Go言語で学ぶ!testifyを使ったアサーションの基本と活用法

Go言語は、そのシンプルさと効率性から多くの開発者に愛されるプログラミング言語です。しかし、ソフトウェア開発においてコードの品質を確保するためには、しっかりとしたテストが欠かせません。Go標準ライブラリのtestingパッケージはシンプルで強力ですが、大規模なプロジェクトや複雑なテストケースでは、より高度なアサーションやモック機能が必要となる場合があります。ここで役立つのがtestifyライブラリです。
testifyは、コードのテストを簡潔かつ直感的に記述できるように設計されており、開発者がテストに費やす時間を大幅に削減します。本記事では、Go言語でのテストを効率化し、コードの信頼性を向上させるためにtestifyライブラリを活用する方法を解説します。

目次
  1. `testify`ライブラリの概要
    1. アサーションパッケージ (`assert`)
    2. モックパッケージ (`mock`)
    3. スイートパッケージ (`suite`)
    4. `testify`が選ばれる理由
  2. `testify`をインストールする方法
    1. 事前準備
    2. インストール手順
    3. テストコードでの利用
    4. 依存関係の管理
  3. 基本的なアサーションの種類と使い方
    1. 等価性の確認
    2. 非等価性の確認
    3. 値が`nil`かどうかの確認
    4. スライスやマップの要素確認
    5. 条件の真偽を確認
    6. エラーの存在確認
    7. アサーションを使う利点
  4. 複雑なテストケースでのアサーションの適用例
    1. 構造体のフィールド比較
    2. スライスの順序と内容の検証
    3. スライスの部分一致
    4. エラーチェックと型の確認
    5. 条件付きテスト
    6. JSONデータの検証
    7. まとめ
  5. カスタムメッセージを使ったエラーのデバッグ
    1. カスタムメッセージの基本
    2. カスタムメッセージの活用例
    3. スライスやマップのエラーメッセージ
    4. エラーが発生するシナリオをデバッグ
    5. まとめ
  6. テーブル駆動テストで`testify`を活用する
    1. テーブル駆動テストの基本構造
    2. テーブル駆動テストのメリット
    3. `testify`を活用した具体例
    4. テーブル駆動テストの注意点
    5. まとめ
  7. `mock`パッケージを使ったモックテストの導入
    1. モックとは
    2. モックの基本的な作成方法
    3. モックの検証
    4. 実践例: Webサービスのモック
    5. モックテストのメリット
    6. まとめ
  8. 他のテスティングライブラリとの比較
    1. `testify`の特徴
    2. `Ginkgo`との比較
    3. `GoMock`との比較
    4. `Convey`との比較
    5. 用途別の選択ガイド
    6. まとめ
  9. まとめ

`testify`ライブラリの概要


testifyは、Go言語のテストを強化するためのオープンソースライブラリです。テストの簡潔化を目的として設計されており、以下の3つの主要なパッケージを提供します。

アサーションパッケージ (`assert`)


コードの挙動を検証するための豊富なアサーションメソッドが用意されています。例えば、値の等価性やエラーの存在、スライスやマップの内容比較など、簡潔に記述できる機能を提供します。

モックパッケージ (`mock`)


依存関係のあるコードをテストする際に役立つモックオブジェクトを生成できます。これにより、外部リソースに依存しないユニットテストを作成できます。

スイートパッケージ (`suite`)


テストケースをグループ化して整理できる機能を提供します。これにより、より複雑なテストを効率的に管理できます。

`testify`が選ばれる理由

  1. 直感的な操作性: テストケースが簡潔に記述できるため、コーディングに集中できます。
  2. 豊富な機能: 標準のtestingパッケージを補完し、テストの表現力を大幅に向上させます。
  3. コミュニティの支持: 多くのGo開発者に利用されており、十分なサポートとドキュメントが提供されています。

次のセクションでは、testifyを実際にインストールする手順について解説します。

`testify`をインストールする方法


Goプロジェクトでtestifyライブラリを使用するには、まずインストールを行う必要があります。以下に、簡単な手順を説明します。

事前準備

  1. Goがインストールされていることを確認してください。go versionコマンドでインストール済みのバージョンを確認できます。
  2. テストを行いたいGoプロジェクトのディレクトリに移動します。

インストール手順

  1. 以下のコマンドを実行して、testifyをインストールします:
   go get github.com/stretchr/testify

このコマンドにより、testifyライブラリがGoの依存関係に追加されます。

  1. モジュールファイルを確認します。go.modファイルにtestifyが追加されていることを確認してください:
   require github.com/stretchr/testify v1.x.x

テストコードでの利用


インストール後、以下のようにtestifyをインポートして使用します:

package main

import (
    "testing"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

func TestExample(t *testing.T) {
    result := 2 + 2
    assert.Equal(t, 4, result, "結果が期待値と一致しません")
}

依存関係の管理


プロジェクトの再現性を保つため、go mod tidyコマンドを実行し、不要な依存関係を整理しましょう。

これで、testifyを使用する準備が整いました。次のセクションでは、基本的なアサーションの使い方について学びます。

基本的なアサーションの種類と使い方


testifyassertパッケージは、テストの結果を簡潔に確認するための多彩なアサーションメソッドを提供します。以下では、よく使用されるアサーションを具体的な例とともに解説します。

等価性の確認


2つの値が等しいかどうかを確認する方法です。

package main

import (
    "testing"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

func TestEquality(t *testing.T) {
    result := 10
    expected := 10
    assert.Equal(t, expected, result, "結果が期待値と一致しません")
}

非等価性の確認


2つの値が等しくないことを確認する場合に使用します。

func TestNotEqual(t *testing.T) {
    result := 10
    unexpected := 20
    assert.NotEqual(t, unexpected, result, "結果が予期せぬ値と一致しました")
}

値が`nil`かどうかの確認


値がnilであること、またはnilでないことを検証します。

func TestNilCheck(t *testing.T) {
    var result interface{} = nil
    assert.Nil(t, result, "結果がnilではありません")

    result = "Hello"
    assert.NotNil(t, result, "結果がnilです")
}

スライスやマップの要素確認


スライスやマップが特定の要素を持つかを確認できます。

func TestContains(t *testing.T) {
    list := []string{"apple", "banana", "cherry"}
    assert.Contains(t, list, "banana", "スライスに'banana'が含まれていません")

    dictionary := map[string]int{"one": 1, "two": 2}
    assert.Contains(t, dictionary, "one", "マップに'one'が含まれていません")
}

条件の真偽を確認


任意の条件がtrueまたはfalseであることを検証します。

func TestBoolean(t *testing.T) {
    result := 5 > 3
    assert.True(t, result, "条件がtrueではありません")

    result = 2 > 3
    assert.False(t, result, "条件がfalseではありません")
}

エラーの存在確認


エラーオブジェクトが存在するか、または存在しないかをチェックします。

func TestError(t *testing.T) {
    var err error = nil
    assert.NoError(t, err, "エラーが発生しました")

    err = fmt.Errorf("sample error")
    assert.Error(t, err, "エラーが発生していません")
}

アサーションを使う利点

  • コードが簡潔になる
  • エラー発生時の原因が明確になる
  • テストケースの可読性が向上する

次のセクションでは、より複雑なテストケースでのアサーションの応用例について解説します。

複雑なテストケースでのアサーションの適用例


実際の開発では、単純な値の比較だけでなく、複雑なデータ構造や複数の条件をテストする必要があります。以下では、testifyのアサーションを活用して複雑なテストケースを効率的に記述する方法を解説します。

構造体のフィールド比較


構造体の内容を一括で比較することが可能です。

package main

import (
    "testing"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

type User struct {
    ID    int
    Name  string
    Email string
}

func TestStructEquality(t *testing.T) {
    expected := User{ID: 1, Name: "Alice", Email: "alice@example.com"}
    result := User{ID: 1, Name: "Alice", Email: "alice@example.com"}
    assert.Equal(t, expected, result, "構造体が一致しません")
}

スライスの順序と内容の検証


スライス全体の内容を検証することで、並び順まで正確にテストできます。

func TestSliceEquality(t *testing.T) {
    expected := []int{1, 2, 3, 4}
    result := []int{1, 2, 3, 4}
    assert.Equal(t, expected, result, "スライスが期待値と一致しません")
}

スライスの部分一致


スライスが特定の要素を含むかを確認します。

func TestSliceContains(t *testing.T) {
    result := []string{"Go", "Python", "JavaScript"}
    assert.Contains(t, result, "Python", "スライスに'Python'が含まれていません")
}

エラーチェックと型の確認


エラーが発生した場合にその型をチェックすることができます。

func TestErrorType(t *testing.T) {
    err := fmt.Errorf("sample error")
    assert.Error(t, err, "エラーが発生していません")
    assert.IsType(t, &fmt.wrapError{}, err, "エラーの型が一致しません")
}

条件付きテスト


複数の条件を一括で確認し、すべての条件が満たされることをテストします。

func TestMultipleConditions(t *testing.T) {
    result := 42
    assert.True(t, result > 40, "結果が40より大きくありません")
    assert.True(t, result < 50, "結果が50より小さくありません")
    assert.Equal(t, 42, result, "結果が42と一致しません")
}

JSONデータの検証


JSONの内容を解析してフィールドごとに比較できます。

import (
    "encoding/json"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

func TestJSONEquality(t *testing.T) {
    expected := `{"name":"Alice","age":30}`
    result := `{"age":30,"name":"Alice"}`

    var expectedMap, resultMap map[string]interface{}
    _ = json.Unmarshal([]byte(expected), &expectedMap)
    _ = json.Unmarshal([]byte(result), &resultMap)

    assert.Equal(t, expectedMap, resultMap, "JSONの内容が一致しません")
}

まとめ


testifyのアサーションを使えば、複雑な条件やデータ構造を簡潔にテストすることが可能です。次のセクションでは、カスタムメッセージを活用してデバッグを効率化する方法について解説します。

カスタムメッセージを使ったエラーのデバッグ


テストが失敗した場合、エラーの内容や発生場所を素早く特定することが重要です。testifyでは、カスタムメッセージを利用してエラーメッセージをより分かりやすくすることができます。これにより、デバッグが効率化されます。

カスタムメッセージの基本


assert関数には、可変長引数としてカスタムメッセージを追加することができます。このメッセージは、テストが失敗した場合に出力されます。

package main

import (
    "testing"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

func TestCustomMessage(t *testing.T) {
    result := 5
    expected := 10
    assert.Equal(t, expected, result, "計算結果が不正: 期待値=%d, 実際値=%d", expected, result)
}

出力例:

Error:       Not equal:  
             expected: 10  
             actual  : 5  
Messages:    計算結果が不正: 期待値=10, 実際値=5

カスタムメッセージの活用例

値の検証に追加情報を提供


複数の値を検証する場合、カスタムメッセージでテストの意図や失敗理由を明確にできます。

func TestValueWithDetails(t *testing.T) {
    actual := map[string]int{"apples": 3, "oranges": 5}
    expected := 4
    assert.Equal(t, expected, actual["apples"], "果物の在庫が異なります: apples=%d", actual["apples"])
}

条件付きテストでのデバッグ情報


条件を満たさない場合に詳細なデバッグ情報を出力します。

func TestConditionDebug(t *testing.T) {
    value := 15
    assert.True(t, value > 10 && value < 20, "値が範囲外: value=%d", value)
}

スライスやマップのエラーメッセージ


スライスやマップの比較では、カスタムメッセージを用いて異なる部分を特定できます。

func TestSliceComparison(t *testing.T) {
    actual := []int{1, 2, 3}
    expected := []int{1, 2, 4}
    assert.Equal(t, expected, actual, "スライスが一致しません: 実際値=%v, 期待値=%v", actual, expected)
}

エラーが発生するシナリオをデバッグ


エラーオブジェクトが期待通りでない場合にカスタムメッセージで原因を追求します。

func TestErrorDebug(t *testing.T) {
    err := fmt.Errorf("サーバーに接続できません")
    assert.Error(t, err, "接続エラーが発生しませんでした: %v", err)
}

まとめ


カスタムメッセージを活用することで、エラーの原因を素早く特定でき、テスト失敗時のトラブルシューティングが容易になります。次のセクションでは、テーブル駆動テストとtestifyを組み合わせた効率的なテスト方法を紹介します。

テーブル駆動テストで`testify`を活用する


テーブル駆動テストは、複数のテストケースを簡潔にまとめて管理するための手法です。Go言語の特徴であるシンプルな構造と、testifyライブラリのアサーションを組み合わせることで、効率的かつ読みやすいテストコードを実現できます。

テーブル駆動テストの基本構造


以下は、テーブル駆動テストの基本的な構造です。

package main

import (
    "testing"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

func Add(a, b int) int {
    return a + b
}

func TestAdd(t *testing.T) {
    // テストケースを定義
    tests := []struct {
        name     string
        inputA   int
        inputB   int
        expected int
    }{
        {"正の整数の加算", 2, 3, 5},
        {"負の整数の加算", -1, -1, -2},
        {"ゼロの加算", 0, 5, 5},
    }

    // テーブル駆動テストを実行
    for _, tc := range tests {
        t.Run(tc.name, func(t *testing.T) {
            result := Add(tc.inputA, tc.inputB)
            assert.Equal(t, tc.expected, result, "加算結果が期待値と一致しません")
        })
    }
}

テーブル駆動テストのメリット

  1. 簡潔さ: 複数のテストケースを1つのコードブロックで管理できます。
  2. 再利用性: 新しいテストケースを簡単に追加可能です。
  3. 可読性: 各テストケースに名前を付けることで、何をテストしているのかが明確になります。

`testify`を活用した具体例

条件付きテストの管理


複雑な条件を含む関数をテストする場合、テーブル駆動テストで効率化できます。

func IsEven(num int) bool {
    return num%2 == 0
}

func TestIsEven(t *testing.T) {
    tests := []struct {
        name     string
        input    int
        expected bool
    }{
        {"偶数", 4, true},
        {"奇数", 3, false},
        {"ゼロ", 0, true},
    }

    for _, tc := range tests {
        t.Run(tc.name, func(t *testing.T) {
            result := IsEven(tc.input)
            assert.Equal(t, tc.expected, result, "偶数判定が期待値と一致しません")
        })
    }
}

エラーの発生条件をテスト


エラーが特定の条件で発生するかを確認する場合もテーブル駆動テストが有効です。

func Divide(a, b int) (int, error) {
    if b == 0 {
        return 0, fmt.Errorf("ゼロで割ることはできません")
    }
    return a / b, nil
}

func TestDivide(t *testing.T) {
    tests := []struct {
        name     string
        a        int
        b        int
        expected int
        isError  bool
    }{
        {"通常の割り算", 10, 2, 5, false},
        {"ゼロ割り", 10, 0, 0, true},
    }

    for _, tc := range tests {
        t.Run(tc.name, func(t *testing.T) {
            result, err := Divide(tc.a, tc.b)
            if tc.isError {
                assert.Error(t, err, "エラーが発生しませんでした")
            } else {
                assert.NoError(t, err, "エラーが発生しました")
                assert.Equal(t, tc.expected, result, "割り算結果が期待値と一致しません")
            }
        })
    }
}

テーブル駆動テストの注意点

  1. テストケースの独立性を確保する: 各テストケースは他のケースに依存しないように記述します。
  2. エッジケースを含める: 普通のケースだけでなく、例外的な入力もテストケースに含めます。
  3. テストの命名規則を統一する: テストケースの名前はわかりやすく、意味が伝わるようにします。

まとめ


テーブル駆動テストは、複数の入力と出力を効率的にテストするための強力な手法です。testifyのアサーションと組み合わせることで、テストの信頼性と可読性を向上させることができます。次のセクションでは、mockパッケージを使ったモックテストの導入について解説します。

`mock`パッケージを使ったモックテストの導入


testify/mockパッケージは、依存関係のあるコンポーネントを模倣する「モック」を作成し、外部リソースに依存しないテストを可能にします。これにより、ユニットテストの効率性と独立性が向上します。

モックとは


モックは、テスト対象のコードが利用する外部コンポーネントやサービスの代替オブジェクトです。これにより、外部のデータベースやAPIにアクセスすることなく、期待される動作をシミュレートできます。

モックの基本的な作成方法

以下は、mockパッケージを使用してモックを作成する基本的な例です。

ステップ1: インターフェースの定義


モック化する対象のインターフェースを定義します。

package main

type DataService interface {
    GetData(id int) (string, error)
}

ステップ2: モック構造体の作成


mock.Mockを埋め込んだ構造体を作成します。

import "github.com/stretchr/testify/mock"

type MockDataService struct {
    mock.Mock
}

func (m *MockDataService) GetData(id int) (string, error) {
    args := m.Called(id)
    return args.String(0), args.Error(1)
}

ステップ3: テストでモックを使用


モックの挙動を設定し、テストを実行します。

package main

import (
    "errors"
    "testing"
    "github.com/stretchr/testify/assert"
)

func TestGetData(t *testing.T) {
    // モックを作成
    mockService := new(MockDataService)

    // モックの挙動を定義
    mockService.On("GetData", 1).Return("Mock Data", nil)
    mockService.On("GetData", 2).Return("", errors.New("データが見つかりません"))

    // モックを使用してテスト
    data, err := mockService.GetData(1)
    assert.NoError(t, err)
    assert.Equal(t, "Mock Data", data, "データが一致しません")

    data, err = mockService.GetData(2)
    assert.Error(t, err)
    assert.Equal(t, "", data, "データが不正です")
    assert.EqualError(t, err, "データが見つかりません")
}

モックの検証


mockには、モックの呼び出し状況を検証する機能もあります。例えば、ある関数が指定回数呼び出されたかを確認できます。

mockService.AssertCalled(t, "GetData", 1) // 指定の引数で呼び出されたか確認
mockService.AssertNumberOfCalls(t, "GetData", 2) // 呼び出し回数を確認

実践例: Webサービスのモック


Webサービスのクライアントをモックすることで、外部APIに依存せずにテストを行えます。

type APIClient interface {
    FetchData(url string) (string, error)
}

type MockAPIClient struct {
    mock.Mock
}

func (m *MockAPIClient) FetchData(url string) (string, error) {
    args := m.Called(url)
    return args.String(0), args.Error(1)
}

func TestAPIClient(t *testing.T) {
    mockClient := new(MockAPIClient)

    mockClient.On("FetchData", "https://example.com").Return("Response Data", nil)

    data, err := mockClient.FetchData("https://example.com")
    assert.NoError(t, err)
    assert.Equal(t, "Response Data", data)

    mockClient.AssertCalled(t, "FetchData", "https://example.com")
}

モックテストのメリット

  1. 外部リソースの影響を排除: テスト環境を完全に制御可能。
  2. 実行速度の向上: 実際のリソースアクセスが不要なため高速化。
  3. 異常系のシミュレーション: エラーや例外の発生を容易に再現可能。

まとめ


testify/mockを使用することで、外部依存を排除し、柔軟で信頼性の高いユニットテストを作成できます。次のセクションでは、testifyと他のテスティングライブラリを比較し、それぞれの特徴を詳しく解説します。

他のテスティングライブラリとの比較


testifyはGo言語で広く使われているテスティングライブラリの一つですが、他にも優れたライブラリが存在します。このセクションでは、testifyを他のテスティングライブラリと比較し、それぞれの特徴や用途に応じた選択肢を解説します。

`testify`の特徴


testifyは、アサーション、モック、スイートといった多機能なツールを提供します。特に、シンプルなコードで豊富なアサーションを記述できる点が優れています。

主な利点

  • 直感的でシンプルなアサーションメソッド
  • モックオブジェクトを簡単に生成可能
  • テストスイートでの効率的な管理

制限

  • テストの出力が比較的簡素で、複雑な出力には追加工夫が必要。

`Ginkgo`との比較


Ginkgoは、BDD(振る舞い駆動開発)スタイルのテスティングフレームワークです。テストを階層化し、柔軟なテスト構造を記述できます。

Ginkgoの利点

  • 階層構造によるテストの明確な整理。
  • テストの実行結果が詳細で、分かりやすい。
  • Gomegaと組み合わせた強力なマッチャー(アサーション)。

適用例

  • 大規模プロジェクトや複雑な振る舞いをテストする際に便利。

比較結果

  • testifyは、シンプルで素早くテストを記述したい場合に有利。
  • Ginkgoは、複雑なテストシナリオを階層的に構築したい場合に最適。

`GoMock`との比較


GoMockはGoogleが提供するモック生成ツールで、特に依存関係の多いアプリケーションに向いています。

GoMockの利点

  • 型安全なモックオブジェクトの生成。
  • go generateを利用した簡単なモック生成プロセス。

適用例

  • 厳密な型検査が必要なユニットテスト。
  • 大量のインターフェースをモック化する際に有利。

比較結果

  • testifyは、柔軟性と使いやすさを重視したモック。
  • GoMockは、型安全性とスケーラビリティを重視したモック。

`Convey`との比較


Conveyは、Goのテスト用に設計されたもう一つのフレームワークで、テストの出力を視覚化するWebインターフェースが特徴です。

Conveyの利点

  • テスト結果をリアルタイムでWebブラウザに表示可能。
  • シンプルな構文でテストを記述可能。

適用例

  • ビジュアルにテストの進行状況を把握したい場合。

比較結果

  • testifyは軽量で、迅速に利用開始できる。
  • Conveyはビジュアル化によりテスト結果を迅速に確認したい場合に適している。

用途別の選択ガイド

用途推奨ライブラリ理由
簡潔なユニットテストtestifyシンプルかつ直感的なAPIで迅速なテストが可能。
複雑な振る舞いのテストGinkgoBDDスタイルでテストを整理しやすい。
厳密なモックの生成GoMock型安全性を重視したモック生成が可能。
テストの可視化ConveyリアルタイムのWebインターフェースが便利。

まとめ


testifyは、そのシンプルさと直感的な使い勝手から、ほとんどのユニットテストに適しています。一方、プロジェクトの規模や要件によっては、GinkgoGoMockなどのライブラリを組み合わせることで、より高度なテスト環境を構築できます。次のセクションでは、testifyを利用した内容のまとめと、活用のポイントを再確認します。

まとめ


本記事では、Go言語のテストを効率化するためのtestifyライブラリの基本と活用方法を解説しました。testifyは、直感的なアサーションメソッド、モックの簡単な作成、テストスイートの管理といった強力な機能を提供します。

さらに、テーブル駆動テストやモックテストの具体例を通じて、実践的なテストの記述方法を学びました。他のテスティングライブラリとの比較も行い、プロジェクトに最適なツールを選ぶための指針を提供しました。

効率的なテストのポイント

  • シンプルなユニットテストにはtestifyのアサーションを活用。
  • モックを利用して外部依存を排除し、信頼性の高いテストを作成。
  • テーブル駆動テストで複数のケースを効率的にカバー。

適切なテスト環境を整えることで、コードの品質向上とバグの早期発見が可能になります。ぜひtestifyを活用し、Go言語の開発をさらに効率的で楽しいものにしてください。

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目次
  1. `testify`ライブラリの概要
    1. アサーションパッケージ (`assert`)
    2. モックパッケージ (`mock`)
    3. スイートパッケージ (`suite`)
    4. `testify`が選ばれる理由
  2. `testify`をインストールする方法
    1. 事前準備
    2. インストール手順
    3. テストコードでの利用
    4. 依存関係の管理
  3. 基本的なアサーションの種類と使い方
    1. 等価性の確認
    2. 非等価性の確認
    3. 値が`nil`かどうかの確認
    4. スライスやマップの要素確認
    5. 条件の真偽を確認
    6. エラーの存在確認
    7. アサーションを使う利点
  4. 複雑なテストケースでのアサーションの適用例
    1. 構造体のフィールド比較
    2. スライスの順序と内容の検証
    3. スライスの部分一致
    4. エラーチェックと型の確認
    5. 条件付きテスト
    6. JSONデータの検証
    7. まとめ
  5. カスタムメッセージを使ったエラーのデバッグ
    1. カスタムメッセージの基本
    2. カスタムメッセージの活用例
    3. スライスやマップのエラーメッセージ
    4. エラーが発生するシナリオをデバッグ
    5. まとめ
  6. テーブル駆動テストで`testify`を活用する
    1. テーブル駆動テストの基本構造
    2. テーブル駆動テストのメリット
    3. `testify`を活用した具体例
    4. テーブル駆動テストの注意点
    5. まとめ
  7. `mock`パッケージを使ったモックテストの導入
    1. モックとは
    2. モックの基本的な作成方法
    3. モックの検証
    4. 実践例: Webサービスのモック
    5. モックテストのメリット
    6. まとめ
  8. 他のテスティングライブラリとの比較
    1. `testify`の特徴
    2. `Ginkgo`との比較
    3. `GoMock`との比較
    4. `Convey`との比較
    5. 用途別の選択ガイド
    6. まとめ
  9. まとめ