Mac環境でリモート接続を行う際に、多くの方がMicrosoft Remote Desktopを活用しています。しかし、macOS Catalina(10.15.7)では最新バージョンのインストールが不可となり、お困りの方もいらっしゃるのではないでしょうか。本記事では、その原因や旧バージョンの入手法、リンク切れへの対処法などを詳しく解説します。
macOS CatalinaでMicrosoft Remote Desktopがインストールできない背景
macOS Catalina(10.15.7)では、多くのユーザーがApp StoreからMicrosoft Remote Desktopをダウンロードしようとした際に「macOSバージョン11(Big Sur)以降が必要」と表示され、インストールがブロックされる問題が確認されています。これは開発元のMicrosoftが、新機能やセキュリティ対応の都合により、最新バージョンのMicrosoft Remote DesktopをmacOS 11以上専用にアップデートしたことに起因します。以下では、この問題が発生する具体的な理由や、実際に困っているユーザーの声に着目しながら、解決策を深掘りしていきます。
Microsoft Remote Desktopとは
Microsoft Remote Desktopは、Windows環境へのリモート接続を可能にする公式のツールです。Macユーザーにとっては、オフィスや自宅から離れた場所にあるWindowsマシンにアクセスしたり、社内ネットワーク上にある業務用PCにセキュアに接続したりする際に非常に便利です。特にセキュリティが強化されたプロトコルを利用し、安定的に画面転送ができる点が特徴です。
macOS Catalinaが最新バージョンをサポートしない理由
macOS Catalina自体がリリースされたのは2019年ですが、その後に登場したmacOS 11(Big Sur)以降では大幅なシステム構造の変更やセキュリティ強化が図られました。Microsoftもこれらの変更点に合わせてリモートデスクトップの機能を刷新し、より新しいmacOSをターゲットに製品をアップデートしています。その結果、Catalinaでは最新バージョンの動作保証を行わなくなり、App Storeを通じたダウンロードが不可能となっています。
主な変更点
- カーネル拡張(KEXT)の扱い: macOSのセキュリティ強化により、KEXTの扱いが厳しくなったため、リモートデスクトップアプリも対応する必要がありました。
- メモリ管理の最適化: Big Sur以降で導入された新しいメモリ管理手法に合わせて、アプリの動作を最適化する必要が出てきました。
- 新機能の追加: ユーザーインターフェイスの改良や、テレワーク需要の増加に伴う高負荷環境への対応など、新機能の追加によりCatalinaのサポートが難しくなった面があります。
macOS Catalina対応の最終バージョン「10.8.x」とは
現在入手できるMicrosoft Remote Desktopの中で、macOS Catalina(10.15.x)をサポートしている最終バージョンは「10.8.x系」であるとされています。具体的には、以下のようなバージョンが確認されています。
バージョン例 | 対応macOS | リリース時期の目安 | 主な特徴 |
---|---|---|---|
10.8.3 | macOS 10.14 以降 | 2021年前半頃 | Catalinaでの安定稼働が報告されている |
10.8.4 | macOS 10.14 以降 | 2021年後半頃 | 不具合修正が多数含まれ、Catalinaで推奨される |
10.9.x | macOS 11 以降 | 2022年頃 | Catalinaでは非対応 |
10.10.x | macOS 11 以降 | 2022年後半以降 | 新機能を多数追加 |
上記のように、10.9.xからはmacOS Big Sur(11)以降が必須となっています。もしCatalina上で最新のMicrosoft Remote Desktopを使用しようとすると、App Store側で「OSバージョンが非対応」と判断され、ダウンロード自体ができなくなります。
10.8.xを利用する際のメリットと注意点
- メリット
- Catalina上で正式に動作保証されているため、安定してリモート接続を利用できる。
- 互換性の問題が少なく、バグ報告が比較的少ない。
- 注意点
- セキュリティ更新が今後行われない可能性が高い。
- 新しい機能(例:高解像度モニターへの最適化や音声転送の改良など)を使えない場合がある。
- ダウンロードリンクが古くなりやすく、再配布先を探す手間がかかる。
旧バージョンのMicrosoft Remote Desktopを入手する方法
App Storeでは旧バージョンのアプリを基本的に公開しないため、Catalina対応の10.8.xを直接入手するには次のような手段が考えられます。
1. Microsoft公式サイトやダウンロードセンターを活用
Microsoftは過去バージョンのリリースノートやインストーラをダウンロードセンターなどで公開している場合があります。ただしリンクが頻繁に変更されるため、アクセスした時点でリンク切れが発生している可能性もあります。
- 手順例
- Microsoft公式サイトの「Download Center」または「Docs」サイトにアクセス
- “Remote Desktop Mac older version”や“Remote Desktop 10.8.x macOS Catalina”などのキーワードで検索
- 見つかったリンク先からDMGファイルをダウンロード
- インストーラを実行してアプリをインストール
2. フォーラムやコミュニティで紹介されているリンクを探す
ユーザーコミュニティや開発者フォーラムなどでは、Microsoft Remote Desktop旧バージョンのダウンロードリンクがシェアされている場合があります。公式サポートが終了している場合でも、コミュニティによってはMirror(ミラー)サイトが紹介されているケースもあるので、アクセスして確認してみるとよいでしょう。
- 注意点
- 信頼できるソースかどうかをよく確認する
- ダウンロードしたインストーラにマルウェアが混入していないか、ウイルススキャンを行う
3. Time Machineなどのバックアップから復元する
もし過去にMicrosoft Remote Desktop 10.8.x系をインストールしていた場合、Time Machineなどのバックアップからアプリファイルを復元する方法もあります。Catalina上で問題なく動作していたバージョンをそのまま戻すことで、再ダウンロードを行わずに利用できる可能性があります。
復元手順の一例
- Time Machineを起動
- Microsoft Remote Desktopをインストールしていた日付までタイムラインを遡る
- 「アプリケーション」フォルダの中からMicrosoft Remote Desktopを選択し、「復元」をクリック
- 復元されたアプリケーションを起動し、正常に動作するか確認
リンク切れへの対策と安定した入手方法
旧バージョンのMicrosoft Remote Desktopをダウンロードしようとしても、リンク切れに遭遇することは珍しくありません。特にリリースから時間が経過している場合、Microsoft側でファイルをサーバーから削除しているケースもあります。ここでは、リンク切れを回避するための工夫を紹介します。
1. 最新情報を追う
Microsoftの公式ドキュメントやコミュニティフォーラムは定期的に更新されています。リンクが切れていたら、新しく公開されているURLがないかこまめにチェックしましょう。「Remote Desktop macOS compatibility」「Remote Desktop older version」などのキーワードで検索すると、比較的見つかりやすいです。
2. ダウンロード後はオフラインで保管
入手できたら、将来のために必ずオフラインで保管しておくことをおすすめします。再度ダウンロードしようとしても、数か月後には再びリンクが切れている可能性があります。
3. MD5やSHA-256ハッシュでファイル整合性を確認
不正改ざんやマルウェアの混入を防ぐために、ダウンロードしたインストーラのハッシュ値を公開されているものと突き合わせ、整合性を確認すると安心です。以下のようなコマンドをTerminalで実行し、一致するかどうかチェックします。
shasum -a 256 /Path/To/Microsoft_Remote_Desktop_10.8.4.dmg
もし公式情報と異なる値が返ってきた場合は、ファイルが改ざんされている可能性があるため、使用を控えましょう。
アップデートを検討する際の注意点
macOSそのものを11(Big Sur)以上にアップデートすれば、最新バージョンのMicrosoft Remote Desktopを公式に利用可能となります。しかしながら、アップデートには以下のようなリスクや検討事項があります。
1. アプリや周辺機器の互換性
Big Sur以降に対応していない古いアプリケーションやドライバを使用している場合、アップデートすることで動作しなくなる可能性があります。特に企業や業務用途で使用しているアプリが非対応の場合は、影響範囲をよく確認しましょう。
2. ハードウェア要件
macOS Big Sur以降では、対応している機種が限定的になる場合があります。古いMacではアップデートできないこともあるため、事前にAppleの公式サイトで対応状況をチェックしてください。
3. バックアップの重要性
アップデート前には必ずTime Machineなどでシステム全体をバックアップしておきましょう。万が一トラブルが発生した場合、すぐにCatalina環境に戻すことができるようにするためです。
推奨手順の例
- 重要なファイルやプロジェクトをすべてバックアップ
- macOS Big Sur以上で使用したいアプリや周辺機器の動作確認(公式対応情報のチェック)
- macOSアップデート後、必要に応じてドライバやアプリを再インストール
- Microsoft Remote Desktop最新バージョンをApp Storeからダウンロード
代替リモートデスクトップツールの活用
どうしても旧バージョンが見つからない、もしくは安定したダウンロードができない場合は、他社製のリモートデスクトップツールを一時的に利用する方法もあります。以下に代表的なサービスを紹介します。
TeamViewer
- 概要: 個人利用であれば無料版が利用可能で、簡単に相手側のPCと接続できる。
- メリット: クロスプラットフォーム対応、UIが分かりやすい。
- デメリット: 商用利用にはライセンスが必要であり、費用がかさむ場合がある。
AnyDesk
- 概要: 軽量かつ高速なリモートデスクトップツールとして注目されている。
- メリット: 画面転送の遅延が少なく、スムーズに操作できる。
- デメリット: 無料版は機能制限がある場合がある。
Chromeリモートデスクトップ
- 概要: Google Chromeの拡張機能を使い、簡単に別のPCへアクセスできる。
- メリット: インストールが容易で、Chromeさえあればプラットフォームを問わず利用可能。
- デメリット: Windows特有の機能や高度な設定には対応が限定的。
表やコードを活用した具体的インストールガイド
実際に10.8.x系のMicrosoft Remote Desktopを入手し、macOS Catalinaにインストールする際の流れを、表と簡易的なコマンド例を使って説明します。
ステップ | 詳細 | 注意点 |
---|---|---|
1. ダウンロード | Microsoft公式または信頼できるコミュニティリンクから 「Microsoft_Remote_Desktop_10.8.4.dmg」などを取得 | 必ずウイルススキャンを行う |
2. マウント | TerminalまたはFinderでDMGファイルをダブルクリック | マウントに失敗した場合はファイル破損を疑う |
3. インストール | マウントされたイメージ内のインストーラを実行 アプリケーションフォルダにドラッグ&ドロップ | Gatekeeperの設定でブロックされる場合は 「システム環境設定」→「セキュリティとプライバシー」から許可 |
4. 起動確認 | Finderの「アプリケーション」フォルダから Microsoft Remote Desktopを起動 | 初回起動時には各種アクセス権限の許可が求められる |
もしTerminal操作でDMGファイルをマウントしたい場合は、以下のようなコマンドを利用できます。
hdiutil attach ~/Downloads/Microsoft_Remote_Desktop_10.8.4.dmg
マウントが完了すると/Volumes/Microsoft Remote Desktop/
のようなパスが表示されるため、その中のアプリケーションファイルを「/Applications」フォルダにコピーする形となります。
トラブルシューティングとQ&A
最後に、よくある質問やトラブルの対処法をまとめます。
Q1. 旧バージョンでも「macOS 11以降が必要」というエラーが出ます。
A. ダウンロードしたバージョンが本当に10.8.x系かどうかを再度確認してください。ファイル名やアプリ情報内の「バージョン情報」で正しいバージョンが表示されているかをチェックしましょう。また、一部の非公式ミラーサイトから入手したインストーラはファイル名だけが10.8.xを名乗っていて、中身が異なるケースもあります。
Q2. インストールはできたが、起動時にクラッシュする。
A. いったんアンインストールし、再度インストールし直すか、アプリの環境設定ファイルを削除してみてください。
- アンインストール例
- 「アプリケーション」フォルダからMicrosoft Remote Desktopをゴミ箱へ移動
~/Library/Containers/com.microsoft.rdc.mac
や~/Library/Preferences/com.microsoft.rdc.mac.plist
など関連ファイルを削除- Macを再起動したうえで再インストール
Q3. ダウンロードリンクが見つからない。
A. 公式ダウンロードセンターか、コミュニティフォーラムの過去ログを丁寧に探す必要があります。特にリリース当時のトピックや「TechNet」などの情報源が残っていればそこを当たるとよいでしょう。また、諦めて代替ツールを導入するのも一つの選択肢です。
Q4. 別のMac(Big SurやMontereyなど)がある場合はどうしたら良いですか?
A. もしもう一台、新しめのmacOSを搭載したMacがあるなら、そちらで最新バージョンのMicrosoft Remote Desktopを利用するのが最もスムーズです。Catalinaを使い続ける必要がない用途であれば、機能やセキュリティが改善された最新バージョンを使うメリットが大きいでしょう。
まとめ:CatalinaでMicrosoft Remote Desktopを利用するために
- 10.8.x系がCatalina対応の最終バージョン: 10.9.x以降はmacOS 11以降が必須なのでインストールできません。
- 旧バージョンの入手方法を工夫: 公式ダウンロードセンターやコミュニティ、バックアップからの復元など複数の手段を検討しましょう。
- リンク切れへの対処が重要: ファイルをダウンロードできたらすぐにオフライン保管し、ハッシュチェックなどで安全性を確保してください。
- 可能ならOSアップデート: Big Sur以上にアップデートできる環境があるなら、最新バージョンを使うメリットは大きいです。
- 代替手段も視野に: どうしても旧バージョンが入手できない場合は、TeamViewerやAnyDeskなどを一時利用する方法も考えましょう。
長期的には、macOSのサポートポリシーやセキュリティ面を踏まえ、より新しいOSへ移行することが推奨されます。しかし、現状でCatalinaを使い続けざるを得ない場合には、適切な旧バージョンを確保し、安全に利用できる環境を整えることが肝要です。
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