Reactでの国際化対応におけるSEO最適化:hreflangタグ設定の完全ガイド

Reactを利用したウェブサイト開発では、国際化対応は多くのユーザーにリーチするための重要な要素です。しかし、多言語サイトを構築する際には、SEO最適化が一つの課題となります。特に、検索エンジンが異なる言語バージョンのページを正しく認識し、適切な地域のユーザーに表示するには、hreflangタグの設定が不可欠です。本記事では、Reactを用いた国際化対応において、hreflangタグを効果的に活用する方法を詳しく解説し、SEO最適化のポイントを網羅します。

目次
  1. hreflangタグとは?その役割と重要性
    1. hreflangタグの概要
    2. hreflangタグの役割
    3. SEOにおける重要性
    4. 設定例
  2. 国際化対応におけるReactの特徴
    1. Reactの国際化対応の利点
    2. Reactでの国際化の基本概念
    3. 国際化対応をサポートするReactライブラリ
    4. 簡単な実装例
  3. Reactでhreflangタグを設定する方法
    1. hreflangタグの動的生成
    2. 基本的な実装方法
    3. Next.jsでの実装
    4. ポイント
  4. 多言語対応でよくあるSEOの課題
    1. 課題1: 重複コンテンツの発生
    2. 課題2: 誤った言語バージョンのインデックス化
    3. 課題3: URL構造の不適切さ
    4. 課題4: サイト速度の低下
    5. 課題5: 自動翻訳による品質の低下
    6. SEO課題のまとめ
  5. hreflangタグとSSR/CSRの違い
    1. SSRとCSRの基本概念
    2. hreflangタグの影響
    3. SSRとCSRの選択ポイント
    4. 最適なアプローチ
  6. 検索エンジンへの最適なhreflangタグの提供方法
    1. hreflangタグの実装オプション
    2. 実践的な設定のヒント
    3. 最適化のメリット
  7. React用SEOライブラリの活用例
    1. ReactでSEOを強化するライブラリ
    2. 他の有用なSEOライブラリ
    3. まとめ
  8. 実践:Reactでの多言語Webサイト構築プロセス
    1. プロセス全体の概要
    2. ステップ1: プロジェクトの設定
    3. ステップ2: 翻訳リソースの準備
    4. ステップ3: ユーザーのロケール判定
    5. ステップ4: UIコンポーネントの多言語対応
    6. ステップ5: SEO最適化(`hreflang`タグの設定)
    7. ステップ6: 検証とデプロイ
    8. 最終成果物の特徴
  9. まとめ

hreflangタグとは?その役割と重要性

hreflangタグの概要


hreflangタグは、ウェブサイトの多言語ページを検索エンジンに正しく認識させるためのHTML属性です。このタグを使用することで、同一コンテンツの異なる言語バージョンを検索エンジンに伝えることができます。

hreflangタグの役割

  • 地域と言語のターゲティング: 例えば、英語(アメリカ向け)と英語(イギリス向け)のページがある場合、ユーザーの地域に基づいて正しいバージョンを表示します。
  • 重複コンテンツの回避: 多言語ページが重複コンテンツとして認識されるリスクを軽減します。

SEOにおける重要性

  • 検索順位の最適化: hreflangタグを正しく設定することで、ターゲットユーザーに最適化された検索結果が提供されます。
  • ユーザーエクスペリエンスの向上: ユーザーが母国語で情報を得られるようになり、サイトの満足度が向上します。

設定例


以下は、英語(米国)と日本語(日本)のページを示すhreflangタグの例です。

<link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://example.com/en-us/" />
<link rel="alternate" hreflang="ja-jp" href="https://example.com/ja-jp/" />

これにより、検索エンジンは適切なページを地域ごとに表示できるようになります。

国際化対応におけるReactの特徴

Reactの国際化対応の利点


Reactは、コンポーネントベースのアーキテクチャにより、多言語対応を効率的に実現できます。その主要な利点は以下の通りです:

  • 再利用性: 各コンポーネントに対して言語別のロジックを適用でき、コードの再利用性が高まります。
  • 動的レンダリング: 動的に言語や地域を切り替える機能が容易に実装可能です。
  • 豊富なライブラリサポート: react-intli18nextなどのライブラリがあり、国際化のニーズをカバーしています。

Reactでの国際化の基本概念


Reactで国際化対応を行う際、以下のポイントが重要です:

  1. コンテンツの抽象化: 文字列リソース(例:メッセージ、ラベル)はコードから分離し、外部の翻訳ファイル(例:JSON形式)で管理します。
  2. ロケールの管理: ユーザーのブラウザ設定やURLパラメータを基にロケール(地域と言語の設定)を動的に決定します。
  3. 動的レンダリング: 言語や地域ごとに異なるコンテンツを表示するため、statepropsを活用してUIを制御します。

国際化対応をサポートするReactライブラリ

  • react-intl: メッセージフォーマット、日付、数字などのロケールベースのフォーマットを提供します。
  • i18next: 高度な翻訳管理が可能で、バックエンドやフロントエンドの両方で使用できます。
  • Next.js: サーバーサイドレンダリング(SSR)を活用した国際化機能をネイティブでサポートしています。

簡単な実装例


以下は、react-intlを使った基本的な実装例です:

import { IntlProvider, FormattedMessage } from 'react-intl';

const messages = {
  en: { greeting: 'Hello, World!' },
  ja: { greeting: 'こんにちは、世界!' },
};

const App = ({ locale }) => (
  <IntlProvider locale={locale} messages={messages[locale]}>
    <p>
      <FormattedMessage id="greeting" />
    </p>
  </IntlProvider>
);

export default App;

Reactを活用すれば、ユーザーの地域と言語に最適化された体験を簡単に提供できます。

Reactでhreflangタグを設定する方法

hreflangタグの動的生成


Reactアプリケーションでは、hreflangタグを動的に生成することで、各ページに適切な言語と地域のメタ情報を追加できます。これは、検索エンジンが異なる言語バージョンのページを正しくインデックスするために重要です。

基本的な実装方法


react-helmetを使用して、hreflangタグを各ページに挿入します。以下の手順を見ていきましょう:

ステップ1: 必要なライブラリのインストール


まず、react-helmetをインストールします。

npm install react-helmet

ステップ2: hreflangタグのデータ構造を定義


各言語バージョンのURLとロケールを定義するデータを作成します。

const hreflangLinks = [
  { href: 'https://example.com/en-us/', hreflang: 'en-us' },
  { href: 'https://example.com/ja-jp/', hreflang: 'ja-jp' },
  { href: 'https://example.com/fr-fr/', hreflang: 'fr-fr' },
];

ステップ3: react-helmetで動的にタグを生成


React Helmetを用いてhreflangタグを挿入します。

import React from 'react';
import { Helmet } from 'react-helmet';

const SEO = ({ hreflangLinks }) => (
  <Helmet>
    {hreflangLinks.map((link, index) => (
      <link 
        key={index} 
        rel="alternate" 
        hreflang={link.hreflang} 
        href={link.href} 
      />
    ))}
  </Helmet>
);

const App = () => {
  return (
    <div>
      <SEO hreflangLinks={hreflangLinks} />
      <h1>Welcome to the International Site</h1>
    </div>
  );
};

export default App;

Next.jsでの実装


Next.jsを使用する場合、Headコンポーネントを利用して同様の処理が可能です。

import Head from 'next/head';

const hreflangLinks = [
  { href: 'https://example.com/en-us/', hreflang: 'en-us' },
  { href: 'https://example.com/ja-jp/', hreflang: 'ja-jp' },
];

const MyPage = () => (
  <>
    <Head>
      {hreflangLinks.map((link, index) => (
        <link 
          key={index} 
          rel="alternate" 
          hreflang={link.hreflang} 
          href={link.href} 
        />
      ))}
    </Head>
    <main>
      <h1>International Page</h1>
    </main>
  </>
);

export default MyPage;

ポイント

  • 各ページで正しいhreflangタグを生成するために、URLとロケールの情報を正確に管理してください。
  • SEOに適したhreflangタグの内容を確認するために、Google Search Consoleを活用しましょう。

このようにReactで動的にhreflangタグを設定することで、検索エンジンに正確な多言語情報を提供し、SEOを強化できます。

多言語対応でよくあるSEOの課題

課題1: 重複コンテンツの発生


多言語サイトでは、同一の内容が異なる言語で提供されることが一般的です。検索エンジンがこれを重複コンテンツとして認識すると、ページの評価が下がり、検索順位に悪影響を及ぼす可能性があります。

解決策


hreflangタグを正しく設定し、各言語ページの関連性を明示することで、重複コンテンツの評価を回避します。また、正規URL(canonical)タグも活用し、主ページの優先度を設定します。

課題2: 誤った言語バージョンのインデックス化


検索エンジンが間違った言語バージョンをインデックスしてしまうと、ユーザーが意図した言語でコンテンツを閲覧できなくなります。

解決策

  • 各言語のページにhreflangタグを設定し、地域と言語の対応を正確に指定します。
  • ロボットメタタグを利用して、不要なページのインデックス化を防止します。

課題3: URL構造の不適切さ


言語や地域に対応していないURL構造(例:パラメータやクエリ文字列のみ)を使用すると、SEOパフォーマンスが低下します。

解決策

  • 言語や地域に応じた明確なURL構造(例:/en/, /ja/)を採用します。
  • URLにはわかりやすく、キーワードを含むように設計することで、検索エンジンがより正確にコンテンツを認識できます。

課題4: サイト速度の低下


多言語対応を導入すると、リソースの読み込み量が増加し、ページの読み込み速度が低下する場合があります。

解決策

  • 画像やスクリプトを最適化し、圧縮を行うことでパフォーマンスを改善します。
  • Reactアプリケーションでは、コード分割(Code Splitting)や遅延ロード(Lazy Loading)を活用して、初期読み込みを高速化します。

課題5: 自動翻訳による品質の低下


自動翻訳を使用すると、言語のニュアンスが失われることがあります。その結果、ターゲット地域のユーザーにとってコンテンツの価値が低下する可能性があります。

解決策

  • プロフェッショナルな翻訳を採用し、ユーザーの文化や言語に適した表現を心掛けます。
  • 自動翻訳ツールを使用する場合は、後で人間による校正を行います。

SEO課題のまとめ


多言語サイトのSEO最適化は、ユーザー体験と検索エンジンの要件を両立させることが重要です。正しいhreflangタグの設定、適切なURL構造、そしてパフォーマンス最適化を行うことで、これらの課題を解決し、多言語対応の効果を最大化できます。

hreflangタグとSSR/CSRの違い

SSRとCSRの基本概念

サーバーサイドレンダリング(SSR)


SSRは、サーバー上でHTMLを生成し、クライアントに完全なHTMLを送信する手法です。ReactではNext.jsが主に使用されます。検索エンジンに対してフルレンダリング済みのHTMLを提供できるため、SEOに強いという特長があります。

クライアントサイドレンダリング(CSR)


CSRは、JavaScriptによってクライアント側でHTMLを動的に生成します。Reactの標準的なアプローチで、多くの場合、初期ロードが軽量です。ただし、検索エンジンのクローラーがJavaScriptを完全に実行しない場合、SEOに影響を及ぼす可能性があります。

hreflangタグの影響

SSRでのhreflangタグの利点

  • サーバーサイドで生成されたHTMLにhreflangタグを含めるため、クローラーが即座に認識可能。
  • 初期ロード時にSEO要件を完全に満たす構造が提供される。

実装例(Next.js):

import Head from 'next/head';

export default function Home() {
  return (
    <>
      <Head>
        <link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://example.com/en-us/" />
        <link rel="alternate" hreflang="ja-jp" href="https://example.com/ja-jp/" />
      </Head>
      <main>
        <h1>Welcome to the International Site</h1>
      </main>
    </>
  );
}

CSRでのhreflangタグの課題

  • HTMLが初期状態では空のままで配信されるため、検索エンジンがhreflangタグを認識するタイミングが遅れる可能性があります。
  • JavaScriptを実行しないクローラーではhreflangタグが認識されないことがあります。

実装例(React + React Helmet):

import React from 'react';
import { Helmet } from 'react-helmet';

const hreflangLinks = [
  { href: 'https://example.com/en-us/', hreflang: 'en-us' },
  { href: 'https://example.com/ja-jp/', hreflang: 'ja-jp' },
];

const App = () => (
  <div>
    <Helmet>
      {hreflangLinks.map((link, index) => (
        <link key={index} rel="alternate" hreflang={link.hreflang} href={link.href} />
      ))}
    </Helmet>
    <h1>International Page</h1>
  </div>
);

export default App;

SSRとCSRの選択ポイント

  • SSRが適している場合: SEOを重視する場合や、検索エンジンのクローラーがJavaScriptの実行を完全にサポートしていない場合。
  • CSRが適している場合: 初期ロードの軽量化や、動的なユーザーインターフェースを重視する場合。

最適なアプローチ


最近の検索エンジンはJavaScriptを実行できるものの、SSRを採用することで確実にhreflangタグを提供し、SEOの効果を最大化できます。特に、国際化対応が重要なプロジェクトではSSRの採用を検討するのがおすすめです。

検索エンジンへの最適なhreflangタグの提供方法

hreflangタグの実装オプション


検索エンジンに適切なhreflang情報を提供するためには、いくつかの方法があります。それぞれの特長を理解し、プロジェクトに最適な方法を選びましょう。

HTML内の`hreflang`タグ


HTMLの<head>セクションに<link>タグを使用してhreflang情報を記述します。最も一般的で広く使われる方法です。
:

<link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://example.com/en-us/" />
<link rel="alternate" hreflang="ja-jp" href="https://example.com/ja-jp/" />
  • 利点: 簡単に実装でき、検索エンジンに直接認識されます。
  • 注意点: ページごとにタグを適切に設定する必要があります。

HTTPヘッダーでの指定


hreflangタグをHTTPレスポンスヘッダーで指定します。静的なHTMLが使用できない場合やファイルリクエストに対して適用する場合に便利です。
:

Link: <https://example.com/en-us/>; rel="alternate"; hreflang="en-us"
Link: <https://example.com/ja-jp/>; rel="alternate"; hreflang="ja-jp"
  • 利点: ファイル(画像、PDFなど)にもhreflang情報を適用可能。
  • 注意点: サーバー設定が必要で、運用にコストがかかる場合があります。

Sitemapでの指定


サイト全体のhreflang情報をXML Sitemapに含めます。特に、大規模な多言語サイトで有効です。
:

<url>
  <loc>https://example.com/en-us/</loc>
  <xhtml:link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://example.com/en-us/" />
  <xhtml:link rel="alternate" hreflang="ja-jp" href="https://example.com/ja-jp/" />
</url>
<url>
  <loc>https://example.com/ja-jp/</loc>
  <xhtml:link rel="alternate" hreflang="en-us" href="https://example.com/en-us/" />
  <xhtml:link rel="alternate" hreflang="ja-jp" href="https://example.com/ja-jp/" />
</url>
  • 利点: サイト全体の管理がしやすい。
  • 注意点: サイトマップを頻繁に更新する必要があります。

実践的な設定のヒント

  1. 一貫性の確保
    各ページが正しい言語と地域を示すhreflangタグを持つように設定します。誤った設定は検索エンジンの混乱を招きます。
  2. 双方向リンクの確認
    hreflangタグを設定する際、リンク先ページにも対応するhreflang情報を設定します(例: 英語ページが日本語ページを指し、日本語ページが英語ページを指す)。
  3. Google Search Consoleで検証
    Google Search Consoleを活用して、hreflangタグが正しく設定されているかを検証します。

最適化のメリット


正確なhreflangタグの提供により、検索エンジンがユーザーの地域や言語に適したページを提供しやすくなり、以下の効果が期待できます:

  • 検索順位の向上
  • ユーザー体験の向上
  • 国際的なリーチの拡大

適切な方法を選び、継続的に検証と改善を行うことで、多言語対応のSEO効果を最大化できます。

React用SEOライブラリの活用例

ReactでSEOを強化するライブラリ


Reactアプリケーションでは、SEO最適化に特化したライブラリを利用することで、効率的かつ効果的に検索エンジン対策を行えます。特に、react-helmetNext.jsは、多くのプロジェクトで使用されています。以下に、それぞれの活用例を紹介します。

1. react-helmet


react-helmetは、ReactアプリケーションでHTMLの<head>要素を動的に操作できるライブラリです。hreflangタグの追加やメタタグの設定に便利です。

基本的な使用例:

import React from 'react';
import { Helmet } from 'react-helmet';

const SEO = ({ title, description, hreflangLinks }) => (
  <Helmet>
    <title>{title}</title>
    <meta name="description" content={description} />
    {hreflangLinks.map((link, index) => (
      <link
        key={index}
        rel="alternate"
        hreflang={link.hreflang}
        href={link.href}
      />
    ))}
  </Helmet>
);

const App = () => {
  const hreflangLinks = [
    { hreflang: 'en-us', href: 'https://example.com/en-us/' },
    { hreflang: 'ja-jp', href: 'https://example.com/ja-jp/' },
  ];

  return (
    <div>
      <SEO
        title="International Page"
        description="A sample internationalized page"
        hreflangLinks={hreflangLinks}
      />
      <h1>Welcome to the International Page</h1>
    </div>
  );
};

export default App;
  • 利点: 動的なSEOタグの管理が容易。
  • 注意点: クライアントサイドレンダリング(CSR)では初期HTMLが空になるため、検索エンジンのJavaScript実行能力に依存します。

2. Next.js


Next.jsは、Reactベースのフレームワークで、サーバーサイドレンダリング(SSR)や静的サイト生成(SSG)をサポートし、SEOの効果を最大化します。

基本的な使用例:

import Head from 'next/head';

export default function Home() {
  const hreflangLinks = [
    { hreflang: 'en-us', href: 'https://example.com/en-us/' },
    { hreflang: 'ja-jp', href: 'https://example.com/ja-jp/' },
  ];

  return (
    <>
      <Head>
        <title>International Page</title>
        <meta
          name="description"
          content="A sample internationalized page"
        />
        {hreflangLinks.map((link, index) => (
          <link
            key={index}
            rel="alternate"
            hreflang={link.hreflang}
            href={link.href}
          />
        ))}
      </Head>
      <main>
        <h1>Welcome to the International Page</h1>
      </main>
    </>
  );
}
  • 利点: サーバーサイドで完全にレンダリングされたHTMLが提供されるため、検索エンジンのインデックスに有利。
  • 注意点: SSRによりサーバーリソースを消費するため、規模が大きい場合はスケーリングが必要。

他の有用なSEOライブラリ

i18next


多言語対応の翻訳管理ライブラリで、Reactと組み合わせて使用します。多言語対応に伴うSEOの基盤を提供します。

使用例:

import { useTranslation } from 'react-i18next';

const MyComponent = () => {
  const { t } = useTranslation();
  return <h1>{t('welcome_message')}</h1>;
};

React-snap


静的HTMLスナップショットを生成することで、クライアントサイドレンダリングのSEO課題を克服します。

まとめ


ReactアプリケーションでのSEO最適化には、react-helmetNext.jsのようなライブラリを活用するのが効果的です。プロジェクトの規模や要件に応じて、適切なツールを選び、SEO戦略を強化しましょう。

実践:Reactでの多言語Webサイト構築プロセス

プロセス全体の概要


Reactを用いた多言語Webサイトの構築は、以下の手順で進めると効率的です:

  1. プロジェクトの設定
  2. 翻訳リソースの準備
  3. ユーザーのロケール判定
  4. UIコンポーネントの多言語対応
  5. SEO最適化(hreflangタグの設定)
  6. 検証とデプロイ

以下に、それぞれのステップを詳しく解説します。

ステップ1: プロジェクトの設定


Reactプロジェクトを作成し、必要なライブラリをインストールします。

基本設定:

npx create-react-app my-multilingual-site
cd my-multilingual-site
npm install react-i18next i18next react-router-dom react-helmet

これにより、翻訳管理、ルーティング、SEO最適化用の環境が整います。

ステップ2: 翻訳リソースの準備


各言語ごとに翻訳リソースファイルを用意します。以下はlocalesディレクトリ構成の例です:

/locales
  /en
    translation.json
  /ja
    translation.json

例:translation.json(英語版)

{
  "welcome_message": "Welcome to our website",
  "about_us": "About Us"
}

例:translation.json(日本語版)

{
  "welcome_message": "私たちのウェブサイトへようこそ",
  "about_us": "私たちについて"
}

ステップ3: ユーザーのロケール判定


ユーザーのブラウザ設定やURLパラメータを基に、ロケールを動的に判定します。

ロケール判定の例:

const getLocale = () => {
  const urlParams = new URLSearchParams(window.location.search);
  return urlParams.get('lang') || navigator.language || 'en';
};

ステップ4: UIコンポーネントの多言語対応


Reactコンポーネントでi18nextを使用して動的にテキストを切り替えます。

例:多言語対応コンポーネント:

import { useTranslation } from 'react-i18next';

const WelcomeMessage = () => {
  const { t } = useTranslation();
  return <h1>{t('welcome_message')}</h1>;
};

ステップ5: SEO最適化(`hreflang`タグの設定)


React Helmetを使い、hreflangタグをページに追加します。

SEOコンポーネントの例:

import { Helmet } from 'react-helmet';

const SEO = ({ hreflangLinks }) => (
  <Helmet>
    {hreflangLinks.map((link, index) => (
      <link key={index} rel="alternate" hreflang={link.hreflang} href={link.href} />
    ))}
  </Helmet>
);

export default SEO;

使用例:

<SEO hreflangLinks={[
  { hreflang: 'en', href: 'https://example.com/en' },
  { hreflang: 'ja', href: 'https://example.com/ja' },
]} />

ステップ6: 検証とデプロイ

  1. SEOの検証: Google Search Consoleでhreflangタグの設定が正しいか確認します。
  2. パフォーマンスのテスト: LighthouseやPageSpeed Insightsを使用して、パフォーマンスを測定します。
  3. デプロイ: NetlifyやVercelなどのサービスを利用して、多言語サイトを公開します。

最終成果物の特徴

  • ユーザーの言語設定に基づいて動的に切り替わるインターフェース。
  • 正確なhreflangタグの設定によるSEO最適化。
  • 翻訳リソースの効率的な管理による高い拡張性。

Reactで多言語対応を実現する際、このプロセスに従うことで、効率的かつ効果的に国際化を進められます。

まとめ


本記事では、Reactを使用した多言語Webサイト構築における国際化対応とSEO最適化の重要性について詳しく解説しました。hreflangタグの適切な設定が、検索エンジンに多言語ページを正確に認識させ、ユーザーに最適なコンテンツを提供する鍵となることを示しました。

また、React用のライブラリやフレームワーク(例:react-helmetNext.js)を活用し、動的なhreflangタグの生成やSEO要件を満たす具体的な手法を紹介しました。プロジェクトの規模や要件に応じて適切な方法を選び、多言語対応のSEO効果を最大化しましょう。正しい設定と継続的な検証により、国際的なリーチとユーザーエクスペリエンスの向上が期待できます。

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目次
  1. hreflangタグとは?その役割と重要性
    1. hreflangタグの概要
    2. hreflangタグの役割
    3. SEOにおける重要性
    4. 設定例
  2. 国際化対応におけるReactの特徴
    1. Reactの国際化対応の利点
    2. Reactでの国際化の基本概念
    3. 国際化対応をサポートするReactライブラリ
    4. 簡単な実装例
  3. Reactでhreflangタグを設定する方法
    1. hreflangタグの動的生成
    2. 基本的な実装方法
    3. Next.jsでの実装
    4. ポイント
  4. 多言語対応でよくあるSEOの課題
    1. 課題1: 重複コンテンツの発生
    2. 課題2: 誤った言語バージョンのインデックス化
    3. 課題3: URL構造の不適切さ
    4. 課題4: サイト速度の低下
    5. 課題5: 自動翻訳による品質の低下
    6. SEO課題のまとめ
  5. hreflangタグとSSR/CSRの違い
    1. SSRとCSRの基本概念
    2. hreflangタグの影響
    3. SSRとCSRの選択ポイント
    4. 最適なアプローチ
  6. 検索エンジンへの最適なhreflangタグの提供方法
    1. hreflangタグの実装オプション
    2. 実践的な設定のヒント
    3. 最適化のメリット
  7. React用SEOライブラリの活用例
    1. ReactでSEOを強化するライブラリ
    2. 他の有用なSEOライブラリ
    3. まとめ
  8. 実践:Reactでの多言語Webサイト構築プロセス
    1. プロセス全体の概要
    2. ステップ1: プロジェクトの設定
    3. ステップ2: 翻訳リソースの準備
    4. ステップ3: ユーザーのロケール判定
    5. ステップ4: UIコンポーネントの多言語対応
    6. ステップ5: SEO最適化(`hreflang`タグの設定)
    7. ステップ6: 検証とデプロイ
    8. 最終成果物の特徴
  9. まとめ