Apache Cassandraは、スケーラビリティと高可用性に優れたNoSQLデータベースです。しかし、その全ての機能を最大限に活かすには、Cassandraが提供するさまざまなデータ型を理解することが重要です。この記事では、Cassandraの主要なデータ型について詳しく解説し、運用上の注意点や最適な使用シナリオについても説明します。
はじめに:Cassandraのデータモデリングの重要性
Cassandraのデータモデリングは、パフォーマンスとスケーラビリティに大きく影響を与えます。正確なデータ型を選ぶことで、リード/ライトの効率を高め、スケーラビリティを向上させることができます。
プリミティブデータ型
Cassandraでは、以下のような基本的なプリミティブデータ型が用意されています。
データ型 | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
INT | 整数型 | 年齢、在庫数 |
TEXT | テキスト型 | 名前、説明文 |
BOOLEAN | 真偽値型 | 有効/無効 |
DOUBLE | 倍精度浮動小数点型 | 緯度、経度 |
INT型
INT型は、整数を保存するためのデータ型です。一般的には、年齢や在庫数など、小規模な数値データに使用されます。
TEXT型
TEXT型は、文字列を保存するためのデータ型です。任意の文字列を格納できますが、検索効率は高くありません。
BOOLEAN型
BOOLEAN型は、真偽値(true/false)を保存するためのデータ型です。主にフラグとして使用されます。
DOUBLE型
DOUBLE型は、倍精度浮動小数点数を保存するためのデータ型です。位置情報やセンサーデータなど、精度が求められる場合に使用されます。
コレクションデータ型
Cassandraは、複数の値を一つのカラムに格納できるコレクションデータ型も提供しています。
データ型 | 説明 | 使用例 |
---|---|---|
LIST | 順序付きのリスト | 商品のタグ |
SET | 順序なしの集合 | スキルセット |
MAP | キーと値のマッピング | ユーザー設定 |
LIST型
LIST型は、順序付きのリストを保存するデータ型です。商品のタグや、一連の作業手順などに使用されます。
- 順序が保証される
- 重複したデータを許容する
SET型
SET型は、順序が保証されない集合を保存するデータ型です。スキルセットや、複数の属性を持つオブジェクトに使用されます。
- 順序が保証されない
- 重複したデータを許容しない
MAP型
MAP型は、キーと値のペアを保存するデータ型です。ユーザーの設定や、多言語対応のテキストなどに使用されます。
- キーと値のペアを保存
- キーは一意でなければならない
まとめ
Apache Cassandraのデータ型は多様で、各データ型が持つ特性を理解して適切に選ぶことが、効率的なデータモデリングにつながります。特に、コレクションデータ型を活用することで、柔軟なデータ構造を設計できるでしょう。データ型の選択は、パフォーマンスとスケーラビリティに直接影響を与える重要な要素ですので、慎重な選定が求められます。
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