Windows 11 をクリーンインストールしようとした際、セットアップ画面に 「必須ドライバーが見つかりません(Missing critical drivers)」 と表示され先へ進めなくなる――とくに AMD A320 チップセット + Ryzen APU 構成で報告が多いトラブルです。本記事では Gigabyte GA‑A320M‑H + Ryzen 5 PRO 3400G を事例に、原因の切り分けから BIOS 設定、RAID/AHCI ドライバーの読み込み、USB メディアの再作成、DiskPart を用いた GPT 再構築まで、確実にインストールを完了させる手順を徹底解説します。
症状の概要
- Windows 11 セットアップの「Windows をインストールする場所を選択してください」画面が表示されず、ドライバー要求ダイアログが出る
- インストール対象ディスクは 3.5 inch HDD(SATA 接続)
- 作成済み USB インストールメディア 2 本でも再現
- UEFI セキュアブートは有効、TPM 2.0 もクリア
なぜ起こる? ─ 根本原因を体系的に整理
| カテゴリ | 具体的な原因 | 典型的な挙動 |
|---|---|---|
| ストレージ設定 | BIOS の SATA Mode が RAID に設定されている | RAID 用 INF がないためドライバー要求 |
| インストールメディア | ISO が古い/DL 時に破損/RSR 以降のドライバー未収録 | USB を替えても毎回同エラー |
| ディスク構成 | 過去に Linux などで LVM・旧 GPT エントリが残存 | DiskPart clean 実行で解消することが多い |
| USB ポート | フロントパネル 2.0 ポート経由や給電不足 | 別ポート/USB 3.0 切替で進むケースあり |
最速チェックリスト
- BIOS に入り SATA Mode を AHCI に変更 → 再起動 → セットアップ再試行
- インストール USB を rear I/O の USB 3.0 ポートへ差し替え
- それでも要求される場合のみ AMD RAID Preinstall Driver を別 USB に用意し読み込む
手順 1 ─ BIOS/UEFI の最適化
1‑1. SATA モードを AHCI に固定
Gigabyte UEFI では Settings › SATA and RST Configuration › SATA Mode を AHCI へ変更し保存します。AHCI は Windows 10/11 標準ドライバー storahci.sys で動作するため追加 INF が不要です。
1‑2. Legacy Boot/CSM を OFF
Windows 11 公式要件に従い、Boot › CSM Support を Disabled にし、Secure Boot を有効化します。GPT/UEFI を強制することでブート関連の衝突を防ぎます。
手順 2 ─ RAID が必要な場合のドライバー準備
ストレージをミラー / スパン構成で使う場合は RAID モードが必須になります。以下の要領で AMD RAID Preinstall Driver をロードしてください。
- 別 PC で Gigabyte サポートページから GA‑A320M‑H (rev.1.x) › Driver › AMD RAID Preinstall Driver をダウンロード
- ZIP を展開し、
x64\フォルダーを FAT32 でフォーマットした USB メモリ直下にコピー - Windows セットアップの ドライバーの読み込み をクリックし、USB 内の
rcbottom.infを選択 - 「互換性のないドライバーを非表示にする」のチェックを外すと一覧に表示されやすい
Tips: ドライバーを読み込んでもディスクが見えない場合、Fast Boot が干渉することがあります。BIOS の Fast Boot を Disabled に変更してみてください。
手順 3 ─ インストールメディアを再作成
3‑1. Media Creation Tool を用いた正攻法
- Microsoft 公式の「メディア作成ツール」を実行し、最新バージョンの Windows 11 を USB へ直接書き込み
- 完了後、USB を
PowerShellでGet-FileHash -Algorithm SHA256し、公式ハッシュと突合
3‑2. Rufus でのオルタナティブ手法
Rufus を利用する場合は Partition scheme: GPT、Target system: UEFI (non‑CSM)、File system: NTFS/FAT32 を選択することで Secure Boot を阻害しません。また、「TPM・Secure Boot スキップ」オプションを敢えて無効にし、公式要件を満たした状態でメディアを作成してください。
手順 4 ─ DiskPart でディスクを完全初期化
Linux 由来の LVM2 ヘッダーや旧 GPT エントリが残っていると、インストーラーが 保護されたパーティション と誤認し処理を中断する場合があります。次の手順でディスクを「真っさらに」します。
Shift+F10 コマンドプロンプト起動
diskpart
list disk
select disk 0 ※インストール対象ディスク番号を確認してから実行
clean
convert gpt
exit
DiskPart を終えたらセットアップ画面に戻り 更新 をクリック → 未割り当て領域 を選択 → 新規 でパーティションを作成しインストールを続行します。
手順 5 ─ どうしても Windows 11 が入らない場合の迂回策
最終手段として、Windows 10 クリーンインストール → Windows 11 へインプレースアップグレード する方法があります。Windows 10 はドライバー要求の閾値が低く、インストール後に Windows Update で RAID/AHCI ドライバーが自動適用されることが多いためです。
トラブルシューティング早見表
| 現象 | 確認ポイント | 対処 |
|---|---|---|
| ドライバー要求ダイアログが即表示 | SATA Mode = RAID? | AHCI に変更 or RAID INF 読込 |
| USB が途中で見失われる | 前面 USB2.0 ポートを使用? | 背面 USB3.0 ポートへ変更 |
| ドライバー読み込み後もディスク未検出 | 旧 GPT 情報残存? | DiskPart clean で初期化 |
| セットアップ開始直後にエラー 0xE0xx | USB メディアの破損? | Media Creation Tool で再生成 |
ベストプラクティス & 小技集
- USB メモリは 8 GB 以上/USB 3.0 対応 を推奨。書き込み後にベリファイを実施し不良ブロックを排除
- BIOS 更新履歴が 2020 年以前なら、AGESA の安定性向上を目的にアップデートを検討
- メモリ OC(XMP/DOCP)を有効にしている場合、インストール時だけ Auto に戻すと意外に安定
F6キーは旧来のフロッピードライバー読み込み用。現在は「ドライバーの読み込み」ボタンで代替- Windows 11 の自動再起動ループに陥ったら、スタートアップ修復より セーフモード + デバイスマネージャー で不明な RAID/AHCI デバイスを削除 → 再起動が奏功することがある
- UEFI Shell を使える場合、
map -rでディスク番号を確認し、物理接続トラブルを事前に切り分け
検証結果 ─ 原因は破損した ISO だった
実際の検証では、Microsoft ダウンロードサイトから取得した ISO が途中でタイムアウトし、ハッシュ不一致のまま Rufus で書き込まれていました。再ダウンロード後に同一手順を踏むと、追加ドライバーを一切要求されることなく Windows 11 が正常インストールできたため、インストールメディアの整合性チェック がもっとも重要であることが再確認できました。
まとめ ─ トラブルの 8 割は「AHCI & メディア検証」で解決
Windows 11 のクリーンインストール中に「必須ドライバーが見つかりません」と表示されたときは、次の 2 点を真っ先に確認しましょう。
- SATA モードを AHCI に設定(RAID が必要な場合は専用ドライバーをロード)
- Media Creation Tool で最新 ISO / USB を再作成しハッシュ検証
この基本さえ徹底すれば、Gigabyte GA‑A320M‑H + Ryzen 5 PRO 3400G に限らず、A320/B350/B450/X370 世代の多くのマザーボードで Windows 11 をスムーズに導入できます。ぜひ本記事を参考に、ドライバー要求地獄から抜け出してください。

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