OneDriveの動作が不安定になったり、不要なフォルダが残ってしまうと、せっかくのクラウド管理が逆にストレスになることもありますよね。そこで今回は、MacでOneDriveを完全にアンインストールし、必要最小限のフォルダだけを同期して効率よく使う方法を徹底解説します。ぜひ参考にしてみてください。
OneDriveを完全にアンインストールするメリット
OneDriveを使いこなすには、必要のないデータを同期しないことが大切です。しかし、過去の設定やフォルダが残ったままだと、アイコン表示の異常や同期エラーなど、思わぬトラブルに見舞われる場合があります。そこで、OneDriveを完全にアンインストールしてから再インストールすると、以下のようなメリットが期待できます。
メリット1:同期設定をゼロから整理できる
不必要なフォルダを同期から外すことで、ストレージの無駄遣いを防げる
同期が必要な業務フォルダや共有フォルダだけを選択して同期を最適化
過去にテスト目的や短期利用で作成したフォルダが不要になった場合も、再設定時にスッキリと整理できます。
メリット2:不具合やエラーをリセットできる
表示アイコンの異常や、同期中の停止などを一度リセットできる
OneDriveのキャッシュや設定ファイルの破損を解消してトラブルの再発を防ぐ
Officeアプリケーション全体に影響を及ぼしていた場合も、根本的に解決できる可能性があります。
アンインストール作業前の準備
OneDriveを一度アンインストールするとなると、必要なファイルや設定が失われるリスクも伴います。そこで、まずは準備段階として、以下のことを行いましょう。
バックアップを取る
OneDriveのフォルダ自体はクラウドと同期されているものの、念のため重要なデータがローカルにしか残っていないケースに備え、Time Machineや外付けHDDなどでバックアップを実施すると安心です。システム全体のバックアップを取っておけば、万が一削除しすぎてしまったときでも復元が容易になります。
OneDriveが稼働中かどうかを確認
アンインストールの前に、現在OneDriveが動いているかどうかを確認し、起動中の場合は終了させておきます。MacのメニューバーにOneDriveの雲のアイコンが表示されている場合は、アイコンをクリックして「Quit OneDrive(OneDriveを終了)」を選択しましょう。
アプローチ1:OneDriveのみ完全にアンインストールして再インストールする
ここでは、Officeアプリ(TeamsやWord、Excelなど)を残したまま、OneDriveだけをクリーンに再インストールする方法をご紹介します。Office関連アプリの設定はそのまま残したい場合に有効な手順です。
ステップ1:OneDriveのリンクを解除
- メニューバーのOneDriveアイコンをクリックし、Preferences(環境設定)へ進みます。
- Account(アカウント)タブから、Unlink this Mac(このMacのリンク解除)を選択します。
- これにより、現在のMacとOneDriveのアカウント同期が解除されます。
ステップ2:OneDriveを終了
- メニューバーの雲アイコンを右クリック(またはCtrlクリック)して、Quit OneDriveを選択します。
- 念のためアクティビティモニタ(「アプリケーション」→「ユーティリティ」→「アクティビティモニタ」)で「OneDrive」プロセスが残っていないか確認します。
- プロセスが残っていれば停止させてから先に進みましょう。
ステップ3:OneDriveのフォルダ・ファイルを削除
Finder上でホームフォルダ内にある「OneDrive」フォルダを見つけてゴミ箱に入れます。加えて、ライブラリ内などに残っているOneDrive関連ファイルを削除しましょう。以下のような場所に関連ファイルが残っている可能性があります。
場所 | ファイル・フォルダ名の例 |
---|---|
~/Library/Application Support | OneDrive、com.microsoft.OneDrive、com.microsoft.OneDriveUpdater など |
~/Library/Preferences | com.microsoft.OneDrive.plist など |
~/Library/Containers | com.microsoft.OneDrive、com.microsoft.OneDrive.FinderSync など |
検索ツールとして、EasyFindやmacOS標準の「Spotlight」検索を活用するとよいでしょう。「OneDrive」「com.microsoft」などのキーワードで探すと、一連の関連ファイルを見つけやすくなります。
端末を使った安全な削除例
もしターミナル操作に慣れている場合は、以下のように慎重に削除を行うこともできます(あくまでも例なので、使用は自己責任でお願いします)。
# OneDriveが動作していないことを確認してから行う
cd ~/Library/Application\ Support
rm -rf OneDrive
rm -rf com.microsoft.OneDrive
rm -rf com.microsoft.OneDriveUpdater
cd ~/Library/Preferences
rm -rf com.microsoft.OneDrive.plist
cd ~/Library/Containers
rm -rf com.microsoft.OneDrive
rm -rf com.microsoft.OneDrive.FinderSync
ステップ4:OneDriveを再インストール
- OneDrive公式サイト(OneDrive ダウンロードページなど)から最新版のOneDriveをダウンロードします。
- インストールを実行し、指示に従ってログインします。教育アカウント(Microsoft 365 Education)や個人アカウントなど、必要なアカウントを使いましょう。
- 同期を開始する際に必要なフォルダだけを選んで同期を有効にします。不要なフォルダはチェックを外しておくと、後々のトラブル防止になります。
この手順を終えると、OneDriveのみをクリーンインストールした状態となります。アイコン表示や同期状態がリセットされるため、不要フォルダの同期解除や設定の整理がしやすくなります。
アプローチ2:Officeアプリ(TeamsやWord、Excelなど)も含めてアンインストール
OneDriveに関連してOffice製品全体の設定に不具合を感じている場合や、よりクリーンな環境を構築したい場合は、Microsoft関連のファイルも含めて一度すべて削除し、再インストールする方法があります。少々手間はかかりますが、これで過去の設定が完全にリセットされます。
ステップ1:OfficeアプリやTeamsのアンインストール
- Finderの「アプリケーション」フォルダを開き、Word、Excel、PowerPoint、Teams、OneDriveなど、Microsoft関連アプリをすべてゴミ箱にドラッグ&ドロップします。
- 必要がなければ、Outlookなどのメールアプリも同様に削除可能です。
- 削除が終わったら、ゴミ箱を空にして完全に削除してください。
ステップ2:Microsoft関連ファイルの削除
Officeアプリを削除しても、ライブラリには多数の設定ファイルが残っている可能性があります。公式ドキュメントとして、下記のページも参考になります。
Troubleshoot Office for Mac issues by completely uninstalling before you reinstall
具体的には以下のフォルダ・ファイルを探して削除します。
場所 | ファイル・フォルダ名の例 |
---|---|
~/Library/Preferences/ | com.microsoft.Word.plist、com.microsoft.Excel.plist、com.microsoft.Powerpoint.plist、com.microsoft.outlook.plist など |
~/Library/Application Support/ | Microsoft、OneDrive、Teams など |
~/Library/Containers/ | com.microsoft.Word、com.microsoft.Excel、com.microsoft.Powerpoint、com.microsoft.Outlook など |
/Library/Fonts/ | Microsoft関連のフォント(必要に応じて) |
ここでも、「OneDrive」や「com.microsoft」などのキーワードで検索すると効率的です。
ステップ3:Office 365 (Microsoft 365) の再インストール
- Microsoft 365 Educationの場合は、ポータルサイト(Office.com)にサインインし、Officeアプリをダウンロードします。個人向けOffice 365の場合も同様にダウンロード可能です。
- インストール後、Word、Excel、PowerPoint、Teams、OneDriveなどを起動してアカウント認証を行います。
- OneDriveを初回起動するときに同期するフォルダを選択し、不必要なフォルダを外しておきましょう。
この手順により、OfficeおよびOneDriveがまっさらな状態から復元されるため、過去のトラブルが解決しやすくなります。ただし、Officeアプリのライセンス認証やTeamsのチャット履歴など、再設定に少々時間がかかる点は留意してください。
再インストール後のチェックポイント
OneDriveやOfficeを再インストールした後、以下の点を確認すると、スムーズに作業に復帰できます。
同期の状況を確認
- メニューバーのOneDriveアイコンが正常に表示されているか?
- 同期完了のチェックマークアイコンは正しく表示されるか?
- Teams内で共有ファイルを開く際、問題なく同期が取れているか?
バックアップデータの復元
- もし一部ファイルが見つからない場合は、Time Machineや外部ドライブのバックアップから復元できるか確認
- フォルダ構成やファイルバージョンが期待通りになっているか再度点検
不要フォルダの同期オフ
- 再インストール後こそ、整理のチャンス。不要なフォルダが無いかを再チェック
- 将来的に使わないデータは同期対象から除外しておく
よくある質問(FAQ)
Q1:OneDriveだけを削除してもOfficeアプリには影響ありませんか?
A:基本的には大きな影響はありません。WordやExcel、PowerPointはそれぞれ独立したアプリとして動作するため、OneDriveをアンインストールしてもローカル環境でドキュメントを開いたり編集したりすることは可能です。ただし、「OneDrive上のファイルをOfficeアプリで直接開いていた」という利用形態の場合は、ファイルが一時的に開けなくなるため、事前にローカルへコピーしておくと安心です。
Q2:Officeアプリ込みでアンインストールすると時間がかかりそうですが、本当にやったほうがいいですか?
A:時間がかかるのは確かですが、過去の環境設定やキャッシュに起因するエラーがなかなか取れない場合は、一度すべてをリセットすることで劇的に問題が解消するケースもあります。Microsoft関連ファイルを一気に削除することで、「どこに問題が潜んでいるか分からない」という状態を回避できます。
Q3:アンインストール時に削除してはいけないフォルダはありますか?
A:基本的には「Library/Application Support」や「Library/Preferences」などのMicrosoft関連フォルダは削除しても問題ないことが多いですが、誤ってmacOSシステムファイルを削除しないよう注意が必要です。「com.apple」などApple固有の設定ファイルは消さないよう細心の注意を払いましょう。気になる場合は、Time Machineでバックアップをとっておけば復元が可能です。
トラブルシューティングのコツ
OneDrive関連で問題が再発した場合や、アンインストール手順で何らかのエラーが起こった場合は、以下のポイントを確認してみてください。
ヒント1:アクセス権の修復
アンインストールやフォルダ削除後に「権限がない」「ファイルが読み取り専用になった」などのエラーが出る場合は、ディスクユーティリティやターミナルコマンドを使ってアクセス権の修復を試してみましょう。権限にまつわるトラブルは、macOSにおいてしばしば起こりがちです。
ヒント2:システム再起動の実行
OneDriveやOfficeアプリを削除した後すぐに再インストールを行うと、不要なキャッシュが残り続けている場合があります。一度Macを再起動した上で再インストールすると、よりスムーズにクリーンな環境を構築しやすいです。
ヒント3:公式サポートへの問い合わせ
どうしても解決しない問題がある場合、Microsoftのサポートに問い合わせるのも手です。クリーンインストールの履歴や、ログファイル、エラーメッセージなどを伝えられるようにしておくと、サポート担当者から的確なアドバイスをもらえるでしょう。
まとめ
MacでのOneDrive利用時に不要なフォルダが同期され続けたり、アイコン表示がバグってしまうのは大きなストレスです。そこで、OneDriveだけをクリーンに再インストールする方法と、Office全体を削除してからまとめて再インストールする方法の2つを紹介しました。特に後者は時間と手間がかかるものの、問題の根本的な解決に有効な場合もあります。
削除の前には必ずバックアップを取り、消してはいけないファイルを誤って削除しないよう慎重に進めることが大切です。再インストール後は、同期対象フォルダを厳選してトラブルの発生源を減らすことをおすすめします。ぜひ本記事の手順を活用して、快適なOneDrive生活を取り戻してくださいね。
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