Outlookを日常的に使っていると、メールに集中しながら予定も素早く確認したいと感じる場面は少なくありません。そんなときに便利なのが、カレンダーを別ウィンドウで開く方法です。複数ウィンドウを活用すれば、生産性と操作性を一気に向上できるでしょう。
Outlookでカレンダーを別ウィンドウ表示するメリット
Outlookはビジネスユースだけでなく個人ユースでも役立つ高機能なメール・予定管理ツールです。しかし、通常は1つのウィンドウ内で「メール」「カレンダー」「連絡先」などを切り替える構造となっています。そのため、メールを見ながらカレンダーの予定を同時に確認するには、切り替え操作が必要で、意外と煩わしいと感じる方も多いのではないでしょうか。
カレンダーを別ウィンドウで開いておけば、メール画面から視線を移さずにスケジュールをチェックできるため、複数のタスクを並行して行う際に効率がアップします。たとえばミーティングの打ち合わせメールを見ながら、その内容を踏まえて日時や場所をすぐにカレンダーへ書き込むことができるのです。このように、情報を同時に見られる環境を整えておくことは、スピード感や作業の正確性を高める上でも非常に有用といえます。
Outlookデスクトップ版でカレンダーを新しいウィンドウで開く手順
Outlookデスクトップ版(Microsoft 365アプリ版やOffice 2019、Office 2016など)では、カレンダーを簡単に別ウィンドウで立ち上げられます。以下の操作を覚えておくとスムーズに作業が行えます。
右クリックメニューを利用する方法
- Outlookを通常通り起動し、まずメール画面を表示します。
- 画面左側または左下に表示されているナビゲーションバー上で「カレンダー」アイコンを見つけます。
- 「カレンダー」アイコンを右クリックし、「新しいウィンドウで開く」を選択します。
- 新しいウィンドウでカレンダーが開き、メールウィンドウとカレンダーウィンドウを同時に操作できます。
もし右クリックが機能しない場合や、マウスに不具合がある場合は、[Shift + F10]キーを押すことで右クリックメニューを開けることがあります。バージョンによってはメニューが多少異なる表記になっていることもありますが、基本的には同様の手順でカレンダーを独立させて表示できます。
ショートカットキーやコマンド操作を活用する方法
Outlookには画面切り替えを支援するショートカットキーがいくつか存在します。以下に代表的なものをまとめます。
キー | 機能 |
---|---|
Ctrl + 1 | メール画面に切り替え |
Ctrl + 2 | カレンダー画面に切り替え |
Shift + F10 | 右クリックメニューを開く |
ただし、これらのショートカットキーで切り替えるだけでは、既存ウィンドウ内での表示が変わるだけで、別ウィンドウでは開きません。別ウィンドウを利用したい場合は、やはり「右クリック → 新しいウィンドウで開く」を使うのが最もシンプルです。
Outlookをコマンドラインで起動して特定のフォルダ(例:カレンダー)を表示する方法も存在します。例えば、Windowsの「ファイル名を指定して実行」やコマンドプロンプト、PowerShellで以下のように入力するとカレンダーが直接起動する場合があります。
outlook.exe /select outlook:calendar
ただし、メール画面とカレンダー画面が別々に同時起動されるわけではなく、あくまでも起動と同時にカレンダーを表示するだけである点は留意してください。
Outlook起動時に自動でカレンダーを開く方法
毎回Outlookを立ち上げるたびに「新しいウィンドウで開く」操作をするのが手間だと感じる方もいるかもしれません。残念ながら、Outlook側で公式に「起動時に複数ウィンドウを自動で開く」設定は提供されていません。しかし、以下の方法で比較的簡単に同じ結果を再現できるケースがあります。
- メールウィンドウとカレンダーウィンドウを開く
まず、通常通りOutlookを起動し、メール画面を表示します。その後、カレンダーアイコンを右クリックで別ウィンドウを開いてください。 - Outlookをそのまま終了する
2つのウィンドウ(メール用、カレンダー用)を開いた状態で、Outlookを終了します。ウィンドウをすべて閉じた後に、Windowsをシャットダウンしてもかまいません。 - 次回起動時に再現される可能性
次にOutlookを立ち上げると、前回開いていた複数ウィンドウが自動的に復元される場合があります。これはOutlookが「最後のウィンドウ構成」を記憶しており、同じ画面レイアウトを再現しようとする動作によるものです。
ただし、バージョンや設定によってはこの挙動がうまく機能しなかったり、Windows再起動後はリセットされてしまう場合もあります。確実に毎回再現したいのであれば、起動後に右クリックからの操作を行うのが堅実な手段となるでしょう。
タスクバーアイコンが一つにまとまる問題
複数ウィンドウを立ち上げても、WindowsのタスクバーにOutlookのアイコンが1つしか表示されず、ウィンドウの切り替えがやや煩雑になることがあります。これはWindowsやOutlookの新しいUI/UXの仕様によるもので、同じアプリケーションはタスクバー上でまとめて表示されるのが既定設定になっているためです。
Windowsのタスクバー設定を調整する
Windows 10やWindows 11には、タスクバーの「結合」設定を変更するオプションが用意されています。
- デスクトップで右クリックして「個人用設定」を開く
- 「タスクバー」設定で「タスクバーのボタンを結合する」項目を探す
- 「結合しない」または「タスクバーがいっぱいのときだけ結合」などを選択
ただし、最新のWindows 11などではこのオプションが制限されている場合もあり、完全にバラバラのアイコンに戻せないケースもあります。これは今後のWindowsアップデートで再度実装される可能性もありますが、現時点では特定のレジストリ編集などの方法を用いない限り、Outlookウィンドウを完全に分離してタスクバーに並べるのは難しいことがあります。
ウィンドウ切り替えの実用的な方法
もしタスクバーでのアイコン結合を回避できない場合でも、次の方法で素早くウィンドウを切り替えることが可能です。
- Alt + Tab: キーボード操作でウィンドウのサムネイルを表示し、簡単に切り替えられます。
- Ctrl + Tab: 1つのアプリ内でタブ状に表示されている場合の切り替えですが、複数ウィンドウには対応していないため、場合に応じてAlt + Tabのほうが有用です。
- Windows + Tab: タスクビューを呼び出し、全画面を一覧できます。デスクトップを複数作成して用途別にOutlookウィンドウを配置するのも手です。
モバイル版Outlookでカレンダーを同時表示するには
スマートフォンやタブレット向けのOutlookアプリでは、基本的に1つのアプリ内でメールとカレンダーを切り替えるデザインとなっています。そのため、デスクトップ版のように「別ウィンドウで同時に表示する」という機能は現状備わっていません。
とはいえ、タブレットやフォルダブル端末(例:Galaxy Z Foldなど)のマルチウィンドウ機能を活用すれば、Outlookアプリを横半分、もう半分を標準のカレンダーアプリなどで表示することは可能です。Outlookアカウントを標準カレンダーアプリに同期しておけば、Outlookのメールを参照しつつ、端末のカレンダーアプリで予定管理ができるようになります。
今後、モバイル版Outlook自体が分割ビューに公式対応するアップデートが行われる可能性もありますが、執筆時点ではまだ実装されていない機能です。頻繁にメールとスケジュールを同時確認したい方は、デバイスが備えるマルチタスク機能との組み合わせを検討すると良いでしょう。
バージョン差異と注意点
Outlookは長い歴史を持つアプリケーションのため、バージョンによる画面デザインや設定項目の違いが少なくありません。Microsoft 365アプリとして提供される最新のOutlookではインターフェースの刷新が進んでおり、従来のリボンメニューやフォルダペインのデザインと異なる点もあります。次の点に留意してください。
- メニュー名称やアイコンの位置が変わる可能性
旧UIと新UIでは、ナビゲーションバーの配置やアイコンのデザインが変わりやすいです。特に左下にあったアイコンが左側に縦並びで表示されるなど、細かな変更が行われています。 - 動作の安定性
新UIは頻繁にアップデートが入り、未完成の機能が実装・改善される可能性があります。カレンダーの独立ウィンドウ表示も、バージョンによって細かい挙動が異なることを覚えておきましょう。 - 古いバージョンの操作との混同に注意
Outlook 2010や2013などの古いバージョンを使用している場合、インターフェースやショートカットキーの挙動が現在のバージョンと違うため、解説している手順どおりにならない可能性があります。
表やコードを活用した理解・運用のコツ
効率的にOutlookの操作を覚えるには、操作手順を表形式やコード例でまとめておくと便利です。特に初心者の方やチーム内で共有するときに役立ちます。たとえば、以下のようなドキュメントを作成しておくと誰でもすぐに確認できます。
タスク | 手順 | 備考 |
---|---|---|
カレンダーを別ウィンドウで開く | ナビゲーションバーのカレンダーを右クリック → 新しいウィンドウで開く | マウスが使えない場合は Shift + F10 |
ウィンドウ構成を記憶させる | 別ウィンドウを開いたままOutlookを終了 → 再起動 | バージョンによっては動作しないことも |
タスクバーアイコンを分離する | Windowsの設定 → タスクバー → ボタンを結合しない | 最新OSでは無効化されている場合あり |
また、コマンドラインからOutlookを起動する際の例として、前述のように以下のコードをメモしておくと「カレンダー画面からスタートしたい」ときに手軽です。
outlook.exe /select outlook:calendar
ただし、これだけで別ウィンドウが自動的にメールも開くわけではないため、最終的には手動操作やウィンドウ再構成が必要となる点に注意しましょう。
まとめ
Outlookのカレンダーを別ウィンドウで開いておけば、メールとスケジュールを同時に確認できるため、作業効率と視認性が大幅に向上します。特に、会議調整やタスク管理を頻繁に行う方にとっては欠かせないテクニックといえるでしょう。起動時にウィンドウ構成が自動復元される場合もありますが、バージョンや設定によって動作が異なるため、常に再現されるわけではありません。もしうまくいかない場合は、起動するたびにカレンダーを右クリックで新しいウィンドウを開く方法が最も確実です。
タスクバー上でアイコンがまとまってしまう問題は、Windowsの結合設定を見直すか、キーボードショートカット(Alt + Tabなど)を活用して切り替えるのがおすすめです。モバイル版については、アプリの仕様上、現時点ではデスクトップ版のような別ウィンドウ表示はできないものの、端末のマルチタスク機能や標準カレンダーアプリとの連携など、代替策はいくつか存在します。
バージョンや端末によって細部の操作が異なる場合もありますので、まずは今回紹介した方法をベースに、より使いやすいスタイルを探してみてください。日々の作業効率アップに大いに貢献してくれるはずです。
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