この記事ではPythonの`subprocess`モジュールと`multiprocessing`モジュールについて、それぞれの特性と使い方を深堀りしていきます。コード例やその詳細な解説、さらには応用例も含めてご紹介します。これらのモジュールはプロセスを扱う上で非常に便利であり、その選定によってプログラムの効率が大きく変わる可能性があります。
`subprocess`モジュールは外部プロセスを作成、入出力を操作、そしてその終了ステータスを待つための機能を提供します。
`sCode`
import subprocess
# コマンドラインで「ls」コマンドを実行する例
result = subprocess.run([‘ls’], capture_output=True, text=True)
print(result.stdout)
このコードは、UNIX系の`ls`コマンドを実行して、その結果を変数`result`に格納します。`capture_output=True`により、標準出力と標準エラー出力をキャプチャします。`text=True`は出力をテキスト形式で受け取るためのオプションです。
`sCode`
# lsとgrepをパイプでつなぐ例
p1 = subprocess.Popen([‘ls’], stdout=subprocess.PIPE)
p2 = subprocess.Popen([‘grep’, ‘.py’], stdin=p1.stdout, stdout=subprocess.PIPE)
p1.stdout.close()
output = p2.communicate()[0]
print(output.decode(‘utf-8’))
この応用例では、`ls`コマンドの出力を`grep`コマンドにパイプしています。`Popen`クラスを使用して各プロセスを生成し、`stdout=subprocess.PIPE`と`stdin=p1.stdout`でパイプを接続しています。
`multiprocessing`モジュールは並行処理を行うための機能を提供します。主にCPUバウンドなタスクに有用です。
`sCode`
from multiprocessing import Process
def print_func(continent=’Asia’):
print(f’The name of continent is : {continent}’)
# Processクラスのインスタンスを生成
p1 = Process(target=print_func, args=(‘America’,))
p1.start()
p1.join()
この基本的な例では、`Process`クラスを使って新しいプロセスを生成しています。`target`には呼び出す関数、`args`にはその関数の引数を指定します。
`sCode`
from multiprocessing import Pool
def square(n):
return n * n
data = [1, 2, 3, 4, 5]
pool = Pool()
result = pool.map(square, data)
print(result)
この例では、`Pool`クラスを使用してデータのリストを複数のプロセスで処理しています。`map`メソッドを使い、各データを`square`関数で処理します。
`subprocess`と`multiprocessing`はそれぞれ異なる目的と利点があります。`subprocess`は外部プロセスの実行と制御が得意であり、`multiprocessing`はPython内での並行処理を効率よく行えます。タスクに応じて適切なモジュールを選ぶことが重要です。
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