Javaの拡張forループを使った配列操作の完全ガイド

Javaのプログラミングにおいて、配列の操作は非常に重要な技術です。その中でも、拡張forループ(for-each)は、配列やコレクションをシンプルで可読性の高いコードで処理するための強力なツールです。従来のforループに比べて、コードの簡潔さやエラーの減少など、多くのメリットがあります。本記事では、Javaの拡張forループを使って配列を効果的に操作する方法を、基本から応用まで詳しく解説します。これにより、効率的な配列操作をマスターし、より洗練されたJavaプログラムを作成できるようになります。

目次
  1. 拡張forループとは
    1. 基本的な構文
    2. 拡張forループの利点
  2. 配列操作の基本
    1. 配列の初期化と拡張forループの使用
    2. 配列の合計を計算する
    3. 配列の要素を条件に基づいて処理する
  3. 配列の走査と操作の違い
    1. 走査とは何か
    2. 操作とは何か
    3. 適切な操作のために
  4. 多次元配列の操作
    1. 二次元配列の基本構造
    2. 拡張forループを使った二次元配列の走査
    3. 二次元配列の要素操作
  5. 配列の合計と平均の計算
    1. 配列の合計を計算する方法
    2. 配列の平均を計算する方法
    3. 実用的な例: スコアの集計と平均
  6. 配列内の特定要素の検索
    1. 特定の値を検索する
    2. 条件に基づく要素の検索
    3. 複数の条件で検索する
  7. 配列の要素を変更する方法
    1. 拡張forループでの要素変更の限界
    2. 配列の要素を変更する正しい方法
    3. 特定条件に基づいた要素の変更
    4. 要素の操作と配列のメンテナンス
  8. 配列の内容を出力する方法
    1. 基本的な配列の出力
    2. 配列の内容を一行で出力する
    3. 多次元配列の出力
    4. 配列の内容をフォーマットして出力する
  9. 応用例:文字列配列の処理
    1. 文字列配列の内容を出力する
    2. 文字列の検索とフィルタリング
    3. 文字列の変換と加工
    4. 文字列の結合
    5. 文字列配列の並べ替え
  10. 演習問題
    1. 問題1: 配列の合計を計算する
    2. 問題2: 特定の文字を含む文字列を検索する
    3. 問題3: 配列の要素を2倍にする
    4. 問題4: 文字列配列のアルファベット順並び替え
    5. 問題5: 二次元配列の走査と出力
  11. まとめ

拡張forループとは

Javaの拡張forループ(for-each)は、配列やコレクションの全要素を順に繰り返し処理するための簡便な構文です。従来のforループではインデックスを使って要素にアクセスしますが、拡張forループではインデックスを意識することなく、直接要素を操作できます。

基本的な構文

拡張forループの構文は次の通りです:

for (要素の型 変数名 : 配列やコレクション) {
    // 変数名を使って要素を操作
}

この構文では、配列やコレクションの各要素が順番に変数名に代入され、その要素を使った処理が行われます。

拡張forループの利点

  • 可読性の向上: インデックス管理が不要なため、コードがシンプルで読みやすくなります。
  • エラーの減少: 配列の境界外エラーが起こりにくくなります。
  • 効率的な要素操作: 要素ごとの操作が直感的に記述できます。

拡張forループは、特に配列の全要素を処理したい場合に便利です。次のセクションでは、このループを用いた具体的な配列操作について詳しく見ていきます。

配列操作の基本

拡張forループを使った配列操作は、Javaプログラミングの中で頻繁に利用されます。このループを使用すると、配列内の各要素に順番にアクセスして、処理を施すことが簡単になります。ここでは、拡張forループを使った基本的な配列操作の方法を紹介します。

配列の初期化と拡張forループの使用

まず、配列を初期化し、拡張forループを使ってその全要素を出力する基本的な例を見てみましょう。

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num);
}

このコードでは、numbers配列の各要素が順にnumに代入され、System.out.println(num);によって出力されます。

配列の合計を計算する

次に、拡張forループを使って配列の全要素の合計を計算する方法を示します。

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};
int sum = 0;

for (int num : numbers) {
    sum += num;
}

System.out.println("合計: " + sum);

この例では、各要素を変数sumに加算することで、配列の合計値を計算しています。

配列の要素を条件に基づいて処理する

特定の条件を満たす配列の要素のみを処理する場合も、拡張forループは非常に有効です。

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int num : numbers) {
    if (num % 2 == 0) {
        System.out.println("偶数: " + num);
    }
}

このコードでは、配列の中から偶数のみを出力しています。

拡張forループを使ったこれらの基本的な操作は、Javaプログラムで配列を効率的に処理するための基礎となります。次に、より高度な配列操作について学んでいきましょう。

配列の走査と操作の違い

Javaの拡張forループを使用する際には、「走査」と「操作」の違いを理解しておくことが重要です。これにより、配列を適切に処理し、予期しない動作を避けることができます。

走査とは何か

走査とは、配列の各要素を順に読み取るプロセスを指します。拡張forループは、特に走査に適しており、全要素を一度に処理する場合に非常に便利です。

例として、配列の全要素を走査し、それを出力するコードを見てみましょう:

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num);
}

このコードでは、numbers配列の各要素が順に走査され、出力されます。このように、走査はデータの確認や集計に役立ちます。

操作とは何か

操作とは、配列の要素を読み取りながら、その内容を変更するプロセスです。ただし、拡張forループは要素の読み取りに特化しているため、直接配列の要素を変更することはできません。

例えば、次のようなコードは配列の要素を変更することを目的としていますが、期待通りには動作しません:

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int num : numbers) {
    num *= 2;
}

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num); // 元の値が出力される
}

この例では、numは配列の要素のコピーであり、元の配列の要素自体が変更されるわけではありません。そのため、配列の内容は変更されず、元の値がそのまま出力されます。

適切な操作のために

配列の要素を実際に変更するには、従来のforループを使用してインデックスを明示的に操作する必要があります。以下は、正しい方法の例です:

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int i = 0; i < numbers.length; i++) {
    numbers[i] *= 2;
}

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num); // 倍にされた値が出力される
}

このコードでは、numbers配列の要素が正しく倍にされています。

拡張forループは走査に最適化されていますが、要素を変更する際には注意が必要です。次に、配列操作の中でも特に多次元配列の操作方法について解説します。

多次元配列の操作

Javaでは、配列の配列、つまり多次元配列を扱うことができます。拡張forループを使えば、多次元配列の各要素に簡単にアクセスし、操作することが可能です。ここでは、二次元配列を例に、拡張forループを用いた操作方法を解説します。

二次元配列の基本構造

まず、二次元配列の基本的な構造を確認しましょう。二次元配列は、行と列の形式で要素が配置された配列です。以下に二次元配列の宣言と初期化の例を示します:

int[][] matrix = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};

このmatrixは3行3列の二次元配列です。

拡張forループを使った二次元配列の走査

拡張forループを使えば、二次元配列を簡単に走査することができます。外側のループで行を、内側のループで列を処理することで、全ての要素にアクセスできます。

int[][] matrix = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};

for (int[] row : matrix) {
    for (int element : row) {
        System.out.print(element + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、matrix配列の各要素が順に出力されます。出力結果は次のようになります:

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9 

二次元配列の要素操作

二次元配列の要素を操作するには、拡張forループの内側で処理を行います。ただし、前述の通り、拡張forループでは要素を直接変更することはできません。そのため、要素を変更するにはインデックスを使用する従来のforループを使う必要がありますが、読み取りや条件付きの操作においては拡張forループが非常に便利です。

例えば、特定の条件に基づいて要素を出力するコードを示します:

int[][] matrix = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};

for (int[] row : matrix) {
    for (int element : row) {
        if (element % 2 == 0) {
            System.out.print("偶数: " + element + " ");
        }
    }
    System.out.println();
}

この例では、二次元配列の中から偶数のみが出力されます。

拡張forループは、二次元以上の配列でも非常に効果的に使えますが、要素の操作や変更を伴う場合には、従来のforループとの併用が適切です。次のセクションでは、拡張forループを使った配列の合計や平均の計算方法を見ていきます。

配列の合計と平均の計算

拡張forループを使用すると、配列の要素を簡単に走査して、合計や平均を計算することができます。これにより、数値データの統計処理をシンプルかつ効率的に行うことが可能です。ここでは、基本的な合計と平均の計算方法を具体的な例で説明します。

配列の合計を計算する方法

まず、配列の全要素の合計を計算する方法を紹介します。以下のコードでは、整数の配列を走査してその合計を求めています。

int[] numbers = {10, 20, 30, 40, 50};
int sum = 0;

for (int num : numbers) {
    sum += num;
}

System.out.println("配列の合計: " + sum);

この例では、numbers配列の各要素がsumに順次加算され、最終的な合計値が計算されます。出力は次のようになります:

配列の合計: 150

配列の平均を計算する方法

次に、配列の要素の平均値を計算する方法を見てみましょう。平均値は、配列の合計を要素数で割ることで求められます。

int[] numbers = {10, 20, 30, 40, 50};
int sum = 0;

for (int num : numbers) {
    sum += num;
}

double average = (double) sum / numbers.length;

System.out.println("配列の平均: " + average);

このコードでは、まず合計を求め、その後でnumbers.lengthを使って要素数を取得し、合計を要素数で割っています。ここで注意すべき点は、整数同士の割り算にならないように、合計をdouble型にキャストしていることです。これにより、正確な平均値が求められます。

出力は次のようになります:

配列の平均: 30.0

実用的な例: スコアの集計と平均

これらの技術を応用して、例えば試験のスコアを集計し、その平均を求めることができます。

int[] scores = {85, 90, 78, 92, 88};
int total = 0;

for (int score : scores) {
    total += score;
}

double averageScore = (double) total / scores.length;

System.out.println("スコアの合計: " + total);
System.out.println("スコアの平均: " + averageScore);

この例では、スコアの合計が445、平均が89.0として計算されます。

スコアの合計: 445
スコアの平均: 89.0

配列の合計や平均を簡単に求められる拡張forループは、データの集計や分析に非常に有用です。次のセクションでは、拡張forループを用いた配列内の特定要素の検索方法を解説します。

配列内の特定要素の検索

配列内の特定の要素を検索する作業は、プログラミングにおいて非常に一般的な操作です。Javaの拡張forループを使えば、配列を効率的に走査して、特定の条件を満たす要素を簡単に見つけることができます。ここでは、配列内の特定要素を検索する方法について説明します。

特定の値を検索する

特定の値が配列に含まれているかどうかを確認するには、拡張forループを使って配列の各要素を順にチェックします。以下の例では、整数配列から特定の値を検索します。

int[] numbers = {10, 20, 30, 40, 50};
int target = 30;
boolean found = false;

for (int num : numbers) {
    if (num == target) {
        found = true;
        break;  // 見つかったらループを終了
    }
}

if (found) {
    System.out.println(target + " は配列に含まれています。");
} else {
    System.out.println(target + " は配列に含まれていません。");
}

このコードでは、targetと一致する値が見つかった時点でfoundtrueに設定し、break文を使ってループを終了します。出力は次のようになります:

30 は配列に含まれています。

条件に基づく要素の検索

配列内の要素が特定の条件を満たすかどうかを検索することもできます。次の例では、配列内の最初の偶数を検索します。

int[] numbers = {11, 23, 34, 45, 56};
int firstEven = -1;  // 見つからなかった場合のデフォルト値

for (int num : numbers) {
    if (num % 2 == 0) {
        firstEven = num;
        break;
    }
}

if (firstEven != -1) {
    System.out.println("最初の偶数は: " + firstEven);
} else {
    System.out.println("偶数は配列に含まれていません。");
}

このコードでは、配列内の最初の偶数が見つかると、その値をfirstEvenに格納し、ループを終了します。出力は次のようになります:

最初の偶数は: 34

複数の条件で検索する

さらに、複数の条件を組み合わせて検索を行うことも可能です。次の例では、配列内の特定の範囲内にある値を検索します。

int[] numbers = {5, 15, 25, 35, 45};
int lowerBound = 20;
int upperBound = 40;

for (int num : numbers) {
    if (num > lowerBound && num < upperBound) {
        System.out.println("範囲内の値: " + num);
    }
}

このコードは、指定した範囲(20 < num < 40)に該当する要素をすべて出力します。出力は次のようになります:

範囲内の値: 25
範囲内の値: 35

拡張forループを使うことで、配列内の特定要素の検索は非常に直感的で効率的に行えます。次のセクションでは、配列の要素を変更する際の注意点とその方法について詳しく説明します。

配列の要素を変更する方法

Javaの拡張forループは、配列の各要素を簡単に走査するために非常に便利ですが、配列の要素を直接変更する場合にはいくつかの注意点があります。ここでは、配列の要素を変更する方法と、それに伴う注意点について解説します。

拡張forループでの要素変更の限界

拡張forループは、配列の各要素を読み取るための手段として優れていますが、直接その要素を変更することはできません。以下のコードは、拡張forループで配列の要素を変更しようとする例ですが、意図した結果にはなりません。

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int num : numbers) {
    num *= 2;  // ここでの変更は配列には反映されません
}

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num);  // 元の値が出力されます
}

このコードでは、numは配列の要素のコピーであり、元の配列の要素自体が変更されるわけではありません。そのため、出力結果は次のように、元の値がそのまま表示されます:

1
2
3
4
5

配列の要素を変更する正しい方法

配列の要素を実際に変更するには、従来のforループを使用して、配列のインデックスを明示的に操作する必要があります。以下のコードは、配列の各要素を2倍にして、元の配列を更新する正しい方法を示しています。

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int i = 0; i < numbers.length; i++) {
    numbers[i] *= 2;
}

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num);  // 変更後の値が出力されます
}

このコードでは、numbers配列の各要素が2倍に変更され、出力結果は次のようになります:

2
4
6
8
10

特定条件に基づいた要素の変更

要素を変更する際には、特定の条件に基づいて操作を行うことがよくあります。以下の例では、偶数の要素だけを2倍にする処理を行います。

int[] numbers = {1, 2, 3, 4, 5};

for (int i = 0; i < numbers.length; i++) {
    if (numbers[i] % 2 == 0) {
        numbers[i] *= 2;
    }
}

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num);  // 偶数のみが変更されます
}

このコードでは、配列内の偶数要素のみが2倍にされ、出力結果は次のようになります:

1
4
3
8
5

要素の操作と配列のメンテナンス

配列の要素を変更する際は、特に大規模な配列や複雑なデータ構造において、どの要素が変更されたのかを追跡することが重要です。拡張forループを使用する場合でも、元の配列に影響を与えないため、操作後に変更を反映させる手段を別途考える必要があります。

配列の要素を効果的に変更するためには、インデックスを用いた従来のforループを使うことが基本です。次のセクションでは、拡張forループを使って配列の内容を効率的に出力する方法について説明します。

配列の内容を出力する方法

配列の内容を出力することは、プログラムのデバッグや結果の確認において非常に重要です。Javaの拡張forループを使用すれば、配列の全要素をシンプルに出力することができます。ここでは、配列の内容を効率的に出力する方法を解説します。

基本的な配列の出力

拡張forループを使った最も基本的な配列の出力方法は、次のようになります。

int[] numbers = {10, 20, 30, 40, 50};

for (int num : numbers) {
    System.out.println(num);
}

このコードでは、numbers配列の各要素が順に出力されます。出力結果は次の通りです:

10
20
30
40
50

このシンプルな方法で、配列の内容を1行ずつ確認できます。

配列の内容を一行で出力する

配列の要素を一行で出力するには、出力結果を連結するか、配列の内容をカンマ区切りで表示することができます。次のコードは、配列の内容を一行で出力する例です。

int[] numbers = {10, 20, 30, 40, 50};
StringBuilder output = new StringBuilder();

for (int num : numbers) {
    output.append(num).append(", ");
}

// 最後のカンマとスペースを削除
if (output.length() > 0) {
    output.setLength(output.length() - 2);
}

System.out.println(output.toString());

このコードでは、配列の各要素をStringBuilderに追加し、最後にカンマを取り除いてから出力しています。出力結果は次の通りです:

10, 20, 30, 40, 50

多次元配列の出力

多次元配列の内容を出力する場合、外側のループで行を、内側のループで列を処理することで、各行を個別に出力することができます。次のコードは二次元配列の内容を出力する例です。

int[][] matrix = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};

for (int[] row : matrix) {
    for (int element : row) {
        System.out.print(element + " ");
    }
    System.out.println();
}

このコードでは、matrix配列の各行の要素が出力されます。出力結果は次のようになります:

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9

配列の内容をフォーマットして出力する

場合によっては、配列の内容を特定のフォーマットで出力したいこともあります。次の例では、配列の各要素を特定のフォーマットで出力します。

double[] values = {1.234, 5.678, 9.1011, 12.1314};

for (double value : values) {
    System.out.printf("%.2f ", value);
}

このコードは、配列の各要素を小数点以下2桁までフォーマットして出力します。出力結果は次の通りです:

1.23 5.68 9.10 12.13

拡張forループを使って配列の内容を出力する方法は多岐にわたりますが、状況に応じて最適な方法を選ぶことで、プログラムのデバッグや結果の確認が効率的に行えます。次のセクションでは、拡張forループを用いた文字列配列の操作に関する応用例を紹介します。

応用例:文字列配列の処理

Javaの拡張forループは、数値配列だけでなく文字列配列の処理にも非常に役立ちます。ここでは、文字列配列を操作する具体的な応用例を紹介します。これにより、文字列データを効率的に扱う方法を学ぶことができます。

文字列配列の内容を出力する

まず、文字列配列の内容を出力する基本的な方法を確認しましょう。次の例では、文字列配列内の各要素を出力しています。

String[] fruits = {"Apple", "Banana", "Cherry", "Date", "Elderberry"};

for (String fruit : fruits) {
    System.out.println(fruit);
}

このコードは、fruits配列の各要素を順に出力します。出力結果は次のようになります:

Apple
Banana
Cherry
Date
Elderberry

文字列の検索とフィルタリング

次に、文字列配列から特定の文字列を検索したり、特定の条件に合致する文字列をフィルタリングする方法を見てみましょう。以下のコードでは、配列内に「a」を含むすべてのフルーツを出力します。

String[] fruits = {"Apple", "Banana", "Cherry", "Date", "Elderberry"};

for (String fruit : fruits) {
    if (fruit.toLowerCase().contains("a")) {
        System.out.println(fruit);
    }
}

このコードは、文字列配列から小文字の「a」を含む要素のみを出力します。出力結果は次の通りです:

Apple
Banana
Date
Elderberry

文字列の変換と加工

文字列配列の各要素を変換して、新しい形で出力することも可能です。次の例では、すべてのフルーツ名を大文字に変換して出力します。

String[] fruits = {"Apple", "Banana", "Cherry", "Date", "Elderberry"};

for (String fruit : fruits) {
    String upperFruit = fruit.toUpperCase();
    System.out.println(upperFruit);
}

このコードでは、各フルーツ名を大文字に変換した後で出力しています。出力結果は次のようになります:

APPLE
BANANA
CHERRY
DATE
ELDERBERRY

文字列の結合

複数の文字列を結合して、1つの文字列として出力することもよく行われます。次の例では、配列内のフルーツ名をカンマで区切って1つの文字列として結合します。

String[] fruits = {"Apple", "Banana", "Cherry", "Date", "Elderberry"};
StringBuilder fruitList = new StringBuilder();

for (String fruit : fruits) {
    fruitList.append(fruit).append(", ");
}

// 最後のカンマとスペースを削除
if (fruitList.length() > 0) {
    fruitList.setLength(fruitList.length() - 2);
}

System.out.println(fruitList.toString());

このコードでは、StringBuilderを使って各要素をカンマで区切って結合し、出力しています。出力結果は次のようになります:

Apple, Banana, Cherry, Date, Elderberry

文字列配列の並べ替え

文字列配列の並べ替えもJavaで簡単に行えます。次のコードでは、文字列配列をアルファベット順に並べ替えて出力します。

String[] fruits = {"Banana", "Apple", "Elderberry", "Cherry", "Date"};

Arrays.sort(fruits);

for (String fruit : fruits) {
    System.out.println(fruit);
}

このコードは、Arrays.sort()メソッドを使って配列を並べ替え、その結果を出力します。出力結果は次のようになります:

Apple
Banana
Cherry
Date
Elderberry

これらの応用例を通じて、Javaの拡張forループを使って文字列配列を操作する多くの方法を学ぶことができます。次のセクションでは、学んだ内容を実際に試すための演習問題を提供します。

演習問題

これまでに学んだJavaの拡張forループと配列操作の知識を確認するために、いくつかの演習問題を用意しました。これらの問題を通じて、配列操作に対する理解を深め、実践的なスキルを身につけましょう。

問題1: 配列の合計を計算する

以下の整数配列numbersがあります。この配列の全要素の合計を計算して、結果を出力してください。

int[] numbers = {15, 25, 35, 45, 55};

期待される出力:

合計: 175

ヒント

拡張forループを使用して、配列内の各要素を順に加算する方法を考えてみてください。

問題2: 特定の文字を含む文字列を検索する

次の文字列配列wordsから、「e」を含むすべての単語を出力してください。

String[] words = {"Java", "Python", "C++", "JavaScript", "Ruby"};

期待される出力:

Java
JavaScript
Ruby

ヒント

文字列のcontainsメソッドを利用して、各単語に「e」が含まれているかどうかをチェックしてください。

問題3: 配列の要素を2倍にする

以下の整数配列valuesの各要素を2倍にして、新しい配列を作成し、その結果を出力してください。

int[] values = {2, 4, 6, 8, 10};

期待される出力:

4
8
12
16
20

ヒント

新しい配列を作成し、従来のforループを使用して各要素を2倍にした結果を新しい配列に格納してみてください。

問題4: 文字列配列のアルファベット順並び替え

以下の文字列配列namesをアルファベット順に並べ替えて出力してください。

String[] names = {"Charlie", "Alice", "Bob", "David"};

期待される出力:

Alice
Bob
Charlie
David

ヒント

Arrays.sort()メソッドを使用して配列を並べ替え、その結果を出力する方法を考えてみてください。

問題5: 二次元配列の走査と出力

次の二次元配列matrixがあります。この配列の全要素を行ごとに出力してください。

int[][] matrix = {
    {1, 2, 3},
    {4, 5, 6},
    {7, 8, 9}
};

期待される出力:

1 2 3 
4 5 6 
7 8 9 

ヒント

拡張forループを2重に使用して、外側のループで行を、内側のループで各行の要素を走査する方法を考えてください。

これらの演習問題を通じて、配列の操作と拡張forループの使い方を実際に体験し、理解を深めてください。次のセクションでは、これまでの内容を簡潔にまとめます。

まとめ

本記事では、Javaの拡張forループを使った配列操作について、基本から応用まで詳しく解説しました。拡張forループを利用することで、配列やコレクションをシンプルかつ効率的に走査でき、特定の条件に基づいて要素を検索したり、出力したりする操作も容易になります。また、配列の要素を変更する際の注意点や、多次元配列の操作方法についても理解を深めました。

さらに、文字列配列の処理や配列の並べ替え、フォーマットされた出力など、実際に役立つ応用例を通じて、Javaでの配列操作を実践的に学ぶことができました。最後に提供した演習問題を解くことで、これまでの知識を確認し、実際にコードを書いて理解をさらに強化してください。

この知識を活用して、Javaプログラミングにおける配列操作をより効率的に行い、より堅牢で読みやすいコードを書けるようになることを期待しています。

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目次
  1. 拡張forループとは
    1. 基本的な構文
    2. 拡張forループの利点
  2. 配列操作の基本
    1. 配列の初期化と拡張forループの使用
    2. 配列の合計を計算する
    3. 配列の要素を条件に基づいて処理する
  3. 配列の走査と操作の違い
    1. 走査とは何か
    2. 操作とは何か
    3. 適切な操作のために
  4. 多次元配列の操作
    1. 二次元配列の基本構造
    2. 拡張forループを使った二次元配列の走査
    3. 二次元配列の要素操作
  5. 配列の合計と平均の計算
    1. 配列の合計を計算する方法
    2. 配列の平均を計算する方法
    3. 実用的な例: スコアの集計と平均
  6. 配列内の特定要素の検索
    1. 特定の値を検索する
    2. 条件に基づく要素の検索
    3. 複数の条件で検索する
  7. 配列の要素を変更する方法
    1. 拡張forループでの要素変更の限界
    2. 配列の要素を変更する正しい方法
    3. 特定条件に基づいた要素の変更
    4. 要素の操作と配列のメンテナンス
  8. 配列の内容を出力する方法
    1. 基本的な配列の出力
    2. 配列の内容を一行で出力する
    3. 多次元配列の出力
    4. 配列の内容をフォーマットして出力する
  9. 応用例:文字列配列の処理
    1. 文字列配列の内容を出力する
    2. 文字列の検索とフィルタリング
    3. 文字列の変換と加工
    4. 文字列の結合
    5. 文字列配列の並べ替え
  10. 演習問題
    1. 問題1: 配列の合計を計算する
    2. 問題2: 特定の文字を含む文字列を検索する
    3. 問題3: 配列の要素を2倍にする
    4. 問題4: 文字列配列のアルファベット順並び替え
    5. 問題5: 二次元配列の走査と出力
  11. まとめ