最近、Macで使っていたOffice 2019をアップデートしたら、ライセンスが無効になって起動できなくなった…そんな経験はありませんか。筆者も昔、Officeのバージョンアップに振り回され、業務に支障が出たことがあります。そこで今回は、Office 2019 for Macライセンスを使い続けたい方へ向けた、具体的な対処方法をご紹介します。
Office 2019 for Macのライセンスが最新バージョンと合わない問題とは
Office 2019 for Macを使っていると、ある日突然アプリの更新通知が届くことがあります。更新しても問題なく使える場合もあれば、今回のように「Your Office 2019 license is not supported with this version of the application」というエラーが表示されてしまい、WordやPowerPointなどが起動すらできなくなるケースがあります。これはなぜ起こるのでしょうか。
そもそもなぜエラーが発生するのか
Microsoft Officeは、Office 2019やMicrosoft 365などのライセンス体系ごとに対応するバージョンが存在します。Office 2019は買い切り型で、提供期間中のアップデートは受けられますが、リリースが進むにつれ最新機能はMicrosoft 365向けにシフトしていく傾向があります。そのため、一部の新バージョンではOffice 2019ライセンスが認証されない場合があるのです。
Office 2019 for Macにおける最終サポートバージョン
Office 2019 for Macがサポートされる最終バージョンは16.78.3とされています。これを超えるバージョンはMicrosoft 365向けのライセンスのみで動作することが多く、Office 2019のライセンスでは利用できません。新機能が気になって更新を行った結果、ライセンス互換性の問題に遭遇してしまうのはこうした背景があるからです。
バージョンを確認する方法
Macで使っているOfficeアプリのバージョンを確認するには、Officeアプリを起動したうえで「Wordについて」や「PowerPointについて」などのメニューからバージョン番号をチェックします。もし16.78.3より上のバージョンにアップデートしてしまっている場合、Office 2019のライセンスでは弾かれる可能性が高いので注意してください。
Office 2019ライセンスを使い続けるにはどうすればいい？
それでは、実際にエラーが出てしまったとき、具体的にどう対処すればいいのかを見ていきましょう。すべてのアプリを一気にアンインストールして再インストールするのは、環境によっては大変です。そこで、不具合が起きたアプリだけを再インストールする方法が有効です。
不具合が起きたアプリだけをアンインストールする
WordやPowerPointなど、エラーが起きているアプリをピンポイントでアンインストールします。MacではMicrosoft公式のアンインストール手順に沿って行うのが安全ですが、手順としては下記のような流れです。
1. Finderを開く
2. アプリケーションフォルダ内の「Microsoft Word」等のアイコンをゴミ箱へドラッグ
3. ライブラリフォルダにある関連ファイルも削除
4. ゴミ箱を空にするOfficeスイートすべてを消すのは手間なイメージがありますが、個別アプリだけなら案外短時間で行えます。ただしプラグイン類やテンプレートも一部削除される場合があるので、必要に応じてバックアップを取っておくと安心です。
実際にかかった手間と時間
筆者の場合、WordとExcelのみをアンインストールする作業は合計で30分程度でした。普段使う設定ファイルやテンプレート類を事前にバックアップしていたので、トラブルなくスムーズにアンインストールを完了できました。
適切なバージョンを再インストールする
不具合アプリをアンインストールしたら、次はOffice 2019の最終サポートバージョンである16.78.3を改めて導入しましょう。Microsoft公式サイトや、一部ではOffice 2019の旧バージョンをアーカイブとして提供しているケースもあります。公式手順に従ってダウンロードするのが最も確実です。
Office 2019 for Mac 16.78.3を探すコツ
Microsoft公式の「Office for Macの更新履歴」ページなどを参照すると、過去バージョンをたどれる場合があります。ただし、検索性が低いこともあるため、製品名やバージョン番号などを組み合わせて検索するとスムーズに該当ページへ行き着くかもしれません。
再インストール後のアップデート設定
再インストールが完了したら、すぐに使い始めたいところですが、ここで重要なのが今後のアップデートをどう扱うかです。デフォルト設定だとOfficeアプリが自動更新され、またライセンスエラーを起こす可能性があります。
Officeの自動更新を停止する方法
Officeの更新設定は、アプリを起動した状態で「ヘルプ」→「アップデートの確認」をクリックすると管理画面にアクセスできます。ここで自動更新をオフにしておかないと、知らないうちに更新が走って再び最新バージョンがインストールされる恐れがあります。
オフにし忘れた場合のリスク
更新通知が来るたびにキャンセルできるならまだしも、設定によってはバックグラウンドで勝手に更新されるケースもあります。特に複数のMacを持っている方や、管理者権限があるアカウントを共用している場合は要注意です。
筆者は自動更新をオフにしていなかったせいで、せっかくダウングレードしたOfficeを再びアップデートしてしまった経験があります。二度手間にならないように、忘れずに設定するのがおすすめです。
Office 2019 for Macのサポート終了に関して
Office 2019 for Macは2023年10月10日をもって公式サポートが終了しました。すでにサポートが終了している製品を使い続けるのはどんなリスクがあるのでしょうか。
セキュリティリスクと運用リスク
サポートが終了したソフトウェアは今後のセキュリティパッチが提供されません。そのため、新たに発見された脆弱性に対して無防備になります。加えて、OSのアップデートによる動作不具合も自己責任で対処しなければならなくなる可能性が高まります。
表：サポート終了による影響度
| 項目 | 影響 |
|---|---|
| セキュリティアップデート | 提供されない |
| 新機能 | 追加なし |
| トラブル時の公式サポート | 受けられない可能性大 |
| OSとの互換性 | 将来的に保証されない |
Microsoft 365への移行か、Office 2019を使い続けるか
Microsoft 365に移行すれば、常に最新バージョンのOfficeを使うことができますし、クラウド連携や最新機能も使えるメリットがあります。一方で、定期的な課金が必要です。また、Office 2019の買い切りモデルにこだわりたい方もいるでしょう。どちらを選ぶべきかは、予算や用途、セキュリティポリシーなどから総合的に判断すると良いでしょう。
Microsoft 365を導入するメリット
Office 2019を使い続けるメリット
買い切り型なので追加コストが発生しません。すでに導入済みで環境も整備されているなら、余計な設定変更を避けられます。特にインターネット環境が安定しない状況で使う場合は、サブスクリプション型より運用が簡単です。
筆者の実体験
企業の経理部門で働いている友人は、Excelの複雑なマクロやVBA機能を頻繁に使っているため、安易にバージョンアップをしないようにしているそうです。すべてのツールが安定稼働している環境では、新機能よりも業務の継続性が優先されるとのことです。
今後の長期的な対策
Office 2019で互換性問題を回避できたとしても、サポート終了後のリスクは残ります。ここからは、より長期的な視野で検討すべき点を挙げていきます。
OSのアップデートとの兼ね合い
MacのOSがメジャーアップデートを重ねると、古いOfficeアプリは互換性の問題を起こすことがあります。実際に、macOS Sonoma以降でOffice 2019が正常動作するかはユーザーの環境によって変わってきます。最新OSを使いたい場合は、Officeも比較的新しいバージョンを使うのが理想です。
バックアップと代替案の準備
Officeだけに依存するのではなく、LibreOfficeやGoogle Workspaceなどの代替ソフトウェアの利用も視野に入れると安心です。特にビジネス文書の編集は複数のソフトを使い分けるようにしておくと、万が一のライセンス問題やバージョン不整合に対応しやすくなります。
個人的には、Google Workspaceを活用することでブラウザだけでも業務を進められるようになり、かなり助けられています。クライアントとのファイル互換の問題も少なく、オンラインで共同編集できる点が大きな魅力です。
リスクと労力を天秤にかける必要性
Office 2019 for Macにこだわるのは、買い切りライセンスを無駄にしたくないなどの理由があるでしょう。一方で、今後のセキュリティリスクやOSアップデートとの兼ね合い、ビジネス環境に求められる最新機能などを考えると、Microsoft 365への移行や他のソリューションを検討するのも得策です。
企業ユーザーの場合
大規模な企業では、IT管理部門がOffice 365（Microsoft 365）を導入するケースが多いです。特にリモートワークが進む現代では、クラウドベースでライセンスとファイルを管理できるメリットが大きく、保守コストも下げられます。
個人ユーザーの場合
個人や小規模事業者では、買い切り型のOffice 2019を使い続けたい気持ちも理解できます。しかし、Office 2019が使えなくなったときのリスクを考慮すると、サブスクリプション型へ移行するか、別の無料オフィスソフトを検討してみるのも一つの手です。
表：買い切りとサブスクリプションの比較
| 項目 | Office 2019 | Microsoft 365 |
|---|---|---|
| 導入コスト | 初回一括支払い | 月額or年額サブスク |
| アップデート | サポート終了で止まる | 常に最新を提供 |
| クラウド連携 | 限定的 | OneDriveなど標準 |
| サポート | 終了後は受けられない | 継続的にサポート |
具体的な復旧手順のまとめ
これまでの内容を簡単に振り返りながら、実際の復旧手順の流れをおさらいしましょう。
正しいバージョンの特定
Office 2019 for Macは16.78.3が事実上の最終バージョンです。まずはエラーが出たアプリのバージョンを確認し、最新の16.78.3より上ならダウングレードを検討します。
該当アプリをアンインストール
ライセンスエラーが起きているアプリだけをアンインストールします。大きなトラブルを避けるため、事前にテンプレートファイルや設定ファイルのバックアップを取っておくのがポイントです。
アンインストールの際に気を付けること
ライブラリフォルダや関連ディレクトリに残るファイルもしっかり削除しないと、再インストール後に古い設定が影響を及ぼす場合があります。
Office 2019の16.78.3を再インストール
Microsoft公式サイトや信頼できるアーカイブを利用して、必要なOfficeアプリ（WordやPowerPointなど）を再インストールします。全アプリをまとめて入れる方法もありますが、必要なものだけに絞ると時短になります。
ダウンロードに時間がかかる場合
回線速度によってはダウンロードに時間がかかることがあります。作業する際は、時間に余裕を持って行うか、夜間など回線がすいている時間帯に進めるとストレスが少なくなるでしょう。
アップデートの無効化
インストールが完了し、Officeアプリが正常に起動することを確認したら、すぐにアップデート通知をオフにします。今後もOffice 2019を維持するなら、定期的にバージョンが変わっていないか確認し、意図しないアップデートを防ぐことが重要です。
事例とケーススタディ
ここからは実際の事例を交えながら、Office 2019 for Macの復旧がどのように行われたのか、想定されるケースを紹介します。
ケース1：デザイン事務所でのトラブル
デザイナーがMacをアップデートすると同時にOfficeの更新も自動実行され、PowerPointが開けなくなる事態が発生。プレゼン資料をクライアントと共有する直前だったため、大慌てで他の端末を借りて切り抜けました。その後、問題の端末でPowerPointだけをアンインストールし、Office 2019の適切なバージョンを再導入。再インストール時に自動更新を停止したことで、以後は安定してプレゼン資料が作成できています。
ケース2：オンライン授業でOfficeを使う学生
大学のオンライン授業でWordファイルの提出が必要だった学生が、最新バージョンにアップデートした途端ライセンスエラーに直面。急ぎレポートを仕上げるため、Mac標準のPagesで代用しようと試みたものの、一部レイアウトや機能が足りず苦戦。結局、Word単体をアンインストールして16.78.3のインストーラーを探し出し、間に合わないと思っていたレポート提出にも無事成功。トラブル以降はこまめにバージョン確認するようになりました。
このようにOffice 2019のライセンス問題に直面するケースは意外と多いです。筆者も学生時代、Wordが急に使えなくなった経験があり、その時は事前に複数のオフィスソフトをインストールしておく大切さを痛感しました。
まとめと今後の展望
Office 2019 for Macを使い続けるなら、ライセンスが最新バージョンに対応していないことをまず理解し、最終サポートバージョンの16.78.3にダウングレードするのが最善策です。エラーが発生した場合は、不具合が起こったアプリを選択的にアンインストールし、正しいバージョンで再インストールしてからアップデートを停止しましょう。
ただし、Office 2019 for Macはすでに公式サポートを終了しています。今後OSや他のソフトウェアとの互換性問題が出てきたとき、セキュリティパッチが当たらないリスクなども見過ごせません。もし長期的にOfficeを活用する予定があるなら、Microsoft 365への移行や他のオフィススイートとの併用も検討しましょう。特にセキュリティや共同作業の効率面を考慮すると、最新のサブスクリプション型サービスを導入するメリットは大きいです。
最終的には、個人の使い方や組織のルールに合わせて選択する必要があります。ただし、Office 2019 for Macのライセンス問題を回避する方法は確立されているので、焦らず対処すれば再び使えるようになります。もしお困りなら、この記事を参考にぜひ復旧手順を試してみてください。
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