Flaskでのミドルウェアの利用について、その基礎から応用例まで詳しく解説します。具体的なコード例とその解説、応用例を含めています。
目次
ミドルウェアとは?
ミドルウェアは、クライアントとサーバー間の通信を仲介するソフトウェアの一つです。具体的には、リクエストとレスポンスをフックして機能を追加または変更することができます。
Flaskでのミドルウェアの利用
Flaskでは、WSGIミドルウェアを容易に導入することができます。以下の例では、シンプルなミドルウェアの構築を示しています。
# ミドルウェアの定義
class SimpleMiddleware:
def __init__(self, app):
self.app = app
def __call__(self, environ, start_response):
print("ミドルウェアが呼び出されました") # ミドルウェアが呼び出されたことを確認
return self.app(environ, start_response)
# Flaskアプリにミドルウェアを追加
from flask import Flask
app = Flask(__name__)
app.wsgi_app = SimpleMiddleware(app.wsgi_app)
基本的な利用法
Flaskでミドルウェアを利用する際の基本的なパターンについて解説します。
ミドルウェアの作成
ミドルウェアを作成するには、クラス内で`__call__`メソッドを定義します。このメソッドは、リクエストが来たときに自動的に呼び出されます。
# 基本的なミドルウェアの定義
class BasicMiddleware:
def __init__(self, app):
self.app = app
def __call__(self, environ, start_response):
print("基本的なミドルウェアです")
return self.app(environ, start_response)
Flaskアプリにミドルウェアを追加
作成したミドルウェアをFlaskアプリに追加する方法です。
app.wsgi_app = BasicMiddleware(app.wsgi_app)
応用例1:ログ出力
リクエストやレスポンスに関する情報をログに出力するミドルウェアの例です。
import logging
class LoggingMiddleware:
def __init__(self, app):
self.app = app
def __call__(self, environ, start_response):
logging.info(f"リクエストが来ました: {environ['PATH_INFO']}")
return self.app(environ, start_response)
# ロギングの設定
logging.basicConfig(level=logging.INFO)
# ミドルウェアの追加
app.wsgi_app = LoggingMiddleware(app.wsgi_app)
応用例2:認証
特定のパスに対して認証を必要とするミドルウェアの例です。
from werkzeug.wrappers import Response
class AuthMiddleware:
def __init__(self, app):
self.app = app
def __call__(self, environ, start_response):
path = environ['PATH_INFO']
if path.startswith('/private'):
auth_header = environ.get('HTTP_AUTHORIZATION')
if not auth_header or auth_header != "Bearer secret_token":
res = Response("認証失敗", status=401)
return res(environ, start_response)
return self.app(environ, start_response)
# ミドルウェアの追加
app.wsgi_app = AuthMiddleware(app.wsgi_app)
まとめ
Flaskでのミドルウェアの利用方法について、基本的な利用法から応用例まで幅広く解説しました。この知識を使って、より高度なWebアプリケーションを作成してみてください。
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