Windowsのコマンドプロンプトで「net share」コマンドの使用方法と応用例

「net share」コマンドは、Windows環境でフォルダをネットワーク上で共有するための強力なツールです。本記事では、このコマンドの基本的な使用方法から、実際の応用例までを詳しく解説します。これにより、ネットワーク共有の設定を効率的に管理できるようになります。

目次

「net share」コマンドの基本使用方法

「net share」コマンドは、Windowsでネットワーク共有を管理するためのコマンドです。以下に基本的な使用方法を説明します。

コマンドプロンプトを開く

Windowsキーを押し、「cmd」と入力してコマンドプロンプトを開きます。管理者権限で実行する必要があります。

基本コマンドの構文

次の基本的な構文を使用します。

net share シェア名=フォルダパス /GRANT:ユーザー,権限

例:

net share MyShare=C:\Users\Public /GRANT:everyone,READ

このコマンドは、C:\Users\PublicフォルダをMyShareとして共有し、全ユーザーに読み取り権限を付与します。

フォルダのネットワーク共有設定

ネットワーク上でフォルダを共有するための具体的な手順を解説します。

共有するフォルダの選択

共有したいフォルダを選択し、そのパスを確認します。例として、C:\Users\Publicフォルダを使用します。

「net share」コマンドの実行

コマンドプロンプトで以下のコマンドを実行します。

net share MyShare=C:\Users\Public /GRANT:everyone,FULL

このコマンドは、指定したフォルダをMyShareという名前で共有し、全ユーザーにフルアクセス権限を付与します。

共有の確認

コマンドが正常に実行された場合、次のメッセージが表示されます。

MyShare was shared successfully.

これでフォルダがネットワーク上で共有されました。

共有フォルダの表示と確認

共有フォルダの一覧表示と確認方法を解説します。

共有フォルダの一覧表示

現在の共有フォルダの一覧を表示するには、以下のコマンドを使用します。

net share

このコマンドを実行すると、システム上で共有されているすべてのフォルダが表示されます。出力例は次のとおりです。

Share name   Resource                        Remark

-------------------------------------------------------------------------------
MyShare      C:\Users\Public
IPC$                                           Remote IPC
ADMIN$       C:\Windows                       Remote Admin
C$           C:\                              Default share
The command completed successfully.

共有設定の詳細確認

特定の共有フォルダの詳細情報を確認するには、以下のコマンドを使用します。

net share MyShare

このコマンドは、MyShareという共有フォルダの設定詳細を表示します。出力例は次のとおりです。

Share name        MyShare
Path              C:\Users\Public
Remark
Maximum users     No limit
Users
Caching           Manual caching of documents
Permission        everyone, FULL
The command completed successfully.

これにより、共有フォルダの設定が正しいかどうかを確認できます。

共有設定の変更方法

既存の共有フォルダの設定を変更する方法について説明します。

共有名の変更

既存の共有フォルダの共有名を変更するには、現在の共有設定を削除して新しい名前で再度共有設定を行います。以下の手順を参照してください。

  1. 現在の共有を削除する:
net share MyShare /delete
  1. 新しい共有名で再共有する:
net share NewShare=C:\Users\Public /GRANT:everyone,FULL

アクセス権限の変更

既存の共有フォルダのアクセス権限を変更するには、次のコマンドを実行します。例として、everyoneの権限をREADに変更します。

net share MyShare=C:\Users\Public /GRANT:everyone,READ

共有の説明(リマーク)の追加や変更

共有フォルダの説明を追加または変更するには、以下のコマンドを使用します。例として、説明を「Public Folder」に設定します。

net share MyShare=C:\Users\Public /REMARK:"Public Folder"

最大ユーザー数の設定

共有フォルダへの同時アクセス可能な最大ユーザー数を設定するには、次のコマンドを使用します。例として、最大10ユーザーに設定します。

net share MyShare=C:\Users\Public /USERS:10

これで、共有フォルダの設定変更が完了しました。

共有フォルダの削除方法

不要になった共有フォルダを削除する方法について解説します。

「net share」コマンドを使用した共有の削除

共有フォルダを削除するためには、以下のコマンドを使用します。

net share シェア名 /delete

例:

net share MyShare /delete

このコマンドは、MyShareという名前の共有フォルダを削除します。

削除確認メッセージ

コマンドが正常に実行されると、次のメッセージが表示されます。

MyShare was deleted successfully.

このメッセージが表示されれば、指定した共有フォルダが正常に削除されたことを確認できます。

共有フォルダ削除後の確認

共有フォルダが削除されたことを確認するために、再度共有フォルダの一覧を表示します。

net share

ここで、削除した共有フォルダが一覧に表示されていないことを確認してください。

特定のユーザーやグループへのアクセス制限

共有フォルダへのアクセスを特定のユーザーやグループに制限する方法を説明します。

アクセス権限の設定

特定のユーザーやグループにアクセス権限を設定するには、以下のコマンドを使用します。

net share シェア名=フォルダパス /GRANT:ユーザー名,権限

例:

net share MyShare=C:\Users\Public /GRANT:username,FULL

このコマンドは、usernameに対してC:\Users\Publicフォルダへのフルアクセス権を付与します。

複数のユーザーやグループの権限設定

複数のユーザーやグループに異なる権限を設定する場合は、次のようにコマンドを使用します。

net share MyShare=C:\Users\Public /GRANT:User1,FULL /GRANT:Group1,READ

このコマンドは、User1にフルアクセス権を、Group1に読み取り権限を付与します。

アクセス権限の確認

設定したアクセス権限を確認するには、以下のコマンドを使用します。

net share シェア名

例:

net share MyShare

出力例は次のとおりです。

Share name        MyShare
Path              C:\Users\Public
Remark
Maximum users     No limit
Users
Caching           Manual caching of documents
Permission        username, FULL
                  Group1, READ
The command completed successfully.

「net share」コマンドの応用例

「net share」コマンドの基本的な使用方法を理解したら、さらに応用例を試してみましょう。これにより、ネットワーク管理がより効率的になります。

スクリプトによる自動化

複数のフォルダを一度に共有するためのスクリプトを作成できます。例えば、次のバッチファイルを使用します。

@echo off
net share Share1=C:\Folder1 /GRANT:everyone,FULL
net share Share2=D:\Folder2 /GRANT:User1,READ
net share Share3=E:\Folder3 /GRANT:Group1,CHANGE
echo すべての共有が設定されました。

このスクリプトを実行すると、複数のフォルダが一度に共有されます。

ネットワークドライブのマッピング

共有フォルダをネットワークドライブとしてマッピングすることで、アクセスを容易にすることができます。以下のコマンドを使用します。

net use X: \\コンピュータ名\シェア名

例:

net use X: \\MyPC\MyShare

このコマンドは、MyShareという共有フォルダをX:ドライブとしてマッピングします。

スクリプトによる共有フォルダのバックアップ

共有フォルダのバックアップを自動的に行うスクリプトを作成できます。以下は、Robocopyコマンドを使用した例です。

@echo off
robocopy \\MyPC\MyShare D:\Backup /MIR
echo バックアップが完了しました。

このスクリプトは、MyShareフォルダをD:\Backupにミラーリングします。

イベントトリガーによる自動共有

特定のイベントが発生したときに自動的にフォルダを共有するタスクをスケジュールすることもできます。例えば、新しいフォルダが作成されたときに自動的に共有するように設定できます。

これらの応用例を活用することで、「net share」コマンドの可能性を最大限に引き出すことができます。

まとめ

「net share」コマンドは、Windowsのネットワーク管理において非常に有用なツールです。基本的な共有設定から特定ユーザーへのアクセス制限、共有設定の変更、削除、そして応用例まで、幅広い操作が可能です。このコマンドを活用することで、ネットワーク共有の管理を効率的に行えるようになります。ぜひ、実際のシステム管理に役立ててください。

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