Windows 11 を再インストールしたあと、「Microsoft Edge のお気に入りがすべて消えた」と感じても、必ずしもあきらめる必要はありません。同期設定やバックアップの有無によって復元できる可能性は十分にあります。本記事では、Edge の同期を使った復元方法から、Windows.old フォルダーを利用する手動復元、今後のためのバックアップ・再発防止策まで、順番にわかりやすく解説します。
Windows 11 再インストール後に Microsoft Edge のお気に入りが消える理由
Windows 11 を再インストールすると、基本的にはシステムドライブ(通常は C ドライブ)の内容が初期化されます。Microsoft Edge の「お気に入り(ブックマーク)」は、特に設定しない限り次のような場所に保存されています。
C:\Users\<ユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\Bookmarks
再インストールの方法によって、このファイルがどう扱われるかが変わります。
| インストール方法 | ユーザーデータの扱い | お気に入りの状態 |
|---|---|---|
| クリーンインストール(全削除) | C ドライブをフォーマットし完全に新規環境を作成 | ローカル保存のみの場合は基本的に消える |
| 再インストール + Windows.old 作成 | 古い Windows が C:\Windows.old に退避 | Windows.old 内に旧 Edge データが残る可能性が高い |
| 上書きインストール(修復インストール等) | ユーザーデータをできるだけ保持 | お気に入りがそのまま残ることが多いが、環境によっては消えることも |
さらに、Microsoft アカウントで Edge の同期を有効にしていた場合は、ローカルのファイルとは別にクラウドにもお気に入りが保存されています。この場合は、サインインし直して同期を有効にするだけで元に戻せる可能性が非常に高いです。
まず確認すべきこと:Edge のプロファイルと同期状態
真っ先に確認すべきなのは、Microsoft Edge にサインインしているかどうか、そして「同期」が有効になっているかどうかです。以前、同期をオンにしていたのであれば、手動でフォルダーをコピーしなくても自動でお気に入りが戻ることがあります。
Edge のプロフィール画面を開く手順
- Microsoft Edge を起動します。
- 右上の「…」ボタン(設定など)をクリックします。
- メニューから「設定」を選択します。
- 左側のメニューから「プロフィール」を開きます。
ここで、次のポイントを確認しましょう。
- 自分の Microsoft アカウントでサインインしているか
例:[email protected]/[email protected]/[email protected]など - 「同期」ボタンの状態が「オン」になっているか
プロフィールの右横に雲のアイコンや「同期中」といった表示があれば、クラウドとの同期が機能しているサインです。
同期がオンになっていた場合の動き
すでに同期がオンになっている、あるいはここでオンにした場合は、しばらく待つとクラウド上に保存されているお気に入りが自動的にダウンロードされ、再インストール前の状態に近づいていきます。
- サインイン直後はお気に入りが空のように見えても、数十秒〜数分で徐々に復元されることがあります。
- 複数のデバイスで同じ Microsoft アカウントを使っている場合は、それらの端末の Edge と自動的に同期が取られます。
ポイント:以前から同期がオンだったのであれば、まずは焦らず数分待ち、その後お気に入りバーや「お気に入り」画面を開いて内容を確認しましょう。
同期がオフだった場合の復元方針
再インストール前に Edge の同期を使っていなかった場合、クラウドから自動復元することはできません。この場合の復元方針は次のどちらかになります。
- Windows.old フォルダーに残っている古い Edge データから復元する
- 別の PC やスマホなど、他の端末に残っているお気に入りを利用する
どちらもなければ、残念ながらお気に入りの完全な復元は難しく、手動で作り直すしかないケースが多いです。まずは、Windows.old が残っているかどうかを確認しましょう。
Windows.old フォルダーからお気に入りを手動復元する方法
Windows.old の存在を確認する
- エクスプローラーを開きます(タスクバーのフォルダーアイコン、または
Windowsキー + E)。 C:\ドライブを開きます。Windows.oldというフォルダーが存在するか確認します。
もし Windows.old フォルダーが見つからない場合、クリーンインストールで完全に削除されているか、ディスククリーンアップ等で既に消されている可能性があります。その場合、この方法での復元はできません。
Windows.old が存在する場合は、旧環境のユーザーデータが保存されている可能性が高く、Edge のお気に入りファイルも残っているかもしれません。
Bookmarks ファイルの場所を確認する
Windows.old 内のファイル構成は基本的に以前の環境と同じです。旧 Edge プロファイルの Bookmarks ファイルは通常、次のパスにあります。
C:\Windows.old\Users\<以前のユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\Bookmarks
ここで注意したいポイントは次の通りです。
<以前のユーザー名>は、再インストール前に使っていた Windows ユーザー名です(現在のユーザー名と違う可能性があります)。AppDataは隠しフォルダーのため、エクスプローラーの表示オプションで隠しファイルを表示する設定にしておく必要があります。- Edge に複数のプロファイルを作っていた場合は、
DefaultのほかにProfile 1などが存在することがあります。その場合は、実際に使っていたプロファイルのBookmarksを探してください。
Bookmarks ファイルを新環境にコピーする手順
Bookmarks ファイルが見つかったら、それを新しい Windows 環境の Edge プロファイルにコピーします。作業中に Edge が起動していると上書きに失敗することがあるため、事前に Edge を完全に終了させておきましょう。
- Microsoft Edge をすべて閉じます。タブだけでなく、ウィンドウもすべて終了しておきます。
- 必要に応じてタスクマネージャー(
Ctrl + Shift + Esc)を開き、「Microsoft Edge」が残っていないか確認し、残っていれば終了します。 C:\Windows.old\Users\<以前のユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\などからBookmarksファイルをコピーします。- 新しい環境側のフォルダーを開きます。
C:\Users\<現在のユーザー名>\AppData\Local\Microsoft\Edge\User Data\Default\ - この中に、現在使用中の Edge が使っている
Bookmarksファイルがあるので、念のため別の名前(例:Bookmarks.backup)にリネームしてバックアップしておきます。 - 旧環境からコピーしてきた
Bookmarksファイルを、このフォルダーに貼り付けます。 - Edge を起動し、「お気に入り」やお気に入りバーを開いて復元されているか確認します。
うまくいけば、再インストール前とほぼ同じ構成のお気に入り・フォルダーが表示されるはずです。
Bookmark ファイル復元時の注意点
- Edge のバージョンが大きく違う場合でも、Bookmarks ファイルは JSON 形式のテキストファイルのため、基本的には互換性がありますが、稀にエラーが出ることがあります。
- ファイルを上書きしても反映されない場合は、Edge プロファイルの場所(Default なのか、Profile 1 なのか)を再確認してみてください。
- 企業・学校アカウントでポリシー管理されている環境では、管理側の設定によって挙動が異なる場合があります。その場合は一度 IT 管理者に確認した方が安全です。
別の端末やブラウザからの移行・復元も検討しよう
Windows.old がない場合でも、次のようなケースなら、お気に入りを救済できる可能性があります。
- 同じ Microsoft アカウントでサインインしている別の PC に、まだ Edge のお気に入りが残っている。
- スマホ版 Edge(iOS / Android)に同期されたお気に入りが残っている。
- 以前 Edge から別のブラウザ(Google Chrome や Firefox など)へお気に入りをインポートしていた。
この場合は、次のような流れでお気に入りを新しい環境へ持ってこられます。
- お気に入りが残っている端末(またはブラウザ)で、お気に入りを HTML としてエクスポートする。
- その HTML ファイルを USB メモリやクラウドストレージなどで新しい Windows 11 環境へコピーする。
- 新環境の Edge で HTML ファイルをインポートする。
この方法であれば、Windows.old がなくても、どこかに生き残っているお気に入りを最大限活用できます。
エクスポート/インポートで安全にバックアップする方法
今後のトラブルを防ぐためにも、Edge のお気に入りを定期的にバックアップしておくことを強くおすすめします。ここでは、HTML ファイルとしてエクスポートする手順を紹介します。
お気に入りを HTML としてエクスポートする手順
- Microsoft Edge を起動します。
- 右上の「…」ボタン → 「設定」をクリックします。
- 左側のメニューから「プロファイル」 → 「お気に入りのインポートまたはエクスポート」(または「ブラウザーデータのインポート」などの項目)を選びます。
- 「エクスポート」または「お気に入りをエクスポート」といったボタンをクリックします。
- 保存先を選び、わかりやすいファイル名(例:
Edge_Favorites_2025-11-15.html)で保存します。
エクスポートされた HTML ファイルは、ほぼすべてのブラウザでインポートできる汎用形式です。USB メモリ、外付け HDD、OneDrive など複数箇所にコピーしておくとより安心です。
HTML ファイルからインポートする手順
- 新しい環境の Microsoft Edge を起動します。
- 右上の「…」→ 「設定」 → 「プロファイル」 → 「お気に入りのインポート」を開きます。
- 「インポート元」で「HTML ファイル」を選択します。
- 「ファイルを選択」ボタンから、先ほどバックアップしておいた HTML ファイルを指定します。
- インポートが完了すると、「お気に入り」欄にフォルダーごとまとめて追加されます。
この方法を覚えておけば、Windows を再インストールするときだけでなく、新しい PC を購入したときの引っ越し作業もスムーズになります。
再発防止のために必ず確認したい同期設定
Edge の同期機能を活用すれば、「PC が壊れた」「再インストールした」「新しい PC を買った」という場面でも、Microsoft アカウントにサインインするだけでお気に入りを簡単に復元できます。
同期設定でオンにしておきたい項目
- Edge の設定画面から「プロフィール」→「同期」を開きます。
- 次の項目がオンになっているか確認します。
- お気に入り
- 履歴
- 設定
- パスワード(必要であれば)
- 拡張機能
- プロフィールの右側に雲アイコンが表示され、「同期中」または「正常」といったステータスであることを確認します。
特に「お気に入り」「設定」「パスワード」は、復旧作業の負担を大きく減らしてくれる重要項目です。セキュリティ上の理由でパスワードのみオフにする、といった細かな調整も可能です。
企業・学校アカウント利用時の注意
会社や学校から付与されたアカウント(@company.co.jp や @school.ac.jp など)で Edge にサインインしている場合、管理ポリシーによって同期が制限されていることがあります。
- 同期設定がグレーアウトしていて変更できない。
- 一部の同期項目(履歴やパスワードなど)が強制的にオフにされている。
このような場合は、無理に設定を変えようとせず、所属組織の IT 管理者に相談するようにしてください。個人用の Microsoft アカウント(@outlook.com 等)と併用することで、個人用のお気に入りをクラウドに保存する、という使い方も検討できます。
同期をオンにするメリット・デメリット
「クラウドにデータを預けるのは少し心配」という方のために、同期をオンにした場合とオフのまま使う場合の違いを整理しておきます。
| 項目 | 同期を 有効 にした場合 | 同期を 無効 のまま使う場合 |
|---|---|---|
| 復元の容易さ | Microsoft アカウントで Edge にサインインするだけで、別 PC や再インストール後も自動復元される | ローカルのみの保存。バックアップがなければ復元はほぼ不可能 |
| データ保護 | Microsoft のクラウドに暗号化して保存。PC 故障・紛失・盗難があってもアカウントがあれば復元可能 | PC ローカルのみ。HDD/SSD 故障や紛失時はデータが失われるリスクが高い |
| プライバシー | Microsoft にデータが渡る(暗号化されているが、クラウドにデータがあること自体が気になる人もいる) | データは PC 外へ送信されない。外部流出リスクは比較的低い |
| 管理の手間 | 初回に同期設定をオンにするだけで、その後はほぼ放置で運用可能 | 定期的なエクスポートとバックアップ先の管理、復元時のインポート作業が必要 |
| 複数端末での使い勝手 | PC・スマホ・タブレットなど、どの端末でも同じお気に入りが使える | 端末ごとにお気に入り構成がバラバラになりやすい |
日常的に複数の PC やスマホで Edge を利用している場合は、同期をオンにするメリットが非常に大きいです。どうしてもプライバシーが気になる場合は、「お気に入りは同期するが履歴は同期しない」といった形でバランスを取るとよいでしょう。
残念ながら復元できないケースと、そのときにできること
次の両方に当てはまる場合は、残念ながらお気に入りの完全復元はほぼ不可能です。
- 再インストール前に Edge の同期をオンにしていなかった。
Windows.oldや他のバックアップ(エクスポート HTML、別の PC など)が存在しない。
この場合は、以下のような「部分的な復元」を検討しましょう。
- ブラウザの履歴から重要なサイトを探し、再度お気に入り登録する
Edge や他ブラウザの履歴が残っていれば、よくアクセスしていたサイトだけでも拾い直せます。 - 検索エンジンの検索履歴やメールの履歴から URL を探す
会員登録メールや通知メールに URL が書かれていることが多いため、メールボックスをキーワードで検索すると復元の手がかりになることがあります。 - スマホやタブレットのブラウザを確認する
スマホには同じサイトを別途ブックマークしているケースもあります。
完全復旧は難しくても、「よく使うサイト」だけでもある程度再登録できれば、日常的な作業への影響をかなり抑えられます。
Edge の「プロフィール」機能を活用してリスクを分散する
Microsoft Edge には複数のプロフィール(ユーザー)を切り替えて使う機能があります。仕事用・プライベート用・検証用など、用途に応じて分けておくことで、次のようなメリットがあります。
- 誤って別のアカウントで同期してしまうリスクを減らせる。
- 仕事用のブックマークとプライベート用のブックマークを混在させなくて済む。
- プロフィールごとに異なるバックアップ・同期ポリシーを設定できる。
例えば、プライベート用プロフィールでは同期をオンにしてフルバックアップ、仕事用プロフィールは会社のポリシーに従って制限付き同期、といった使い分けも可能です。
新しいプロフィールを作る手順
- Edge 右上のプロフィールアイコン(丸いアイコン)をクリックします。
- 「プロフィールの追加」を選択します。
- 案内に従って Microsoft アカウントでサインインするか、ローカルプロフィールとして作成します。
新しい PC や再インストール直後は、まずこのプロフィール設定と同期状態を確認してから日常のブラウジングを始めると、後になって「お気に入りが消えた!」と慌てずに済みます。
「同期をオンにするだけ」で救えるケースがほとんど
ここまでさまざまなパターンを解説してきましたが、実際には多くのユーザーが「Microsoft アカウントで Edge にサインインして同期をオンにしている」状態で利用しています。そのため、再インストール後にサインインし直すだけで、お気に入りが自然に戻るケースが非常に多いのが実情です。
逆に言えば、再インストール後に初めて Edge を起動したときに、
- Microsoft アカウントにサインインしないまま使い始める
- 同期をオフのままブラウジングを続ける
といった使い方をしてしまうと、再び同じトラブルに遭遇する可能性が高くなります。
新しい環境をセットアップするときのチェックリストとして、次の 3 点を覚えておくと安心です。
- Edge に自分の Microsoft アカウントでサインインしたか。
- 同期設定で「お気に入り」がオンになっているか。
- 念のため、お気に入りの HTML エクスポートをどこかに保存したか。
よくある質問(FAQ)
Q. Windows.old フォルダーはいつまで残っていますか?
A. 一般的には、Windows の再インストールやアップグレード後、一定期間(おおよそ 10 日前後)を過ぎると、自動的に削除されることがあります。また、ディスククリーンアップやストレージセンサーによって手動・自動で削除される場合もあります。お気に入りを復元したいなら、できるだけ早く Windows.old を確認することが重要です。
Q. Bookmarks ファイルを直接編集しても大丈夫ですか?
A. Bookmarks ファイルはテキスト形式ですが、JSON という書式で保存されています。構造を理解していない状態で直接編集すると、Edge が読み込めなくなったり、お気に入りが空になってしまうことがあります。特別な理由がない限り、直接編集せずにコピー・差し替えのみにとどめることをおすすめします。
Q. Edge のバージョンが変わっても、古い Bookmarks ファイルは使えますか?
A. 通常のバージョンアップや再インストールであれば、古い Bookmarks ファイルが読み込めなくなるケースは稀です。ただし、非常に古いバージョンからの乗り換えや、開発版・ベータ版など特殊な環境から移行する場合は注意が必要です。心配な場合は、コピー前に現在の Bookmarks ファイルを別名でバックアップしておきましょう。
Q. Edge 以外のブラウザにもお気に入りを移したいのですが?
A. いったん Edge のお気に入りを HTML 形式でエクスポートしておけば、Google Chrome や Firefox など、ほとんどのブラウザでその HTML ファイルからインポートできます。ブラウザごとにメニュー名は多少違いますが、「お気に入り(ブックマーク)」「インポート」「HTML」などのキーワードで設定画面を探すと見つけやすいです。
Q. 手動で作り直すしかない場合、効率よく復元するコツはありますか?
A. 完全にゼロから作り直すのは大変ですが、次のような手順で優先順位をつけると負担を減らせます。
- まずは「銀行・クレジットカード」「仕事の管理ツール」「よく使うクラウドサービス」など、日常業務や生活に直結するサイトだけを先に登録する。
- 次に、ブラウザの履歴やメールの履歴から、よく利用していたサービスや会員サイトを探して随時追加する。
- ある程度落ち着いてから、「暇つぶし」「ニュース」など優先度の低いサイトを少しずつ整理しながら登録する。
このタイミングで、フォルダー構成を見直して整理しておくと、後々ブラウジングがかなり快適になります。
まとめ:まずは同期を確認、それでダメなら Windows.old を探す
Windows 11 を再インストールしたあとに Microsoft Edge のお気に入りが消えてしまった場合、取るべき手順は大きく分けて次の 3 ステップです。
- Edge のプロフィールで Microsoft アカウントのサインインと同期状態を確認する。
- 同期がオフだった場合は、Windows.old や他端末、他ブラウザから Bookmarks や HTML バックアップを探す。
- どうしても復元できない場合は、今後のために同期設定と HTML エクスポートによるバックアップ体制を整える。
特に、「同期をオンにするだけ」でほとんどの復旧が済んでしまうケースが多いので、再インストール後は真っ先にプロフィールと同期設定をチェックする習慣をつけておきましょう。そして、いざというときの安心のために、定期的な HTML エクスポートと、複数端末での同期運用を組み合わせた「二重の保険」をかけておくと、今後はお気に入りが突然消えてしまう不安から解放されます。

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