Windowsセキュリティが「Trojan:HTML/Fakealert.aa」を脅威として表示し、削除や検疫ができない問題が報告されています。この脅威に対して、他のセキュリティソフト(Norton、Malwarebytes)では検出されない場合もあります。本記事では、この問題に対処するための具体的な手順を紹介します。ブラウザの設定変更や再インストール、セーフモードでの操作など、効果的な対策を詳しく解説します。
フルスキャンの実行
Windowsセキュリティの「Trojan:HTML/Fakealert.aa」警告に対処するための最初のステップは、各セキュリティソフトでフルスキャンを実行することです。以下の手順で、Windows Defender、Norton、Malwarebytesのフルスキャンを再度実行し、脅威の有無を確認してください。
Windows Defenderでのフルスキャン
- Windowsセキュリティを開く
- 「スタート」メニューをクリックし、「設定」>「更新とセキュリティ」>「Windowsセキュリティ」>「ウイルスと脅威の防止」を選択します。
- スキャンオプションの選択
- 「スキャンオプション」をクリックし、「フルスキャン」を選択します。
- フルスキャンの実行
- 「今すぐスキャン」をクリックして、システム全体のスキャンを開始します。
Nortonでのフルスキャン
- Nortonを開く
- Nortonアプリを起動し、「セキュリティ」タブをクリックします。
- フルシステムスキャンの開始
- 「スキャン」をクリックし、「フルシステムスキャン」を選択します。
- スキャンの実行
- 「今すぐスキャン」をクリックして、スキャンを開始します。
Malwarebytesでのフルスキャン
- Malwarebytesを開く
- Malwarebytesアプリを起動し、「スキャン」タブをクリックします。
- カスタムスキャンの選択
- 「カスタムスキャン」を選択し、「構成」をクリックします。
- スキャンオプションの設定
- スキャンするドライブやフォルダを選択し、「スキャン開始」をクリックします。
これらのフルスキャンを実行しても「Trojan:HTML/Fakealert.aa」が検出されない場合、次の対策に進んでください。
ブラウザのキャッシュとデータの削除
ブラウザのキャッシュやCookieが原因で、偽のアラートが表示され続ける場合があります。Google ChromeのキャッシュとCookieを削除することで、この問題を解決できる可能性があります。以下の手順でキャッシュとデータを削除してください。
Google ChromeのキャッシュとCookieを削除する手順
- Chromeを開く
- Google Chromeを起動します。
- 設定メニューを開く
- 右上の「⋮」アイコン(メニューボタン)をクリックし、「設定」を選択します。
- プライバシーとセキュリティを選択
- 左側のメニューから「プライバシーとセキュリティ」をクリックします。
- 閲覧履歴データの削除
- 「閲覧履歴データの削除」をクリックします。
- 期間を選択
- 「期間」を「全期間」に設定します。
- キャッシュとCookieを選択
- 「Cookieと他のサイトデータ」と「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れます。
- データの削除
- 「データを削除」をクリックし、削除が完了するまで待ちます。
キャッシュとCookieの削除後の確認
キャッシュとCookieを削除した後、Google Chromeを再起動して、偽のアラートが表示されないか確認してください。それでも問題が解決しない場合は、次の対策に進んでください。
Google Chromeの再インストール
Google ChromeのキャッシュとCookieを削除しても問題が解決しない場合、ブラウザ自体に問題がある可能性があります。この場合、Google Chromeを完全にアンインストールし、再インストールすることで問題を解決できることがあります。以下の手順に従ってください。
Google Chromeのアンインストール
- Chromeを閉じる
- 開いているGoogle Chromeのウィンドウをすべて閉じます。
- 設定を開く
- 「スタート」メニューをクリックし、「設定」を選択します。
- アプリを選択
- 「アプリ」をクリックし、「アプリと機能」に移動します。
- Google Chromeを見つける
- インストールされているアプリのリストから「Google Chrome」を見つけます。
- アンインストール
- 「Google Chrome」をクリックし、「アンインストール」を選択します。アンインストールウィザードの指示に従って完全に削除します。
関連フォルダの手動削除
アンインストール後、残っている関連フォルダを手動で削除します。
- ファイルエクスプローラーを開く
- 「エクスプローラー」を開きます。
- 以下のフォルダを削除
- 以下のパスに移動し、Google Chromeに関連するフォルダを削除します:
C:\Program Files\Google
C:\Program Files (x86)\Google
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Google\Chrome
Google Chromeの再インストール
- 公式サイトにアクセス
- Microsoft Edgeなどの別のブラウザを使用して、Google Chromeの公式ダウンロードページ(https://www.google.com/chrome/)にアクセスします。
- インストーラーをダウンロード
- 「Chromeをダウンロード」をクリックしてインストーラーをダウンロードします。
- インストール
- ダウンロードしたインストーラーを実行し、画面の指示に従ってGoogle Chromeを再インストールします。
再インストール後の確認
Google Chromeを再インストールした後、ブラウザを開いて偽アラートが表示されないか確認してください。それでも問題が解決しない場合は、次の対策に進んでください。
セーフモードでの保護履歴のリセット
Windowsセキュリティが「Trojan:HTML/Fakealert.aa」を検出し続ける場合、セーフモードで起動し、Defenderの検出履歴を削除することが有効です。以下の手順でセーフモードを使用して保護履歴をリセットします。
セーフモードでWindowsを起動する手順
- 設定を開く
- 「スタート」メニューをクリックし、「設定」を選択します。
- 更新とセキュリティを選択
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 回復を選択
- 左側のメニューから「回復」を選択します。
- PCの起動をカスタマイズする
- 「今すぐ再起動」をクリックし、「オプションの選択」画面が表示されたら「トラブルシューティング」>「詳細オプション」>「スタートアップ設定」>「再起動」を選択します。
- セーフモードを選択
- 再起動後の「スタートアップ設定」画面で、キーボードの「4」キーを押して「セーフモードを有効にする」を選択します。
Defenderの検出履歴を削除する手順
- ファイルエクスプローラーを開く
- 「エクスプローラー」を開きます。
- 検出履歴のフォルダに移動
- 以下のパスに移動します:
C:\ProgramData\Microsoft\Windows\Windows Defender\Scans\History\Service
- 検出履歴の削除
- このフォルダ内のすべてのファイルとフォルダを選択し、削除します。
セーフモードからの再起動
- セーフモードを終了
- 「スタート」メニューをクリックし、「再起動」を選択して通常モードでWindowsを再起動します。
再起動後の確認
Windowsが通常モードで起動したら、Windows Defenderを開き、偽アラートが表示されないか確認してください。それでも問題が解決しない場合は、次の対策に進んでください。
ブラウザのリセット
偽のアラートが表示され続ける場合、ブラウザの設定をリセットすることで解決することがあります。以下の手順でGoogle Chromeの設定をリセットし、初期化してください。
Google Chromeの設定をリセットする手順
- Chromeを開く
- Google Chromeを起動します。
- 設定メニューを開く
- 右上の「⋮」アイコン(メニューボタン)をクリックし、「設定」を選択します。
- 詳細設定を開く
- 設定ページの一番下までスクロールし、「詳細設定」をクリックします。
- リセットとクリーンアップを選択
- 「リセットとクリーンアップ」セクションまでスクロールします。
- 設定を元のデフォルトに戻す
- 「設定を元のデフォルトに戻す」をクリックします。
- リセットの確認
- 「設定のリセット」ウィンドウが表示されたら、「リセット」をクリックして確認します。
リセット後の確認
設定をリセットした後、Google Chromeを再起動して偽アラートが表示されないか確認してください。これにより、拡張機能や設定がデフォルトに戻り、問題が解決することが期待されます。それでも問題が解決しない場合は、次の対策に進んでください。
広告ブロッカーの導入
偽アラートは広告や不正なスクリプトによって表示されることが多いため、広告ブロッカーを導入することでこれらの問題を防ぐことができます。以下の手順で、AdGuard広告ブロッカーやMicrosoft Defender Browser Protectionなどの拡張機能をインストールし、設定する方法を紹介します。
AdGuard広告ブロッカーの導入
- Chromeウェブストアにアクセス
- Chromeウェブストアを開きます。
- AdGuardを検索
- 検索バーに「AdGuard」と入力し、検索結果から「AdGuard 広告ブロッカー」を選択します。
- 拡張機能を追加
- 「Chromeに追加」ボタンをクリックし、表示されるダイアログで「拡張機能を追加」を選択します。
- 設定の確認
- AdGuardのアイコンがブラウザのツールバーに表示されたら、アイコンをクリックして設定を確認します。
Microsoft Defender Browser Protectionの導入
- Chromeウェブストアにアクセス
- Chromeウェブストアを開きます。
- Microsoft Defender Browser Protectionを検索
- 検索バーに「Microsoft Defender Browser Protection」と入力し、検索結果から「Microsoft Defender Browser Protection」を選択します。
- 拡張機能を追加
- 「Chromeに追加」ボタンをクリックし、表示されるダイアログで「拡張機能を追加」を選択します。
uBlock OriginやMalwarebytes Browser Guardの導入も検討
AdGuardやMicrosoft Defender Browser Protectionに加えて、以下の拡張機能も有効です:
- uBlock Origin
- 広告やトラッキングをブロックする高機能な拡張機能です。
- Malwarebytes Browser Guard
- マルウェア、フィッシング詐欺、ポップアップ広告をブロックするための拡張機能です。
広告ブロッカーの設定確認と有効化
- 拡張機能を有効にする
- 拡張機能のインストールが完了したら、ツールバーのアイコンをクリックし、拡張機能が有効になっていることを確認します。
- 設定の確認
- 必要に応じて拡張機能の設定をカスタマイズし、最大限の保護を確保します。
広告ブロッカー導入後の確認
拡張機能を導入した後、Google Chromeを再起動し、偽アラートが表示されないか確認してください。それでも問題が解決しない場合は、次の対策に進んでください。
セキュリティ設定の確認
他のブラウザ(Microsoft Edgeなど)でも同様の偽アラートが表示されるか確認することは重要です。これにより、問題がGoogle Chromeに限定されているのか、それともシステム全体に影響を及ぼしているのかを判断できます。以下の手順で、Microsoft Edgeを使用してセキュリティ設定を確認し、同様の問題が発生しないかチェックします。
Microsoft Edgeでの確認手順
- Microsoft Edgeを開く
- Microsoft Edgeを起動します。
- プライバシーとサービスの設定を確認
- 右上の「⋮」アイコン(メニューボタン)をクリックし、「設定」を選択します。
- 左側のメニューから「プライバシー、検索、サービス」をクリックします。
- セキュリティ設定を強化
- 「追跡防止」を「厳重」に設定します。
- 「バランス」や「基本」から「厳重」に変更することで、より多くのトラッキングを防止します。
- ブラウザデータのクリア
- 「閲覧データのクリア」をクリックし、期間を「全期間」に設定してデータを削除します。
- 「閲覧履歴」、「ダウンロード履歴」、「Cookie」、「キャッシュされた画像とファイル」にチェックを入れて、「今すぐクリア」をクリックします。
他のブラウザでの確認
他のブラウザ(例:Firefox、Opera)でも同様の手順でセキュリティ設定を確認し、偽アラートが表示されないか確認してください。
問題の再現性を確認
- ウェブサイトを確認
- 以前に偽アラートが表示されたウェブサイトにアクセスし、同様の問題が発生するか確認します。
- システム全体の確認
- 各ブラウザで同様の確認を行い、問題がブラウザ固有のものか、システム全体に関連するものかを特定します。
セキュリティソフトの設定を確認
使用しているセキュリティソフト(Norton、Malwarebytes)の設定も確認し、以下の点に注意します:
- リアルタイム保護が有効
- セキュリティソフトのリアルタイム保護が有効になっているか確認します。
- 最新のウイルス定義
- ウイルス定義が最新の状態に更新されているか確認します。
セキュリティ設定確認後の対応
各ブラウザでの確認が完了したら、以下の点をまとめます:
- 問題が特定のブラウザに限定されている場合、そのブラウザの設定や拡張機能を見直す。
- 問題がシステム全体に及んでいる場合、システムの再インストールやリカバリを検討する。
それでも問題が解決しない場合は、次の対策に進んでください。
システム初期化の検討
これまでの対策をすべて試しても「Trojan:HTML/Fakealert.aa」が表示され続ける場合、最終手段としてWindowsシステムの初期化を検討します。システム初期化はPCを工場出荷時の状態に戻すため、確実に問題を解決する手段です。ただし、データのバックアップを取ってから実行することが重要です。以下の手順でシステム初期化を実行します。
システム初期化の前準備
- データのバックアップ
- 重要なファイル、ドキュメント、写真などを外部ストレージ(外付けハードドライブ、USBメモリなど)やクラウドストレージ(OneDrive、Google Driveなど)にバックアップします。
- インストールメディアの準備(オプション)
- Windowsのインストールメディア(USBドライブ)を作成しておくと、初期化後にシステムを再インストールする際に便利です。これには、Microsoftの公式サイトから「メディア作成ツール」を使用します。
Windowsシステムの初期化手順
- 設定を開く
- 「スタート」メニューをクリックし、「設定」を選択します。
- 更新とセキュリティを選択
- 「更新とセキュリティ」をクリックします。
- 回復を選択
- 左側のメニューから「回復」を選択します。
- このPCを初期状態に戻す
- 「このPCを初期状態に戻す」の下にある「開始する」ボタンをクリックします。
- 初期化オプションの選択
- 「個人用ファイルを保持する」か「すべて削除する」のどちらかを選択します。トロイの木馬の完全な除去を確実にするためには、「すべて削除する」を選択することをお勧めします。
- 初期化の確認
- 初期化のプロセスを確認し、「次へ」および「リセット」をクリックして初期化を開始します。
初期化後の再設定
- Windowsの再インストールと設定
- 初期化が完了すると、Windowsが再インストールされます。画面の指示に従って基本設定を完了します。
- 必要なソフトウェアの再インストール
- バックアップから必要なファイルを復元し、必要なソフトウェア(ウイルス対策ソフト、ブラウザなど)を再インストールします。
- セキュリティ設定の確認
- セキュリティソフトのリアルタイム保護を有効にし、最新のウイルス定義を更新します。
初期化後の確認
システム初期化が完了し、必要なソフトウェアとデータを復元した後、問題が解決したか確認します。通常、システム初期化によりトロイの木馬やその他の脅威が完全に除去されます。
それでも問題が発生する場合、専門の技術サポートに相談することをお勧めします。
まとめ
「Trojan:HTML/Fakealert.aa」の偽アラート問題に対する一連の対策を実施することで、問題が解決しました。以下に各対策の要点をまとめます。
- フルスキャンの実行: Windows Defender、Norton、Malwarebytesでのフルスキャンを再度実行して脅威の有無を確認しました。
- ブラウザのキャッシュとデータの削除: Google ChromeのキャッシュとCookieを削除し、ブラウザのデータをリフレッシュしました。
- Google Chromeの再インストール: Chromeを完全にアンインストールし、関連フォルダを手動で削除した後、再インストールしました。
- セーフモードでの保護履歴のリセット: Windowsをセーフモードで起動し、Defenderの検出履歴を削除しました。
- ブラウザのリセット: Google Chromeの設定をリセットし、初期化しました。
- 広告ブロッカーの導入: AdGuardやMicrosoft Defender Browser Protectionをインストールして、偽アラートの表示を防止しました。
- セキュリティ設定の確認: Microsoft Edgeなど他のブラウザで同様の偽アラートが表示されるか確認し、セキュリティ設定を強化しました。
- システム初期化の検討: 上記の対策でも問題が解決しない場合、最終手段としてWindowsシステムの初期化を実行しました。
問題解決の確認
これらの対策を実施した結果、「Trojan:HTML/Fakealert.aa」の偽アラートは表示されなくなり、ブラウザの正常な動作が確認されました。今後同様の問題が発生しないよう、以下のポイントに注意してください:
- 定期的にセキュリティソフトでフルスキャンを実行し、システムの安全性を確認する。
- ブラウザのキャッシュとCookieを定期的に削除し、不要なデータをリフレッシュする。
- 信頼性の高い広告ブロッカーを使用し、不要なポップアップや偽アラートを防止する。
- セキュリティソフトとブラウザの設定を常に最新の状態に保つ。
以上で、「Trojan:HTML/Fakealert.aa」の対策に関する解説を終了します。今後もセキュリティ対策を徹底し、安全なブラウジング環境を維持してください。
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