Windows 10 LTSB 2016のファイル履歴失敗をKB5120418で修正する方法

Windows 10 Enterprise LTSB 2016またはWindows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBで、SMB共有を保存先にしたファイル履歴が「資格情報が無効です」と表示され、定期バックアップでファイルがコピーされない場合は、KB5120418を適用してください

この現象は、ユーザー名やパスワードが正しいにもかかわらず、Windows File HistoryがSMB資格情報を誤って無効と判定する既知の問題です。Microsoftは2026年8月11日公開のKB5120418で修正しており、適用後のOSビルドは14393.9418になります。(マイクロソフトサポート)

ただし、「資格情報が無効です」という表示は、本当にパスワードや共有フォルダーの権限に問題がある場合にも発生します。KB5120418の対象かを確認してから更新し、適用後は実際にファイルを復元できるところまでテストすることが重要です。

目次

LTSB 2016のファイル履歴失敗はKB5120418で修正済み

KB5120418で修正されたのは、SMBを利用したネットワーク共有への自動バックアップが失敗する問題です。

確認項目内容
対象OSWindows 10 Enterprise LTSB 2016
対象OSWindows 10 IoT Enterprise 2016 LTSB
関連する対象OSWindows Server 2016
対象機能Windows File History
バックアップ先SMBを使用するネットワーク共有
主な症状正しい資格情報を「invalid credentials」と誤判定する
実際の影響スケジュールされたバックアップでファイルがコピーされない
修正更新KB5120418
適用後のビルドOSビルド14393.9418
公開日2026年8月11日
推奨SSUKB5120236

Microsoftの説明では、この問題が発生するとエラーが表示されるだけでなく、スケジュールされたバックアップでファイルがまったくコピーされません。単なる表示上の問題ではなく、バックアップが停止する不具合です。(マイクロソフトサポート)

KB5120418の対象かを判断する方法

最初に、今回の既知の問題と、通常の認証エラーを切り分けます。

KB5120418の不具合である可能性が高い状態

次の条件がそろっている場合は、KB5120418の適用を優先します。

  • Windows 10 Enterprise LTSB 2016を使用している
  • Windows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBを使用している
  • ファイル履歴の保存先がNASやWindowsファイルサーバーである
  • 保存先への接続にSMBを使用している
  • エクスプローラーから同じ共有フォルダーを開ける
  • 共有フォルダー内に手動でファイルを作成できる
  • ファイル履歴だけが「資格情報が無効です」と表示する
  • 定期バックアップの実行後も新しいファイルが保存されない
  • OSビルドが14393.9418より古い

特に、エクスプローラーでは共有フォルダーを読み書きできるのに、ファイル履歴だけが資格情報エラーになる場合は、今回の不具合と一致しやすい状態です。

別の原因を疑うべき状態

次の場合は、KB5120418を適用しても、それだけでは解決しない可能性があります。

状態疑われる原因
エクスプローラーから共有フォルダーを開けないネットワーク、名前解決、SMB、認証の問題
共有フォルダーは開けるがファイルを作成できない共有アクセス許可またはNTFSアクセス許可の不足
NASの管理画面にもログインできないアカウントのロック、パスワード変更、NAS側の障害
保存先がUSB HDDである今回のSMB資格情報問題とは別の障害
OSがLTSC 2019やLTSC 2021である適用すべき累積更新プログラムが異なる
空き容量がないNASの容量不足やクォータ制限
ファイル履歴に別のエラーが表示される構成ファイル、対象フォルダー、ドライブ接続などの問題

KB5120418は、すべてのファイル履歴エラーを修正する更新ではありません。対象は、LTSB 2016などで発生するSMB資格情報の誤判定です。

WindowsのエディションとOSビルドを確認する

KB5120418をインストールする前に、対象OSであることを確認します。

winverで確認する

  1. WindowsキーとRキーを同時に押します。
  2. 「ファイル名を指定して実行」に次の文字を入力します。
winver
  1. 表示された画面でバージョンとOSビルドを確認します。

今回の対象となる基本情報は次のとおりです。

バージョン 1607
OSビルド 14393.x

KB5120418が適用されている場合は、OSビルドが次の値になります。

14393.9418

後続の累積更新プログラムをインストールしている場合は、末尾の数値が9418より大きくなることがあります。

PowerShellで確認する

管理者権限は不要です。PowerShellで次のコマンドを実行します。

Get-ItemProperty 'HKLM:\SOFTWARE\Microsoft\Windows NT\CurrentVersion' |
    Select-Object ProductName, ReleaseId, CurrentBuild, UBR

表示例は次のとおりです。

ProductName  : Windows 10 Enterprise 2016 LTSB
ReleaseId    : 1607
CurrentBuild : 14393
UBR          : 9418

CurrentBuild14393UBR9418であれば、OSビルドは14393.9418です。

KB5120418が個別に記録されているかは、次のコマンドでも確認できます。

Get-HotFix -Id KB5120418 -ErrorAction SilentlyContinue

何も表示されない場合でも、後続の累積更新プログラムによって修正が含まれている可能性があります。そのため、最終的にはOSビルドを基準に判断してください。

更新前にSMB共有を確認する

更新作業を始める前に、ファイル履歴の保存先が通常の操作では利用できるか確認します。

共有フォルダーを直接開く

エクスプローラーのアドレスバーに、ファイル履歴で使用している共有パスを入力します。

\\サーバー名\共有名

例は次のとおりです。

\\nas01\filehistory

共有フォルダーが開いたら、テスト用のフォルダーを作り、その中にテキストファイルを保存します。

smb-write-test.txt

保存後にファイルを削除できることも確認してください。

読み取りはできてもファイルを作成できない場合、ファイル履歴に必要な書き込み権限がありません。この場合は、KB5120418とは別に、NASやファイルサーバー側のアクセス許可を修正する必要があります。

SMBポートへの接続を確認する

PowerShellでは、SMBで使用するTCPポート445への接続を確認できます。

Test-NetConnection -ComputerName nas01 -Port 445

次のように表示されれば、少なくともTCPポート445までは接続できています。

TcpTestSucceeded : True

Falseの場合は、ファイアウォール、VPN、ネットワーク分離、NASの停止、名前解決などを先に確認します。

KB5120418をインストールする手順

KB5120418は、Windows Update、Windows Update for Business、Microsoft Update Catalog、WSUSから入手できます。Microsoftは、事前に最新のServicing Stack UpdateであるKB5120236を適用することを推奨しています。SSUが不足していると、KB5120418が表示されなかったり、インストールできなかったりする可能性があります。(マイクロソフトサポート)

Windows Updateからインストールする

  1. 「スタート」を開きます。
  2. 「設定」を開きます。
  3. 「更新とセキュリティ」を選択します。
  4. 「Windows Update」を開きます。
  5. 「更新プログラムのチェック」を実行します。
  6. KB5120418を含む累積的なセキュリティ更新プログラムをインストールします。
  7. PCを再起動します。

Windows Updateを使用している場合、KB5120236は通常、自動的に提供されます。

企業や自治体などで更新管理されているPCでは、利用者が手動で更新できないことがあります。その場合は、端末管理者に次の情報を伝えてください。

対象OS:Windows 10 Enterprise LTSB 2016
必要な更新:KB5120418
事前確認するSSU:KB5120236
修正内容:File HistoryのSMB資格情報誤判定

Microsoft Update Catalogから手動でインストールする

インターネット接続を制限している端末や、Windows UpdateにKB5120418が表示されない端末では、Microsoft Update Catalogを利用します。

まず、OSのアーキテクチャを確認します。

(Get-CimInstance Win32_OperatingSystem).OSArchitecture

表示結果に合わせて、x64またはx86用のパッケージを選択します。

インストール順序は次のとおりです。

  1. KB5120236をダウンロードする
  2. KB5120236をインストールする
  3. 再起動を求められた場合は再起動する
  4. KB5120418をダウンロードする
  5. KB5120418をインストールする
  6. PCを再起動する
  7. OSビルドを確認する

異なるアーキテクチャや異なるWindowsバージョンのパッケージを選ぶと、「この更新プログラムはお使いのコンピューターには適用できません」と表示されます。

WSUSから配布する

WSUSを使用している環境では、KB5120418だけでなく、KB5120236も承認する必要があります。

Microsoftが案内している同期条件は次のとおりです。

  • 製品:Windows Server 2016
  • 製品:Windows 10
  • 製品:Windows 10 LTSB
  • 分類:セキュリティ更新プログラム

実務では、いきなり全端末へ配布せず、次の順番で展開すると安全です。

  1. KB5120236とKB5120418を同期する
  2. 検証用グループに承認する
  3. 再起動後のOSビルドを確認する
  4. ファイル履歴の手動バックアップを実行する
  5. 定期バックアップが動くことを確認する
  6. 本番グループへ段階的に展開する

ファイル履歴を業務上のバックアップとして利用している場合は、更新プログラムのインストール成功だけでなく、バックアップデータの作成まで確認してください。

KB5120418適用後にファイル履歴を再接続する

更新後も以前のエラー状態が画面に残る場合は、ネットワーク上の保存先を選び直します。

  1. コントロールパネルを開きます。
  2. 「システムとセキュリティ」を選択します。
  3. 「ファイル履歴」を開きます。
  4. 「ドライブの選択」を選択します。
  5. 使用していたネットワーク上の保存先を選び直します。
  6. 必要に応じて資格情報を入力します。
  7. 「今すぐ実行」を選択します。

Microsoftも、ネットワーク上のファイル履歴ドライブに再接続する場合は、コントロールパネルからネットワークを選び直し、その後「今すぐ実行」で手動バックアップを開始するよう案内しています。(マイクロソフトサポート)

既存のバックアップフォルダーは、原因が判明する前に削除しないでください。削除すると、過去のファイル履歴から復元できなくなる可能性があります。

修正されたかをテストする

ファイル履歴の画面にエラーが出なくなっただけでは、修正確認として不十分です。バックアップと復元の両方をテストします。

テストファイルを作成する

ファイル履歴の対象となる「ドキュメント」フォルダーなどに、次のファイルを作成します。

file-history-test.txt

ファイルの中には、作成日時や端末名を記入しておくと確認しやすくなります。

作成日時:2026-08-30 10:00
端末名:PC-001
KB5120418適用後テスト

手動バックアップを実行する

コントロールパネルから次の順番で開きます。

システムとセキュリティ
→ ファイル履歴
→ 今すぐ実行

実行後、次の項目を確認します。

  • 「資格情報が無効です」と表示されない
  • バックアップ処理が完了する
  • NASや共有フォルダーの更新日時が変わる
  • テストファイルがファイル履歴から参照できる
  • 次回のスケジュール実行でも新しいファイルが保存される

復元できることを確認する

バックアップが作成されても、必要なときに復元できなければ意味がありません。

テストファイルを右クリックし、「以前のバージョンの復元」から保存されたバージョンを確認します。復元テストでは、現在のファイルを上書きしないように「復元先」を指定し、別のフォルダーへ戻す方法が安全です。

Microsoftも、ファイル履歴から以前のバージョンを開き、元の場所または別の場所へ復元できると案内しています。元の場所へ復元すると現在のファイルが置き換わるため、業務データでは復元先を分けてテストしてください。(マイクロソフトサポート)

KB5120418を適用しても直らない場合の確認順序

OSビルドが14393.9418以上になっているのに失敗する場合は、同じ資格情報エラーでも別の原因が残っています。

共有フォルダーのアクセス許可を確認する

Windowsファイルサーバーでは、共有アクセス許可とNTFSアクセス許可の両方を確認します。

ファイル履歴を使用するアカウントには、少なくとも次の操作が必要です。

  • フォルダーの一覧表示
  • ファイルの読み取り
  • ファイルの作成
  • フォルダーの作成
  • ファイルの変更
  • 不要になったファイルの削除

共有アクセス許可で変更が許可されていても、NTFSアクセス許可が読み取り専用ならバックアップは失敗します。NASの場合は、共有フォルダーごとの権限とユーザーグループの設定を確認してください。

保存された資格情報を確認する

パスワードを変更した後や、NASのユーザーを作り直した後は、Windowsに古い資格情報が残っていることがあります。

  1. コントロールパネルを開きます。
  2. 「ユーザーアカウント」を開きます。
  3. 「資格情報マネージャー」を開きます。
  4. 「Windows資格情報」を選択します。
  5. 対象のNASまたはファイルサーバーに関する項目を確認します。
  6. 明らかに古い資格情報だけを削除します。
  7. 共有フォルダーへ再接続します。

資格情報を一括削除すると、ほかの共有フォルダーや業務システムにも影響します。対象サーバーの項目だけを操作してください。

NASの空き容量とクォータを確認する

共有フォルダーそのものに空き容量があっても、ユーザー単位のクォータが上限に達している場合があります。

確認する項目は次のとおりです。

  • NAS全体の空き容量
  • ボリュームの空き容量
  • 共有フォルダーの容量制限
  • ユーザー単位のクォータ
  • スナップショット領域
  • ごみ箱機能が使用している容量

資格情報エラーのように見えても、保存先で新しいファイルを作れない状態なら、容量制限も確認する必要があります。

サーバー名とIPアドレスの違いを確認する

Windowsでは、サーバー名で接続したときとIPアドレスで接続したときが、別の接続先として扱われる場合があります。

たとえば、次の2つを混在させないようにします。

\\nas01\filehistory
\\192.168.1.20\filehistory

ファイル履歴、エクスプローラー、資格情報マネージャーで同じ表記を使用してください。運用上は、IPアドレス変更の影響を避けるため、名前解決が正常ならサーバー名で統一する方法が適しています。

SMB1を有効にする対処は避ける

SMB接続の問題を検索すると、「SMB 1.0/CIFSを有効にする」という対処が見つかることがあります。しかし、今回のLTSB 2016のファイル履歴失敗は、KB5120418で修正される資格情報の誤判定です。

KB5120418を試す前にSMB1を有効にする必要はありません。

Microsoftは、SMBv1には重大なセキュリティ上の脆弱性があるとして、使用しないことを強く推奨しています。古いNASがSMB1しか利用できない場合は、Windows側でSMB1を再有効化するのではなく、NASのファームウェア更新や機器更新を検討してください。(Microsoft Learn)

ファイル履歴の設定を削除する前に更新を試す

この問題で避けたいのは、原因がWindowsの既知の不具合であるにもかかわらず、先にファイル履歴を初期化してしまうことです。

次の操作は、KB5120418を適用しても直らない場合の最終的な切り分けとして実施します。

  • ファイル履歴を完全にオフにする
  • ファイル履歴の構成ファイルを削除する
  • 既存のバックアップフォルダーを削除する
  • NAS上の履歴データを初期化する
  • 保存先を新しい共有フォルダーへ変更する

特に既存のバックアップフォルダーを削除すると、過去のバージョンを復元できなくなります。まずOSを更新し、ネットワークの保存先を選び直し、手動バックアップを試してください。

LTSB 2016はサポート終了にも備える

KB5120418を適用すれば、今回のファイル履歴問題は修正できます。ただし、Windows 10 Enterprise LTSB 2016とWindows 10 IoT Enterprise 2016 LTSBは、2026年10月13日にサポート終了予定です。(マイクロソフトサポート)

そのため、KB5120418の展開と並行して、次の移行準備を進める必要があります。

  • LTSB 2016端末の台数と用途を整理する
  • 業務アプリケーションの対応OSを確認する
  • 周辺機器や専用ドライバーの互換性を確認する
  • NASがSMB2またはSMB3に対応しているか確認する
  • 移行先のWindows Enterprise LTSCまたはIoT Enterprise LTSCを選定する
  • ファイル履歴を継続するか、別のバックアップ製品へ移行するか決める
  • 新環境でバックアップと復元をテストする

今回の対応では、まずOSがLTSB 2016であることを確認し、KB5120236とKB5120418を適用します。その後、ファイル履歴のネットワーク保存先を選び直し、「今すぐ実行」で手動バックアップを開始してください。

最後にテストファイルを作成し、バックアップから別の場所へ復元できることまで確認します。KB5120418適用後も失敗する場合は、共有アクセス許可、NTFSアクセス許可、保存済み資格情報、NASの空き容量、TCPポート445の順に切り分けると、原因を効率よく特定できます。

この記事を書いた人

実務の現場で詰まりがちなポイントを地図にするITブログ「IT trip」を運営。Windows/Office(Teams・Excel)からSQL、サーバ運用、ガジェットまで、再現性のある手順と“なぜそうなるか”を丁寧に解説します。読んだらすぐ試せること、そして迷った人の次の一歩が見えることを大切にしています。

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