DOOM Eternalで美麗なグラフィックスを堪能したいと思っても、レイトレーシングがグレーアウトしていてなかなか有効化できない…そんなお悩みを抱えていませんか? 本記事では、ノートパソコン(AMD Ryzen 7 5800H + NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti + 8GB RAM)を想定した環境でもレイトレーシングをオンにするための各種対策と考えられる原因を詳しく解説していきます。
レイトレーシングとは?
レイトレーシングは、光が物体に反射したり屈折したりする様子をリアルタイムでシミュレーションする技術です。従来のレンダリング方法では難しかった、金属やガラスなどの光沢表現、鏡面反射、光のにじみなどが格段にリアルになります。DOOM Eternalでは、最新のアップデートでレイトレーシングに対応し、より迫力ある映像体験が可能になりました。
しかし、レイトレーシングを有効にするには、対応GPUや十分なメモリ、正しいソフトウェア設定が欠かせません。ノートPC特有の「省電力GPUと高性能GPUの切り替え」がうまく動作していないなどの理由で、せっかくRTX GPUを搭載していても機能を活かし切れないケースがあるのです。
起こりがちな原因と対策
ドライバーの更新を怠っている
レイトレーシングを活用するためには、NVIDIAの最新ドライバーが必須です。古いドライバーではDOOM Eternal側で対応が外されている、あるいはバグによりグレーアウトしてしまう場合があります。まずは以下の手順でドライバーを更新しましょう。
ドライバー更新手順
- 「GeForce Experience」を起動
- 画面上部にある「ドライバー」タブをクリック
- 「更新の確認」を選択して、利用可能な最新ドライバーをチェック
- 更新があればダウンロードし、インストールを実行
- 再起動して変更を適用
ドライバーを更新しても改善が見られない場合は、クリーンインストールを試すのも有効です。クリーンインストールすると余分なドライバー設定やゴミデータがリセットされ、トラブルが解消するケースも少なくありません。
統合型GPUが優先されている
ノートパソコンには、省電力用途の統合型GPU(今回のケースではAMD Radeon Graphics)と、高性能なNVIDIA GPU(RTX 3050 Tiなど)の2種類が搭載されていることがあります。自動切り替え(OptimusやAMD Dynamic Switchable Graphics)機能が正しく働かないと、DOOM Eternalが統合GPU側で動作し、レイトレーシングがオフのままとなる場合があります。
このような問題を回避するためには、以下のポイントを確認してください。
- NVIDIA コントロールパネルでゲームを指定
「3Dの管理」→「プログラム設定」からDOOM Eternalを選択し、高パフォーマンスNVIDIAプロセッサを利用するように設定します。 - Windowsのグラフィックス設定
Windows 10/11の「設定」→「システム」→「ディスプレイ」→「グラフィックス設定」でアプリを指定し、「高パフォーマンス」でRTX GPUを利用するように設定します。 - 電源オプションを高パフォーマンスに
バッテリー駆動時は自動的に統合GPUへ切り替わることが多いので、できればACアダプタを接続して高パフォーマンスモードでプレイしましょう。
VRAMやメインメモリ不足の可能性
レイトレーシングは通常のレンダリングよりもGPU/メモリ負荷が高く、VRAM量が不足すると設定が有効にならない場合があります。RTX 3050 Tiはレイトレーシングに対応しているものの、VRAM容量が4GBのモデルも多いです。ゲームや解像度、テクスチャ品質によってはVRAMが足りず、オプションが無効化されるケースがあるのです。
また、メインメモリ8GBだと、OSや常駐アプリケーションが一定量を使用した時点で余裕が少なくなる場合があります。ゲームによっては、推奨スペックとして16GB以上を求めるケースも増えてきているため、メモリ増設が可能であれば検討すると良いでしょう。
ゲーム内設定やバージョンの問題
DOOM Eternalのバージョンが古い場合や、アップデートファイルが破損している場合、レイトレーシングオプションがそもそも表示されなかったり、グレーアウトしたりする可能性があります。公式が配布している最新パッチを適用しているか、Steam版の場合はゲームファイルが正しく整合性を保っているかをチェックしてください。
- ゲームファイル整合性の確認(Steamの場合)
- ライブラリからDOOM Eternalを右クリック
- 「プロパティ」→「ローカルファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」
- 破損や不足があれば自動的に再ダウンロードが行われる
また、ゲーム内の「ビデオ設定」からレイトレーシングの項目がどのように表示されているか、解像度やVulkan API設定などを確認しましょう。
より快適にレイトレーシングを楽しむためのポイント
NVIDIAコントロールパネルの詳細設定
NVIDIAコントロールパネルでは、ゲームごとにアンチエイリアシングや垂直同期、電源管理モードなど細かく調整できます。特に「電源管理モード」を「最高パフォーマンスを優先する」にすることで、バッテリや発熱との兼ね合いはあるものの、レイトレーシングをオンにした際のパフォーマンス改善が期待できます。
その他にも、Texture Filtering – Quality を「High Performance」に設定すると若干の画質低下と引き換えにフレームレートの向上が見込めます。
画面共有または録画ツールの影響
OBSやDiscordのゲーム内オーバーレイ、ShadowPlayなどの画面共有・録画ツールが原因で、ゲームの設定が正しく反映されないことがあります。一時的にこれらのソフトウェアを停止してから、DOOM Eternalを起動してみてください。もしレイトレーシングが有効化できるようになったら、ビデオキャプチャ関連の設定を見直すと良いでしょう。
Windowsの電源オプションの設定
Windowsの電源プランが「省電力」や「バランス」になっていると、GPUクロックが上がりにくい場合があります。ノートPCでは特に、バッテリー駆動時に大幅に性能が抑えられることがあります。以下の設定をチェックしてみましょう。
- コントロールパネル → ハードウェアとサウンド → 電源オプション
- 「高パフォーマンス」(または「究極のパフォーマンス」)を選択
- 可能であればACアダプタに接続してプレイ
ただし、これらの設定によってファンの回転数が上昇し、発熱やバッテリー消費が増える点には注意してください。
ゲームごとのプロファイル管理
NVIDIAコントロールパネルの「プログラム設定」では、インストールされているゲームごとに最適化されたプロファイルを作成できます。DOOM Eternal専用の設定でレイトレーシングを確実に有効化し、他のゲームやアプリには影響を与えない形で微調整できるのがメリットです。
- 例:DOOM Eternal プロファイル
- 「NVIDIA コントロールパネル」を開く
- 「3D設定の管理」→「プログラム設定」→「追加」からDOOM Eternal.exeを指定
- 「優先するグラフィックプロセッサ」を「高パフォーマンスNVIDIAプロセッサ」に
- 必要に応じてアンチエイリアシングや垂直同期、テクスチャフィルタリング品質などをカスタマイズ
追加のトラブルシューティング
Steamでのファイル整合性チェック
ゲームファイルの破損や部分的な欠損があると、ビデオ設定メニューが正常に表示されない場合があります。Steam版であれば以下のようにファイル整合性チェックを行い、問題がある場合は自動的に修復されます。
- Steamを起動し、ライブラリからDOOM Eternalを右クリック
- 「プロパティ」を選択し、「インストールファイル」をクリック
- 「ゲームファイルの整合性を確認」を実行
Windows UpdateとDirectXの整合性
レイトレーシングを動かすためには、最新のDirectX(またはVulkan対応)やWindows Updateの適用が重要です。特にWindowsの大型アップデートを長期間放置していると、GPUドライバーやDirectXライブラリとの整合性に問題が生じ、ゲームの高負荷な描画設定が有効化できないケースがあります。
- Windows Updateの確認
- Windows「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」
- 「更新プログラムのチェック」をクリック
- すべての更新を適用後、PCを再起動
ファクトリーリセット・クリーンインストール
どうしても問題が解決しない場合は、思い切ってWindows自体をクリーンインストールし、最新のドライバーとゲームを再セットアップしてみるのも手段の一つです。これは最終手段ではありますが、OS環境を一度リセットすることで、過去のドライバー残骸やレジストリの不整合などを一掃できます。
表で見る主なチェック項目
下記の表に、DOOM Eternalでレイトレーシングがグレーアウトしてしまう際の代表的なチェック項目をまとめました。問題切り分けにぜひ活用してみてください。
チェック項目 | 確認方法 | 対応策 |
---|---|---|
GPUドライバーが最新か | GeForce Experienceなどでバージョンを確認 | 最新版をインストール、またはクリーンインストール |
統合GPUを使っていないか | NVIDIAコントロールパネルやWindowsグラフィックス設定で確認 | DOOM Eternalを高パフォーマンスGPUに設定 |
ゲームバージョンとパッチの適用状況 | SteamのアップデートやBethesdaランチャーで最新かを確認 | 最新パッチを適用し、ファイル整合性をチェック |
メモリ・VRAM容量 | システム情報やGPU-Zなどで確認 | メモリ増設やテクスチャ品質を下げるなど設定を調整 |
電源設定(高パフォーマンスか) | Windows電源オプションで電源プランを確認 | 高パフォーマンスに切り替え、ACアダプタを接続 |
Windows Update | 設定→更新とセキュリティ→Windows Updateで最新かを確認 | 最新まで適用し再起動 |
他のソフトウェアとの競合 | OBSやオーバーレイ機能を一時的に停止して検証 | キャプチャ系ソフトの設定を見直す、オーバーレイを無効にする |
まとめ
ノートPC(AMD Ryzen 7 5800H + NVIDIA GeForce RTX 3050 Ti + 8GB RAM)でDOOM Eternalのレイトレーシングがオンにできない主な原因としては、GPUドライバーの更新不足や統合GPUが優先されていること、メモリやVRAM容量の不足、さらにはゲームやOSのバージョンが古いことなどが考えられます。上記の項目を総合的にチェックし、一つひとつ問題を切り分けていくのが遠回りのようで最も確実な方法です。
もし最終的にどうしてもレイトレーシングが有効化できない場合は、DOOM Eternalの公式サポート( Bethesdaサポート )を確認し、最新情報や追加のパッチがないか問い合わせてみるのも有効です。最高のグラフィックでDOOM Eternalの世界を存分に楽しむため、ぜひ今回ご紹介した対処法を活用してみてください。
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