Xbox Series X/Sは、高いパフォーマンスと豊富なゲームラインナップを特徴とする人気のゲーム機です。その一方で、PCゲーマーとしては、すでにEpic GamesやEA、Ubisoft Connectなどのランチャーを通じて購入したゲームを、Xboxでも同じように遊べないかと考える方も多いでしょう。今回は、PC版のゲームをXbox Series X/Sでプレイするためのポイントや注意点、そして「Xbox Play Anywhere」対応タイトルなどについて、詳しく解説していきます。
PC版ゲームをXbox Series X/Sで遊ぶための基本的な考え方
PC用として購入したゲームを、Xbox Series X/Sで“そのまま”遊ぶのは原則として難しいのが現状です。これは、ゲームのライセンスやストアの仕組みが異なることが大きく関わっています。以下では、どうして同じゲームであってもPC版とXbox版とでライセンスが共有されないのか、その理由を見ていきましょう。
ライセンスの違い
PC版とXbox版では、同じタイトルでも販売元や販売形態が異なる場合があります。とくに、Epic GamesやEA、Ubisoft Connectといった独自ランチャーを提供しているプラットフォームでは、それぞれが独自の販売・認証システムを用いているため、Microsoft StoreやXboxのシステムと連携していないことがほとんどです。
インストール経路や動作環境の違い
PC版ゲームはWindowsを前提として開発・動作検証が行われ、Xbox版ゲームはXbox OS(Windowsベースではあるもののコンソールに最適化された独自環境)で動作するように作られています。Xboxの環境でPC版向けランチャーを動かそうとしても、インストールパッケージやライブラリが対応していないため、そのまま利用することはできません。
「Xbox Play Anywhere」とは?
PC版とXbox版の垣根を超えてゲームを楽しめる特別な仕組みとして、Microsoftが提供している「Xbox Play Anywhere」があります。この仕組みを活用すれば、対応タイトルに限り、1回の購入でWindows 10/11版とXbox版の両方をプレイできるメリットがあります。
Xbox Play Anywhereの仕組み
「Xbox Play Anywhere」対応タイトルは、Microsoft Store(Windows)およびXbox Store(コンソール)で同じアカウント(Microsoftアカウント)を使って購入すると、PC版とXbox版のライセンスが共有されます。たとえば、Windows 10/11版のForza HorizonをMicrosoft Storeでデジタル購入すると、追加費用なしでXbox Series X/S(あるいはXbox One)のForza Horizonもダウンロード・プレイできます。
Play Anywhere対応かどうかの確認方法
「Xbox Play Anywhere」対応かどうかは、ゲーム購入ページに明示されていることが多いです。Microsoft StoreやXbox公式サイトのゲーム商品ページに「Xbox Play Anywhere」というアイコンやテキストが記載されているため、購入前にチェックするとよいでしょう。以下のような手順で確認できます。
- Microsoft Storeアプリ(またはWeb版)を開く
- ゲーム名で検索
- 商品ページに移動
- 説明文のなかに「Xbox Play Anywhere」の表記があれば対応
また、公式サイト( https://www.xbox.com/games/xbox-play-anywhere )にアクセスすると、Play Anywhere対応タイトルの一覧が掲載されている場合もあります。
Play Anywhereタイトルの例
以下は、「Xbox Play Anywhere」に対応している代表的なタイトルの一例です。
- Forza Horizon シリーズ
- Gears of War シリーズ
- Halo: The Master Chief Collection
- Minecraft(ベースゲームはPlay Anywhere非対応だが、Bedrock版はアカウント共有が可能なケースがある)
PCのランチャー(Epic Games、EA、Ubisoft Connect)とXboxの互換性
Epic GamesやEA、Ubisoft Connectなどのランチャーで買ったPCゲームを、そのままXboxで遊ぶ手段は現在のところ提供されていません。これは単純に動作環境の違いだけではなく、販売・配信プラットフォームとしての仕組みが統合されていないためです。
各PCプラットフォームの特徴とXbox互換性比較
下表に、主なPCゲームプラットフォームとXbox Series X/Sでの対応状況をまとめました。
PCプラットフォーム | Xbox Series X/Sでの利用可否 | 備考 |
---|---|---|
Microsoft Store | ◎(Play Anywhere対応タイトルのみ) | XboxとMicrosoftアカウントが連携しているため、Play Anywhere対応の場合はPC版とXbox版を1回の購入で行き来可能。 |
Epic Games Store | ×(公式サポートなし) | Xbox上にEpic Gamesランチャーをインストールする方法は提供されていないため、別途Xbox版を購入する必要がある。 |
EA App (Origin) | ×(公式サポートなし) | EA PlayなどのサブスクリプションをXboxで利用することは可能だが、PC版のライセンスをXbox版に直接引き継ぐことは不可。 |
Ubisoft Connect | ×(公式サポートなし) | Ubisoft+のサブスクリプションがXbox向けに存在するが、Ubisoft Connect版PCライセンスをXbox版に移行することは不可。 |
Steam | ×(公式サポートなし) | Steamライブラリは基本的にXboxには移行できない。Steam版とXbox版はライセンスが別扱い。 |
上記のように、現状でPC版のライセンスをXboxに引き継ぐ仕組みが整っているのは、Microsoft Store版の「Play Anywhere」タイトルに限られます。その他のプラットフォーム(Epic Games、EA、Ubisoft Connect、Steamなど)については、そのままXboxで遊ぶことはできません。
クラウドゲーミングの可能性と制限
近年、クラウドゲーミングの普及により「ハードウェアを問わず好きなゲームをどこでも遊べる」世界観が少しずつ実現しつつあります。たとえば、Xbox Game Pass Ultimateには「Xbox Cloud Gaming」が含まれており、クラウド上のゲームサーバーで処理された映像をストリーミング再生することで遊ぶ仕組みです。
Xbox Cloud Gamingで遊べるタイトル
「Xbox Cloud Gaming」に対応しているタイトルであれば、対応デバイス(PC、スマートフォン、タブレット、あるいは一部のSmart TVなど)のブラウザやアプリを通じて利用可能です。ただし、対応タイトルに限られるため、クラウド版ですべてのXboxゲームが遊べるわけではありません。さらに、クラウドゲーミングはあくまで“Xbox版のゲームをクラウドから提供している”ため、PC版のライセンスとは別枠となる点にも注意が必要です。
他社クラウドゲーミングとの連携
GeForce NOWやAmazon Lunaなど、他社のクラウドゲーミングサービスを介してPC版ゲームをストリーミングできるプラットフォームもあります。しかし、Xbox Series X/S自体に専用アプリとして導入できるわけではなく、XboxのEdgeブラウザ経由で一部サービスを利用できるかもしれませんが、公式にはサポートされていないことが多いです。実際に動作するかどうかは非常に限定的で、安定性も保証されないため、現実的な方法とは言えません。
アカウント連携とクロスプラットフォーム要素
PC版とXbox版がまったく連携しないわけではありません。ゲームによっては「クロスプレイ」「クロスセーブ(クロスプログレッション)」に対応しており、プラットフォームを変えても同じ進行データを使ったり、オンラインプレイで他プラットフォームのプレイヤーとマッチングしたりできます。ただし、以下のようにライセンスの共有とは切り離されているケースが大半です。
クロスプレイとクロスセーブの例
- Fortnite(Epic Games)
PC版とXbox版のアカウントをEpicアカウントで紐づけることで、レベルやアイテムなどの進行状況を共有可能。ただしゲーム自体のライセンスは基本無料タイトルなので、Xboxでも追加購入の必要はない。 - Call of Duty シリーズ
PC、Xbox、PlayStation間でのクロスプレイをサポート。ただしゲーム本体は各プラットフォームで購入する必要がある。アクティビジョンアカウント連携により進行状況やアセットの同期が可能。 - Destiny 2
Bungieアカウント連携により、クロスセーブを実現。異なるプラットフォーム間でもキャラクターを共有できるが、ゲーム本編や拡張コンテンツのライセンスは別々に必要。
上記のように、クロスプレイやクロスセーブはゲーム内の進行状況やアセットを共有するための仕組みであり、あくまでも「Xbox版のライセンスが無料になる」わけではありません。PC版で遊んでいるタイトルをそのままXboxに持っていくには、Xbox版も追加で入手する必要がある場合が大半です。
XboxでPC版を遊びたいときに検討すべきポイント
ここでは、「どうしてもPC版のゲームをXboxで動かすことはできないのか」と考えたときに、現実的にどんな選択肢があるのかを整理してみましょう。
1. あらためてXbox版を購入する
最もシンプルかつ確実な方法です。同じタイトルであっても、Xbox版として別途購入し直すことで、Xbox上で問題なくプレイできます。セール時期やサブスクリプションサービス(Xbox Game Passなど)を活用することで、比較的低コストでタイトルを揃えることも可能です。
2. Microsoft Store(Play Anywhere対応)版を利用する
すでにMicrosoft Store版のPCゲームを購入しており、それが「Xbox Play Anywhere」に対応しているなら、追加の費用は不要でXbox版をダウンロードしてプレイできます。対応タイトルが限定的ではありますが、対応していれば大いに活用すべき仕組みです。
3. PCを経由したリモートプレイ(ストリーミング)を行う
直接Xbox上で動かす方法ではありませんが、PCで起動しているゲームをXboxやテレビ画面にストリーミングするという手段も考えられます。たとえば、Windows 10/11の「ゲームストリーミング」機能やSteam Linkアプリを使うことで、同じネットワーク内にいる限り、大画面でプレイする感覚を得ることができます。ただし、ストリーミングのため多少の遅延が発生したり、Xboxのコントローラー連携が面倒になったりといった制限もあるため、快適性の面では本命ではないかもしれません。
具体的な事例:コードを用いたMicrosoft Storeのゲーム情報確認
実際にWindows PowerShellを使って、Microsoft Storeのゲーム情報を検索する簡単な例を示します。以下のコードはあくまで概念的な例であり、環境によっては動作しない場合もありますが、ゲームのIDや詳細情報を取得する参考になります。
# Microsoft Storeのアプリ情報を検索する例(概念的サンプル)
# 実行時には適切なモジュールや権限が必要な場合があります。
# 検索したいアプリ名を変数に格納
$appName = "Forza Horizon"
# Store Brokerモジュールがある場合に限り、検索コマンドを試みる
# 実際にはPSGallery等から追加のモジュールを導入する場合があるため、注意が必要
Get-AppxPackage -Name *$appName* |
ForEach-Object {
"パッケージ名: " + $_.Name
"パッケージフルネーム: " + $_.PackageFullName
"バージョン: " + $_.Version
"パブリッシャー: " + $_.Publisher
""
}
上記のように、Storeアプリケーション名を大まかに指定してインストールされているパッケージを検索すれば、ゲームがインストールされているかどうかなどの情報を取得できます。ただし「Xbox Play Anywhere」に対応しているかどうかの情報を直接コマンドラインで取得するのは難しいため、最終的にはやはり公式のストアページやゲーム情報ページで確認するのが確実です。
購入プラットフォームごとの注意点
PCゲームプラットフォームは数多く存在しますが、メジャーなものに関する注意点を改めて整理してみましょう。
Epic Games
- 大手ディベロッパーやインディーゲームが数多くラインナップされている
- Fortniteなど一部タイトルはクロスプラットフォームに対応し、アカウント連携で進行度を共有可能
- ただしXbox上にEpic Gamesランチャーを導入する公式手段はないため、Xbox版として入手し直す必要あり
EA App(Origin含む)
- FIFAやBattlefield、The Simsなどの人気シリーズが豊富
- EA PlayをXboxで利用可能だが、PC版で所有しているタイトルをそのままXboxで起動することはできない
- EAアカウントによるクロスプレイやクロスセーブが部分的に対応しているタイトルもあるが、ライセンスは別途購入が前提
Ubisoft Connect
- Assassin’s CreedやFar Cry、Watch Dogsなどの大作が多数
- Ubisoft+として月額サブスクリプションを提供しており、Xbox向けにも存在するプランがある
- しかし、PC版の購入タイトルをXbox版に移行する仕組みはない
- UbisoftアカウントとXbox Liveアカウントを連携することでクロスプレイ要素を活用できる場合もあるが、ライセンスは共有されない
Steam
- PCゲーマーにとって最大手のプラットフォーム
- Steam版とXbox版はライセンスが完全に別扱い
- 一部のタイトルはクロスプレイやクロスセーブに対応しているが、やはり本体のライセンスは各プラットフォームで購入が必要
「無料プレイ可能なゲーム」と「基本無料だがアイテム課金型のゲーム」
ライセンスに関わる話題で見落としがちなのが、いわゆる「Free-to-Play(基本無料)」のタイトルです。たとえば、Apex Legends、Fortnite、Warframeなどは無料ダウンロードで遊べるので、PC版もXbox版も同じアカウントであれば追加料金なしでプレイできます。
ただし、アイテム課金やシーズンパスなど課金要素に関しては、プラットフォームごとに課金形態やサブスクリプションの扱いが異なる場合があります。また、一部ゲームではXbox Live Gold(またはGame Pass Ultimate)加入者でないとオンラインプレイができない場合もあるので、各タイトルの情報を事前にチェックしておくとよいでしょう。
トラブルシューティングとよくある質問
最後に、実際にXboxでPC版ゲームを遊びたいと考えた際にありがちな疑問やトラブルシューティングをまとめます。
Q1: XboxにEpic Gamesランチャーをインストールする方法はある?
A1: 現在のところ公式には存在しません。開発者向けの抜け道やテストモードを使った非公式の方法を探す人もいますが、サポート対象外でありアカウントBANなどのリスクも伴うため推奨できません。
Q2: PC版で購入したDLCはXbox版にも適用される?
A2: 基本的には適用されません。DLCやシーズンパスもゲーム本体と同様にプラットフォームごとでライセンス管理されています。一部のPlay Anywhere対応タイトルでは共有される場合があるので、公式情報を要チェックです。
Q3: Xbox Play Anywhere対応タイトルなのにゲームが表示されない
A3: 同じMicrosoftアカウントでログインしているか確認してください。PC側で別のアカウントを使って購入したり、地域設定が異なると表示されないことがあります。また、対応プラットフォームのOSバージョンやストアアプリの更新状況を確認することも大事です。
まとめ:最適な遊び方を選択しよう
PC版のゲームをそのままXbox Series X/Sで遊ぶには、ライセンスやストアの仕組みがネックとなるため、現状では「Xbox Play Anywhere」に対応していない限り移行はできないのが実情です。一部の基本無料ゲームやクロスプラットフォーム対応ゲームであれば、PCとXboxの間でアカウント連携による進行度共有が可能ですが、ゲーム自体をプレイするにはXbox版の取得が必要なケースがほとんどです。
一方で「Xbox Play Anywhere」に対応したタイトルは、1回の購入でPCとXboxの両方で楽しめるうえ、進行度や実績も共通化されるため、非常に便利です。もし「Microsoft Storeで買っておけばよかった……」と感じる場合は、今後新作タイトルを購入する際にPlay Anywhere対応かどうかを事前に確認しておくと、将来的にXboxでのプレイに切り替えたいときにスムーズです。
さらに、Xbox Game Passなどのサブスクリプションサービスを利用するのも手です。定額サービスの対象に含まれるタイトルであれば、追加費用なしでXbox版を楽しめる場合があります。ただし、ラインナップは入れ替えがあるため、目当てのゲームがいつでもプレイできるとは限りません。
総合的に見ると、PCゲームをXboxで楽しむには「ライセンスの再購入(Xbox版の購入)」「Play Anywhere対応タイトルを選ぶ」「サブスクリプションサービスを活用する」といった複数の選択肢があります。自分の遊びたいゲームやプレイスタイル、そして予算に応じて最適な方法を探してみることがおすすめです。
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