KB5120249のオフライン適用要件|KB5031539が必要な条件とDISM手順

KB5120249をWindows 10 21H2/22H2のオフラインOSイメージへ統合する場合、イメージにKB5028244またはそれ以降の累積更新プログラム(LCU)が含まれていなければ、KB5031539を先に適用する必要があります。

適用順序は、次のとおりです。

KB5031539 → KB5120249

古いオフラインイメージへKB5120249を直接追加すると、DISMが「0x800f0823:CBS_E_NEW_SERVICING_STACK_REQUIRED」で失敗する可能性があります。KB5031539は、このエラーを回避するためにMicrosoftが指定している特別なスタンドアロンサービススタック更新プログラムです。(マイクロソフトサポート)

ただし、この条件はマウントしたWIMやVHDなどを更新する「オフラインOSイメージのサービス」に対するものです。稼働中のWindowsへWSUSやMicrosoft Updateカタログ経由でKB5120249を導入する場合は、別の前提条件が適用されます。

目次

KB5120249をオフライン適用する前にKB5031539が必要な条件

KB5031539が必要かどうかは、KB5120249を実行する作業用PCではなく、更新対象となるオフラインイメージの更新履歴で判断します。

適用対象オフラインイメージの状態必要な対応
Windows 10 21H2/22H2のオフラインOSイメージKB5028244またはそれ以降のLCUを含まないKB5031539を先に適用し、その後KB5120249を適用
Windows 10 21H2/22H2のオフラインOSイメージKB5028244またはそれ以降のLCUを含む特別なKB5031539の先行適用は不要
稼働中のWindowsへWSUSで配布KB5003173以降のLCUを含まないKB5005260を先に適用
稼働中のWindowsへカタログのMSUを手動導入KB5003173以降のLCUを含まないKB5005260を先に適用
Dynamic Updateとしてインストールメディアを更新古いイメージに該当KB5031539に加え、boot.stlの組み込みも確認

Microsoftは、オフラインOSイメージにKB5028244以降のLCUがない場合、KB5031539をKB5120249より先にインストールするよう明記しています。一方、WSUS配布や稼働中のWindowsへのスタンドアロンパッケージ導入では、KB5003173とKB5005260を基準とした別の条件が示されています。(マイクロソフトサポート)

KB5028244そのものを先に入れる必要はない

条件に該当する古いイメージへ、次の順序で過去のLCUをすべて追加する必要はありません。

KB5028244
↓
その後に公開された複数のLCU
↓
KB5120249

MicrosoftがKB5120249の前提として指定しているのは、特別なスタンドアロンSSUであるKB5031539です。したがって、基本的な更新順序は次の2段階です。

KB5031539
↓
KB5120249

KB5031539が必要になる理由

KB5031539は、Windows Updateのインストール処理を担当する「サービススタック」を更新するSSUです。

KB5120249には、KB5104021として提供される新しいSSUがLCUと統合されています。それでも古いオフラインイメージでは、既存のサービススタックが新しい統合パッケージを正しく処理できないことがあります。そこで最初にKB5031539を適用し、KB5120249を処理できる状態へ引き上げます。(マイクロソフトサポート)

実務上は、KB5031539を「新しいLCUを読み込むための橋渡しとなる更新プログラム」と考えると分かりやすいでしょう。

用語役割
SSUWindows Updateをインストールする仕組み自体を更新する
LCUセキュリティ修正や品質改善を累積して提供する
KB5031539古いオフラインイメージを新しいLCUに対応させる特別なSSU
KB51202492026年8月の累積的なセキュリティ更新プログラム

KB5031539自体には前提条件がなく、適用後の再起動も不要とされています。ただし、SSUは更新プログラムのインストール方法そのものを変更するため、アンインストールできません。作業前に必ず元のWIMファイルを複製してください。(マイクロソフトサポート)

KB5120249の適用対象も確認する

KB5120249の公式な適用先には、次のWindowsが含まれます。

  • Windows 10 ESU
  • Windows 10 Enterprise LTSC 2021
  • Windows 10 IoT Enterprise LTSC 2021

対象バージョンはWindows 10 22H2および21H2です。バージョン番号だけでなく、エディション、サポート状態、CPUアーキテクチャまで一致していることを確認してください。(マイクロソフトサポート)

Microsoft Updateカタログでは、KB5031539とKB5120249について、x86、x64、ARM64向けのパッケージが分かれています。また、通常の「Cumulative Update」と「Dynamic Cumulative Update」が表示される場合があります。(Microsoft Update Catalog)

通常のinstall.wimに累積更新プログラムを追加するだけであれば、対象バージョンとアーキテクチャに一致する通常の「Cumulative Update」を使用します。インストールメディア全体をDynamic Updateの手順で更新する場合は、後述するboot.stlやWinPE、WinREの処理も必要です。

オフラインイメージが条件に該当するか確認する方法

install.wimに含まれるインデックスを確認する

Windowsのインストールメディアには、Home、Pro、Enterpriseなど複数のエディションが1つのinstall.wimに収録されていることがあります。

管理者権限のコマンドプロンプトで、次のコマンドを実行します。

Dism /Get-ImageInfo /ImageFile:"C:\Media\sources\install.wim"

結果には、インデックス番号、エディション名、アーキテクチャなどが表示されます。

更新するエディションのインデックスを確認してください。たとえばWindows 10 Proがインデックス6に格納されている場合、以降の例では/Index:6を使用します。

対象インデックスをマウントする

空のマウントフォルダーを用意し、対象イメージをマウントします。

mkdir C:\Mount
mkdir C:\Logs

Dism /Mount-Image /ImageFile:"C:\Media\sources\install.wim" /Index:6 /MountDir:"C:\Mount"

ISOを直接編集することはできません。ISOの内容を、書き込み可能な作業フォルダーへコピーしてから実行してください。

インストール済みパッケージを確認する

次のコマンドで、オフラインイメージに含まれているパッケージを一覧出力します。

Dism /Image:"C:\Mount" /Get-Packages /Format:Table > "C:\Logs\packages-before.txt"

出力されたpackages-before.txtで、最新の累積更新プログラムに相当するPackage_for_RollupFixなどを確認します。

確認時は、次の情報を組み合わせて判断してください。

  • イメージを最後に更新した日
  • 管理台帳に記録されているKB番号
  • インストール済みパッケージのバージョン
  • 元にしたISOやWIMの作成時期
  • 展開管理ツールに残っている更新履歴

DISMでは、パッケージ名に分かりやすいKB番号が表示されない場合があります。ISOのファイル名だけで判断せず、イメージの管理記録とパッケージ一覧を照合することが重要です。Microsoft Learnでも、オフラインイメージをマウントし、Get-PackagesやAdd-Packageを使用してパッケージを管理する手順が案内されています。(Microsoft Learn)

Windows 10 22H2での判断目安

KB5028244は、Windows 10 22H2のOSビルド19045.3271に相当します。22H2イメージがこのビルド、またはそれ以降のLCUで更新されていることを確認できれば、KB5031539の特別な先行適用は不要です。(マイクロソフトサポート)

ただし、KB5028244のMicrosoft Updateカタログ上のパッケージは22H2向けです。21H2イメージでは「KB5028244」という文字列が見つかるかどうかだけで判定せず、2023年7月25日以降のLCUで更新されているかを確認してください。(Microsoft Update Catalog)

更新履歴を確認できない古いイメージは、元ファイルを保存したうえで、検証用コピーに対してKB5031539から適用するのが安全です。

KB5031539からKB5120249をオフライン適用する手順

以下では、x64版のパッケージを使用する例を示します。

Microsoft Updateカタログからダウンロードしたファイルを、説明を分かりやすくするために次の名前へ変更したものとします。

C:\Updates\KB5031539-x64.msu
C:\Updates\KB5120249-x64.msu

実際には、カタログからダウンロードしたファイル名をそのまま指定しても問題ありません。

KB5031539を先に適用する

Dism /Image:"C:\Mount" /Add-Package /PackagePath:"C:\Updates\KB5031539-x64.msu" /LogPath:"C:\Logs\KB5031539.log"

コマンドが正常終了したことを確認してから、KB5120249へ進みます。

KB5031539でエラーが発生した状態のまま、KB5120249を続けて実行しないでください。パッケージのバージョン、アーキテクチャ、対象イメージを確認します。

KB5120249を適用する

Dism /Image:"C:\Mount" /Add-Package /PackagePath:"C:\Updates\KB5120249-x64.msu" /LogPath:"C:\Logs\KB5120249.log"

DISMでは依存関係のあるパッケージを順番に追加できますが、今回のような前提更新ではコマンドを分けた方が、どちらの処理で失敗したかを判断しやすくなります。Microsoft Learnでも、マウントしたオフラインイメージに対してAdd-Packageで更新パッケージを追加する方法が案内されています。(Microsoft Learn)

適用後のパッケージ一覧を保存する

Dism /Image:"C:\Mount" /Get-Packages /Format:Table > "C:\Logs\packages-after.txt"

適用前後の一覧を保存しておけば、次回のイメージ更新時にKB5031539が必要かどうかを判断しやすくなります。

変更を保存してアンマウントする

Dism /Unmount-Image /MountDir:"C:\Mount" /Commit

/Commitを付けない場合、変更は保存されません。DISMでは、更新したイメージをアンマウントする際に、変更を保存するか破棄するかを明示する必要があります。(Microsoft Learn)

途中で重大なエラーが発生し、変更を保存したくない場合は、次のように破棄します。

Dism /Unmount-Image /MountDir:"C:\Mount" /Discard

install.wimに複数のエディションがある場合の注意点

install.wimに複数のインデックスが含まれている場合、1つのインデックスを更新しても、ほかのインデックスには反映されません。

たとえば、次の3エディションを配布する場合は、それぞれをマウントして更新する必要があります。

  • Windows 10 Pro
  • Windows 10 Enterprise
  • Windows 10 Education

実際に展開しないエディションまで更新する必要はありません。配布対象となるインデックスだけを更新すると、作業時間とWIMサイズの増加を抑えられます。

MicrosoftのDynamic Update手順でも、install.wim内の各エディションをインデックス単位でマウントし、更新処理を繰り返す構成になっています。(Microsoft Learn)

言語パックやFeatures on Demandも追加する場合

KB5120249以外に、言語パック、Features on Demand、オプション機能を追加する場合は、更新順序にも注意が必要です。

基本的な順序は次のとおりです。

サービススタックの前提更新
↓
言語パック
↓
Features on Demandやオプション機能
↓
最新の累積更新プログラム

今回の条件に当てはめると、次の流れになります。

KB5031539
↓
言語パックや追加機能
↓
KB5120249

最新LCUを最後に適用することで、追加した言語や機能にも最新の修正を反映しやすくなります。Microsoftも、言語、機能、オプションコンポーネントを追加した後、最新LCUを最後に適用する順序を案内しています。(Microsoft Learn)

Dynamic Update版のKB5120249を使用する場合

通常のinstall.wim更新と、インストールメディア全体を更新するDynamic Updateは同じ作業ではありません。

Dynamic Updateでは、次の対象を個別に処理します。

  • Windows OSイメージであるinstall.wim
  • Windows回復環境であるwinre.wim
  • Windowsセットアップ環境であるboot.wim
  • Setup.exeなどを含むインストールメディア本体

KB5120249をDynamic Updateとして既存のWindowsイメージへ適用する場合、Microsoftはインストールメディアにboot.stlを含めるよう案内しています。boot.stlは、更新対象イメージとWindowsバージョンおよびアーキテクチャが一致している必要があります。

boot.stlが含まれていない、または一致していない場合、インストールメディアから正常に起動できず、エラー0xc0430001が発生する可能性があります。(マイクロソフトサポート)

単にinstall.wimへ通常のLCUを統合する作業であれば、Dynamic Cumulative Updateを誤って選ばないようにしてください。インストールメディア全体を更新する場合は、Microsoftが公開しているDynamic Updateの処理順序に従います。(Microsoft Learn)

0x800f0823が発生した場合の確認ポイント

KB5120249の追加時に次のエラーが表示された場合は、サービススタックの前提条件を確認します。

HRESULT = 0x800f0823
CBS_E_NEW_SERVICING_STACK_REQUIRED

Microsoftは、KB5028244以降で更新されていないオフラインメディアへ新しいLCUを追加すると、このエラーが発生すると説明しています。解決方法は、最新LCUより先にKB5031539を適用することです。(マイクロソフトサポート)

確認項目確認内容
適用順序KB5031539より先にKB5120249を実行していないか
対象イメージ/Onlineではなく、正しい/Imageパスを指定しているか
バージョン21H2用と22H2用を取り違えていないか
アーキテクチャx86、x64、ARM64が一致しているか
パッケージ種別通常のLCUとDynamic Cumulative Updateを取り違えていないか
インデックス実際に展開するエディションのインデックスを更新しているか
ログKB5031539.logとKB5120249.logのどちらで失敗したか
元イメージISO内の読み取り専用ファイルを直接操作していないか

KB5031539を適用済みでも同じエラーが続く場合は、別のインデックスへ適用していないか、KB5031539の処理が正常終了しているかを確認してください。

更新後は実機配布前に起動テストを行う

DISMが正常終了しただけでは、展開用イメージとしての検証は完了していません。

少なくとも次の項目を確認します。

  1. 更新したインデックスから仮想マシンを新規展開する
  2. Windowsが正常に起動することを確認する
  3. winverで想定したOSビルドになっていることを確認する
  4. Windows Updateのコンポーネントエラーがないことを確認する
  5. 再起動を複数回実施する
  6. BitLockerやSecure Bootを使用する構成でも検証する
  7. 更新前後のDISMログとパッケージ一覧を保管する

特に、イメージ内に複数のエディションがある場合は、更新したすべてのインデックスを検証してください。

KB5031539の要件を整理

KB5120249をWindows 10 21H2/22H2のオフラインイメージへ適用する際は、最初にイメージの更新履歴を確認します。

KB5028244またはそれ以降のLCUを含まない場合は、次の順序で適用します。

KB5031539
↓
KB5120249

一方、すでにKB5028244以降のLCUで更新されているオフラインイメージでは、KB5031539の特別な先行適用は不要です。

作業時は、元のinstall.wimを保存し、対象バージョンとアーキテクチャに一致するパッケージを選択してください。複数のインデックスがある場合は、実際に配布する各インデックスを更新します。最後に変更をコミットし、仮想マシンで起動・更新・再起動まで確認してから配布へ進みましょう。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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