Xbox「60FPS+」とFPS Boostの違いを徹底解説!快適ゲーミングのポイントは?

さまざまなゲーム機が高性能化していく中で、フレームレートの向上はゲームプレイの快適さを左右する大きな要素となっています。Xboxシリーズでは、後方互換や追加機能により旧作でも高フレームレートを実現する取り組みが進んでいます。そんな中で登場する「60FPS+」という表記と、Xbox Series X/Sの「FPS Boost」が同じものなのかどうかは意外と知られていません。今回は、これらの違いや、ゲームをより快適に楽しむためのポイントを詳しくご紹介します。

「60FPS+」とは何か

「60FPS+」という表記を見かけると「Xbox Series X/SのFPS Boost機能に対応しているのでは?」と想像しがちです。しかし、この「60FPS+」はゲームタイトルそのものが標準で60FPS以上に対応していることを示す表記であり、Xbox OneからSeries X/Sに至るまで、ハードに依存せず利用できる仕様である場合がほとんどです。
ここではまず、「60FPS+」がどのような意味を持ち、なぜゲーム開発者や配信プラットフォームがこの表記を行うのか、その背景を探っていきましょう。

表記の狙いと意義

「60FPS+」という表記は、多くの場合「フレームレートが60fpsを上回る可能性がある」というアピールです。以下のような意図が含まれています。

  • 快適さのアピール:高フレームレートは画面の滑らかさに直結し、アクションゲームやFPS(First Person Shooter)では操作性の向上にもつながります。
  • ゲームの技術力・最適化度合いの指標:60fpsを超える描画を実現するには、それなりの最適化やエンジンの性能が必要です。
  • ユーザーニーズへの対応:モニターやテレビ側が高リフレッシュレート(120Hzや144Hzなど)に対応していれば、よりスムーズな動きが期待できるため、ユーザーの要望に応えることが可能になります。

「60FPS+」という表記があるゲームの場合は、基本的に機種に依存せず60FPS以上の出力ができる可能性が高いわけです。もちろん、実際のフレームレートはハードの性能や解像度の設定、ゲーム内の負荷状況によって変動しますが、「60FPS+」という表記そのものはXbox Series X/Sだけの特権ではなく、Xbox Oneなどの世代でも動作する場合があります。

Ultimate Custom Nightの例

具体的な例としてよく挙げられるのが「Ultimate Custom Night」です。ホラー要素を含む独特なゲームですが、Xbox版では「60FPS+」と表記されています。実際、このゲームは比較的軽量な処理負荷で動作するため、Xbox Oneでも60fpsを超える動作が見込めます。さらにXbox Series X/Sのようなより高性能なハードウェア環境では、フレームレートがより安定しやすくなるため、理論上は「60FPS+」をより体感しやすいというわけです。

注意点: フレームレートの安定性

「60FPS+」はあくまで「最高出力の目安」です。ゲームによっては60fps以上を出せる状況が限定的だったり、処理の重い場面ではフレームレートが落ち込むことがあります。特にXbox Oneでは瞬間的に負荷が上がるとフレームレートが低下してしまうケースも考えられます。
Xbox Series X/Sであれば、その余力によって高いフレームレートをより安定させやすいというメリットがあるものの、「60FPS+」という表記だけでは一定の安定を保証するものではありません。あくまでゲームそのものが設計として60fps以上を目指しており、それをハード側も十分サポートしているという状況を示す程度の意味合いです。

FPS Boostとは何か

一方の「FPS Boost」は、Xbox Series X/Sの後方互換機能をさらに強化し、Xbox One向けに開発された既存タイトルのフレームレートを向上させるための公式な追加機能です。シリーズX/S本体での処理性能向上を活かして、フレームレートを2倍や4倍に増加させることで、旧世代のゲームをより快適にプレイできるようにする狙いがあります。

FPS Boostのメカニズム

FPS Boostの仕組みは、ゲーム開発会社側で特別なパッチを提供するのではなく、Xboxの互換チームがハードウェアレベルでフレームレートを引き上げる点に特徴があります。下位互換のシステム上で動かす際に、ソフトウェアとハードウェアの両面から特殊な処理を行い、ゲームの描画フレームを増加させるのです。

  • ハードウェアの性能向上:Xbox Series X/SのCPU・GPU性能がXbox Oneに比べ大幅に向上しているため、単純に負荷をさばける余裕がある。
  • 互換チームの独自技術:ゲームの動作ロジックを変更することなく、可能な限りフレームを倍増、あるいは4倍に引き上げる技術が裏側に組み込まれている。
  • 開発者の再調整が不要:開発元がアップデートを行わなくても、公式機能としてXbox Series X/S側でフレームレートをアップさせられるのが強み。

ただし、すべてのXbox One向けタイトルがFPS Boostに対応しているわけではなく、互換チームによる個別検証と許可が必要になるため、対応リストに載っていないゲームはFPS Boostを利用できません

FPS Boost対応タイトルの見分け方

Xbox公式サイトなどで公開されている「FPS Boost対応ゲーム一覧」を確認するほか、Xbox本体でゲームを起動するときに「互換性オプション」が選択可能になる場合があります。対応していれば、設定画面からFPS Boostを有効に切り替えられる仕様になっています。
特にゲームによっては、FPS Boostをオンにすると解像度が下がる場合もあるため、高フレームレートと解像度のどちらを優先するかユーザーが選べるようになっているケースもあります。

60fps以外への拡張

実はFPS Boostは60fpsどまりではなく、場合によっては120fpsにまでフレームレートを上げられる作品も存在します。最新のテレビやゲーミングモニターでは120Hzや144Hzのリフレッシュレートに対応しているものがあるため、ゲーム機側が120fpsを実現することで、より一層なめらかな動きを楽しめるわけです。
こうしたフレームレートのさらなる拡張はXbox One世代では実現が難しく、Xbox Series X/Sの高性能CPU・GPUがあってこそ可能になる恩恵です。

「60FPS+」とFPS Boostの違いを比較

ここで、一目で理解しやすいように「60FPS+」と「FPS Boost」を表形式で比較してみましょう。

比較項目60FPS+FPS Boost
定義ゲーム自体が標準で60fps以上を出せる設計互換機能で旧世代タイトルのフレームレートを上げる公式機能
対応機種Xbox One、Xbox Series X/Sなど主にXbox Series X/S(Xbox Oneには非対応)
公式サポートの有無開発元や配信プラットフォームが明示することが多いMicrosoft公式によるサポート(互換チームが個別に対応)
開発者の再調整ゲーム本編であらかじめ高フレームを想定している追加パッチ不要(互換チームによるハードレベルの実装)
フレームレート上限ゲームによって60fps、120fps、144fpsなど様々(環境依存)タイトル次第で2倍、4倍に増加(最大120fps対応もあり)
安定性ハード性能やゲーム負荷によっては大きく変動するSeries X/Sの高性能を活かして高フレームを安定させやすい
利用可能な条件対応ゲームを普通に起動すればOK対応タイトルの場合は互換性オプションから切り替えが可能
主な注意点「60FPS+」はあくまで最大値の指標。実際のフレームレートは下がる場合あり対応リスト外タイトルには適用不可。解像度低下の場合もある

この表を見ても分かるように、「60FPS+」はゲーム自体の設計による高フレームレート対応を示す一方、FPS Boost互換機能の一環として旧世代タイトルのフレームレートを強化するという目的で生まれたものです。両者は似たような高フレームレートが楽しめるという点で混同されがちですが、仕組みも適用範囲もまったく異なります。

「60FPS+」がXbox Oneでも利用できる理由

「60FPS+」と表記されているタイトルであれば、ハードに依存しない形でもともと60fps以上のフレームレートが出せる設計になっています。ゲームエンジンが内部でフレームレートを可変にしていたり、ロックをかけていなかったりするケースであれば、Xbox Oneでも60fps以上が期待できる場合があるのです。
つまり、「60FPS+」の恩恵はXbox Series X/Sに限ったことではなく、Xbox One世代でも適用される可能性があります。もちろん、実際にはハードの余力によって安定度が左右されるので、シリーズX/Sのほうがより高いフレームレートを確保しやすいのは事実ですが、「60FPS+」自体がSeries X/S専用のラベルではない点に注意が必要です。

フレームレート上限と可変フレームレートの仕組み

多くのゲームエンジンには、60fpsや120fpsで動作する上限値を設定できる機能があります。あるいは完全にフレームレートをアンロック(制限なし)にして、ハードウェアが出せるだけフレームレートを出す方法を取るタイトルも存在します。このように、ゲーム設計上で「60FPS+」を目指すこと自体は難しくはありません。
ただし、可変フレームレートを採用している場合、特にXbox Oneのように性能がSeries X/Sほど高くない機種では負荷の重いシーンでフレームレートが落ちやすくなります。ゲーム設計者が想定する“最低限のプレイアブルなフレームレート”は30fps付近であることも多いです。そのため、軽量なシーンで60fpsを超えることはあっても、負荷がかかるシーンでは30~40fpsに落ち込むといった波が生じるのが一般的です。

実例: ファイナルファンタジーXVの状況

「ファイナルファンタジーXV」はXbox One時代に発売され、フレームレートが可変で動作していましたが、常時60fpsを維持するのは難しい状況でした。ところが、Xbox Series X/Sでプレイすると、処理能力が向上した結果、より高いフレームレートを安定して出せるようになったのです。
このようにXbox Series X/Sなら、同じゲームでもフレームレートをより高く維持しやすいという特徴がありますが、それは「60FPS+」の表記そのものがSeries X/S専用であることを意味するわけではありません。

FPS Boostと「60FPS+」が重なるケース

場合によっては、ゲームがもともと「60FPS+」に対応しており、かつFPS Boostの対象にもなっているケースがあります。このような場合には、Xbox Series X/S本体において、さらにフレームレートが引き上げられたり、より安定した動作が期待できる可能性があります。
ただし、すでにゲームエンジンが60fpsを原則として設計されているタイトルであれば、FPS Boostによって120fpsに拡張されるかどうかはタイトルの対応状況次第です。FPS Boostはあくまで公式互換チームが個別に検証・調整を行うため、全タイトルで120fps対応になるわけではありません。

混在環境のメリットとデメリット

  • メリット: もともと「60FPS+」対応のゲームがFPS Boost対象になると、描画がさらにスムーズになり、Xbox OneよりもSeries X/Sで遊ぶことで性能をフルに引き出せる可能性があります。
  • デメリット: 一部タイトルでは、FPS Boostを適用すると解像度や一部グラフィック要素が低下するケースがあります。グラフィックスクオリティ重視でプレイしたいか、フレームレート重視でプレイしたいかをユーザーが選択する必要があります。

高フレームレートを活かすためのヒント

「60FPS+」や「FPS Boost」で実際に高いフレームレートを楽しむためには、いくつかのポイントを押さえるとさらに快適になります。

1. ディスプレイのリフレッシュレートを確認する

テレビやゲーミングモニターのリフレッシュレートが60Hzなのか、120Hzや144Hz対応なのかで、体感できる滑らかさが変わります。

  • 60Hzのディスプレイ: 60fpsが最大限活きる環境。
  • 120Hz/144Hz対応ディスプレイ: 120fps以上のフレームレートにも対応できるので、FPS Boostで120fpsが出るタイトルであれば、さらになめらかさを感じられます。

2. ゲーム内設定や互換オプションを見直す

FPS Boostが適用できる場合は、Xboxの設定から「互換オプション」を確認してオン/オフを切り替えてみましょう。また「60FPS+」対応のゲームでも、ゲーム内設定でフレームレートを“アンロック”にできるオプションがあるかもしれません。

  • フレームレートのロック解除: デフォルトで30fpsや60fpsにロックされている場合、アンロックすると理論上はさらに高いフレームレートを目指せます。
  • 解像度調整: フレームレートを優先する場合、解像度をやや低めに設定して負荷を下げると、フレームレートが安定しやすくなるケースがあります。

設定例

# これは架空の設定ファイル例です
# ゲームによって設定方法は異なります

graphics:
  resolution: 1920x1080    # フルHDに設定
  vsync: off               # 垂直同期をオフにする(画面のティアリングに注意)
  framerate_limit: 120     # 最高120fpsに設定(モニターが対応していれば効果大)

performance:
  texture_quality: medium  # テクスチャ品質を中程度に設定
  shadows: medium
  post_process: low

上記はあくまで一例ですが、もしゲーム側で高フレームレートを許容しているならば、フレームレートリミットを上げたり垂直同期を切ったりすることで、実際のフレームが60fps以上に達する可能性が高まります。

3. 環境のメンテナンス

本体側やストレージに溜まった不要なデータを整理するなど、システム負荷を下げる工夫も重要です。特にXbox Series X/Sでは高速SSDが搭載されているため、ゲームデータのアクセス速度が向上しており、ロード時間の短縮だけでなくフレームレートの安定にも寄与する場合があります。
ソフトウェアアップデートや互換パッチが配信されたらこまめに適用し、新機能や最適化を逃さないようにしておきましょう。

結論: 「60FPS+」とFPS Boostは別物

ここまで見てきたように、「60FPS+」とFPS Boostは同じ“フレームレート向上”でも意味がまったく異なることが分かります。

  • 「60FPS+」
  • ゲーム自体が高フレームレート対応の設計。
  • Xbox One、Xbox Series X/Sいずれでも恩恵を受けられる(ハード性能で実測値は変動)。
  • FPS Boost
  • Xbox Series X/Sの公式互換機能。旧世代向けゲームのフレームレートを底上げする仕組み。
  • 開発元のパッチ不要。互換チームによるタイトル個別対応。
  • Xbox Oneでは利用不可。Series X/S専用のハードレベル対応。

つまり、もし「60FPS+」と記載されたゲームであれば、Xbox Oneでも理論上60fps以上が出る設計となっており、FPS Boost対応の有無とは別軸で考える必要があります。Ultimate Custom Nightのような軽量なタイトルであれば、Xbox Oneでも60fps以上が期待できますが、Series X/Sであればそのフレームレートをより安定かつ高い水準で楽しめる可能性があるわけです。

まとめ: 自分のゲーム環境に合った選択を

最終的に、自分がどの機種を使っていて、どのタイトルをメインにプレイしたいのかによって、フレームレートの向上策は変わります。Xbox Oneしか持っていないなら「60FPS+」対応タイトルの中でも軽快に動作するゲームを選ぶことで、相応にメリットを得られます。一方、Xbox Series X/Sを持っているならFPS Boost対応タイトルが増えるたびに、過去のゲームを新鮮な感覚で遊び直す楽しみを体験できます。
ゲームの表記に「60FPS+」とあっても、それがFPS Boostによるものかは別問題なので、「公式リストに載っているか」「ゲームの互換オプションが有効化できるか」を確認する習慣を付けましょう。ハードの世代を超えて楽しめる幅が広がるのが、Xboxシリーズの後方互換環境の魅力です。

今後の展望: 高フレームレートの標準化

近年はPCゲームを中心に144Hzや240Hz対応といった“超高フレームレート”が当たり前になりつつあります。コンシューマー機であるXboxにおいても、Xbox Series X/Sの登場でフレームレートがより重要視される時代が来ています。
将来的にはさらに多くのタイトルが120fpsやそれ以上に対応し、FPS Boostの必要がなくとも標準で高フレームレートを維持できるようになる可能性は十分あります。とはいえ、既存の名作・旧作をより快適に楽しめるFPS Boostの価値も、今後しばらくは揺らぐことなく、Xboxの大きなセールスポイントになり続けるでしょう。

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