ある日、ゲームをプレイしようとパソコンを起動すると、画面右上に見慣れない数字が突然表示されていて驚いた経験はありませんか。実は、このFPSカウンターはAMDやNVIDIAなどのグラフィックスドライバ、またはXbox Game Barなどのオーバーレイ機能が原因で出現している可能性があります。そこで、原因ごとの対処法をまとめつつ、複数のパターンにわけて詳しく解説していきます。
シーン概要とFPSカウンターの正体
ゲーム中やアプリを起動している最中に、画面の右上や左上などに数字が表示されることがあります。多くの場合、これは「FPS(Frames Per Second)」と呼ばれる情報をリアルタイムで表示しているものです。FPSは1秒間に何枚の画像が描画されるかを示す指標であり、ゲームの滑らかさや快適さを測るうえで重要な値です。ただし、いったんこのカウンターが表示されるようになると、ゲームを終了しても表示が消えず、別のアプリを起動するときにも常に数字が画面に残ってしまうケースがあります。
この問題の背景には、グラフィックスドライバやツールの「オーバーレイ機能」が関係していることが多いです。オーバーレイとは、ゲームやソフトウェアの画面上に追加の情報やUI要素を重ねて表示する仕組みを指します。例えば、AMD Radeon SoftwareやNVIDIA GeForce Experience、Xbox Game Barなどは、パフォーマンスの可視化やスクリーンショット撮影機能などを備えており、そのオーバーレイの一部としてFPSカウンターが組み込まれていることが多いのです。
また、Steamのゲーム中オーバーレイや、MSI Afterburnerなどのツールが表示しているケースもあります。こうした複数のオーバーレイ機能を同時に使っていると、思わぬタイミングでFPSカウンターが表示され続けることがあります。以下では、代表的なGPUドライバ環境(AMD、NVIDIA)やXbox Game Barを中心に、FPSカウンターを非表示にするための具体的な手順や注意点を見ていきましょう。
AMDグラフィックス環境の場合
AMD Radeonシリーズのグラフィックスカードを使っている場合は、Radeon Software(旧称:Radeon Settings)に搭載されているパフォーマンスオーバーレイ機能が原因である可能性があります。ここでは、代表的な対処法を順に解説します。
ショートカットキーでオーバーレイを無効化
AMDのドライバ環境では、Ctrl + Shift + O を押すことで、パフォーマンスメトリクスをオン・オフ切り替えできる場合があります。もし、何らかの操作ミスやキーバインドの衝突によって意図せずこのショートカットが有効化されてしまった場合、同じキーをもう一度押すだけでオーバーレイをオフにできます。
よくあるトラブルシュート手順
- ゲーム中やデスクトップ上など、どの画面でも構わないので、Ctrl + Shift + O を試してみる
- ショートカットで消えない場合はRadeon Softwareの設定からオーバーレイを探す
- もし独自にキーバインドを変更している場合は、設定画面で割り当てを確認する
上記の操作ですぐに消えてくれれば問題ありませんが、消えない場合は次の設定項目をチェックしましょう。
Radeon Softwareの設定から無効化
Radeon Software(またはAdrenalinエディション)のUIを開き、「パフォーマンス」や「全般設定」のようなタブを探します。バージョンによって表現は多少異なりますが、多くの場合「インゲームオーバーレイ」をオフにするチェックボックスやトグルスイッチが設けられています。
項目 | 説明 |
---|---|
Radeon Overlay | ショートカットで呼び出すオーバーレイ機能全般を管理 |
パフォーマンスメトリクス オーバーレイ | リアルタイムのFPSやGPU使用率などを表示する機能 |
ショートカットキー設定 | オン・オフの切り替えを行うキーバインドの割り当て |
設定画面で「パフォーマンスメトリクス オーバーレイ」や「インゲームオーバーレイ」という文言を見つけたら、それをオフにしてください。適用後、念のためPCを再起動して、FPSカウンターが再度表示されないか確認すると確実です。
NVIDIAグラフィックス環境の場合
NVIDIA製GPUを使っている場合は、GeForce ExperienceのFPSカウンター機能やパフォーマンスオーバーレイが原因であることが多いです。ここからは、NVIDIA環境下での対策を順にご紹介します。
ショートカットキーでオーバーレイを無効化
NVIDIAの最新ドライバ環境では、Alt + R などのショートカットでパフォーマンスオーバーレイの表示をオン・オフ切り替えできる場合があります。もし突然FPSカウンターが現れた場合は、このショートカットを押してみるとすぐに解決する可能性があります。
キーバインドが機能しないときのチェックポイント
- ドライバやGeForce Experienceが最新バージョンかどうかを確認
- キーバインドが別のソフトと競合していないかを確認
- 何度かトライしても切り替わらない場合は、GeForce Experienceの設定を直接確認
キーボードショートカットが利かない場合は、次の方法をお試しください。
GeForce Experienceの設定から無効化
GeForce Experienceを起動したら、画面右上の歯車アイコン(設定)をクリックします。そこにある「HUDレイアウト」や「オーバーレイ」関連の項目を探してみてください。FPSカウンターをオフにできるトグルスイッチや表示位置を設定するオプションなどが用意されている場合が多いです。
設定画面でFPSカウンターが「オン」になっていた場合、これを「オフ」に切り替えることで常時表示される問題を解消できます。また、GeForce Experienceの「In-Game Overlay」を完全にオフにすることで、スクリーンショット撮影などの機能も同時に無効になりますが、FPS表示も出なくなるはずです。
Xbox Game Barによる表示の可能性
Windows 10以降では標準搭載の「Xbox Game Bar」がFPSモニター機能を持っています。ゲームや高負荷なアプリを起動すると、デフォルトでFPSオーバーレイが表示される設定になっている場合があります。次の手順でオフにしてみましょう。
Windowsの設定からゲームバーを調整
- Windowsのスタートメニューから「設定」を開く
- 「ゲーム」もしくは「Xbox Game Bar」の項目をクリック
- 「Xbox Game Barを開く」や「ゲームバーを有効にする」といったスイッチをオフにする
この設定をオフにすると、Windows標準のオーバーレイが表示されなくなります。ただし、ゲームでスクリーンショットや録画機能を使う場合には、別途他のツールが必要になるかもしれません。FPSカウンターがどうしても消えないときは、この設定を確認しておきましょう。
その他のオーバーレイ機能が原因の可能性
FPSカウンター機能はグラフィックスドライバだけでなく、数多くのサードパーティ製ツールが提供しています。代表的なソフトとしては、Steamのオーバーレイ、MSI Afterburner、RivaTuner Statistics Server (RTSS)、Discordのゲームオーバーレイなどがあります。
Steamオーバーレイ
Steamクライアント上で、「設定」→「ゲーム中」 にある「ゲーム中にSteamオーバーレイを有効にする」をオフにすると、FPS表示を含む全体的なSteamオーバーレイ機能を無効化できます。加えて、「FPSカウンターを有効にする」チェックボックスがオンになっている場合は、それだけオフにすることも可能です。
MSI Afterburner / RivaTuner Statistics Server (RTSS)
MSI Afterburnerはグラフィックカードのクロックや温度などをモニタリング・調整できる非常に人気の高いツールです。そのオプションの一つとして、リアルタイムのFPSや各種ハードウェア情報をオーバーレイ表示する機能があります。Afterburner単体ではなく、同梱されているRivaTuner Statistics Serverの設定によってFPSカウンターが出ているケースもあります。
ツール名 | 設定項目 | オーバーレイの無効化例 |
---|---|---|
MSI Afterburner | Monitoring タブ → “Show in On-Screen Display” | FPS等の表示をオフにするチェックを外す |
RivaTuner | Global / On-Screen Display settings | “On-Screen Display Support”をオフにする |
もしAfterburnerやRivaTunerを使ってオーバークロックや温度監視をしている場合、FPSカウンターだけを切り離して非表示にできるので、用途に応じて設定を見直してみましょう。
Discordなどのコミュニケーションツール
Discordにも「ゲームオーバーレイ機能」があり、状況によってはFPSではなく、別のステータス表示がオンになることがあります。これも混同しがちですが、もしDiscord経由で出ているステータス表示が邪魔になる場合は、「ユーザー設定」→「ゲームオーバーレイ」をオフにすると解決します。
具体的な対処の流れと注意点
問題解決に向けては、以下のようなステップを踏むとスムーズです。
- ドライバ系のショートカットを試す
- AMD:Ctrl + Shift + O
- NVIDIA:Alt + R
- 各GPUの公式ソフトウェア設定を確認する
- Radeon Softwareで「パフォーマンスメトリクス オーバーレイ」をオフ
- GeForce Experienceで「HUDレイアウト」や「In-Game Overlay」をオフ
- Windows標準のXbox Game Barを見直す
- Windows「設定」→「ゲーム」→「Xbox Game Bar」を無効化
- サードパーティ製オーバーレイをチェック
- Steamオーバーレイ、MSI Afterburner、RivaTuner Statistics Server、Discordなど
- 不要なソフトをアンインストールまたは無効化
- 完全に使わないソフトであればアンインストールするのも手
このように順序立てて確認すれば、多くの場合FPSカウンターの常時表示は解決可能です。もしあらゆる設定をオフにしても消えないという場合は、過去にインストールしたまま忘れているツールが裏で起動しているか、一部のキーカスタマイズが原因でショートカットが衝突している可能性も考えられます。
応用:オーバーレイを完全に制御するためのテクニック
オーバーレイ機能は、ゲームやPC環境を便利にする一方、トラブルの原因にもなりがちです。ここでは、オーバーレイを上手に管理するためのいくつかのテクニックを紹介します。
WindowsレジストリでXbox Game Barを無効化する
Xbox Game Barを使わない方で、より強制的に無効化したい場合は、Windowsレジストリを編集する方法もあります。以下は例ですが、実施する際にはレジストリのバックアップを必ず行ってください。
reg add "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\GameDVR" /v AllowGameDVR /t REG_DWORD /d 0 /f
上記のコマンドを管理者権限のコマンドプロンプトやPowerShellで実行することで、GameDVR(録画機能)をオフにすることができます。これにより、ゲームバー機能の一部が実質的に使用できなくなり、FPSオーバーレイも含めたゲームバー系の表示が抑制されるケースがあります。ただし、Windowsのバージョンや更新状況によってキーが変化することもあるため、最新版の情報を確認してください。
複数オーバーレイを併用するときの設定管理術
- キーバインドの重複を避ける: AMDやNVIDIAのオーバーレイ呼び出しキーと、SteamやDiscordのオーバーレイ呼び出しキーが同じだと、誤作動が起きやすいです。
- 用途別に切り替える: ゲーム配信時はMSI Afterburnerだけを使い、普段はNVIDIAのオーバーレイを使わない、など運用を分けるとトラブルが少なくなります。
- オーバーレイ表示を最小限に: 同時に多くのオーバーレイを使うとゲームのパフォーマンスにも影響が出るため、必要な情報だけを表示しましょう。
まとめと再発防止策
FPSカウンターは、ゲームを快適に遊ぶうえでの指標になる一方、意図しない場面でも表示され続けると視覚的に邪魔になり、PC作業の没入感を損なう原因になります。そうした問題の多くは、グラフィックスドライバやサードパーティ製ツールのオーバーレイ機能が原因です。
- AMDの場合はRadeon Softwareの「パフォーマンスメトリクス オーバーレイ」をオフ
- NVIDIAの場合はGeForce Experienceの「HUDレイアウト」や「In-Game Overlay」をオフ
- Windows 10 / 11ではXbox Game Barをオフにする
- SteamやAfterburner、RivaTuner、Discordなどサードパーティのオーバーレイ機能を確認
- ショートカットキーの衝突や設定ミスも念入りにチェック
これらの手順を押さえておくことで、突然のFPSカウンター表示にもすぐに対処できるようになります。また、今後新しいグラフィックスドライバやツールを導入するときは、どのようなオーバーレイ機能が含まれているのか事前に確認することが大切です。必要以上に多くのオーバーレイを同時に利用すると、ゲームだけでなく作業中のパフォーマンスにも影響が出るかもしれません。オーバーレイ機能を賢く活用しながら、より快適なPC環境を整えてみてください。
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