Django ORMで複数データベースを操作する完全ガイド

この記事では、Django ORM(Object-Relational Mapping)を使用して複数のデータベースを操作する方法について詳しく解説します。具体的なコード例とその解説、応用例を含めています。

目次

なぜ複数データベースが必要なのか

単一のデータベースで運用する場合でも多くのアプリケーションが問題なく動作しますが、ビッグデータの取り扱いや、負荷分散、セキュリティ対策などで複数のデータベースが必要になる場合もあります。

Django ORMとは

Django ORMは、PythonのWebフレームワークDjangoで提供されている機能の一つです。プログラム内でデータベース操作を行う際にSQLを直接書く代わりにPythonのオブジェクトとしてデータベースを扱えます。

基本的な使い方

例えば、単一のデータベースでの基本的なCRUD操作は以下のようになります。

from django.db import models

class MyModel(models.Model):
    name = models.CharField(max_length=100)
    age = models.IntegerField()

# データの作成
my_instance = MyModel(name='John', age=30)
my_instance.save()

# データの読み込み
read_instance = MyModel.objects.get(name='John')

# データの更新
read_instance.age = 31
read_instance.save()

# データの削除
read_instance.delete()

複数データベースの設定方法

settings.pyファイルで複数のデータベースを設定する方法について説明します。

# settings.py
DATABASES = {
    'default': {
        'ENGINE': 'django.db.backends.sqlite3',
        'NAME': BASE_DIR / 'db.sqlite3',
    },
    'another_db': {
        'ENGINE': 'django.db.backends.postgresql',
        'NAME': 'mydatabase',
        'USER': 'myuser',
        'PASSWORD': 'password',
        'HOST': 'localhost',
        'PORT': '',
    }
}

データベースルーターの設定

特定のモデルがどのデータベースに保存されるかを制御するには、データベースルーターを設定します。

# myapp/database_routers.py
class MyModelRouter:
    def db_for_read(self, model, **hints):
        if model._meta.app_label == 'myapp':
            return 'another_db'
        return 'default'
        
    def db_for_write(self, model, **hints):
        if model._meta.app_label == 'myapp':
            return 'another_db'
        return 'default'

複数データベースでの操作方法

以下は、上記の設定を前提に複数のデータベースでCRUD操作を行う例です。

# データの作成
my_instance = MyModel.objects.using('another_db').create(name='John', age=30)

# データの読み込み
read_instance = MyModel.objects.using('another_db').get(name='John')

# データの更新
read_instance.age = 31
read_instance.save(using='another_db')

# データの削除
read_instance.delete(using='another_db')

応用例

負荷分散

複数のデータベースを活用することで、アプリケーションの負荷分散が可能です。

# 読み取り専用のデータベースを使って負荷分散
read_instance = MyModel.objects.using('read_replica').get(name='John')

ビッグデータの取り扱い

複数のデータベースを使うことで、ビッグデータを効率よく管理できます。

# ビッグデータ用のデータベースにアクセス
big_data_instance = BigDataModel.objects.using('big_data_db').create(data_field='some_big_data')

まとめ

Django ORMを用いて複数のデータベースを効率よく操作する方法について解説しました。設定方法や基本的な操作法、さらには応用例までを網羅していますので、ぜひ参考にしてください。

コメント

コメントする

目次