この記事では、Excel VBAを使って特定のシートのデータをデータベースに一括インサートする方法について解説します。実際のコード例とその詳細な解説、さらには実践的な応用例を3つも紹介しています。これにより、Excelデータのデータベース移行作業を大幅に時短できるテクニックを身につけられます。
Excel VBAの基本
Excel VBA(Visual Basic for Applications)は、Microsoft Excelに組み込まれたプログラミング言語です。これを用いると、単純作業の自動化だけでなく、高度なデータ分析やレポート作成も可能になります。
そもそも、どこにVBAコードを書いて、どう実行すれば良いのか分からない場合は、以下の記事をご参照ください。
VBAを使ってExcelのデータをデータベースにインサートする基本的な方法
データベース操作にはADO(ActiveX Data Objects)を使用します。以下はExcelのシートからデータを読み取り、Accessデータベースに一括インサートする基本的なコードです。
Sub InsertIntoDB()
Dim conn As Object
Dim rs As Object
Dim strSQL As String
Dim lastRow As Long
Dim i As Long
'オブジェクトの初期化
Set conn = CreateObject("ADODB.Connection")
Set rs = CreateObject("ADODB.Recordset")
'データベース接続
conn.Open "Provider=Microsoft.ACE.OLEDB.12.0;Data Source=C:\path\to\your\database.accdb;"
'最後の行を取得
lastRow = ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Cells(ThisWorkbook.Sheets("Sheet1").Rows.Count, "A").End(xlUp).Row
'データの一括インサート
For i = 2 To lastRow
strSQL = "INSERT INTO TableName (Column1, Column2) VALUES ('" & _
Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value & "','" & _
Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value & "')"
conn.Execute strSQL
Next i
'接続を閉じる
conn.Close
Set rs = Nothing
Set conn = Nothing
End Sub
上記のコードは、Sheet1のデータを読み取り、Accessのテーブルにインサートする例です。具体的には、A列とB列のデータを読み取り、データベースのColumn1とColumn2に挿入しています。データベース接続の文字列部分とテーブル名やカラム名は、それぞれの環境に合わせて変更してください。
応用例1:複数のカラムデータを一括インサート
特定の範囲のカラムデータを一括でインサートしたい場合の方法を解説します。
Sub MultiColumnInsert()
'...(前述の初期化処理)...
'複数カラムのデータを一括インサート
For i = 2 To lastRow
strSQL = "INSERT INTO TableName (Column1, Column2, Column3, Column4) VALUES ('" & _
Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value & "','" & _
Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value & "','" & _
Sheets("Sheet1").Cells(i, 3).Value & "','" & _
Sheets("Sheet1").Cells(i, 4).Value & "')"
conn.Execute strSQL
Next i
'...(後述の接続閉じる処理)...
End Sub
応用例2:エラーハンドリングを追加
データベース操作中にエラーが発生する可能性があるため、エラーハンドリングを追加します。
Sub InsertWithErrorHandler()
On Error GoTo ErrorHandler
'...(前述の操作処理)...
Exit Sub
ErrorHandler:
MsgBox "エラーが発生しました。エラー内容:" & Err.Description
End Sub
応用例3:SQLインジェクション対策
セキュリティを高めるため、SQLインジェクション対策を取り入れた方法を解説します。
Function PreventSQLInjection(str As String) As String
PreventSQLInjection = Replace(str, "'", "''")
End Function
Sub InsertPreventSQLInjection()
'...(前述の初期化処理)...
For i = 2 To lastRow
strSQL = "INSERT INTO TableName (Column1, Column2) VALUES ('" & _
PreventSQLInjection(Sheets("Sheet1").Cells(i, 1).Value) & "','" & _
PreventSQLInjection(Sheets("Sheet1").Cells(i, 2).Value) & "')"
conn.Execute strSQL
Next i
'...(後述の接続閉じる処理)...
End Sub
この例では、SQLインジェクションのリスクを軽減するために、文字列内のシングルクォートを二重に置き換える簡易的な方法を使用しています。しかし、よりセキュアな対策を取る場合には、パラメータクエリやストアドプロシージャの使用を検討してください。
まとめ
Excel VBAを使用して、Excelのシートデータをデ
ータベースに一括インサートする方法は、大量のデータ移行作業を効率化する強力な手段となります。基本的なコードから応用例までを実践すれば、より高度で安全なデータベース操作が可能となります。
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