Outlookをブラウザで利用していると、従来のデスクトップ版とは少し勝手が違い、思いのほか設定箇所が見つからないことが少なくありません。その中でも、受信トレイのメール一覧に「今日」や「昨日」といった日付別のグループ見出しが自動的に表示され、これを無効にしたいのに方法が分からないという方は多いのではないでしょうか。この記事では、最新のOutlook(Web版)で日付別のグループ表示を消す具体的な手順や、関連するカスタマイズ方法を徹底的に紹介していきます。
ブラウザ版Outlookでの日付グループ表示を無効にする意義
日付別のグループ表示は、受信したメールの一覧を「今日」「昨日」「先週」といった区切りごとにまとめて表示してくれる機能です。一見、メールを整理して表示するために役立ちそうですが、人によってはかえって煩わしく感じる場合もあります。特にビジネスユースでは、短時間のうちに大量のメールをチェックし、素早くソートや検索を行いたい場面が多いため、「今日」「昨日」というラベルよりも、シンプルに受信日時順や差出人順、あるいは件名順などでサッと一覧できる方が作業効率が上がることがあります。
このように日付グループ表示を無効にすることで、従来のデスクトップ版Outlookのようにメール一覧がフラットに表示され、メールの管理や検索がよりスムーズになるメリットがあります。
従来のデスクトップ版Outlookとの違い
デスクトップ版Outlookでは、「表示」タブから「並べ替え」もしくは「ビューの設定」へ進み、「グループ化の設定」などをオフにするだけで日付によるグループ表示を簡単に外せました。しかしブラウザ版のOutlookでは、ユーザーインターフェイス(UI)が異なることに加え、メニューの名称や配置がデスクトップ版とは大きく変わっています。そのため、慣れ親しんだ操作手順では同じ設定項目にたどり着けず、どこをクリックすればいいのか分からなくなってしまうのです。
最新のOutlook(Web版)での変更点
Microsoftは定期的にOutlook Web版のUIデザインを刷新しています。ユーザーのフィードバックを取り入れて新機能を追加したり、逆に利用頻度が低い機能の配置を変えたりするケースもあります。こういったバージョン更新のサイクルにより、設定画面の場所が変わり、「あれ、前はここにあったのに」という経験をしたことがある方も多いでしょう。今回の「日付グループ表示を消す」設定項目も例外ではなく、移動や名称変更が頻繁に行われるため、最新のUIを追いかける必要があります。
日付グループ表示を無効にするための具体的手順
ここからは、最新のOutlook(Web版)で日付別のグループ表示をオフにする設定手順を詳しく解説します。実際の画面では日本語表示と英語表示で若干の名称差はありますが、基本的な流れは同じです。
1. ブラウザ版Outlookの「表示」から「表示設定」へ進む
まず、ChromeやMicrosoft Edge、Firefoxなどお好みのブラウザでOutlookにアクセスし、メールの受信トレイ画面を開きます。次のステップは以下の通りです。
- 画面上部のメニューバーを確認し、「表示(View)」というタブを探します。
- 「表示」をクリックするとドロップダウンメニューが表示されるので、その中にある「表示設定(View Settings)」を選択します。
画面が狭い場合の対処法
ブラウザの表示が狭いと、文字での表示ではなくアイコンとしてまとめられていることもあります。その場合は、アイコンのツールチップを確認したり、画面をフルスクリーンにしてメニューを拡張したりして、「表示(View)」がどこにあるのか探してみましょう。
2. 日付別のグループ表示に関する設定を探す
「表示設定(View Settings)」の画面に切り替わると、さまざまなカスタマイズ項目がリストアップされているはずです。スクロールしながら以下のような項目を探します。
- 日付見出し(Date Headers)
- グループ化の設定(Grouping Settings)
- メッセージ一覧の外観(Message List Settings)
これらはOutlookのバージョンや言語設定によって名称が異なる場合がありますが、大筋で「Date Headers」や「Group by Date」といった言葉がキーワードとなります。
設定画面内での文言例
以下に、Web版Outlookが英語表示の場合の設定項目の一例を示します。日本語表示の場合も大体対応する項目名があるはずです。
英語表示 | 日本語表示の目安 |
---|---|
Don’t show date headers | 日付見出しを表示しない |
Show date headers | 日付見出しを表示する |
Group messages by date | メッセージを日付でグループ化する |
Ungroup by date | 日付グループ化を解除する |
上記のような名称やオプションが表示されているかを確認しましょう。
3. 「メール一覧で日付見出しを表示しない」オプションを選択
設定画面で「日付見出し(Date Headers)」に関するセクションを見つけたら、「メール一覧で日付見出しを表示しない」もしくは「Don’t show date headers in message list」などの文言を選択します。場合によっては「Group by Date」をオフにする、あるいは「Ungroup by Date」を選択するという表記になっているかもしれません。
この段階で、日付別のグループ表示を明示的に無効化する設定にチェックを入れて保存することが大切です。
その他の関連オプション
日付によるグループ表示の有無以外にも、以下のような関連オプションがある場合があります。必要に応じてカスタマイズしてみましょう。
- 差出人や件名でグループ化するかどうか
- 重要度やフラグをもとにメールを並べ替えるかどうか
- メールごとのプレビュー(プレビューパネル)の表示位置
これらを自分の運用スタイルに合わせて調整すると、さらに使いやすい受信トレイになります。
4. 保存を忘れずに行う
最後に、「保存(Save)」ボタンをクリックして設定を反映させるのをお忘れなく。変更しただけで画面を閉じてしまうと、せっかくの設定が反映されないこともあります。OutlookのWeb版では、設定変更画面の右上や下部に「Save」や「更新」ボタンがある場合が多いので、しっかりとボタンを押して、受信トレイ画面に戻りましょう。
設定が反映されない場合の対処法
- 一度ブラウザをリロードして再度受信トレイを確認する
- キャッシュやCookieの影響が残っている可能性があるので、シークレットウィンドウや別のブラウザで試してみる
- 企業アカウントや組織アカウントを使用している場合、管理者が特定の設定を固定化している可能性がある
こうしたケースではIT部門や管理者に相談してみると良いでしょう。
デスクトップ版Outlookとの比較表
日付グループ表示をオフにするだけなら上記の手順で十分ですが、デスクトップ版とWeb版でどう違うのか、さまざまな観点で比較してみましょう。以下の表は、一般的なMicrosoft 365(旧称Office 365)のユーザー環境を想定しています。
項目 | デスクトップ版Outlook | ブラウザ版Outlook(最新UI) |
---|---|---|
主要な設定箇所 | 「表示」→「並べ替え」または「ビュー設定」 | 「表示」→「表示設定」 |
日付グループ表示のオフ方法 | グループ化の設定をオフにする | 「日付見出しを表示しない」を選択 |
メニューのレイアウト | リボンUIを採用 | シンプルなドロップダウンとアイコン表示が中心 |
バージョンアップ頻度 | 大規模アップデートは主にOffice全体で行われる | Outlook単体でもUIが頻繁に更新されることがある |
利用時の利便性 | ネイティブアプリとして高速で動作 | ブラウザからアクセスでき手軽 |
追加機能の拡張性 | VBAやアドインなどで高度なカスタマイズ可能 | アドインの追加や設定は限定的 |
このように、Web版にはWeb版なりのメリットと制約があります。例えば、デスクトップ版ほど詳細なカスタマイズはできない一方、ブラウザさえあればどの端末からでもアクセスできる利便性が魅力です。
応用設定とトラブルシューティング
日付グループ表示を無効化した後でも、場合によっては別の設定が原因でメール一覧の見え方に戸惑うことがあります。例えば、スレッド表示(Conversation view)がオンになっていると、送受信が同じトピックにまとまってグループ表示される可能性があります。ここでは、応用的な設定やトラブルシューティングのポイントをいくつかご紹介します。
スレッド表示(Conversation view)のオン・オフ
Outlook(Web版)では、日付ではなく「会話(スレッド)」単位でメールをまとめて表示する機能があります。これが有効になっていると、メールの並びが件名や送信者順とは異なる独自のルールでグループ化されるため、目的のメールが見つけにくいと感じることもあります。スレッド表示をオフにしたい場合は、以下の手順を参考にしてください。
- 受信トレイ画面の上部にある「設定(Settings)」アイコン(歯車マーク)をクリック
- 検索ボックスに「Conversation」と入力してみる(日本語の場合は「会話」など)
- 「会話の設定」や「スレッド表示」などの項目をオフにする
スレッド表示のメリット・デメリット
- メリット: 1つのトピックに関連するメールを連続して確認でき、会話の流れを追いやすい
- デメリット: 過去のメールがまとめられるため、新着メールが画面下に埋もれてしまう場合がある
フォルダーやフィルター機能の活用
グループ表示をオフにしたら、フォルダーやラベルを活用して自分流にメールを仕分けるとさらに管理が楽になります。デスクトップ版Outlook同様、Web版でもフィルター設定によって送信元や件名のキーワードに基づいて自動振り分けが可能です。たとえば、プロジェクトごとにフォルダーを作成したり、特定のクライアントからのメールに優先タグを付与したりできます。
簡易コードサンプル: Outlookルール(フィルター)の一例
以下は疑似的な例として、特定の件名を含むメールを自動的に「プロジェクトX」フォルダーに振り分ける場合のイメージです。実際のOutlook(Web版)の画面では、GUI操作でこれらを設定します。
IF mail.subject contains "プロジェクトX"
THEN move mail to "プロジェクトX" folder
このように条件式を登録すれば、自分が見たいメールを探しやすい状態を保つことができます。
企業や組織内での利用時の注意点
企業や組織内でOutlookを利用している場合、管理者が全ユーザーの設定を一定のポリシーで統一しているケースがあります。たとえば、「日付グループ表示は強制的にオン」になっている環境もあり得るため、個別に設定を変更できない場合があります。その際は、IT管理者やシステム管理部門に相談し、自分の環境で設定変更が許可されているかどうかを確認してみましょう。
管理者ポリシーの一例
- 全社共通テンプレートや分類ラベルの一括管理
- フォルダー構成を固定化して運用
- 重要度によるメール振り分けを強制設定
このようなポリシーがある場合、通常のユーザーでは変更が難しい項目が出てくるかもしれません。そういう場合は、上長や管理者に相談し、日付グループ表示が業務効率を下げる可能性がある旨を伝えると、変更してもらえるケースもあります。
まとめ: 日付グループ表示を外して、自分好みのOutlookを手に入れよう
OutlookのWeb版における日付グループ表示は、最初こそ目印として分かりやすいかもしれませんが、慣れてくると「とにかくメール一覧をシンプルに見たい」という方には不要な機能にもなり得ます。上記の設定手順を踏むことで、「今日」「昨日」「先週」といったラベルを消し、従来のデスクトップ版Outlookのようにメール一覧をフラットに表示できます。
さらに、スレッド表示やフィルター機能などを組み合わせれば、自分のワークスタイルにぴったり合った受信トレイをカスタマイズすることが可能です。日々のメール処理に時間を取られがちな方は、こうした細かい設定を活用するだけで大幅に効率がアップするでしょう。「メールを読む」という時間を少しでも削減して、本来の業務に集中できるように工夫してみてください。
今後のOutlookアップデートにも注意しよう
MicrosoftはOutlookを含むMicrosoft 365全般のUIや機能を定期的に更新しています。2020年代以降はとくにクラウドサービスとしてのOffice系アプリが重視されており、Web版Outlookの更新頻度は高めです。そのため、現時点で紹介した手順やメニュー表示が、数か月後にはまた変更されている可能性もあります。
もし設定メニューの位置や名称が変わってしまった場合は、公式のMicrosoftサポートページをチェックしたり、画面右上の「ヘルプ」メニューからキーワード検索したりして最新情報を入手しましょう。常に最新バージョンを使うメリットとしてはセキュリティ面の向上や新機能追加が挙げられますが、どうしてもUI変更に伴う慣れ直しが必要になる点は念頭に置いておくとよいです。
トラブル時の問い合わせ先
- Microsoft公式サポートサイト: サポートページ
- 企業内ヘルプデスク・ITサポート部門
- 専門業者やITコンサルティング
必要に応じてこれらのリソースを活用し、効率的に問題解決を進めてください。
実践する価値は大いにある
「日付グループ表示」を外すだけで、Outlookの見え方や操作性が大きく変わることは意外と多くの方が見落としがちです。メール一覧が日付で区切られなくなると、パッと一目で全メールの流れを把握でき、意外なメールの見落としを防ぐことにも繋がるでしょう。また、スレッド表示のオンオフやフィルター機能など他の機能と組み合わせることで、さらに快適にメール処理が行える環境を作れます。
企業の中では、どうしてもメール対応に日々の業務時間が奪われがちです。こういった細やかな設定を見直すだけで、時短を実現できる可能性がありますし、ミスコミュニケーションのリスクを減らせるかもしれません。ぜひ今回の内容を参考に、OutlookのWeb版を使いこなしてみてください。
最後に
OutlookのWeb版は、デスクトップ版とは異なるインターフェイスやメニュー構成を採用しているため、最初は戸惑うこともあるかもしれません。しかし慣れてしまえば、どのデバイスからでもブラウザ経由でサッとメールを確認できる手軽さは大きな魅力です。日付グループ表示を無効にして一覧性を高めたメールボックスを手に入れれば、あなたのメール管理は一段と効率的になることでしょう。
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