エクセルで負の数をプラス表示に変換するSUMIFとABSの使い方

Excelでネガティブな数値だけを合計して、正の数として表示したいときがありますよね。実際に家計簿や経費管理で私も悩んだ経験があります。このページでは、簡単な数式から実用的なテクニックまで、丁寧に解説していきます。

エクセルでネガティブ値を正の値として合計する基礎知識

エクセルを使いはじめたころ、収入と支出を一つのリストにまとめて計算しようとしたところ、支出が負の数で入力されていたために見づらい合計値になってしまった経験はありませんか。家計簿や経費の計上、あるいは在庫管理など、シート上で「増減」を同じ列に並べるケースは意外とよくあるものです。そんなとき、ネガティブな数値だけを別に取り出して合計し、その結果を正の値として表示できたら便利だと感じる方は多いでしょう。ここでは、その基礎となるSUMIF関数とABS関数、さらには考え方の応用方法をじっくり見ていきます。

SUMIF関数の働き

SUMIF関数とは、特定の条件を満たすセルのみを合計する便利な関数です。たとえば「セルの値が0より小さい」という条件を設定すれば、シート上の負の数値だけを拾い上げて合計してくれます。この機能を利用すると、売上と支出が混在しているデータや利益率を算出するための一覧などでとても役立ちます。

SUMIF関数で負の数を合計する数式

SUMIF関数には3つの引数を設定します。第1引数は範囲(どこを探すのか)、第2引数は条件、第3引数は合計対象の範囲です。負の数だけを合計したい場合の基本的な数式は下記の通りです。

=SUMIF(D4:D23,"<0",D4:D23)

D4:D23の範囲から条件に合致するセルをピックアップし、合計対象も同じくD4:D23にしています。これで負の値のみを合計できるというわけです。ただし、これだけだと結果は当然ながらマイナスの値になります。

結果を正の値に変換する方法

実務でネガティブな値の合計を確認するとき、「この支出の総額を正の値で表示してほしい」という要望が生じることがあります。とくに会計の場面では、合計金額を見てすぐに「いくら支払ったのか」を把握したいときにマイナス表記だと戸惑う方がいるかもしれません。ここでは、SUMIF関数で求めた負の合計を正の数として表示する2つの代表的な方法を紹介します。

方法1: -1で掛け合わせる

最もシンプルなのは、SUMIF関数で算出したマイナス値に-1を掛けるやり方です。実際の数式は下記になります。

=SUMIF(D4:D23,"<0",D4:D23) * (-1)

これで負の合計値に-1を掛けることになるので、結果としてプラスの数値が得られます。私自身、事務所の経費管理シートで支出の項目だけを一目で合計したいときによくこの方法を使いました。

プラスに変換して見やすくするメリット

この方法は式がシンプルなので、エクセルに慣れていない同僚とシェアするときにもすぐに理解してもらいやすい点が良いところです。

考慮すべき注意点

表示上はプラスになるため、一見して実際に負の値であった事実がわからなくなる場合があります。会計処理の観点で、何が支出なのかを意識する必要がある場合は、表示上の区別をどうするかを検討しましょう。

方法2: ABS関数を使う

もう一つ、ABS関数を用いたアプローチがあります。ABSは絶対値を返す関数として知られており、「どんな符号でも符号を取り除く」というとても直感的な機能です。実務での書き方は以下の通りになります。

=ABS(SUMIF(D4:D23,"<0",D4:D23))

この数式の利点は、SUMIF関数で合計された数値がプラスでもマイナスでも必ず正の値にしてくれる点です。一般的に「負の値しか合計しない=結果はマイナス」というケースがほとんどではありますが、仮に条件が変わった場合でも絶対値であれば常に正の結果を得られます。

ABS関数を使うメリット

数式から「この値は絶対値なのだ」とひと目でわかるため、エクセルに慣れていない方でも理解しやすく、ミスに気づきやすい点は便利です。

ABS関数の落とし穴

必要に応じて支出金額だとわかるような注釈を入れておかないと、結果的に「なぜプラスなのか」が分かりづらくなることがあります。部署内で共有するときにはシートの説明欄やセルのコメント機能などを活用し、ABSを使用している背景を共有することをおすすめします。

実際のデータ例を使った応用

ここではD4:D23の範囲に、正の数値(収入)と負の数値(支出)が混ざった例を考えます。データとしては下記のような構成になっているとします。

セル
D4 1200
D5 -400
D6 360
D7 -80
D8 500
D9 -20
D10 1100
D11 -300
D12 200
D13 600
D14 -90
D15 750
D16 400
D17 -100
D18 50
D19 -120
D20 90
D21 30
D22 -10
D23 -70

この表のうち、マイナス値だけを合計してそれを正の値で表示するには、たとえば下記のような式を使うことになります。

=ABS(SUMIF(D4:D23,"<0",D4:D23))

あるいは

=SUMIF(D4:D23,"<0",D4:D23)*(-1)

このように書けば、D4:D23の合計結果が「-1190」なら、それを「1190」のようにプラスで表示してくれます。

私が昔、新卒時代に会計ソフトとエクセルを併用していたとき、上司から「支出がいくらかわかりやすく一つのセルにまとめてほしい」と言われて試行錯誤したのがこの式でした。おかげでレポートの見た目がスッキリして、社内でも好評だったのを覚えています。

どちらの方法を選択するべきか

-1を掛ける方法とABS関数を使う方法には大きな違いはありませんが、社内外でシートを共有する機会が多いならABS関数のほうが意図を明確にしやすいでしょう。一方、エクセルの基本的な関数に慣れている人だけで運用する場合は、好きな方法を選べば十分です。ただし、シートのヘッダや注釈欄などに「これは支出をプラス表記にしている合計値です」といった説明をそえておくと、あとからシートを見返したときに混乱が起きにくくなります。

現場の声と使い分けのポイント

現場レベルでは、「とりあえずネガティブ合計をプラスで表示すればOK」という割り切りで-1を掛ける方法がよく使われます。一方、ABS関数を使ったほうが関数名から想像しやすいので、人に教える際には理解がスムーズです。

ユーザーインターフェイスの視点

金額をプラスで表示するようにすると、画面上で金額欄を眺めたときにぱっと見で支出やマイナス要素に気づきにくくなる可能性があります。会計担当者や経理チームが使うシートでは、負の数値を赤文字にしておくなどの工夫を加えるケースも多いです。たとえば条件付き書式を使って、「0未満の値には赤文字を設定する」としておけば、ネガティブな値を一目で確認できます。

もう一歩進んだテクニック

ここからは少し応用的な話になりますが、ネガティブな数値の合計を正の値として表示するだけでなく、他の列との兼ね合いで「ここだけは絶対に負の値が入る」「ここはプラスでもマイナスでもあり得る」といった状況がある場合は、IF関数やSUMIFS関数などを併用する場面もあります。たとえば、「指定した期日内の負の取引データだけ合計して絶対値を表示する」という条件付き集計を行う場合、SUMIFS関数を使うと便利です。

期間条件を加えたケース

売上や支出を日付順に並べて、特定の期間(たとえば1月1日から1月31日まで)での支出を合計してプラス表示する場合、SUMIF関数ではなくSUMIFS関数で日付条件もつけることができます。たとえば下記のような式です。

=ABS(SUMIFS(D4:D23,A4:A23,">=2025/1/1",A4:A23,"<=2025/1/31",D4:D23,"<0"))

これで、A4:A23の範囲にある日付が2025年1月1日から2025年1月31日に該当し、かつD4:D23の値が負のデータだけを合計し、その結果をABSで正の値に変換することができます。

ミスを防ぐためのチェックポイント

マイナスをプラスに変換すると、支出であることがわかりづらくなるため、運用時には以下の点を意識すると安心です。

シート名やセルにわかりやすいラベルをつける

たとえば「支出絶対値合計」や「支出合計(プラス表記)」などの見出しを記載しておくと、他の人がシートを開いても意味を誤解しにくくなります。

注釈機能を活用する

エクセルのセルにコメントを挿入し、「-1を掛けて支出をプラスに見せています」「ABS関数で支出合計を絶対値表示しています」などのメモをつけておくと、後日トラブルが起きにくいです。

実務現場での具体的な経験

私が以前携わったプロジェクトでは、複数の部署が共通のエクセルファイルを使っていて、支出をマイナスで入力する人もいれば、わざわざ文字列で「▲1000」などと書く人もいて、大混乱したことがありました。そこから学んだのは、ネガティブ値を扱うルールを事前に統一しておくことの大切さです。最終的にはABS関数での集計を導入して各部署に使い方を共有したところ、数値の整合性チェックが楽になり、余計なトラブルが激減しました。

視覚的な工夫で分かりやすさをアップ

ネガティブ値をプラス表記に変換するだけでなく、視覚的にも「これは支出の合計」「これは収入の合計」と明確に分かるようにするのが、ミスを大幅に減らすコツです。

色分けや罫線でメリハリをつける

条件付き書式やセルの色分け機能を使うと、プラス値とマイナス値を明確に区別できます。複雑なシートほど色分けをしておくと一覧性が上がり、ぱっと見で問題箇所を発見しやすくなるのです。

表の構造を整理しておく

収入と支出を同じ列で管理すると便利な反面、判別がつきにくい場合もあります。場合によっては列を分けて管理し、最終的なまとめ欄で「支出合計」をマイナス扱いにするのか、「絶対値」にしておくのか、ルールを決めておきましょう。

日常業務での応用事例

ネガティブ値をプラスに変換して扱うのは、会計や経理だけに限りません。たとえば、在庫管理システムや労務管理の一部でも利用されるケースがあります。何らかの理由で在庫が減少した数量をマイナスで入力している場合、そのマイナス分をまとめて確認して「今月の減少数量の合計」をプラスで表示したい、というシチュエーションは意外と多いのです。さらに、データが多くなるとピボットテーブルなどで集計することも増えますが、基本のSUMIFやABS関数を知っておくと、ピボットテーブルに流し込む前のデータ加工がスムーズになります。

労務管理での例

社員やアルバイトの「残業時間」をプラス、「早退や欠勤による減少時間」をマイナスで記録している会社がありました。合計するとき、マイナス分だけをピックアップして「早退欠勤の合計時間」をプラス表記で見たいという要望が出たので、ABS関数を用いることでスムーズに実装できたという事例です。

ミーティングでの注意点

集計表だけが共有されると、なぜマイナスがプラスに変換されているのかの意図が伝わらず、混乱を招く恐れがあります。エクセルをわざわざ開いて数式を確認しない限り、意図が分からない人も多いでしょう。

まとめ

ネガティブ値のみを合計して、それを正の値で表示するためにはSUMIF関数とABS関数、あるいは-1の掛け合わせがよく使われます。どちらを選ぶかは好みや周囲との連携次第ですが、結果として「これはマイナス合計をプラスに変換したもの」であるとわかりやすく伝える工夫が大切です。エクセルは奥深く、SUMIFS関数や条件付き書式など、組み合わせることでさらに自由度の高い分析や管理が可能になります。最終的には「何を見たいのか」「どんな目的でプラス表示したいのか」をはっきりさせておくと、式の設計やシートレイアウトも明確になるでしょう。

私自身、長年エクセルを使ってきた中で、ネガティブ値の扱いはさまざまなプロジェクトで議論になりました。しかし、今回紹介したSUMIFとABSの組み合わせを知っておくと、ほとんどのケースで対応できます。あとは運用ルールをしっかり共有しておくことが重要ですね。

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