Windows 10 の「この PC を初期状態に戻す」が 66% 付近で必ず失敗し、どうにも先へ進めない……という相談は、HP OMEN 15 などのゲーミングノートで特によくあります。この記事では、回復機能に頼らずに最短で確実に復旧するクリーンインストール手順と、ESD-USB の戻し方・ログの場所までまとめて解説します。
Windows 10 の初期化が 66% で失敗する症状とは
今回の想定ケースは次のような状況です。
| 項目 | 状態・症状 |
|---|---|
| PC | HP OMEN 15(Windows 10 搭載ゲーミングノート) |
| 実行操作 | 「設定」→「更新とセキュリティ」→「回復」→「この PC を初期状態に戻す」 |
| 進行状況 | 再起動後の処理が66% 前後で毎回失敗し、元の環境に戻ってしまう |
| やりたいこと | 工場出荷状態にできればよい(OS 再インストールで完全にまっさらにしたい) |
この「66% で止まる」現象は、HP に限らず Windows 10 全般で報告されており、多くの場合は回復イメージやディスク構成の不整合が原因です。このため、内蔵の回復機能にこだわらず、外部メディアを使ったクリーンインストールがもっとも近道になります。
なぜ「この PC を初期状態に戻す」が失敗するのか
代表的な原因を整理しておくと、トラブルシューティングの方針が立てやすくなります。
| 想定される原因 | 具体的な内容 |
|---|---|
| 回復イメージの破損 | 工場出荷時のリカバリ領域や Windows の回復イメージが壊れている/一部が消えている。 |
| パーティション構成の変更 | 後から C ドライブを縮小して D ドライブを作った、別 OS を入れた、などで構成が純正状態と違う。 |
| ストレージの不良セクタ | SSD/HDD に不良セクタがあり、初期化中に読み書きエラーが発生して失敗する。 |
| システムファイルの重大な破損 | ウイルス対策ソフトの影響や電源断などで、回復機能に必要なシステムファイルが壊れている。 |
| UEFI/MBR などの構成不整合 | レガシーブートから UEFI に途中で切り替えた、別ツールでクローンした…などでブート構成が複雑。 |
これらを一つ一つ直すより、OS をクリーンに入れ直してしまう方が早くて確実なケースがほとんどです。そこで、次の章ではインストール USB を使ったクリーンインストールの手順を詳しく解説します。
最短で確実な解決策:インストール USB からのクリーンインストール
Windows 10 の回復機能が何度やっても失敗する場合、Microsoft 公式のメディア作成ツール(Media Creation Tool)でインストール USB を作り、そこから Windows を入れ直すのがもっとも確実です。
クリーンインストール前の準備
すでにデータ退避が済んでいる前提ですが、確認しておきたいポイントをまとめます。
| チェック項目 | 詳細 |
|---|---|
| バックアップ | 必要なデータは外付け HDD・SSD やクラウド(OneDrive など)にコピー済みか確認。 |
| Windows 10 のエディション | 「設定」→「システム」→「バージョン情報」の「エディション」で Home / Pro をメモしておく。 |
| プロダクトキー | OMEN 15 のような OEM 機は、マザーボードにデジタルライセンスが埋め込まれていることが多く、通常は入力不要。 |
| インターネット環境 | クリーンインストール後のライセンス認証やドライバー更新にネット接続が必要。 |
| USB メモリ | 8GB 以上の USB メモリを用意。中身は削除されるので不要なものを使う。 |
プロダクトキーの確認用にサードパーティ製ツールを使う方法もありますが、不要なソフトや広告が含まれる場合もあるため、利用は自己判断・自己責任で行ってください。
Windows 10 インストール USB の作成手順
別の Windows PC が使える場合、その PC でインストール USB を作成します(同じ OMEN 15 本体で作成しても問題ありません)。
- Microsoft 公式サイトから「Windows 10 用メディア作成ツール」をダウンロードする。
- ツールを右クリックして「管理者として実行」する。
- ライセンス条項に同意し、「別の PC 用にインストール メディアを作成する(USB フラッシュドライブ、DVD、または ISO ファイル)」を選択。
- 言語・エディション・アーキテクチャの画面で、通常は「この PC におすすめのオプションを使う」にチェックで問題ありません。
- エディションは「Windows 10」を選択(Home / Pro はインストール時に選べる)。
- 64 ビット OS がほとんどなので、基本は「64 ビット (x64)」。
- 「使用するメディアを選んでください」で「USB フラッシュ ドライブ」を選択し、対象の USB メモリを指定する。
- ダウンロードと USB への書き込みが完了するまで待つ。
- 完了メッセージが出たら「完了」をクリックし、USB を抜かずにそのまま OMEN 15 に挿し替える。
作成後、エクスプローラーで見ると USB ドライブ名が「ESD-USB」になり、専用のアイコンに変わりますが、これは正常な仕様です(後で通常の USB に戻す方法を解説します)。
HP OMEN 15 で USB から起動する方法(UEFI/BIOS)
次に、OMEN 15 を USB から起動する設定を行います。HP ノートは起動時のファンクションキーが独自で、以下のようになっていることが多いです。
| キー | 機能 |
|---|---|
| Esc | スタートアップメニューの表示 |
| F9 | ブートメニュー(起動ドライブの選択) |
| F10 | BIOS 設定(UEFI 設定) |
| F2 | 診断ツール(メモリテストなど) |
一般的な手順は次の通りです。
- PC の電源が切れている状態で、作成したインストール USB を差し込む。
- 電源ボタンを押した直後からEsc キーを連打する。
- 青いスタートアップメニューが表示されたら、F9(Boot Device Options)を押す。
- 表示されたリストから、USB ドライブ(~USB、UEFI: ~などと表示)を選択して Enter。
通常、Media Creation Tool で作った USB は UEFI + Secure Boot 対応なので、Secure Boot を無効化する必要はありません。それでも USB から起動できない場合のみ、一時的に F10 から BIOS 設定を開き、Boot メニューで以下を確認・変更します。
- Boot Mode:UEFI を選択(「Legacy Support」は原則無効のまま推奨)。
- Boot Order:USB ドライブ(UEFI)を一時的に最上位にする。
- Secure Boot:うまくいかない場合のみ「Disabled」にして試し、作業後に元へ戻す。
Windows 10 をクリーンインストールする具体的な手順
USB から起動すると、青い Windows セットアップ画面が表示されます。ここからは慎重に操作すれば難しくありません。
- 言語・時刻・キーボードレイアウトが表示されたら、それぞれ日本語・日本・Microsoft IME を確認して「次へ」。
- 「今すぐインストール」をクリック。
- プロダクトキーの入力画面では、「プロダクトキーがありません」を選択。
- 後でインターネット接続時に自動でデジタルライセンス認証されるため、ここではスキップして問題ありません。
- エディションの選択画面が出た場合は、元の環境と同じもの(例:Windows 10 Home / Pro)を選んで「次へ」。
- ライセンス条項に同意して「次へ」。
- インストールの種類で「カスタム: Windows のみをインストールする(詳細設定)」を選択。
- パーティション選択画面で、内蔵 SSD 上の Windows 関連パーティションをすべて削除する。
- 「ドライブ 0 パーティション 1」「ドライブ 0 パーティション 2」…といった形で複数表示されることが多いです。
- USB ドライブ(容量が 8GB などと小さく表示されるもの)は削除しないよう注意。
- データを完全に消したい場合は C / D も含めてドライブ 0 のパーティションをすべて削除し、「ドライブ 0 の空き領域(未割り当て)」だけにする。
- 「ドライブ 0 の未割り当て領域」を選択して「次へ」をクリック。
- Windows セットアップが必要なシステムパーティションを自動的に作成します。
- あとはインストールが自動で進行します。再起動が何度か行われますが、そのまま待ちます。
途中の再起動時に、また USB から起動してしまう場合は、起動直後に Esc → F9 から Windows Boot Manager(内蔵 SSD)を選び直すか、BIOS で Boot Order を元に戻してください。
初回起動後に必ず行いたい設定・確認
セットアップが完了すると、Windows 10 の初期設定(地域・キーボード・Microsoft アカウントなど)画面になります。設定を一通り終えたら、次の点を確認・実施しましょう。
- ライセンス認証の確認
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「ライセンス認証」を開き、「Windows はデジタル ライセンスによってライセンス認証されています」と表示されていれば OK。
- Windows Update をすべて適用
- 「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」で「更新プログラムのチェック」→何度か再起動を繰り返しながら最新状態に。
- HP 関連ドライバーの更新
- HP Support Assistant や HP 公式サイトから、チップセット、グラフィックス(NVIDIA / AMD)、オーディオ、LAN/Wi‑Fi などのドライバーを更新。
- OMEN 15 の場合、「OMEN Gaming Hub」などのユーティリティもインストールしておくと、パフォーマンス管理やバックライト設定が行いやすくなります。
- 各種アプリの再インストール
- Steam / Epic Games などのゲームランチャー、Office 製品、ブラウザなどを順次入れ直す。
クリーンインストールがうまくいかないときのチェックポイント
インストール USB からのセットアップ中にもエラーが出る場合、ハードウェアやストレージに問題がある可能性があります。以下の順でチェックしてみてください。
ストレージの健全性チェック
Windows が起動できる状態であれば、管理者権限のコマンドプロンプトまたは PowerShell から、次のコマンドを実行します。
chkdsk C: /scan
エラーが多く出る、または修復不能な問題が報告される場合は、SSD 自体の交換を検討する必要があります。OMEN 15 のようなゲーミングノートは M.2 SSD が搭載されていることが多いので、交換も選択肢になります。
システムファイルの整合性チェック(まだ Windows が起動する場合)
初期化に失敗しても、元の Windows に戻ってくるケースでは、以下のコマンドでシステムファイルをチェック・修復してから再度クリーンインストールを試すと成功することがあります。
sfc /scannow
DISM /Online /Cleanup-Image /RestoreHealth
いずれも管理者権限で実行してください。完了後、PC を再起動してからセットアップをやり直します。
UEFI / MBR 構成の見直し
過去にレガシーブートでインストールされた Windows を使っていたり、別ツールでディスククローンをしたりすると、ブート構成が複雑になりがちです。クリーンインストール時には、
- 対象ディスクのパーティションをすべて削除して「未割り当て領域」1 つの状態にする
- Boot モードは UEFI に統一し、「Legacy Support」を無効にする
ことで、Windows セットアップが自動的に GPT + UEFI 用のパーティション構成を作成してくれます。
外付け機器を最小構成にする
USB ハブや外付けストレージ、ゲームコントローラーなどがたくさんつながっていると、セットアップ中に誤って別のディスクを操作してしまうリスクも増えます。
- USB 接続はマウス・キーボード・インストール USB のみにする。
- 余計な外付け SSD/HDD はすべて取り外しておく。
BIOS(UEFI)の更新
BIOS が古すぎると、最新の Windows ビルドで予期しない不具合が出ることもあります。HP のサポートページで OMEN 15 の型番を検索し、必要に応じて BIOS 更新を検討します。
- BIOS 更新はAC アダプター接続・バッテリー残量十分な状態で行う。
- アップデート中に絶対に電源を切らない。
「ESD-USB」表記とアイコンを通常の USB に戻す方法
メディア作成ツールで作成した USB は、
- ドライブ名:ESD-USB
- 専用のドライブアイコン
という状態になります。クリーンインストールが終わったあと、この USB を普通の USB メモリとして使い直したい、あるいはブート機能は残したまま見た目だけ変えたいという場合の方法を解説します。
通常用途の USB メモリとして完全に戻す(推奨)
ブート機能が不要で、データ保存用の USB として再利用したい場合は、ディスクごと初期化するのが簡単です。
- USB 内に残したいファイルがあれば、別の場所へコピーして退避する。
- Windows のスタートボタンを右クリックし、「ディスクの管理」を開く。
- 下部の一覧から、対象の USB ドライブを見つける。
- 容量が 8GB / 16GB / 32GB などで表示されているディスクを探す。
- USB 上のパーティション(青いバーの領域)をすべて右クリックし、「ボリュームの削除」で削除する。
- 「未割り当て」と表示された領域を右クリックし、「新しいシンプル ボリューム」を選択。
- ウィザードに従い、ドライブ文字を任意に設定し、ファイルシステムを exFAT または NTFS にしてクイックフォーマットする。
- ボリュームラベル(ドライブ名)も任意の名前(例:USB_DATA)に変更する。
これで、ブート情報や専用アイコンの設定は消え、一般的な USB メモリとして利用できるようになります。
ブート可能なままラベルだけ変えたい場合
インストール USB として今後も使う予定があるが、
- ドライブ名「ESD-USB」を別の名前にしたい
- アイコンを通常の表示に戻したい
といった場合は、次のようにします。
- エクスプローラーで USB ドライブを右クリックし、「プロパティ」を開く。
- 「全般」タブで、上部のテキストボックスに任意の名前を入力して「OK」。
- USB のルートに
autorun.infが存在する場合は、それを削除することで専用アイコンが解除されることがあります。
ただし、autorun.inf を削除すると、一部の環境で自動再生の挙動が変わる可能性がある点には注意してください。
diskpart を使ってコマンドで初期化する方法(上級者向け)
コマンドラインに慣れている場合は、diskpart を使って USB を完全初期化することもできます。選択するディスクを間違えると、他のディスク上のデータが完全に消えるため、操作は自己責任・慎重に行ってください。
diskpart
list disk
select disk <USBの番号>
clean
create partition primary
format fs=exfat quick
assign
exit
list diskで表示される一覧から、USB の容量をよく確認して番号をメモします。select disk <USBの番号>の行で選択したディスクが消去対象になるので、間違いがないか何度も確認してください。
初期化・セットアップ失敗時のログの場所
初期化が 66% で失敗する原因をより詳しく調べたい場合は、Windows が出力するログファイルを確認することでヒントが得られることがあります。代表的なログの場所を表にまとめます。
| パス | 内容 |
|---|---|
| C:\$Windows.~BT\Sources\Panther\setuperr.log | セットアップ時のエラー情報。重大なエラーが簡潔に記録される。 |
| C:\$Windows.~BT\Sources\Panther\setupact.log | セットアップ全体の詳細な動作ログ。どの処理で止まっているかを追いやすい。 |
| C:\Windows\Panther\ | インストールやアップグレード関連のログ一式が保存されるフォルダ。 |
| C:\Recovery\Logs\ResetErr.log など | 「この PC を初期状態に戻す」実行時のエラー情報が記録されることがある。 |
| イベントビューアー → Windows ログ → セットアップ | セットアップ関連イベントの一覧。失敗時刻をたどるのに便利。 |
| イベントビューアー → Windows ログ → システム | ディスクエラーや電源関連のイベントも確認できる。 |
これらのログは内容が専門的で難しいことも多いですが、エラーメッセージやエラーコード部分を抜き出して検索すると、同様の症状と解決策が見つかる場合があります。
HP OMEN 15 ならではの注意点・よくある質問
工場出荷時の状態(HP のプリインストール状態)に戻したい
インストール USB でのクリーンインストールは、純粋な Windows 10 の状態に戻す方法です。HP 独自のアプリや、工場出荷時に入っていたソフト構成まですべて再現したい場合は、以下の方法も検討できます。
- HP Cloud Recovery を利用(対応機種のみ)
- HP 公式の回復メディア作成ツールを使い、工場出荷時イメージをダウンロードして USB を作成する。
- 対応モデルかどうかは、製品番号(Product Number)を HP サイトで入力して確認する。
Windows だけ入っていれば十分という場合は、本記事のクリーンインストール手順で問題ありません。ゲームやアプリは後から自分に必要なものだけ入れ直した方が、軽くて安定した環境を作りやすくなります。
ゲームパフォーマンスやファン制御が心配
クリーンインストール後でも、以下の点を押さえておけば OMEN 15 の性能をしっかり引き出せます。
- 最新の GPU ドライバー(NVIDIA / AMD)をインストールする。
- HP 製の「OMEN Gaming Hub」など、パフォーマンス制御アプリを HP サイトまたは Microsoft Store からインストールする。
- 高パフォーマンス電源プランを有効にし、必要に応じてファン制御やパフォーマンスモードを調整する。
まとめ:66% で失敗するなら回復機能に固執しない
Windows 10 の「この PC を初期状態に戻す」が 66% 付近で毎回失敗する場合、回復イメージの破損やディスク構成の不整合が原因であるケースが多く、純正の回復機能だけで解決しようとすると時間ばかりかかってしまいます。
- インストール USB によるクリーンインストールが、最短かつ最も確実な解決策。
- 事前にエディション(Home / Pro)を確認し、クリーンインストール時はWindows 用パーティションをすべて削除 → 未割り当て領域からインストールするのが成功のポイント。
- 作成した USB の「ESD-USB」表示や専用アイコンは仕様であり、不要になればディスクの管理でパーティションを削除して作り直すことで通常の USB に戻せる。
- 原因調査が必要な場合は、
C:\$Windows.~BT\Sources\PantherやC:\Recovery\Logsのログ、およびイベントビューアーのセットアップ/システムログを確認する。 - OMEN 15 のようなゲーミングノートでは、クリーンインストール後に GPU ドライバーや OMEN 専用ツールを入れ直すことで、出荷時以上に安定したゲーム環境を構築できることも多い。
内部の回復機能にこだわらず、OS をすっきり入れ直してしまうことで、「毎回 66% で止まる」ストレスから解放され、むしろ軽く快適な Windows 10 環境を作り直すことができます。ぜひ落ち着いて、手順通りにクリーンインストールを進めてみてください。

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