Windowsコマンドプロンプトでディスクパーティションを操作する方法

ディスクパーティションの操作は、システム管理者やパワーユーザーにとって重要なスキルです。本記事では、Windowsのコマンドプロンプトを使用してディスクパーティションを操作する方法について、具体的なコマンドと手順を交えて詳細に解説します。この記事を通じて、パーティションの作成、フォーマット、サイズ変更、削除など、基本的な操作を習得し、システム管理の効率を向上させましょう。

目次

ディスクパーティションとは?

ディスクパーティションは、物理ディスクを複数の論理ドライブに分割する技術です。これにより、異なる用途やOS用にディスクを効率的に利用できます。ディスクパーティションは、システムのパフォーマンス向上やデータ管理の効率化に寄与します。例えば、OSとデータを別々のパーティションに分けることで、システムの安定性やバックアップのしやすさが向上します。ディスクパーティションの基本を理解することは、効率的なディスク管理の第一歩です。

ディスクパーティションの確認方法

コマンドプロンプトを使用して現在のディスクパーティションを確認する方法を紹介します。以下の手順で、ディスクパーティションの情報を表示することができます。

ディスクパートユーティリティの起動

まず、コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。次に、以下のコマンドを入力して「DiskPart」ユーティリティを起動します。

diskpart

ディスクの一覧を表示

DiskPartが起動したら、次のコマンドを入力してシステムに接続されているすべてのディスクを表示します。

list disk

出力例

DISKPART> list disk

  Disk ###  Status         Size     Free     Dyn  Gpt
  --------  -------------  -------  -------  ---  ---
  Disk 0    Online         465 GB   1024 KB
  Disk 1    Online         931 GB   0 B

パーティションの一覧を表示

特定のディスク上のパーティションを確認するには、まず対象のディスクを選択します。次に、パーティションの一覧を表示するコマンドを入力します。

select disk 0
list partition

出力例

DISKPART> select disk 0
Disk 0 is now the selected disk.

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type              Size     Offset
  -------------  ----------------  -------  -------
  Partition 1    Primary           100 MB   1024 KB
  Partition 2    Primary           465 GB   101 MB

以上の手順で、現在のディスクパーティションの構成を確認することができます。これにより、次のステップで実施するパーティション操作の計画を立てる際に役立ちます。

新しいパーティションの作成方法

新しいディスクパーティションを作成する手順を詳述します。コマンドプロンプトのDiskPartユーティリティを使用して、未使用のディスク領域に新しいパーティションを作成する方法を紹介します。

ディスクの選択

まず、コマンドプロンプトを管理者権限で開き、DiskPartユーティリティを起動します。次に、新しいパーティションを作成するディスクを選択します。

diskpart
select disk 0

未使用領域の確認

ディスクの未使用領域を確認するために、以下のコマンドを入力します。

list volume

出力例

DISKPART> list volume

  Volume ###  Ltr  Label        Fs     Type        Size     Status     Info
  ----------  ---  -----------  -----  ----------  -------  ---------  --------
  Volume 0     C   Windows      NTFS   Partition    465 GB  Healthy    Boot
  Volume 1     D   Data         NTFS   Partition    931 GB  Healthy

新しいパーティションの作成

次に、未使用領域を使用して新しいパーティションを作成します。以下のコマンドを入力して、新しいパーティションを作成します。

create partition primary size=100000

このコマンドでは、新しいパーティションを100GB(100,000MB)のサイズで作成しています。サイズは必要に応じて調整してください。

パーティションのアクティブ化

新しいパーティションをアクティブ化するために、以下のコマンドを入力します。

select partition 1
active

パーティションの確認

最後に、作成したパーティションが正しく作成され、アクティブになっていることを確認するために、パーティションの一覧を再度表示します。

list partition

出力例

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type              Size     Offset
  -------------  ----------------  -------  -------
  Partition 1    Primary           100 GB   1024 KB
  Partition 2    Primary           365 GB   101 MB
  Partition 3    Primary           465 GB   100 GB

以上の手順で、新しいディスクパーティションを作成することができます。このパーティションをフォーマットして使用可能にするための次のステップに進みましょう。

パーティションのフォーマット方法

作成したパーティションを使用可能にするためには、フォーマットする必要があります。ここでは、コマンドプロンプトを使用してパーティションをフォーマットする手順を解説します。

パーティションの選択

まず、DiskPartユーティリティでフォーマットするパーティションを選択します。次のコマンドを入力して、対象のパーティションを選択します。

diskpart
select disk 0
select partition 3

ここでは、ディスク0の3番目のパーティションを選択しています。パーティション番号は実際の環境に合わせて変更してください。

パーティションのフォーマット

選択したパーティションをフォーマットするために、以下のコマンドを使用します。

format fs=ntfs label="NewPartition" quick

このコマンドでは、パーティションをNTFSファイルシステムでクイックフォーマットし、ラベルを「NewPartition」に設定しています。フォーマットには時間がかかる場合がありますが、quickオプションを使用することで、フォーマット時間を短縮できます。

フォーマットの確認

フォーマットが完了したら、以下のコマンドを使用して、パーティションの状態を確認します。

list volume

出力例

DISKPART> list volume

  Volume ###  Ltr  Label         Fs     Type        Size     Status     Info
  ----------  ---  ------------  -----  ----------  -------  ---------  --------
  Volume 0     C    Windows       NTFS   Partition    465 GB  Healthy    Boot
  Volume 1     D    Data          NTFS   Partition    931 GB  Healthy
  Volume 2     E    NewPartition  NTFS   Partition    100 GB  Healthy

以上の手順で、新しく作成したパーティションをフォーマットし、使用可能な状態にすることができます。このパーティションにデータを保存したり、新しいアプリケーションをインストールしたりする準備が整いました。

パーティションのサイズ変更方法

既存のパーティションのサイズを変更する方法について説明します。これには、パーティションを拡張したり縮小したりする手順が含まれます。

ディスクの選択

まず、コマンドプロンプトを管理者権限で開き、DiskPartユーティリティを起動します。次に、サイズを変更するパーティションがあるディスクを選択します。

diskpart
select disk 0

パーティションの縮小

パーティションを縮小するには、以下のコマンドを使用します。まず、対象のパーティションを選択します。

select partition 1

次に、縮小するサイズを指定して、パーティションを縮小します。ここでは、20GB(20,000MB)縮小します。

shrink desired=20000

出力例

DISKPART> shrink desired=20000

  DiskPart successfully shrunk the volume by 20000 MB.

パーティションの拡張

パーティションを拡張するには、まず拡張するための空き領域が必要です。空き領域があることを確認したら、以下のコマンドを使用してパーティションを拡張します。まず、対象のパーティションを選択します。

select partition 1

次に、拡張するサイズを指定して、パーティションを拡張します。ここでは、20GB(20,000MB)拡張します。

extend size=20000

出力例

DISKPART> extend size=20000

  DiskPart successfully extended the volume.

サイズ変更後の確認

サイズ変更が完了したら、以下のコマンドを使用して、パーティションの状態を確認します。

list volume

出力例

DISKPART> list volume

  Volume ###  Ltr  Label         Fs     Type        Size     Status     Info
  ----------  ---  ------------  -----  ----------  -------  ---------  --------
  Volume 0     C    Windows       NTFS   Partition    485 GB  Healthy    Boot
  Volume 1     D    Data          NTFS   Partition    911 GB  Healthy

以上の手順で、既存のパーティションのサイズを変更することができます。これにより、ディスクスペースの効率的な管理が可能となります。

パーティションの削除方法

不要なディスクパーティションを削除する手順を紹介します。コマンドプロンプトのDiskPartユーティリティを使用して、安全にパーティションを削除する方法を説明します。

ディスクの選択

まず、コマンドプロンプトを管理者権限で開き、DiskPartユーティリティを起動します。次に、削除するパーティションがあるディスクを選択します。

diskpart
select disk 0

パーティションの選択

削除したいパーティションを選択するために、以下のコマンドを使用します。

list partition
select partition 3

ここでは、ディスク0の3番目のパーティションを選択しています。パーティション番号は実際の環境に合わせて変更してください。

パーティションの削除

選択したパーティションを削除するには、以下のコマンドを使用します。

delete partition

出力例

DISKPART> delete partition

  DiskPart successfully deleted the selected partition.

パーティション削除後の確認

パーティションが正常に削除されたことを確認するために、再度パーティションの一覧を表示します。

list partition

出力例

DISKPART> list partition

  Partition ###  Type              Size     Offset
  -------------  ----------------  -------  -------
  Partition 1    Primary           100 MB   1024 KB
  Partition 2    Primary           465 GB   101 MB

以上の手順で、不要なディスクパーティションを安全に削除することができます。これにより、ディスクの管理が容易になり、不要なパーティションによる混乱を避けることができます。

応用例:マルチブート環境の構築

複数のOSをインストールするためのパーティション操作の応用例を示します。ここでは、WindowsとLinuxのデュアルブート環境を構築する手順を説明します。

新しいパーティションの作成

デュアルブート環境を構築するためには、Linux用のパーティションを作成する必要があります。以下のコマンドを使用して、新しいパーティションを作成します。

diskpart
select disk 0
create partition primary size=50000

ここでは、50GB(50,000MB)のサイズで新しいパーティションを作成しています。

パーティションのフォーマット

作成したパーティションをLinux用にフォーマットします。ここでは、Linuxインストーラーを使用してパーティションをフォーマットします。インストールメディアを使用してLinuxを起動し、インストーラーの指示に従ってフォーマットとインストールを行います。

ブートローダーの設定

Linuxをインストールすると、通常はGRUB(GRand Unified Bootloader)がインストールされ、起動時にOSの選択メニューが表示されます。GRUBを正しく設定するためには、以下の手順を行います。

Linuxインストール後のGRUB設定

  1. Linuxのインストールが完了したら、システムを再起動します。
  2. GRUBの設定ファイル(通常は /etc/default/grub)を編集し、必要に応じてデフォルトのOSやタイムアウトを設定します。
  3. 設定を反映するために、以下のコマンドを実行します。
sudo update-grub

ブートメニューの確認

システムを再起動し、GRUBのブートメニューが表示されることを確認します。メニューには、WindowsとLinuxの両方がリストされているはずです。これにより、デュアルブート環境が正しく構築されていることを確認できます。

デュアルブートのトラブルシューティング

ブートメニューに問題がある場合や、特定のOSが起動しない場合には、以下のコマンドを使用して問題を診断します。

sudo grub-install /dev/sda
sudo update-grub

これにより、GRUBの設定が再インストールされ、ブートメニューが更新されます。

以上の手順で、WindowsとLinuxのデュアルブート環境を構築することができます。これにより、異なるOSの機能を同じコンピュータ上で利用することができ、システムの柔軟性が向上します。

演習問題

読者が理解を深めるための演習問題を提供します。これらの問題を通じて、ディスクパーティション操作の実践力を高めましょう。

演習問題1: パーティションの確認

  1. コマンドプロンプトを管理者権限で開きます。
  2. DiskPartユーティリティを起動し、システムに接続されているすべてのディスクを一覧表示してください。
  3. 特定のディスクを選択し、そのディスク上のパーティションを一覧表示してください。

演習問題2: 新しいパーティションの作成

  1. DiskPartユーティリティを使用して、新しいパーティションを作成するディスクを選択してください。
  2. ディスク上の未使用領域を確認し、その領域に新しいパーティションを作成してください。サイズは50GBに設定します。
  3. 作成したパーティションをフォーマットし、使用可能な状態にしてください。

演習問題3: パーティションのサイズ変更

  1. 既存のパーティションを選択し、サイズを20GB縮小してください。
  2. 縮小したパーティションの後にできた未使用領域を使用して、新しいパーティションを作成してください。
  3. 新しいパーティションをフォーマットし、使用可能な状態にしてください。

演習問題4: パーティションの削除

  1. 削除するディスクパーティションを選択してください。
  2. 選択したパーティションを削除してください。
  3. パーティションが正常に削除されたことを確認するために、パーティションの一覧を再表示してください。

演習問題5: デュアルブート環境の構築

  1. デュアルブート環境を構築するために、新しいパーティションを作成してください。サイズは50GBに設定します。
  2. 作成したパーティションにLinuxをインストールし、GRUBブートローダーを設定してください。
  3. システムを再起動し、GRUBブートメニューにWindowsとLinuxが正しく表示されることを確認してください。

以上の演習問題を通じて、ディスクパーティションの操作に習熟し、システム管理の実践力を向上させましょう。

まとめ

ディスクパーティションの操作は、システム管理において重要なスキルです。本記事では、コマンドプロンプトを使用してディスクパーティションを確認、作成、フォーマット、サイズ変更、削除する方法を詳述しました。また、応用例としてデュアルブート環境の構築についても説明しました。これらの手順を習得することで、ディスク管理の効率が向上し、システムの柔軟性が高まります。引き続き演習問題に取り組み、実践力を深めてください。

コメント

コメントする

目次