SharePointのサイト名変更やドメイン変更で押さえるべき注意点と対策

SharePointを運用していると、サイト名の変更やドメイン名の見直し、オンプレミスからMicrosoft 365へ移行したいケースが出てきます。私自身も初めてサイト名を変えようとした際、URLと連動しているイメージがあり戸惑いました。ここでは、同じ悩みをお持ちの方に向けて、経験談を交えながら詳しく解説していきます。

SharePointサイト名の変更とは

ここでは、SharePoint Onlineのサイト名を変更した際に起こる挙動や注意点を紹介します。私が実際にチームのサイト名を切り替えた際、「新しいサイト名にしてもURLはそのままなんだ…!」と驚きました。その経緯や具体的な手順も含めて整理していきます。

SharePointサイト名を変更したときのURL

サイト名とURLは連動しているようで実は別物です。私自身は、名前を変えればURLも自動で変わってくれると思い込んでいたので、プロジェクトメンバーに連絡した後に「URLが変わらない」と質問を受け、少し焦った覚えがあります。

URLが変わらないパターン

SharePoint Online上でサイトの[サイトの設定]や[サイト情報]から表示名を変更しても、URLそのものは自動変更されません。たとえば、社内ポータルサイトの名前を「Test」から「NewTest」に変えても、下記のようにURLが残ります。

https://tenant.sharepoint.com/sites/Test

閲覧者としては「サイト名がNewTestなのにURLはTestのまま?」と思うかもしれませんが、動作としては正常です。私の場合も、メンバーから「お気に入り登録していたURLが変わったの?」と問い合わせが多発しましたが、URLは前のままでアクセス可能でした。

URLを変えるパターン

もしURL自体を変更したい場合は、SharePoint管理センターにアクセスし、[サイトアドレスの変更]を行う必要があります。名前の変更は簡単ですが、URLの変更は若干ハードルが高いため、業務稼働が落ち着いたタイミングで慎重に実施するのがおすすめです。

サイト名だけ変えたい場合は表示名の編集でOKなので、組織変更などがあったときに気軽に対応しやすい点が良いところです。

実際の手順と注意点

管理センターからのサイトアドレス変更は非常に便利ですが、それでも大小さまざまな影響が出ます。たとえば、Power AutomateなどでURLを直接指定しているフローがあれば修正を要するかもしれません。また、OneNoteやTeamsへのリンクが古いURLを記載している場合は更新を促す必要も出てきます。

私が所属していた部署でも、社員向けポータルサイトのURLを変更する際に、Teamsチャットの固定タブや外部連携ツールとのリンクがすべて旧URLを参照していたのでかなりバタバタしました。結局、事前に周知できていなかったことが一番の反省点でした。

また、以下のようにPowerShellを使う方法も存在します。これは「何かスクリプトで一括処理をしたい」というケースや、複数サイトを同時に変更したい場合に便利です。

# SharePoint Online PowerShellモジュールの読み込み
Import-Module Microsoft.Online.SharePoint.PowerShell

# 管理者としてログイン
Connect-SPOService -Url https://tenant-admin.sharepoint.com

# URLの変更コマンド
Start-SPOSiteRename -Identity https://tenant.sharepoint.com/sites/Test -NewSiteUrl https://tenant.sharepoint.com/sites/NewTest -NewSiteTitle "NewTest Site"

このようにPowerShellを活用することで、確実かつ効率的に作業を進められます。ただし、実行には十分な管理権限が必要ですし、完了までのステータスを確認することも大切です。

SharePointドメイン名の変更とリダイレクト

次に、SharePoint Onlineのドメイン名を変更するケースを見ていきましょう。たとえば企業名が変わったり、合併などでドメイン名を統合しなければならない場合に、テナント全体のドメイン名を変更する作業が発生します。ここはサイト名変更よりも大掛かりで、私もプロジェクト担当を任されたときは冷や汗をかきました。

テナント全体へ及ぶ影響

ドメイン名が変更されると、Exchange OnlineやTeams、OneDriveなどMicrosoft 365のすべてのサービスに波及します。具体的には、下記のような形で新たなドメインにリンクが変わります。

旧: https://tenant.sharepoint.com/sites/Test
新: https://new-tenant.sharepoint.com/sites/Test

URLに限らず、メールアドレスやチームサイトなど至る所で新しいドメインが活用されるため、その影響範囲の広さを実感します。私の場合は、組織内で配布していたマニュアルのリンクやPower BIレポートのデータソースURLまで見直す必要がありました。

ドメイン統合が完了すると、社内システムが統一感のあるURLになり、ブランディングやユーザー体験が向上する面があります。

リダイレクトの期限と対策

ドメイン名を変更すると、旧ドメインを使ったリンクは一時的に新ドメインへリダイレクトされます。しかしこのリダイレクトには期限があり、ずっと使い続けられるわけではありません。

1年間リダイレクトとは

Microsoftの公式ドキュメントによると、ドメイン変更後1年間ほどは旧ドメインが有効でリダイレクトが設定されます。私が担当したときも、およそ1年間は旧ドメインにアクセスしても新しいURLへ飛ぶ状態になっていました。これにより、社員への周知が間に合わなくても、すぐに業務が止まるようなトラブルは防げます。

期限切れ後の影響

問題は1年を超えた後です。再び旧URLにアクセスするとエラー画面が出るようになります。実務では1年の猶予期間を活用して新しいURLを社内外に浸透させる必要がありますが、意外に1年はあっという間なので注意が必要です。私自身、つい先延ばしにしていて、結局1年の終盤で慌てた思い出があります。

1年過ぎた後に「旧ドメインにアクセスできなくなった」と問い合わせが多数発生すると、IT担当としてはかなり負担が大きくなる恐れがあります。

テナント全体のドメイン名を変更する場合は、他システムへの影響を考慮したうえで、確実にURLを切り替えていく手順書を作ることが大切です。また、パートナー企業や取引先への告知も忘れないようにしましょう。

私は1年間のリダイレクト期間中に「大丈夫だろう」と気を抜いていたことがありましたが、ギリギリで上層部から「本当に全部切り替わってるの?」と確認が入り、社外マニュアルの修正が不十分だったため大慌てでした。

オンプレミスからMicrosoft 365への移行

SharePoint Server 2019などオンプレミス環境を運用していて、クラウドのMicrosoft 365に移行したいという声も多いでしょう。私も別部署が運用していたSharePoint 2019サイトの移行を手伝ったことがあり、スペースを含むフォルダ名やサイト名に苦労しました。

サイト名やURLの制約

オンプレミスで自由に設定していたサイト名やURLが、Microsoft 365移行時には引っかかる場合があります。日本語のサイト名、スペースや特殊文字などが一部サポートされないか、移行ツールでエラーが出ることがあるのです。

スペースや特殊文字の問題

たとえば、オンプレミスで「/OMC-Sharepoint – 80」というURLパスが使われていると、移行ツールで正しく認識されない可能性があります。私が移行作業を進めていたときも、「エラーコード:xxx」というメッセージが頻繁に出て、その原因を突き止めるのに数日かかった経験がありました。結局、サイト名やURLからスペースを削除し、「/OMC-Sharepoint-80」のように再設定することで解決しました。

スムーズに移行するためのチェックリスト

実際に移行をする前に、以下のようなチェック項目を用意すると安心です。

項目 内容
URLパスの確認 スペースや特殊文字(&, %, #など)が含まれていないか
日本語サイト名 名前とURLの表記揺れがないか
サブサイト サブサイト層が深くなりすぎていないか
リンク切れチェック ドキュメント内やWebパーツのリンク先が有効か
権限設定 移行後のグループやユーザーが適切にマッピングされているか

こうした基本的な点を事前にクリアしておくと、移行ツールを実行した際のエラー頻度を減らすことができます。

移行後のサイトがすんなり機能し始めると、クラウドの快適さを実感できます。オンプレミスのサーバ負荷や保守の手間も大幅に軽減できました。

実際の導入事例

私が支援したケースでは、事前にテスト環境を構築して、問題の起こりそうなサイトを実験的に移行してみました。そこでは、スペース付きフォルダやリストがエラーの原因になると早めに判明し、本番移行前にすべて修正を行うことで、最終的にほぼトラブルなく移行を完了しました。
また、移行ツールとしてはMicrosoftが提供している「SharePoint Migration Tool」やサードパーティ製の移行ソリューションを併用することで、より正確に作業が行えることも実感しています。

過去に私が携わった案件で、すべてのサイト名を先頭に識別用の文字列(PROJ-,TEAM-など)を付けて整理した結果、見通しが良くなった上にURLもエラーが出にくくなりました。地味ですが、こうしたルールづくりが大事だと痛感しました。

まとめ

SharePointのサイト名変更からドメイン変更、さらにオンプレミスからの移行まで、実は複雑に絡み合うURLの問題がたくさんあります。私も最初は「名前変わるからURLも変わる」と安易に考えていましたが、実際にトライしてみると意外に簡単に変わらないこと、管理センターを使わないといけないことが多いと知り、何度かつまずきました。最後に重要なポイントを振り返ってみましょう。

サイト名とサイトURLの切り離し

SharePoint Onlineでは、サイト名とURLは厳密には別管理です。表示名の変更でURLが自動的に変わることはありません。URLをどうしても変えたい場合は、[サイトアドレスの変更]の手続きを踏む必要があります。思わぬ混乱を避けるためにも、新規にサイトを作るときや名称変更を行う場合は社内全体へ周知しておきましょう。

ドメイン名変更の大きさ

ドメイン名を変えると、Microsoft 365全体の設定に影響が波及します。しかもリダイレクトには期限があります。私が担当したプロジェクトでも、1年間の猶予のうちに全リソースのURL切り替えを行うのは骨が折れました。しかし完了したあとの統一感やシンプルさは大きなメリットで、今では運用が格段にしやすくなっています。

ドメイン変更を計画しているにもかかわらず、上層部や他部署と連携できていないと大きなトラブルにつながる可能性があります。

準備とテストの重要性

オンプレミスの環境からクラウドへ移行する際は、サイト名やURLに関する制約を事前に十分チェックしておくことが大切です。スペースや特殊文字で引っかかる場合が多いので、移行ツールを利用する前にテスト環境を構築したり、ファイル名やリスト名を修正したりする余裕を持ちましょう。
また、移行後すぐに業務が滞らないように、利用者に向けたURL更新のアナウンスや、ブックマークの更新、システム連携部分の再設定も忘れずに行う必要があります。こうした周辺タスクを丁寧にこなせば、後から慌てることがぐっと減ると思います。

私は移行プロジェクトで細かいところを軽視して痛い目を見た経験がありますが、今では「念には念を」と心掛け、テスト用のデモサイトで必ず一連の移行テストを行っています。おかげで本番移行はだいぶ楽になりました。

最終的には、サイト名の変更とURL、ドメインの刷新、オンプレミスからの移行に際して、それぞれの違いと必要な手続きを理解しておくことが成功のカギです。慌てず一歩ずつ進めて、みなさんのSharePoint環境が円滑に機能するように願っています。

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