ネットが遅い&安全でないサイト警告を解消する7つの対策

パソコンでインターネットを利用していると、なぜか一台だけ極端に速度が遅くなったり、普段は正しく表示されるはずのサイトが「安全でない」と警告されたりすることがあります。今回の記事では、そうした原因不明の通信トラブルにお悩みの方へ向けて、具体的な対策とチェックポイントを詳しく解説します。快適なネット環境に戻すためのヒントを、ぜひ最後までご覧ください。

パソコンのインターネット速度が極端に遅くなる原因は?

インターネット速度が落ちる現象には、さまざまな原因が考えられます。同じネットワークを使っていても、スマートフォンや他のパソコンでは問題がない場合、トラブルの原因は特定のパソコン側に集中していると推測できます。以下では、代表的な要因を取り上げつつ、その対策を詳しく説明していきます。

ネットワークアダプターや無線LANドライバーの不具合

パソコンの無線LAN(Wi-Fi)や有線LANを司るネットワークアダプターのドライバーが古かったり、適切にインストールされていなかったりすると、速度が著しく低下する原因になることがあります。また、メーカーが提供する最新のドライバーがWindowsの自動更新だけでは適用されていない場合も少なくありません。

ドライバーの更新方法

ドライバーを更新する際は、以下のポイントに注意してください。

  1. パソコンのメーカー公式サイトを確認
    メーカー名や型番を調べ、該当機種の最新ドライバーが公開されていないか確認します。メーカーサイトでは「チップセットドライバー」「LANドライバー」「無線LANドライバー」などがまとめて公開されていることがあります。
  2. Windows Updateでの確認
    Windowsの設定画面で「更新とセキュリティ」を開き、必要な更新プログラムがないかチェックします。ただし、Windows Update経由だけでは最新のドライバーが入手できない場合もあるため、公式サイトのチェックは並行して行いましょう。
  3. 自動ドライバー更新ツールの活用
    一部のメーカー(例:Dell, HPなど)は専用のユーティリティソフトを提供しており、パソコンのシステムスキャンを行って必要なドライバーを自動ダウンロード・更新してくれます。こうしたツールを活用するのも効率的です。

ウイルス・マルウェアの存在

何らかのウイルスやマルウェアが潜んでいると、通信速度が低下したり、正規のサイトであっても警告表示が出る場合があります。悪意あるプログラムが裏で大量のデータ通信を行っていると、回線を圧迫してしまうだけでなく、ブラウザのセキュリティ判定にも悪影響を及ぼす可能性があります。

ウイルス・マルウェアスキャンの具体例

  1. ウイルス対策ソフトのフルスキャン
    すでにインストールされているセキュリティソフトで、定期的にフルスキャンを実行しましょう。リアルタイム保護が有効でも、最新の定義ファイルに更新されていなければ検出漏れが起きることがあります。
  2. セキュリティ対策ソフトのセカンドオピニオン
    メインの対策ソフトだけでは見逃してしまうマルウェアもゼロではありません。Malwarebytesなど、補助的なマルウェアスキャンツールを利用してチェックを行うと安心です。
  3. 危険サイトへのアクセス状況を確認
    自分が普段訪問するサイトがフィッシングや不正広告を仕込んでいないか注意が必要です。特に無料ソフトをダウンロードする際に怪しいサイトを踏んでしまうと、不審なプログラムが入り込むリスクが高まります。

DNSサーバー切り替えで速度と安全性を改善

DNSは、ドメイン名(例:example.com)とIPアドレスを結びつけるシステムです。プロバイダー側のDNSが重かったり不安定だったりすると、サイトの読み込みが遅くなる要因になることがあります。Google Public DNS(8.8.8.8 / 8.8.4.4)やCloudflare DNS(1.1.1.1 / 1.0.0.1)に切り替えることで、遅延を軽減できるケースも少なくありません。

DNSサーバー変更の手順

  1. ネットワーク設定画面へアクセス
    Windows 10やWindows 11では、「設定」→「ネットワークとインターネット」→「状態」→「アダプターのオプションを変更する」から該当のネットワークアダプターを探します。
  2. アダプターのプロパティを開く
    Wi-Fiやイーサネット(有線LAN)のアイコンを右クリックし、「プロパティ」を選択します。
  3. IPv4の設定変更
    一覧から「インターネット プロトコル バージョン 4(TCP/IPv4)」をダブルクリックし、次の画面で「次のDNSサーバーのアドレスを使う」を選択。優先DNSサーバーに「8.8.8.8」や「1.1.1.1」などを設定し、代替DNSサーバーも同様に入力します。
  4. 設定の保存と再起動
    設定を保存後、一度ネットワークを切断して再接続するか、PCを再起動して新しいDNSが反映されるか確認します。

ブラウザーのキャッシュ・拡張機能の影響

ブラウザ内部でキャッシュが溜まっていたり、拡張機能(プラグイン)が不具合を起こしていると、正規サイトでも「セキュリティ警告」が表示される可能性があります。速度低下だけでなく、誤検出による「安全でないサイト」表示にも影響するため、定期的なメンテナンスが有効です。

キャッシュクリアとプラグイン無効化の手順

  • キャッシュの削除
    Chromeの場合は「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「閲覧履歴データの削除」からキャッシュをクリア。EdgeやFirefoxなども同様にオプション画面から削除できます。
  • 拡張機能の見直し
    不要な拡張機能が複数インストールされている場合、1つずつ無効化してブラウザを再起動し、問題が再現するか確認します。多数の拡張機能を同時に使っていると、どれが原因か特定しづらいため、絞り込みを行いましょう。
  • シークレット(プライベート)ウィンドウの活用
    シークレットモードやプライベートブラウズを利用すると、キャッシュや拡張機能が最小限の状態でブラウジングが行えます。これで問題が発生しない場合は、常用のブラウジング設定に原因があると判断できます。

システム時刻や証明書エラーに注意

パソコンの日時設定がずれていると、正しい証明書があっても有効期限の不一致などでエラーが出ることがあります。たとえばMicrosoftの正規サイトでも、「このサイトは安全ではありません」と警告が出てしまうケースがあります。

システム時刻の調整方法

  • Windowsの時刻設定
    「日付と時刻の設定」でタイムゾーンや自動時刻設定が正しいかを確認します。自動時刻合わせをオフにして手動で正しい時刻に合わせ、改めてオンに戻すと同期がうまくいくことがあります。
  • OSやブラウザのアップデート
    OSの更新が滞っていると証明書関連のルートストアが古いままの可能性があります。ブラウザも最新バージョンに更新しておくと、最新のセキュリティ更新が適用され、警告表示が改善される場合があります。

ネットワーク設定のリセットで根本的な初期化を

Windowsのネットワーク関連設定が複雑に書き換えられていると、局所的な不具合が蓄積して速度が遅くなるケースもあります。そこで有効なのが、コマンドプロンプト(管理者権限)での設定リセットです。

コマンドの例

以下のコマンドを順に実行すると、IPアドレスのリリース・再取得からDNSキャッシュのクリア、WinsockやIPのリセットがまとめて行えます。

ipconfig /release
ipconfig /renew
ipconfig /flushdns
netsh winsock reset
netsh int ip reset

これらのコマンドを実行後は、必ずパソコンを再起動してから速度状況を確認します。リセット直後は、ネットワーク設定が初期化された影響で一時的に接続に時間がかかる場合もありますが、再起動後に状況が落ち着いて高速な通信が回復することが期待できます。

ハードウェアの故障や物理的な問題をチェック

ネットワークアダプターや無線LANカード、アンテナなど、物理的な故障や接触不良によって速度が低下することもあります。特にノートパソコンであれば、長年の使用や持ち運び時の衝撃で部品が緩んでいる場合も考えられます。

ハードウェア故障を疑うポイント

  • 他のネットワークで試しても遅い
    自宅のWi-Fiだけでなく、職場やカフェなど別の回線を使っても同じく遅い場合、パソコン本体の問題が疑われます。
  • 有線接続で速度を比較
    ノートパソコンをLANケーブルで直接ルーターやモデムに接続してみて、速度が改善するかをチェックします。無線がダメでも有線が正常な場合、無線LANアダプターの故障の可能性が高まります。
  • USB接続の外付けWi-Fiアダプターを試す
    手軽に試せる方法として、USBのWi-Fiアダプターを使い、内蔵の無線LANを使わずに接続してみる方法があります。これで速度が向上するようであれば、内蔵無線LANのハードウェア不具合を疑う余地があります。

まとめ:根本解決に向けての手順とポイント

最後に、これまで紹介した内容を踏まえて、状況改善に取り組む際のポイントを整理します。

手順ポイント注意事項
1. ドライバー更新メーカー公式サイトで最新を入手Windows Updateだけでは最新が入らない場合がある
2. ウイルススキャンフルスキャン&セカンドオピニオンツール定義ファイルを最新に保つ
3. DNSサーバー変更Google Public DNSやCloudflare DNSなどへ切り替え手動設定後はネットワーク再接続や再起動を推奨
4. ブラウザの見直しキャッシュ削除・不要拡張機能オフシークレットモードで再現性をチェック
5. システム時刻確認日時のズレがないか、OS・ブラウザ更新が適切かタイムゾーンが合っていないと証明書エラーの原因になる
6. ネットワークリセットコマンドで初期化し、パソコンを再起動リセット後の再起動を忘れると設定が反映されないことがある
7. ハードウェア確認有線接続やUSBアダプターで速度を比較ノート内部のWi-Fiアンテナ故障や接触不良の場合は修理が必要なことも

1から7までの手順をひととおり試してみて、症状に変化があるかどうかを確認してください。改善しない場合は、専門業者に依頼して詳しく診断を受けることも視野に入れましょう。特に基盤レベルの故障などが生じている場合は、個人での修復は難しいケースもあります。

追加のヒント:ネットワーク機器のファームウェア更新

ここまでパソコン側の対策を中心に紹介しましたが、ルーターやモデムなどのネットワーク機器のファームウェアが古く、不具合を起こしている可能性もゼロではありません。特定の環境下でのみセキュリティ警告が頻発する際は、ルーターの管理画面にアクセスしてファームウェアの更新状況を確認してみるとよいでしょう。

ファームウェア更新のメリット

  • セキュリティ強化
    古いファームウェアのまま放置すると、脆弱性が修正されないままの状態になり、外部からの攻撃を受けやすくなります。
  • 通信安定化
    最新のファームウェアでバグが修正され、接続が切れやすい・速度が不安定といった問題が改善される場合があります。
  • 新機能の利用
    ルーターのモデルによっては、最新ファームウェアにアップデートすることで、追加機能(ゲストネットワーク、メッシュWi-Fi対応など)が利用可能になることもあります。

結論:段階的なアプローチで確実に原因を絞り込みましょう

パソコンのみインターネット速度が極端に遅い、あるいは「安全でないサイト」と警告が出る場合は、まずソフトウェア的な要因(ドライバー、マルウェア、DNS、ブラウザ設定など)を一つずつ排除していきましょう。それでも症状が変わらない場合は、ハードウェアの故障を疑い、専門業者に依頼するのが確実です。トラブルの原因は多岐にわたるため、焦らずに一歩ずつ対策を試すことが重要です。

快適なインターネット環境を取り戻すために、今回紹介した方法をぜひ活用してみてください。原因不明の問題も、きちんと対処すれば解決する可能性は十分にあります。パソコンの状態をしっかり整え、ストレスなくネットを利用できるようになることを願っています。

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