パソコンで大空を飛び回れる「Microsoft Flight Simulator Premium Deluxe Edition」は、圧倒的なリアルさと自由度で多くのファンを魅了してきました。しかし、起動時に「Shader 6.7がない」と表示され、プレイできないという問題に直面すると、楽しみにしていた気持ちも萎えてしまいます。そこで今回は、Shaderバージョン不足の原因や対処法、具体的なアップグレード・ドライバー更新などを詳しくご紹介します。
Microsoft Flight Simulator起動エラーの原因と概要
Microsoft Flight Simulatorを起動しようとした際に、「Shader 6.7が必要だがShader 6.5しかない」というメッセージが表示されてゲームが開始できないという報告があります。ここでは、なぜこのようなエラーが発生するのか、その背後にある原因を掘り下げてみましょう。
Shader Model(シェーダーバージョン)とは?
DirectXなどのAPIを使って高度な3D描画を行うために利用されるプログラムのひとつが「シェーダー」です。シェーダーにはバージョン(Shader Model)があり、新しいバージョンではより高機能で複雑な描画が可能になります。
ゲームが最新のグラフィック技術を活用しようとすると、必然的に高いShader Modelが必要になります。したがって、古いGPUや古いドライバーではサポートされないことがあり、「必要なShaderバージョンが見つからない」というエラーにつながります。
GPUのハードウェアとドライバー依存
Shaderバージョンはソフトウェアのインストールだけでは解決できません。基本的にはGPUハードウェアの世代に依存しているからです。
- 古いGPU:物理的にShader 6.7をサポートしていない
- 最新GPUでもドライバーが古い:最新のShader Modelに対応するためのドライバーが未適用
そのため、まずは自分のPCに搭載されているGPUが、Microsoft Flight Simulatorが要求するShaderバージョンに対応しているかを調べる必要があります。
エラー解消のための基本チェックポイント
「Shader 6.7が見つからない」というエラーを取り除くためには、まずは基本的なチェックから始めることが大切です。以下に挙げるステップを順番に確認してみましょう。
1. システム要件の確認
Microsoft Flight Simulatorには公式の動作要件があります。推奨要件を満たしていない場合、たとえ起動できたとしても快適に動作しないことが多いです。公式サイトやSteamストアページ、Microsoft Storeのページなどで要件を確認しましょう。
項目 | 最低要件 | 推奨要件 |
---|---|---|
OS | Windows 10 | Windows 10 (最新の更新プログラム適用) |
CPU | Intel i5-4460 / AMD Ryzen 3 1200 | Intel i5-8400 / AMD Ryzen 5 1500X 以上 |
GPU | NVIDIA GTX 770 / AMD Radeon RX 570 以上 | NVIDIA GTX 970 / AMD Radeon RX 590 以上 |
メモリ | 8GB | 16GB |
DirectX(Feature Level) | DX11対応以上 | DX11 or DX12 (Feature Level 12_0以上) |
シェーダーバージョン | Shader Model 5.0以上 | Shader Model 6.0以上 |
空きストレージ | 150GB | 150GB以上 |
上記はあくまで一例ですが、Shader Modelの要件が反映されていることがわかります。Microsoft Flight Simulator Premium Deluxe Editionでは描画がさらに高度化している場合もあり、Shader 6.7相当が必要だと表示されることがあります。
2. GPUのスペック・世代の確認
次に、使用しているGPUがどの世代に当たるかをチェックしましょう。たとえばNVIDIAのGPUでは、世代ごとに大まかな型番が変わります。古いGTX 600番台や700番台などではShader 6.7を満たさない可能性が高いです。AMDも同様に、Radeon HDシリーズの非常に古いモデルだと最新のShader Modelに対応していない場合があります。
GPUの型番例(NVIDIA)
- GTX 700番台:2013年頃の世代
- GTX 900番台:2014~2015年頃
- GTX 1000番台(Pascal):2016年頃
- RTX 2000番台(Turing):2018年頃
- RTX 3000番台(Ampere):2020年頃
- RTX 4000番台(Ada Lovelace):2022年頃
型番が新しければ対応するShader Modelも新しくなっているケースが多いですが、ソフトウェア(ドライバー)の更新が重要になります。
3. ドライバーの更新とWindowsアップデート
GPUがShader 6.7に対応しているはずなのにエラーが出る場合は、ドライバーやWindowsの更新が滞っている可能性があります。
- GeForce Experience(NVIDIA):自動的に最新ドライバーの通知が来る
- Radeon Software(AMD):自動アップデート機能あり
また、Windows Updateを適用していない場合、DirectXやシステムコンポーネントが古いままになっていることがあります。定期的にWindows Updateを確認する癖をつけましょう。
Boot Campでのプレイ環境と特有の問題
MacでBoot Campを利用し、WindowsをインストールしてMicrosoft Flight Simulatorをプレイするケースもあります。ですが、この場合はApple公式のドライバーが古く、Shader Modelに対応しきれないことが非常に多いです。
BootCampDrivers.comの活用
Boot Camp環境で最新のグラフィックドライバーを入手する方法として、非公式ながら有名なのが「BootCampDrivers.com」です。Apple公式よりも新しいドライバーが頻繁に公開されており、たとえばAMD Radeon搭載のMacBook Proであっても、最新のWindowsドライバーを適用できる場合があります。
- BootCampDrivers.comへアクセス
- 自分のMacのGPUに合ったドライバーを選択し、RED EditionまたはBlue Editionなどの好みのバージョンをダウンロード
- Windows側で古いドライバーをアンインストールしてから、ダウンロードしたドライバーをインストール
この手順で、Shader 6.7に対応する機能を解放できる可能性があります。ただし、非公式手段であるため自己責任で行う必要がある点には注意が必要です。
トラブルシューティングのヒント
Mac環境では、ドライバー更新以外にも以下の設定を確認してみるとよいでしょう。
- 電源プランを高パフォーマンスに:省電力設定だとGPUがフルに動作しない可能性がある
- Windowsのディスプレイ設定:解像度やスケーリングが適切でないとエラーが出るケースがある
- セキュリティソフトの干渉:Microsoft Flight Simulatorの実行ファイルがブロックされていないか確認する
DirectXのFeature LevelとShader Modelの関係
Shader ModelとDirectX Feature Levelは密接に関連しています。以下の表は一例ですが、DirectX 12だから常にShader Model 6.xが使えるとは限らないので注意が必要です。
DirectXバージョン | 主なFeature Level | 対応するShader Modelの例 |
---|---|---|
DirectX 11 | 11_0, 11_1 | 5.0, 5.1 |
DirectX 12 | 12_0, 12_1 | 6.0, 6.1 |
DirectX 12 Ultimate | 12_2 | 6.4, 6.5, 6.6以上 |
Microsoft Flight Simulatorが「Shader 6.7」に言及するのは、DirectX 12 Ultimateをフルに活用するような最先端の機能を求めている可能性があります。GPUとドライバーがこれに対応していないと、エラーが出るというわけです。
具体的なトラブルシューティングの流れ
ここからは、実際にエラーが発生している環境で、どのように問題を解決していくか具体的な手順を見ていきましょう。
ステップ1:DirectX診断ツールで確認
Windowsには「DirectX診断ツール(dxdiag)」が標準で用意されています。次のように入力して確認できます。
1. Windowsキー + Rを押して「ファイル名を指定して実行」を開く
2. dxdiag と入力し、OKをクリック
3. 「ディスプレイ」タブを開き、ドライバー情報のFeature Levelやドライバー日付などを確認
ここで、Feature Levelが12_1や12_2をサポートしているか、ドライバーバージョンが最新に近いかをチェックしましょう。もし古かった場合は、GPUメーカーの公式サイトにアクセスし、最新ドライバーをダウンロード・インストールします。
ステップ2:ゲームファイルの整合性チェック
Steam版の場合は、以下の手順でゲームファイルを検証してみてください。
- Steamクライアントを起動
- ライブラリでMicrosoft Flight Simulatorを右クリック
- 「プロパティ」→「ローカルファイル」→「ゲームファイルの整合性を確認」
Microsoft Store版の場合は、設定アプリの「アプリと機能」から修復やリセットを行うことができます。
ステップ3:ゲーム内設定のリセット
Microsoft Flight Simulatorは非常に多くの設定項目を持ちます。インストール直後に自動検出されるグラフィック設定が何らかの形で「Shader Model 6.7」を強制している場合があるかもしれません。設定ファイルを一度削除またはリセットすることで、不要なオプションが無効化される場合があります。
設定ファイルの場所(例)
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Roaming\Microsoft Flight Simulator
フォルダ内にある設定ファイルをバックアップしてから削除し、ゲームを再起動すると初期設定に戻るので、問題解消に繋がることがあります。
ハードウェアアップグレードの検討
どうしてもShader 6.7相当をサポートしていない古いGPUを使っている場合、最終的にハードウェアアップグレードが必要になる可能性があります。ここでは代表的な選択肢を紹介します。
1. GPUの新調
デスクトップPCならば、最もシンプルなのはGPUの交換です。具体的にどのクラスのGPUを購入すればよいかは、ゲームの推奨スペックや予算と相談になるでしょう。ただし、電源ユニットの容量やマザーボードのPCI Express規格などに互換性があるかを確認する必要があります。
2. 外付けGPU(eGPU)の活用
ノートPCやMacの場合、Thunderbolt 3/4ポートがあれば外付けGPU(eGPU)を利用できるかもしれません。eGPUは外部ボックスにデスクトップ用のGPUを装着し、ケーブル経由でノートPCに接続して高いグラフィック性能を得る仕組みです。
- メリット:PC本体を買い替えずに高性能グラフィックスを利用できる
- デメリット:eGPUボックスやGPU本体を買う必要があり、コストがかかる
Microsoft Flight Simulatorほど重たいゲームをプレイするならば、eGPUも選択肢に入るでしょう。ただし、Boot CampでのeGPU動作には制限がある場合があるため、事前に情報収集が欠かせません。
3. 新しいPCへの買い替え
自作PCあるいはBTO(Build to Order)のゲーミングPCを新調するのもひとつの手です。OSやドライバーの整備、アップグレードのしやすさを考慮すると、ゲーム用に最適化されたマシンを使用する方がストレスを大幅に軽減してくれます。
Xboxとの併用は可能? PC版を選ぶ理由
質問の中で「Xboxも所有しているがPCでのプレイを希望」という話がありました。実際、Microsoft Flight SimulatorはXbox Series X/Sでもプレイ可能ですが、PC版はMOD対応や、VR、キーボード・マウス操作、外部アドオンとの連携など、多くのメリットがあります。また、解像度やフレームレートなどを自由に調整できる点もPC版ならではの特徴です。
しかし、高い自由度ゆえに設定でトラブルが起きやすいのも事実です。ハードウェア要件に不安がある場合は、Xbox版でのプレイも検討し、最も快適な環境を追求するのがよいでしょう。
Shader 6.7問題のまとめと対処の流れ
ここで、Shader 6.7問題の解決までの流れをざっくりとまとめます。
- GPUの仕様確認:お使いのGPUがShader 6.7(DirectX 12 Ultimate相当)をサポートするかを調べる
- ドライバーとOSを最新に:NVIDIA・AMD公式ドライバーやBootCampDrivers.comなどでアップデートを実施
- ゲームファイルと設定の確認:ファイルの整合性チェックと設定リセットを試す
- GPUアップグレード/外付けGPUを検討:古いGPUならハードウェア面の見直しが必要
最初の3ステップで解決する場合が多いですが、古い世代のGPUを使っている場合はアップグレードが必須になる可能性があります。
実践例:Boot Camp環境での解決
ここでは、実際にBoot Campを使っているMacユーザーがShader 6.7問題に直面した事例を想定して、具体的な解決手順を簡単に示します。
- dxdiagでDirectX Feature Levelを確認
- Feature Levelが「12_0」までしかない場合でも最新ドライバーに更新することで「12_1」や「12_2」が有効になるかもしれません。
- BootCampDrivers.comから最新ドライバーをダウンロード
- RED EditionやBlue Editionは時期によって安定性やパフォーマンスに差があるため、いくつか試すのも手です。
- クリーンインストールを行う
- DDU(Display Driver Uninstaller)などのツールを使い、古いドライバーを完全に削除してから新しいドライバーを入れなおす方法もあります。
- Microsoft Flight Simulatorの再インストール or ファイル整合性チェック
- 余計なファイルやキャッシュが原因のエラーを排除するために、最小限の状態に戻して再度起動を試みると効果的です。
よくあるQ&A
Q1. Shader 6.7だけをダウンロードしてインストールできませんか?
A. Shader Modelはソフトウェア的にインストールできるものではなく、基本的にはGPUハードウェアとドライバーが対応している必要があります。単独でShaderバイナリを入手して上書きするような方法は存在しません。
Q2. DirectX 12に対応したGPUなら必ずShader 6.7が使えますか?
A. DirectX 12対応といってもFeature Levelが12_0までで止まっている場合があります。ドライバー更新で対応するケースもありますが、ハードウェア的に対応していないものはどうしても使えません。
Q3. Intelの統合グラフィックスで動かすのは厳しい?
A. Microsoft Flight Simulatorはかなり高負荷のゲームです。最新のIntel Iris Xeなどでも最低限動くかもしれませんが、Shader 6.7が必要とされるような高設定では厳しいです。快適なプレイには専用GPU(NVIDIA/AMD)が推奨されます。
Q4. エラーが出るが、一瞬起動はする場合の対処は?
A. 一部の機能だけ動いていて、実際にゲームプレイに支障が出る場面でShader 6.7が呼び出されてクラッシュする可能性があります。まずドライバー更新とOS更新をしっかり行い、それでも改善しなければハードウェアの見直しをおすすめします。
より快適にMicrosoft Flight Simulatorを楽しむために
Microsoft Flight Simulator Premium Deluxe Editionは、美しいグラフィックとリアルなフライト体験が魅力の反面、PCにかなりの負荷をかけるタイトルです。したがって、「Shader 6.7」問題に限らず、常にシステムの最適化が重要になります。
- 不要な常駐ソフトを切る:バックグラウンドで動くソフトが多すぎると、リソースを圧迫
- ストレージの空き容量を確保:フライトシムはデータ量が多く、ストレージも高速で空きが多い方が望ましい
- 冷却対策:ノートPCの場合、熱が原因でGPUが性能を発揮しきれないこともある
とくにMicrosoft Flight Simulatorは、継続的なアップデートで新機能やグラフィック向上が行われる場合があるため、定期的なメンテナンスとハードウェアの状態チェックが快適な空の旅を支える鍵となるでしょう。
結論:Shader 6.7エラーの本質と最終的な対策
Microsoft Flight Simulator Premium Deluxe Editionで「Shader 6.7が必要だがShader 6.5しかない」というメッセージが表示されるのは、突き詰めるとGPUまたはドライバーが最新のシェーダーモデルをサポートしていないことが原因です。単純にShaderファイルをダウンロードして置き換える方法は存在せず、最終的には以下のいずれかの対応が必要となります。
- ドライバーやWindowsを最新化する:サポートされるはずのGPUであれば、これで問題解決することが多い
- Boot Camp環境なら非公式ドライバーを試す:Apple公式ドライバーが古い場合でも、新しいドライバーで対応可能なケースがある
- GPUやPC自体をアップグレード:古いGPUでは対応できないため、新しいハードウェアを導入する
- Xboxや他の環境でのプレイを検討:PCでの自由度を活かしたい場合はハードウェア投資が必須だが、妥協策としてXboxを使う手もある
以上のポイントを踏まえ、快適なフライト生活を手に入れてください。雲の上から眺める世界は素晴らしく、その体験を損なわないよう、まずはシステムを万全に整えて臨みましょう。
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