorer to Microsoft Edgeとは

この機能は、Internet Explorerで正常に表示できないWebサイトを検知し、Microsoft Edgeで開き直すための互換性対策です。

通常は次の流れで動作します。

  1. ユーザーがInternet ExplorerでWebサイトを開く
  2. サイトがMicrosoftのIE非互換サイトリストに含まれているか判定される
  3. 対象サイトならMicrosoft Edgeが起動する
  4. 初回はIEの閲覧データを取り込むか確認するダイアログが表示される
  5. Edgeのアドレスバー付近に、リダイレクト理由を説明するバナーが表示される

取り込み対象には、お気に入り、パスワード、検索エンジン、開いているタブ、閲覧履歴、設定、Cookie、ホームページが含まれます。取り込みに同意しなくても、EdgeでWebサイトの閲覧を続けることは可能です。(Microsoft Learn)

IE側のタブに何も表示されていなかった場合は、そのタブが閉じられることがあります。すでに別の内容を表示していた場合は、Edgeへ切り替わった理由を説明するMicrosoftの案内ページが表示されます。(Microsoft Learn)

EdgeへのリダイレクトとIEモードは別の機能

両者は目的が反対です。混同すると移行計画を誤りやすいため、明確に区別してください。

項目IEからEdgeへのリダイレクトEdgeのIEモード
目的モダンサイトを新しいブラウザーで表示する古いIE依存サイトを継続利用する
表示エンジンEdgeのChromiumエンジンIEの互換エンジン
主な対象IEでは表示できない一般WebサイトActiveXなどを使う社内システム
主な設定IE非互換サイトのリダイレクトポリシーEnterprise Mode Site List
移行方針Edgeでの通常表示へ移行一時的にIEモードを利用し、改修を進める

古い業務システムがEdgeで動かない場合に、リダイレクトを無効化してIEへ戻すのは根本的な解決になりません。対象サイトをEnterprise Mode Site Listへ登録し、EdgeのIEモードで動作させるのが基本です。Microsoftも、IEモード対象サイトはサイトリストで明示的に管理する方法を推奨しています。(Microsoft Learn)

影響を受けるユーザーと管理者

一般ユーザー

普段からMicrosoft Edgeを利用している人には、大きな変更はありません。

影響を受けやすいのは、古いショートカットや業務アプリからInternet Explorerを呼び出しているユーザーです。IEで開こうとしたサイトがEdgeへ切り替わる、初回にデータ取り込みの確認が出る、といった動作が発生します。

企業や学校のIT管理者

次の環境では確認が必要です。

  • IEを起動するショートカット、スクリプト、バッチファイルが残っている
  • 古い業務システムがIEやActiveXに依存している
  • リダイレクト関連ポリシーを未構成で運用している
  • 複数ユーザーが利用する共有PCでIEのデータを取り込みたくない
  • ヘルプデスクへの問い合わせを避けるため、案内画面を統一したい

特に、ポリシーの未構成を「現状維持の固定設定」と考えるのは危険です。将来的な既定値変更の影響を避けるには、必要な値を明示してください。

IEを自動操作するアプリの開発者

InternetExplorerオブジェクトやSHDocVwを使ったIE自動操作は、WebサイトがEdgeへリダイレクトされても自動的にはEdge対応になりません。

IEモードもInternetExplorerオブジェクトによる自動操作には対応していないため、通常のモダンサイトはMicrosoft Edge WebDriverやPlaywrightなどへ移行する必要があります。IEエンジンが不可欠なアプリでは、WebBrowserコントロールなど、用途に合った代替方法を検討します。(Microsoft Learn)

一般ユーザーが確認する手順

Microsoft Edgeを更新する

Edgeのアドレスバーに次を入力します。

edge://settings/help

更新が見つかった場合は適用し、Microsoft Edgeを再起動してください。古いEdgeを使い続けると、組織のポリシーや互換性設定が想定どおりに反映されないことがあります。

Internet Explorer互換性の設定を確認する

アドレスバーに次を入力します。

edge://settings/defaultbrowser

この画面では、Internet ExplorerにMicrosoft Edgeでサイトを開かせる設定や、サイトをIEモードで再読み込みする設定を確認できます。

会社や学校が管理している端末では、設定がグレー表示になったり、項目自体が表示されなかったりすることがあります。この場合は、ユーザー側で変更せず管理者へ確認してください。IEモードの利用可否も、組織のグループポリシーによって制御されます。(マイクロソフトサポート)

データ取り込みの内容を確認する

初回リダイレクト時に表示される取り込み確認では、パスワードやCookieも対象になります。

個人専用PCなら利便性が高まりますが、共有PCや検証端末では、他の利用者が使うEdgeプロファイルへデータを取り込まないよう注意してください。

管理者が確認すべき3つのポリシー

各ポリシーは、グループポリシーの「管理用テンプレート」内にあるMicrosoft Edgeの項目から設定できます。レジストリを利用する場合の基本パスは次のとおりです。

SOFTWARE\Policies\Microsoft\Edge

RedirectSitesFromInternetExplorerRedirectMode

IEからEdgeへのリダイレクト範囲を決める中心的なポリシーです。

値動作
0/DisableIEからEdgeへのリダイレクトを防止する
1/SitelistMicrosoftのIE非互換サイトリストに基づいてリダイレクトする
未構成現在はSitelist相当。将来、すべてのナビゲーションを転送する既定値へ変わる可能性がある

現状の動作を維持したい組織は、Sitelistを明示するのが安全です。障害調査などで一時的に停止する場合はDisableを使用します。設定変更後はEdgeの再起動が必要です。(Microsoft Learn)

RedirectSitesFromInternetExplorerPreventBHOInstall

リダイレクトに使用される「IEtoEdge BHO」のインストールを制御します。

このポリシーを有効にすると、BHOはインストールされません。すでにインストールされている場合は、次回のMicrosoft Edge更新時に削除されます。

ただし、BHOの削除を待つだけではリダイレクトがすぐに止まらない可能性があります。直ちに停止したい場合は、先にRedirectSitesFromInternetExplorerRedirectModeをDisableへ設定し、その後BHOのインストール防止を設定します。(Microsoft Learn)

HideInternetExplorerRedirectUXForIncompatibleSitesEnabled

初回ダイアログとリダイレクトバナーを非表示にするポリシーです。

有効にするとユーザーへの案内は表示されませんが、リダイレクト自体は止まりません。また、IEの閲覧データもEdgeへ取り込まれなくなります。(Microsoft Learn)

共有PCやキオスク端末では有効化を検討できます。一方、一般の業務端末では、突然ブラウザーが切り替わった理由をユーザーが理解できなくなるため、事前告知やマニュアル整備が必要です。

環境別の推奨設定

利用環境推奨する考え方
IE依存サイトがないSitelistを明示し、IEを起動するショートカットやスクリプトを廃止する
IE依存の社内サイトがあるモダンサイトはEdge、古いサイトはEnterprise Mode Site ListでIEモードに振り分ける
リダイレクト障害を一時調査するRedirectModeをDisableにし、必要に応じてBHOも無効化する
共有PCでデータを移行したくないリダイレクトを維持しつつ、案内・取り込みを非表示にするポリシーを検討する
多数の端末を管理する本番配布前に少数端末へポリシーを適用し、再起動後の動作を確認する

IEモードを利用する場合は、利用者に手動で切り替えさせ続けるのではなく、Enterprise Mode Site Listで対象URLを管理する方法が適しています。

設定・更新・移行・料金・期限の確認ポイント

設定

管理端末では、次のアドレスで適用結果を確認できます。

edge://policy

ポリシー名、適用値、エラーの有無を確認し、設定変更後はEdgeを完全に終了して再起動します。関連する3つのポリシーはいずれも動的更新に対応しておらず、ブラウザーの再起動が必要です。(Microsoft Learn)

更新

Edge本体だけでなく、組織で配布しているMSEdge.admxも更新します。

古いADMXを使っていると、管理画面に対象ポリシーが表示されなかったり、説明文が現行仕様と一致しなかったりすることがあります。BHOを削除する設定は、次回のEdge更新時に反映される点にも注意してください。

移行

サイトを次の2種類に分けてください。

  • Edgeで正常に動くサイトは、通常のEdge表示へ移行する
  • IE固有機能が必要なサイトは、Enterprise Mode Site ListでIEモードを指定する

「すべてIEモードで開く」という運用は、依存関係を増やし、将来の改修を難しくします。URL単位で必要性を判定し、不要になったサイトから順にIEモード対象から外す運用が現実的です。

料金

今回の公式情報には、IEからEdgeへのリダイレクト機能について追加料金や購入手続きの案内はありません。

ただし、Microsoft IntuneやMicrosoft 365管理センターなどを使ってポリシーやサイトリストを管理する場合は、利用する管理サービスのライセンス条件を別途確認してください。

期限

2026年6月15日を期限とする新たな強制移行日は、今回の情報では示されていません。

IE11デスクトップアプリは、特定のWindows 10環境で2022年6月15日にサポートを終了しています。一方、Microsoft EdgeのIEモードは、サポート対象のOSで少なくとも2029年まで提供され、終了時には1年以上前に通知される方針です。OS自体のサポートが先に終了する場合があるため、Windowsのライフサイクルも併せて確認してください。(Microsoft Learn)

また、リダイレクトポリシーの既定値が変更される具体的な日付は示されていません。期限が発表されるまで待つのではなく、現在の意図に合う値を明示しておくことが重要です。

設定時に失敗しやすいポイント

バナーを消せばリダイレクトも止まると思う

HideInternetExplorerRedirectUXForIncompatibleSitesEnabledは、表示とデータ取り込みを制御するポリシーです。リダイレクトの停止にはRedirectSitesFromInternetExplorerRedirectModeを使用します。

Edgeの「ポップアップとリダイレクト」を変更する

Webサイトのポップアップ制御と、IEからEdgeへの互換性リダイレクトは別機能です。「Cookieとサイトのアクセス許可」にあるリダイレクト設定を変更しても、この動作は止まりません。

IEモードをリダイレクト機能だと思う

IEモードは古いサイトをEdge内のIE互換エンジンで開く機能です。IEで表示できないモダンサイトをEdgeへ移す今回の機能とは、利用目的が逆です。

ポリシーを未構成のままにする

未構成は固定された設定値ではありません。Microsoftが既定動作を変更すると、管理者が操作していなくても端末の挙動が変わる可能性があります。

古い前提条件を現行のサポート表として扱う

主資料にはWindows 7、Windows 8.1、Windows 10など、機能導入当時の前提条件が記載されています。これは2026年時点のOSサポートを保証する一覧ではありません。実際の運用可否は、WindowsとEdgeそれぞれの最新ライフサイクル情報で判断してください。

まず実施すべき対応

一般ユーザーは、Microsoft Edgeを更新し、古いIEショートカットからサイトを開いていないか確認してください。リダイレクト時にデータ取り込みが表示された場合は、利用しているPCが個人専用か共有端末かを確認してから選択します。

管理者は、最初にRedirectSitesFromInternetExplorerRedirectModeの適用状況を確認します。未構成なら、通常はSitelistを明示し、IE依存サイトだけをEnterprise Mode Site ListでIEモードへ振り分けます。その後、少数端末でポリシー反映、Edge再起動、認証、印刷、ファイル操作などをテストしてから全体へ展開してください。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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