Firefoxを初期状態に近づけたいときは、不具合の切り分け、設定のリフレッシュ、新規プロファイルの作成、個人データの削除を分けて考えます。いきなりFirefoxの保存フォルダーを丸ごと削除すると、ブックマークや保存済みパスワードなど、必要な情報を失うおそれがあります。
この記事はデスクトップ版Firefox、特にWindowsでの確認を対象にしています。「初期画面が出た」ことと、「すべてのデータを復元不能な状態で消去した」ことは同じではありません。
準備:目的と残すデータを確認する
| 目的 | 先に検討する方法 | 注意点 |
|---|---|---|
| 拡張機能などが不具合の原因か調べる | トラブルシューティングモード | 一時的な診断。個人データの削除ではない |
| 重要なデータを残して設定を戻す | Firefoxをリフレッシュ | 拡張機能や設定の一部は失われる |
| 既存の環境と分離した状態で試す | 新しいプロファイル | 旧プロファイルは残る。同期・復元前に比較する |
| 不要なプロファイルのデータを消す | 対象を特定し、バックアップ確認後にプロファイル管理を使う | ファイルの削除は元に戻せない。廃棄時の安全な消去とは別 |
作業前に、未送信フォームや開いているページを保存し、必要なブックマーク・パスワードなどを確認します。会社・学校の管理端末では、証明書や組織設定を失わないよう管理者へ相談してください。
使用中のプロファイルを特定してバックアップする
メニューの[ヘルプ]から[他のトラブルシューティング情報]に相当するページを開き、[プロファイルフォルダー]の[フォルダーを開く]を使います。手動でバックアップする場合は、場所を確認した後にFirefoxを終了し、対象プロファイルのフォルダーを別の安全な場所へコピーします。コピー中のエラーがないことと保存内容を確認してください。詳細はMozilla公式のバックアップ手順を参照します。
バックアップには保存済みログイン情報などの機密情報が含まれます。公開の共有先へ置かないでください。通常の移行には組み込みのバックアップ機能も案内されていますが、本記事ではプロファイル不具合の調査を想定しています。
以下は旧版Windowsで隠しファイルを表示した画面例です。現在のFirefoxから対象フォルダーを開ける場合、隠しファイルの表示変更は必須ではありません。
まずはトラブルシューティングモードで比較する
メニューの[ヘルプ]→[トラブルシューティングモード]から再起動し、確認画面では[開く]を選びます。拡張機能、テーマ、ハードウェアアクセラレーションなどを一時的に無効にして比較する機能です。通常起動に戻すと、それらは元の状態に戻ります。
同じ画面にある[Firefoxをリフレッシュ]は、設定を継続的に変更する別の操作です。診断だけが目的なら押さないでください。症状が改善しても、すべての設定やデータが正常と証明されたわけではありません。公式の診断モードの説明に沿って原因候補を絞ります。
重要なデータを残す「Firefoxをリフレッシュ」
リフレッシュは、ブックマーク、履歴、保存済みパスワードなどを引き継ぎながら設定を戻す方法です。拡張機能・テーマ、変更した設定、サイトの許可などは削除対象になるため、単なる再起動とは異なります。アクセシビリティの調整や証明書関連の設定も事前に確認してください。
- バックアップと、失われる設定の範囲を確認します。
- [ヘルプ]→[他のトラブルシューティング情報]から[Firefoxをリフレッシュ]を選びます。
- 確認画面を読み、変更を受け入れる場合だけ実行します。
- 再起動後に、引き継がれたデータと元の症状を確認します。
機能の有無は版やプロファイル管理方式で異なります。新しいプロファイル管理方式では古いFirefoxにリフレッシュが表示されない場合があり、現在の公式案内では150以降への更新が示されています。ボタンがないからといってフォルダーの削除で代用せず、最新のリフレッシュ案内を確認します。
デスクトップに残る[Old Firefox Data]には旧プロファイルの情報が含まれます。必要なデータの確認が済むまでは保管し、不要になった後も機密情報として適切に扱ってください。リフレッシュは個人情報の完全消去ではありません。
データを引き継がず試すなら新規プロファイルを作る
既存のデータを消さずに新しい状態を試すには、アドレスバーへabout:profilesと入力し、[新しいプロファイルを作成]を使います。分かりやすい名前を付け、保存場所は通常の既定値を使います。任意の場所へ変更する場合も、既存の文書が入ったフォルダーを指定しないでください。
新しいプロファイルで起動し、最初はMozillaアカウントへのサインイン、Sync、旧データの取り込みを行わずに症状を比較します。すぐ同期すると設定や拡張機能などが戻り、まっさらな状態との比較が難しくなります。新しいプロファイルが既定になる場合があるので、元の環境へ戻るときは旧プロファイルの名前と既定設定も確認します。詳細は公式のプロファイル管理を参照してください。
Firefoxのデータ削除は対象を限定する
初稿で案内していた保存フォルダー全体の削除は、通常の不具合対処には推奨しません。既定以外の場所のプロファイル、別のWindowsユーザー、キャッシュ、バックアップ、Sync上のデータまで一括で消える操作でもありません。FirefoxとEdgeの保存場所も別です。
以下は旧稿の保存場所の画面例として残しています。画面に写っているフォルダーをそのまま削除する手順ではありません。
不要なプロファイルを整理する場合は、先に使用中ではない対象を名前と保存場所で特定します。公式のプロファイル管理には[ファイルは削除しない]と[ファイルも削除する]の違いがあります。前者は管理一覧から外してもデータを残し、後者はそのプロファイルのブックマークやパスワードを含むファイルを削除します。後者は元に戻せません。必要なバックアップ、対象フォルダー、削除権限が確認できない場合は中止します。
カスタムの保存場所に他のファイルが混ざっていると、それらも削除され得ます。旧プロファイルを残したまま新規プロファイルで使う方法を優先し、消去が本当に必要な場合だけ公式の削除説明を確認してください。この記事ではフォルダー全削除やごみ箱の消去を手順として案内しません。
初期化・切り替え後の確認
新しい状態で起動したら、元の症状が再現するか、残す予定だったデータが利用できるか、使用中のプロファイルが意図したものかを確認します。下図のような初回画面が表示されても、旧プロファイルやバックアップの消去が完了した証拠にはなりません。
PCの譲渡・廃棄が目的なら、ブラウザーの初期画面を出すだけでは不十分です。ローカルの複数ユーザー、保存ファイル、同期先、バックアップを含め、組織やOSの正規のデータ消去手順で判断します。Mozillaアカウントの削除や同期データの消去は、Firefoxの不具合対処とは別の作業です。





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