ある日、ゲームをプレイしようとパソコンを起動すると、画面右上に見慣れない数字が突然表示されていて驚いた経験はありませんか。実は、このFPSカウンターはAMDやNVIDIAなどのグラフィックスドライバ、またはXbox Game Barなどのオーバーレイ機能が原因で出現している可能性があります。そこで、原因ごとの対処法をまとめつつ、複数のパターンにわけて詳しく解説していきます。
FPS表示を消す設定を先に選ぶ
NVIDIAの統計表示なら初期設定のAlt+R、AMDのメトリクス表示ならCtrl+Shift+Oで表示を切り替えられます。キーを変更している場合は各アプリで割り当てを確認します。左上・右上という位置だけでは表示元を決められないため、数字の周りの文字や起動しているアプリも見てください。
| 表示の手がかり | 確認する設定 |
|---|---|
| NVIDIA appのFPS・GPU・CPUなどの統計 | Alt+R。細かい表示はAlt+Z→[統計/Statistics] |
| AMD SoftwareのFPS・温度などのメトリクス | Ctrl+Shift+O。Performance Metricsの[Show Metrics Overlay] |
| Game Barの「パフォーマンス」ウィジェット | Win+Gで開き、パフォーマンスの固定を解除して閉じる |
| MSIモニターの左上などに単独の60・144等の数字 | モニター本体のOSDで[Gaming]→[Refresh Rate]→[OFF]。対応機種は取扱説明書を確認 |
| Steamでゲーム中だけ出る統計 | Steamの[設定]→[ゲーム中/In Game]→Performance Monitor/Overlay |
| Afterburnerの複数行の数値 | [Monitoring]で対象指標の[Show in On-Screen Display]を確認 |
それぞれ別の表示元です。一つ消しても別の数字が残る場合は、次の候補を確認します。FPSを非表示にする目的で、GPUドライバーや温度・ファン制御のソフトをまとめて削除する必要はありません。
シーン概要とFPSカウンターの正体
ゲーム中やアプリを起動している最中に、画面の右上や左上などに数字が表示されることがあります。多くの場合、これは「FPS(Frames Per Second)」と呼ばれる情報をリアルタイムで表示しているものです。FPSは1秒間に何枚の画像が描画されるかを示す指標であり、ゲームの滑らかさや快適さを測るうえで重要な値です。ただし、いったんこのカウンターが表示されるようになると、ゲームを終了しても表示が消えず、別のアプリを起動するときにも常に数字が画面に残ってしまうケースがあります。
この問題の背景には、グラフィックスドライバやツールの「オーバーレイ機能」が関係していることが多いです。オーバーレイとは、ゲームやソフトウェアの画面上に追加の情報やUI要素を重ねて表示する仕組みを指します。例えば、AMD Radeon SoftwareやNVIDIA GeForce Experience、Xbox Game Barなどは、パフォーマンスの可視化やスクリーンショット撮影機能などを備えており、そのオーバーレイの一部としてFPSカウンターが組み込まれていることが多いのです。
また、Steamのゲーム中オーバーレイや、MSI Afterburnerなどのツールが表示しているケースもあります。こうした複数のオーバーレイ機能を同時に使っていると、思わぬタイミングでFPSカウンターが表示され続けることがあります。以下では、代表的なGPUドライバ環境(AMD、NVIDIA)やXbox Game Barを中心に、FPSカウンターを非表示にするための具体的な手順や注意点を見ていきましょう。
AMDグラフィックス環境の場合
AMD Radeonシリーズのグラフィックスカードを使っている場合は、Radeon Software(旧称:Radeon Settings)に搭載されているパフォーマンスオーバーレイ機能が原因である可能性があります。ここでは、代表的な対処法を順に解説します。
ショートカットキーでオーバーレイを無効化
AMDのドライバ環境では、Ctrl + Shift + O を押すことで、パフォーマンスメトリクスをオン・オフ切り替えできる場合があります。もし、何らかの操作ミスやキーバインドの衝突によって意図せずこのショートカットが有効化されてしまった場合、同じキーをもう一度押すだけでオーバーレイをオフにできます。
よくあるトラブルシュート手順
- ゲーム中やデスクトップ上など、どの画面でも構わないので、Ctrl + Shift + O を試してみる
- ショートカットで消えない場合はRadeon Softwareの設定からオーバーレイを探す
- もし独自にキーバインドを変更している場合は、設定画面で割り当てを確認する
上記の操作ですぐに消えてくれれば問題ありませんが、消えない場合は次の設定項目をチェックしましょう。
Radeon Softwareの設定から無効化
AMD Software: Adrenalin Editionを開き、検索欄へ「Metrics」を入力して[Performance Metrics]を開きます。[Overlay]または[Settings]の[Show Metrics Overlay]をオフにすると、メトリクスの画面表示を止められます。公式の説明はFull Installの画面例であり、構成によって項目が表示されない場合があります。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| Radeon Overlay | ショートカットで呼び出すオーバーレイ機能全般を管理 |
| パフォーマンスメトリクス オーバーレイ | リアルタイムのFPSやGPU使用率などを表示する機能 |
| ショートカットキー設定 | オン・オフの切り替えを行うキーバインドの割り当て |
設定を変えたら、表示されていたゲームやアプリで消えたことを確認します。Ctrl+Shift+Lはログの開始・停止で、表示切り替えのCtrl+Shift+Oとは別です。誤操作で再表示する場合は、AMD Softwareで「Hotkey」を検索し、Toggle Performance Overlayの割り当てを確認します。該当キーの欄でDeleteを押すと、その割り当てを解除できます。AMD公式:メトリクス表示とショートカット
NVIDIAグラフィックス環境の場合
NVIDIA環境では、現在のNVIDIA appと、従来のGeForce Experienceで設定画面が異なります。ドライバーだけでなく、どちらのアプリを使っているかを確認してください。
ショートカットキーでオーバーレイを無効化
NVIDIAの最新ドライバ環境では、Alt + R などのショートカットでパフォーマンスオーバーレイの表示をオン・オフ切り替えできる場合があります。もし突然FPSカウンターが現れた場合は、このショートカットを押してみるとすぐに解決する可能性があります。
キーバインドが機能しないときのチェックポイント
- ドライバやGeForce Experienceが最新バージョンかどうかを確認
- キーバインドが別のソフトと競合していないかを確認
- 何度かトライしても切り替わらない場合は、GeForce Experienceの設定を直接確認
キーボードショートカットが利かない場合は、次の方法をお試しください。
NVIDIA appではAlt+Zから統計を確認する
NVIDIA appのFPS表示は、初期設定のAlt+Rでオン・オフを切り替えます。表示内容を確認する場合はAlt+Zでオーバーレイを開き、サイドバーの[統計/Statistics]を選びます。[Statistics View]の[Custom]などから表示する指標を確認できます。従来のGeForce Experienceの[HUDレイアウト]を探す手順とは分けて操作してください。NVIDIA公式:NVIDIA appの統計表示
GeForce Experienceの設定から無効化
従来のGeForce Experienceを使っている場合は、Alt+Zでゲーム内オーバーレイを開き、その中の歯車→[HUDレイアウト]→[パフォーマンス]で表示を確認します。Alt+Rによる統計表示の切り替えも使えます。NVIDIA公式:GeForce ExperienceのHUD設定
設定画面でFPSカウンターが「オン」になっていた場合、これを「オフ」に切り替えることで常時表示される問題を解消できます。また、GeForce Experienceの「In-Game Overlay」を完全にオフにすることで、スクリーンショット撮影などの機能も同時に無効になりますが、FPS表示も出なくなるはずです。
Xbox Game Barによる表示の可能性
Xbox Game Barの[パフォーマンス]ウィジェットを固定すると、Game Barのメニューを閉じても表示が残ります。起動直後に自動で表示されるという理由だけで、GPUドライバーの数字と混同しないようにしてください。
Game Barのパフォーマンスの固定を解除する
- Win+GでGame Barを開く
- 表示されている[パフォーマンス]ウィジェットのタイトルバーを確認する。見つからなければウィジェットメニューから[パフォーマンス]を開く
- 固定されていればピンを選んで固定を解除し、ウィジェットを閉じてGame Barを終了する
これでGame Barのパフォーマンス表示が消えたか確認します。Microsoftは、Game Barのウィジェットにはメニューを閉じても残る固定機能があると説明しています。Windows設定の「コントローラーで開く」等の項目と、ウィジェットの固定は別に確認してください。Microsoft公式:Game Barのウィジェット固定
MSIモニター左上の数字はRefresh Rateも確認する
MSIのモニターで左上に60・144などの数字だけが残る場合は、Afterburnerとは別に、モニター自身のリフレッシュレート表示を確認します。対応する機種では、背面のNavi KeyなどでOSDメニューを開き、[Gaming]→[Refresh Rate]→[OFF]へ変更します。メニュー名・ボタンは機種の取扱説明書を確認してください。
この項目は表示のオン・オフです。Windowsの解像度やリフレッシュレートを低くして数字を消す手順ではありません。MSI公式:左上のリフレッシュレート表示を消す、MSI公式:OSDのGaming→Refresh Rate→OFF
その他のオーバーレイ機能が原因の可能性
FPSカウンター機能はグラフィックスドライバだけでなく、数多くのサードパーティ製ツールが提供しています。代表的なソフトとしては、Steamのオーバーレイ、MSI Afterburner、RivaTuner Statistics Server (RTSS)、Discordのゲームオーバーレイなどがあります。
Steamオーバーレイ
Steamでは2025年6月に従来のFPSカウンターを拡張したPerformance Monitor/Overlayが追加されました。[設定]→[ゲーム中/In Game]でこの項目を探し、表示の詳細レベル・表示切り替えキーを確認します。表示をオフにする選択肢があればそれを選びます。FPSだけ消したい場合は、先にこの表示設定を確認してください。Steamオーバーレイ全体を無効にすると、ほかのゲーム内機能にも影響します。Steam公式:Performance Monitorの設定場所
MSI Afterburner / RivaTuner Statistics Server (RTSS)
MSI Afterburnerはグラフィックカードのクロックや温度などをモニタリング・調整できる非常に人気の高いツールです。そのオプションの一つとして、リアルタイムのFPSや各種ハードウェア情報をオーバーレイ表示する機能があります。Afterburner単体ではなく、同梱されているRivaTuner Statistics Serverの設定によってFPSカウンターが出ているケースもあります。
FPSだけを消したい場合は、Afterburnerの[Settings]→[Monitoring]で[Framerate]などの対象指標を選び、[Show in On-Screen Display]のチェックを外して[Apply]を押します。ほかの温度や使用率も残る場合は、その指標の表示設定も確認してください。MSI公式:AfterburnerのMonitoringとOSD
| ツール名 | 設定項目 | オーバーレイの無効化例 |
|---|---|---|
| MSI Afterburner | Monitoring タブ → “Show in On-Screen Display” | FPS等の表示をオフにするチェックを外す |
| RivaTuner | Global / On-Screen Display settings | “On-Screen Display Support”をオフにする |
もしAfterburnerやRivaTunerを使ってオーバークロックや温度監視をしている場合、FPSカウンターだけを切り離して非表示にできるので、用途に応じて設定を見直してみましょう。
Discordなどのコミュニケーションツール
Discordにも「ゲームオーバーレイ機能」があり、状況によってはFPSではなく、別のステータス表示がオンになることがあります。これも混同しがちですが、もしDiscord経由で出ているステータス表示が邪魔になる場合は、「ユーザー設定」→「ゲームオーバーレイ」をオフにすると解決します。
具体的な対処の流れと注意点
問題解決に向けては、以下のようなステップを踏むとスムーズです。
- ドライバ系のショートカットを試す
- AMD:Ctrl + Shift + O
- NVIDIA:Alt + R
- 各GPUの公式ソフトウェア設定を確認する
- Radeon Softwareで「パフォーマンスメトリクス オーバーレイ」をオフ
- NVIDIA appはAlt+R/Alt+ZのStatisticsを確認。従来のGeForce ExperienceはHUDレイアウトを確認
- Windows標準のXbox Game Barを見直す
- Win+Gでパフォーマンスウィジェットの固定を解除して閉じる
- サードパーティ製オーバーレイをチェック
- Steamオーバーレイ、MSI Afterburner、RivaTuner Statistics Server、Discordなど
- 不要なソフトをアンインストールまたは無効化
- 完全に使わないソフトであればアンインストールするのも手
このように順序立てて確認すれば、多くの場合FPSカウンターの常時表示は解決可能です。もしあらゆる設定をオフにしても消えないという場合は、過去にインストールしたまま忘れているツールが裏で起動しているか、一部のキーカスタマイズが原因でショートカットが衝突している可能性も考えられます。
応用:オーバーレイを完全に制御するためのテクニック
オーバーレイ機能は、ゲームやPC環境を便利にする一方、トラブルの原因にもなりがちです。ここでは、オーバーレイを上手に管理するためのいくつかのテクニックを紹介します。
録画のポリシーとFPSの非表示を混同しない
AllowGameDVRはWindowsのゲーム録画・ブロードキャストに関するポリシーです。FPS表示を消すための専用スイッチではありません。次の例は現在の値を照会するだけのコマンドで、設定を変更しません。通常は上の表示元の設定で対処してください。
reg query "HKLM\SOFTWARE\Policies\Microsoft\Windows\GameDVR" /v AllowGameDVR
値が見つからない場合も、FPS表示の原因やGame Barの有効・無効は断定できません。組織の録画制限を変更する場合は、管理者が対応OSと管理方式を確認します。Microsoft公式:AllowGameDVRの対象機能
複数オーバーレイを併用するときの設定管理術
- キーバインドの重複を避ける: AMDやNVIDIAのオーバーレイ呼び出しキーと、SteamやDiscordのオーバーレイ呼び出しキーが同じだと、誤作動が起きやすいです。
- 用途別に切り替える: ゲーム配信時はMSI Afterburnerだけを使い、普段はNVIDIAのオーバーレイを使わない、など運用を分けるとトラブルが少なくなります。
- オーバーレイ表示を最小限に: 同時に多くのオーバーレイを使うとゲームのパフォーマンスにも影響が出るため、必要な情報だけを表示しましょう。
まとめと再発防止策
FPSカウンターは、ゲームを快適に遊ぶうえでの指標になる一方、意図しない場面でも表示され続けると視覚的に邪魔になり、PC作業の没入感を損なう原因になります。そうした問題の多くは、グラフィックスドライバやサードパーティ製ツールのオーバーレイ機能が原因です。
- AMDの場合はRadeon Softwareの「パフォーマンスメトリクス オーバーレイ」をオフ
- NVIDIA appはAlt+R、従来のGeForce ExperienceはHUDレイアウトも確認
- Game Barはパフォーマンスウィジェットの固定を解除して閉じる。MSIモニターの数字は本体のRefresh Rateも確認
- SteamやAfterburner、RivaTuner、Discordなどサードパーティのオーバーレイ機能を確認
- ショートカットキーの衝突や設定ミスも念入りにチェック
これらの手順を押さえておくことで、突然のFPSカウンター表示にもすぐに対処できるようになります。また、今後新しいグラフィックスドライバやツールを導入するときは、どのようなオーバーレイ機能が含まれているのか事前に確認することが大切です。必要以上に多くのオーバーレイを同時に利用すると、ゲームだけでなく作業中のパフォーマンスにも影響が出るかもしれません。オーバーレイ機能を賢く活用しながら、より快適なPC環境を整えてみてください。

コメント